マッドでヤベーイやつにしか変身できないんだが   作:ジューク

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どうも皆さん、ジュークです。
時間…レポート…うっ頭が…
ということやコナンの映画見たりがあったりで遅れました。こうなったのは私の責任だ。だが私は謝らない。
というわけで、どうぞ!


スレNo.45『因・縁・決・着』

 

 

 

 声どころか言葉にすらならない叫びが上がる。果たしてそれはエヒトルジュエが上げた悲鳴か、それともユエが上げた裂帛の気合かは、頼斗、嶺平、ハジメの三人にはわからなかった。

 

 

 直後、先程まで白金などよりずっと鮮やかで温かい黄金の光がハジメを包み込むように照らし、どうしようもないほど切なくさせる。それはハジメにとって、紛れもなく最愛の光だ。そんな光の奔流の中、ユエの体から影のようなものが吹き飛ぶように離れていく。

 

 

 直後、目覚めるようにスっと開かれた瞳。鮮烈な紅玉のようなその瞳は真っ直ぐに最愛の人……ハジメを捉える。

 

 

 血濡れであるが、ユエの本来の美しさから出るその雰囲気はまるで…

 

 

「…なんだか、天界から降りてきたみたいだな」

 

「父さん。ここ一応天界の類いじゃない?」

 

「…ハハッ。たしかに」

 

 

 二人がそう言っている間に、ユエは両手を広げてゆらりとハジメの胸に飛び込んだ。そのまま二人はしっかりと抱擁し合う。

 

 

「迎えに来たぞ、俺の吸血姫」

 

「…ん、信じてた。私の魔王様」

 

 

 その様子を仮面越しに見ていた二人はそっと二人から目を剃らし…睦み合う二人を再び引き裂こうというかのように凄絶な殺気と共に襲いかかってきた莫大な光の奔流を、キバの紋章のようなバリアを出して防いだ。ユエもとっさにバリアを展開したが、頼斗たちのバリアのおかげで二人どころか、ユエが張った障壁にすら届かなかった。

 

 

「…必要なかった」

 

「…ったく。空気ぐらい…いや、読めないか」

 

 

 頼斗たちが張ったバリアの向こう側、光の砲撃の起点。そこには、光そのもので出来た人型が浮遊していた。その浮遊する光の人型の頭部と思しき場所、その口元が憤怒をあらわしているように歪み、怨嗟と苛立ちの叫びが聞こえてくる。

 

 

『殺す!殺す!!殺すっ!!!殺してやるぞッ、イレギュラー共ッッ!!!ここは【神域】!!!魂魄だけの身となれど、疲弊した貴様等を圧倒するくらいわけのないことだ!!吸血姫の眼前でイレギュラー共を消し飛ばし、今一度、その肉体を奪ってやろう!さぁ、無駄な抵抗は止め、懺悔するがいい。肉体がなかろうと、キサマらの消耗も大きいだろう!もはや、何をしようとも意味はない!!!』

 

 

 光…エヒトルジュエの叫びが木霊し、場に静寂が訪れる。そして………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………プッ」

 

「…くくっ」

 

「「「アッハハハハハ!!」」」

 

 

 頼斗、嶺平、ハジメの三人は、ついに堪えられずに笑い始めた。ユエも口を手で押さえながら笑い始める。

 

 

『な、何がおかしい!!?』

 

「あ~、笑った笑った。おかしすぎだろ」

 

「ハハハ…まったくだ。意味はない?その言葉、そのまま返してやるぞ、エヒト」

 

 

 そう言いながら、ハジメとユエを背に二人はエヒトルジュエに向かって構えを取った。

 

 

「俺は、自分の心の中の憧れの人(仮面ライダー)たちの声を糧に戦ってきたんだ。今までも…そして、これからも、大切なものを守るために!!」

 

「お前はやりすぎたんだ…………もうこれ以上、俺の教え子たちに手出しはさせない!!」

 

「「ふっ!!」」

 

『ぐあアぁぁアああァぁぁ!!!??』

 

 

 そう叫んだ二人は手を交差させ、力を溜める。すると足元に金色のオーラで包まれた暗い緑色のキバの紋章が浮かび上がり、二人がエヒトルジュエに向けた手に呼応してエヒトルジュエの背中に移動した。そして紅いスパークと共にエヒトルジュエを拘束する。

 

 

 そして二人が手を引くと、まるで念力で身体の自由を奪われているような無防備な体勢でエヒトルジュエが頼斗たちに引き寄せられる。

 

 

「「ふっ!!」」

 

『ごぁっ!?』

 

「「はっ!!」」

 

『ぐふっ!!?』

 

「「はぁっ!!!」」

 

『ぬああぁぁぁ!!??』

 

 

 そのまま二人はエヒトルジュエに同時にパンチを繰り出し、エヒトルジュエを紋章の方へ吹き飛ばし、再び拘束。更にもう一度引き寄せて今度はキック。再び紋章へ吹き飛ばして拘束し、また引き寄せ、今度は攻撃せずにハジメとユエの向かい側へと投げ飛ばした。

 

 

「「づァッ!!」」

 

『ぐぁぁっ!?』

 

「「だぁッ!!!」」

 

『ごぉっ!!?』

 

 

 エヒトルジュエの体勢が整う前に頼斗と嶺平はすかさず同時にチョップ、パンチと息つく間もない息が合った連撃を繰り出す。

 

 

『ぐぅ…舐めるなァ!!!』

 

「「ッ!!」」

 

 

 エヒトルジュエは苦し紛れに光弾を放つが、頼斗と嶺平は互いに反対の方向へ転倒して避ける。

 

 

「きッ!ふっ!はぁっ!!」

 

『ぐがぁっ!!?ぐうぅぅうぅ!!』

 

 

すぐに嶺平は、二つのパーツが合わさった剣…ファンガイアスレイヤーを蛇腹剣モードにして鞭のように振るい、鋭い先端でエヒトルジュエを貫く。そのまま嶺平は空中に出現させた紋章を通り抜け、エヒトルジュエを空中に拘束した。

 

 

決めるぞ!力を合わせろ!!

 

「むん!!…今だ頼斗!!!」

 

「うん!!」

 

ウェイクアップ・フィーバー!!

 

「さっきの借りだ!受け取れ!!」

 

 

 嶺平が頼斗の名を呼ぶと、頼斗はタツロットを操作し、辺りを紅い霧のような魔皇力で一瞬包むと、神域よりも高い所で輝く月と重なるように跳び上がる。ハジメはその右足に、空中に残っていたありったけの金属粒子を集束させ、更に自身の奥歯に仕込んでいた最後のアーティファクト…【全ての存在を否定する(何もかも消えちまえ)】の概念魔法を込めたとっておきを投げつけてコーティングさせた。

 

 

キバれえぇぇえぇ!!!

 

「ハアアアァァーーッッ!!!」

 

『ぐおぉぉおおぉぉぉ……!!!』

 

「これで…終わりだ!!」

 

『ぐぎゃあぁあぁぁぁ!!!?』

 

 

 ハジメのアーティファクトを足に纏った頼斗の必殺キック…『エンペラームーンブレイク』をまともにくらったエヒトルジュエの身体にスパークが迸る。そして頼斗が着地すると同時に嶺平はありったけの魔皇力をファンガイアスレイヤーを伝ってエヒトルジュエに流した。ユエの身体から分離させられた際の消耗も相まって、エヒトルジュエはとうとう崩壊し始める。

 

 

――死に、たく……ない、死にた、く…な……い

 

――どうし……じゅうぶ、ん…だ、と……わか、らない…しに、た…く、ないっ

 

――えい、えん……を…すべて……

 

――か、み……われ、は…かみ…なる、ぞ……なの、に…なぜ……

 

――まチ…がっテ、な……ど、ワれ、koそ……

 

――しタ、がe…すべて……コwaれ……こわ、ス…

 

――くるシ…め、さke…べ…なgeき……わメ、け…

 

――いya、ダ……siに、たk…ナ………

 

 

 それがエヒトルジュエの呆気ない最期だった。

 

 

⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪

 

 

 

「………終わった、か…」

 

 

 完全にエヒトルジュエが消滅したのを確認し、嶺平と頼斗は変身を解除した。その顔には安堵と疲労の色が見える。

 

 

「……で、父さん。漸く戦いが終わったって時にすっごく言いにくいんだけどさ」

 

「どうした?」

 

 

 頼斗は何か気まずそうにポリポリと頭を掻き…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この場所崩壊してきてない?」

 

 

「「「………」」」

 

 

 この場の全員が気づきたくない事を指摘した。それと同時に今まで少しずつだった崩壊が一気に進み始めた。

 

 

「やっば威力高すぎた!!?」

 

「いや、この場所の主であるエヒトが消えたせいで崩壊し始めているんだ!すぐに脱出するぞ!」

 

「…どうやって?」

 

 

 ユエがそう言った直後、地面がボコリと音を立てた。

 

 

「「「「!?」」」」

 

 

 四人はとっさに戦闘態勢を取り…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ちょあーーーー!!!!絶妙なタイミングで現れるぅ、美少女戦士、ミレディ・ライセンたん☆ここに参上ッ!私を呼んだのは君達かなっ?かなっ?』

 

 

「「「「…………………」」」」

 

 

 地面から出てきた闖入者を目にした。

 

 

「………誰?」

 

『なんだよぉ~、せっかくピンチっぽいから助けに来てあげたのにぃ~、ノーリアクションと誰呼ばわりかよぉ~。ミレディちゃん泣いちゃうぞ!シクシク、チラチラッてしちゃうぞぉ?んん??せっかく崩壊してるこの神域から脱出する手段を与えようと思ったのに~?』

 

 

 ニコちゃんマークの仮面…ミレディはかなりウザいノリでそう言ったが、頼斗から出た答えは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、要らないです」

 

『………………………………………………え?』

 

 

 不要、を意味する言葉だった。

 

 

『いやいやいやいやいやいやいやいやいやいや、この【劣化版界越の矢】が無いとここから…』

 

「ここ通ったら帰れるし」

 

 

 虚を突かれたミレディが慌てながら言うのを遮り、頼斗はオーロラカーテンを出した。

 

 

『…………………………うそん。てか誰よキミ』

 

「初めまして。嶺平の息子の頼斗です」

 

『………………………………………………え?』

 

「じゃ、お先に失礼します」

 

 

 ニコちゃんマークの仮面越しでもわかるほどに思考停止しているミレディを置いて四人はオーロラカーテンをくぐろうとして…そこにミレディがありえないくらいに焦りながら割り込んだ。

 

 

『ちょいちょいちょいちょーい!?ねえちょっといつの間に息子なんてつくったの!?ねえ!?』

 

「まぁ、その…なんだ。色々あってな」

 

『………は~…ま、そういやキミってそんな感じだったっけ。じゃあ、早くここから脱出しちゃって。こんなデタラメな空間を放置したら地上も巻き込んで連鎖崩壊しちゃいそうだからね。私の、超奥義☆な魔法で【神域】の崩壊を誘導して圧縮ポンしちゃえば、崩壊寸前だし、私のこの体と魂魄を媒体に魔力を増大させたら十分できる』

 

「…それってつまり」

 

「自己犠牲…自分はここで死ぬ、と?」

 

『そんなとこかな』

 

「おい、いくらなんでも………!」

 

 

 まるで諦めたかのような口調が癇に障ったのか、ハジメが言い募ろうとしたその時、ミレディに重なるようにして十四、五歳くらいの金髪美少女が現れた。どうやら彼女自身の魂魄を投影しているようで、それがミレディ本来の姿なのだろう。そんな少女姿のミレディは、おちゃらけた口調とは裏腹に満足げな、それでいて優しい表情でハジメとユエを見つめた。

 

 

『自己満足さぁ。仲間との、私の大切な人達との約束――〝悪い神を倒して世界を救おう!〟な~んて御伽噺みたいな、馬鹿げてるけど本気で交わし合った約束を果たしたいだけだよん。あのとき、なにも出来ずに負けて、みんなバラバラになって、それでもって大迷宮なんて作って……ずっと、この時を待ってた。今、この時、この場所で、人々の為に全力を振るうことが、ここまで私が生き長らえた理由なんだもん』

 

 

 ミレディの言葉に何かを感じ取ったハジメは、頼斗と嶺平の方を向いて口を開けた。

 

 

「………先生、頼斗さん。先に行っててくれ」

 

「?それって…「頼斗」…父さん?」

 

「行くぞ」

 

「………わかった。なるべく早く来てね」

 

「ああ」

 

 

 そして頼斗と嶺平は、オーロラカーテンの向こう側へと消えていった。

 

 

⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪
 

 

「先生!!」

 

「嶺平先生!無事だったのか!」

 

「よかった…って、ハジメは?」

 

 

 オーロラカーテンから出た二人の前にいたのは、嶺平の元生徒である雫、鈴、龍太郎…そして、罰が悪そうに目を伏せる光輝の四人だった。

 

 

「あぁ、ハジメ君とユエちゃんなら、ちょっとやり残したことがあるって。すぐ来ると思うよ。…で、そこの子が、光輝君、だっけ?」

 

「………先生、俺は…俺は………ッ!」

 

「それ以上何も言うな、光輝」

 

 

 涙目で何かを言おうとした光輝を、嶺平は手で制した。そしてゆっくりと口を開く。

 

 

「お前が皆のことを考えて動いていたのはよくわかってる。俺はそこを責めるつもりは毛頭ない。だが、同時に彼らにもちゃんとした考えはある。これからは、他人の意見をしっかり取り込めるようになれば、もう俺はお前にとやかく言うつもりはないさ。あと、友達は大切に、な」

 

「………はい………!」

 

「………っと、来たよ。父さん」

 

「「「「………うん?」」」」

 

 

 オーロラカーテンの方を見てそう言った頼斗に、嶺平以外の四人は一瞬耳を疑った。

 

 

「…あ、やべ。言わない方がよかった?」

 

「…いや、遅かれ早かれこうなったさ。言ってなかったな。俺の息子の頼斗だ。強いぞ」

 

『…はァ!!?』

 

 

「ま、そういう反応になるよね」

 

「せせせ先生!?息子なんていたの!!?」

 

「なんだ、いたら悪いのか?」

 

「いやいやいやいや、そうじゃなくって」

 

「てかハジメ君来たよ?」

 

 

 その頼斗の言葉を聞いた全員がバッと振り向くと、呆れた顔をしているボロボロのハジメと、ハジメにピッタリ寄り添うユエがオーロラカーテンから出てきていた。

 

 

「さて、ハジメ君。敵将を討った我らが総大将がこの場で言うべきことといえば?」

 

「………ったく、仕方がないな」

 

 

 そしてハジメは大きく息を吸って腕を上げ…

 

 

「俺たちの、勝利だ!!!!」

 

 勝鬨を上げた。

 

 

 

⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪
 

 

 

 一週間後。

 

 

 国の復興をある程度見届けた頼斗と嶺平が元の世界へ帰る日がきた。

 

 

 

「先生…本当に行っちまうのか」

 

「前も言ったろ。俺はこの世界で一度死んだ。ここに居座るのは筋違いさ。ユエちゃん。それに皆も。これからも、ハジメを頼むよ」

 

「わかってる」

 

「先生は俺の親かよ…」

 

「ハッハッハ。すまんすまん…じゃあな」

 

 

 そう言って、嶺平はオーロラカーテンの向こうへと消える。そして、頼斗はハジメの方を向いて言った。

 

 

「そうそう、ハジメ君。『魔王』って肩書きは、君が思ってる以上に重いものだから、それだけわかっといてね」

 

「どういうことだ?」

 

「だって、俺の師匠も魔王だから」

 

「………は?」

 

「ただの魔王じゃない。時間はおろか、因果律すら自在に操る、最高最善の時の魔王さ。俺だって本気で戦って、一度も勝つどころか、引き分けにすらなったことがないくらい強い」

 

「…なるほど。そんなイカれたやつと同じ肩書きと考えると、たしかに重いな」

 

「そ。だから、魔王を名乗るなら…」

 

 

「大切なものを、一生守り抜けるぐらいじゃないとね」

 

「…言われなくてもそのつもりだ」

 

「それだけ。じゃあ…元気でね!」

 

 

 そして頼斗がオーロラカーテンを潜ると、オーロラカーテンは輪郭がぼやけていき、最後には消えてなくなった。

 

 

「………ああ。アンタらも、元気でな」

 

 

 ハジメは、彼らには聞こえないであろうその言葉を呟き、踵を返した。

 

 

 愛する者の所へ、帰るために。

 

 

 




さて、いかがでしたか?
はい、見事な紋章ハメでしたね。
ジャコーダーの代用はファンガイアスレイヤー!
多分キバファンでも存在忘れてるんじゃないかなってくらい個人的には地味な扱いだった希ガス。
というわけで、次回から古都内乱編!
ハイライトなアイツらが大活躍する…かも?
お楽しみに!
では、また次回で。

ブーストバックル、フィーバースロットバックル、コマンドツインバックルの中でデメリットに該当するのは…?

  • 全部入るゾイ☆
  • ブーストバックルのみ
  • フィーバースロットバックルのみ
  • コマンドツインバックルのみ
  • ブーストとフィーバースロット
  • フィーバースロットとコマンドツイン
  • コマンドツインとブースト
  • おやつおいちい!!
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