ブーストマークⅢ、及びギーツⅨがレギュレーション入り確定したことに歓喜を隠せません。
ありがとう高橋監督。
というわけで、どうぞ!
「最終段階…?光宣の治療は済んだのではないのかね?」
頼斗に疑問を投げかけたのは、意外にも烈だった。それに頼斗はガシャットを弄りながら答える。
「俺が治したのは、光宣君の『身体に起きた諸異常』だけであって、彼の異常の原因にまでは手出しできてない。前に烈さん。あんたが言ってたが、光宣君の異常の原因は、彼の遺伝子の不安定さから生じる高圧の想子と、それに見合わない想子体の強度だったよな?」
「あぁ…」
「それはつまり、根本の原因である遺伝子異常さえどうにかできれば彼の異常は治る可能性が高いことを意味している。そこでコレってわけだ」
そう言った頼斗は、キラリとガシャットを照明に反射させながら続ける。
「コイツは『マキシマムマイティX』のガシャット。本来は、前の九校戦で俺が使ったバグスター…人や電子機器に感染するコンピュータウイルスのような怪人を倒すためのアイテムだ」
「ちょっと待ってください。それじゃあ、私たちもその…バグスター?に感染していたかもしれないってことですか!?」
頼斗の爆弾発言に、アレに感染していたかもしれないと予想した深雪が焦る。それに達也も身構えるが、頼斗はそれに真面目な顔で返した。
「そうならないために、コイツを使ったんだよ。コイツには『リプログラミング』が搭載されてて、バグスターや人間の遺伝子に干渉して、バグスターの感染能力を失わせ、人間の中に感染してるバグスターを分離したり、人間の中のバグスターウイルスに対する抗体を消去して正常な遺伝子に組み換えたり…まぁ、人間やバグスターウイルスの遺伝子に干渉するのが、このガシャットのリプログラミングってわけ。そんで、今から光宣君にするのは、これの応用だ」
これは半分嘘である。バグスターウイルスの改造に関しては事前に耀真に頼んだものであって、頼斗がマキシマムマイティXのガシャットで行ったわけではない。無論、耀真の存在は知られないためにこうした嘘を吐く必要があるのだが。
それをなるべく悟られないためにも、頼斗は話を戻した。
「コイツは『バグスターウイルスを介して人間の遺伝子に干渉できる』…つまり、無害化したバグスターウイルスを一旦光宣君に感染させて、同時に光宣君の遺伝子サンプルを入手。光宣君の身体に支障が出ない遺伝子の形状をシミュレートした後、リプログラミングでバグスターウイルスの消去と同時に遺伝子異常を治療する、っていうのが、俺の考えてる治療の最終段階ってわけ。当然、安全には最大限注意を払う。けど、この治療には三つの問題点がある」
そう言って、頼斗は右手の人差し指、中指、薬指を順に立てた。
「一つ目が『バグスターウイルスの感染』。これについては安全は保障するし、実際問題はないけど、一時的とはいえ怪人を光宣君の身体に取り込ませることになる。その倫理的な問題が一つ目。で、こっから本題」
「二つ目が『遺伝子と魔法力の問題』。リプログラミングで光宣君の遺伝子に干渉するってことは、光宣君を生物学的に『改造』することと大差ない。加えて、遺伝子に干渉したら魔法力が落ちる…最悪、消失する可能性も、限りなく低いとはいえある」
「んで三つ目が『成功確率の問題』。悪いけど、俺は人体実験はしたことないし、したくもない。だから正直、この治療は俺も初めてだ。理論上いけるとは言っても、あくまで理論上だ。成功確率は…悪いが、どうしても100%とは言えない」
そう締め括った頼斗は腕を組む。
「インフォームド・コンセントってやつだ。これらの注意点を理解してもらった上で、俺は光宣君の意思に沿ってこの治療をするかどうかを「やります」そうそうやります………うん?」
途中で入った言葉に、頼斗はすっとんきょうな声を出して反応する。そして、頼斗だけでなく、達也、深雪、リーナ、水波、烈…五人の顔が、声の主…光宣の方を向いた。
「光宣…」
その眼には、確固たる決意の光が宿っていた。そしてその眼は揺るがず頼斗の方を向いている。
それほどの覚悟を見て、頼斗に折れる以外の選択肢はなかった。
「………わかった。けど、俺もなるべくリスクは減らしたい。一旦感染だけさせて、遺伝子のシミュレートにできるだけ時間を割きたい。そうだな…順当にいけば、二、三週間もあればいけるはず。それまでは念のため、リハビリに専念してくれ。あと、ストレスを感じることがないように」
「なぜかね?」
「ああ。バグスターは感染してる人間のストレスが高まると活性化するんだ。もしかしたら、ストレスの度合いによっては予想外の事態にもなりかねない………あ、そうだ。気分転換も兼ねて、明日京都を案内してくれない?」
「皆さんのお仕事は、伝統派の術者を探すことですよね?でしたらお役に立てると思います。伝統派の拠点が最も集中しているのは京都ですが、奈良にも主要拠点とみられる所が少なくありません。明日、ご案内しますよ」
「あの…主要な拠点が複数とは、どういう…」
「伝統派というのは一つの魔法結社だ。しかし、単一の組織ではなく、十は超える魔法師集団の連合体なのだよ。故に、それぞれの集団ごとに本拠地と呼べる拠点がある。一口に十師族といっても師補十八家を含めれば二十八の家に分かれるのとと同じというわけだ」
「ま、こういう組織は一筋縄じゃいかないよね…
あ、やべ」
「どうしたの?ライト」
何かマズいことを思い出したような頼斗に、リーナが声をかける。頼斗は気まずそうにリーナの方を向いて言った。
「ホテル予約すんの忘れてた…」
「………ってことはもしかして、野宿!?」
「いや、ただ忘れてただけ。普通に予約無くても泊まれるとこあるだろうし」
それを聞いたリーナは、無言でぷくぅと頬をフグのように膨らませると、ポカポカと頼斗の背中を叩き始めた。ただ、勢い自体はそこまで強くはないので、ただ頼斗にからかわれたのが不満なだけだろう。
それを見た烈は、何やら微笑ましい光景を見たように目を細め、頼斗に提案した。
「それなら、二人とも今夜はここに泊まっていくかね?部屋ならいくらでもある」
「あ、いいんですか?」
「構わんよ。元気にやれてるか、話も聞きたいと思っていたところだ」
「自分たちはホテルを予約しているので、今夜はこれで失礼します。明日、また来ますので」
「そっか。じゃ、一旦ここでお別れだね」
「そうですか。気をつけて。また明日」
こうして、その夜の会談は幕を閉じた。
翌日、九島邸の客室で目を覚ました頼斗は、テキパキと使ったシーツやらの寝具を畳み、着替えて部屋を出た。すると、同じタイミングで隣の部屋からリーナが出てきていた。
「あ、リーナ。おはよ」
「………」
「…ん?」
声をかけたが、リーナは返事をしなかった。よく見ると、目に若干隈がある。
「寝不足か?リーナ」
「ふぇ!?ら、頼斗!?」
「おはよ」
「お、おはよ!!」
「え!?お、おい!」
なぜか食堂の方へ走っていくリーナの背中を、頼斗は呆然と見ていたが、やがて呟いた。
「熱でもあんのかな…」
彼の問いに答える者は、そこにはいなかった。
さて、いかがでしたか?
光宣君、原作では病弱なあまり魔法=己の全てなので魔法を失うことに過剰な恐怖を抱いていましたが、今作では頼斗のおかげでむしろ元気に生きるために覚悟ガンギマリになりました。ありがとう、良い薬(原作改変)です。
次回から本格戦闘…かも?
あとギーツⅨがバチクソかっこええ…やはりカッコよさを理解してる製作陣はデザ神ですわ。
そしてそれを使える喜び…(ブーストマークⅢは暴走、ギーツⅨはその克服と捉えられるため)
そして、このストーリーの投稿時間の時間と分の数字を全て足すと…?
次回もお楽しみに!
では、また次回で
もうすぐ500000UAだけど、何かした方がいい?
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何かして?しろ(豹変)
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何もせんでええ…無茶するな…
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勝手にすりゃいんじゃね?(鼻ほじー)