冬の能登半島・哀愁の15番ホーム~新横浜発9時59分の失踪人~ 作:新庄雄太郎
しかし、村岡には鉄壁のアリバイがあった。
翌日、高山と小海は駅で一緒だった村岡に話を聞くことにした。
「えっ、わしのアリバイですか?。」
「はい、桜坂の行方を追うために一応お聞きしているんです。」
と、小海が言った。
「そうですか。」
「はい。」
「12月2日の木曜日当日は、北陸へ行っていました。」
「北陸と言うとどの辺りですか?。」
「ああ、行先は金沢と能登辺りに行っていました。」
「そうですか。」
「はい、よく北陸へ行く時は新幹線と特急かあるいは上野から夜行に乗って行く事もあります。」
「なるほど。」
「帰りは、米原か名古屋辺りで新幹線に乗って新横浜へ帰りました。」
「それ、本当なんですか。」
「はい。」
「後、誰か一緒に席に座っていたとか覚えていませんでしたか。」
「そうだな、わしと一緒に座っていたのは覚えているが、誰だったかは。」
「そうですか。」
「あのー、行きは何時の新幹線に乗りましたか?。」
「そうだな。」
「何か覚えていますか。」
「そうだな、あの時わしは新横浜駅で下車して、別れたからな。」
「それ何時頃なんです。」
「ああ、19時頃やったな。」
「そうですか。」
特捜班に戻った高山と小海は高杉班長に報告した。
「桜坂が失踪した当日は村岡は北陸へ行っていたのか。」
「はい、事件の当日は新横浜から新幹線に乗って行くと言っていました。」
「ほう、なるほど。」
「それで、何時の列車に乗ったか聞かなかったか?。」
「ええ、わかってるのは新横浜から新幹線に乗ったのは確かです。」
「そうか、でもどうやって北陸へ行ったんだ。」
「そこなんだよね。」
「ええ。」
「もしかしたら、名古屋か米原で乗って新横浜で下車した事になるわ。」
「そうか、それに桜坂が乗った新幹線は何時だ。」
「ええ、確か9時59分発の「ひかり217号」です。」
「おお、桜坂が乗った新幹線だな。」
「ええ。」
「問題は、一緒に乗っていた人は誰なんですかね。」
「そこなんだな。」
調査した結果、事件当日村岡は新横浜から新幹線に乗り、金沢へ行っていた事が分かった。
「もし乗ったとしたら、新横浜から金沢へ行ったって事は。」
「そうだな。」
早速、高山と鶴岡は時刻表を見て調べることにした。
「えーと。」
東海道新幹線に乗る。
新横浜発 7時56分発東海道新幹線「ひかり205号」に乗車
米原着 10時04分 下車
米原発 10時12分発北陸本線特急「しらさぎ3号」に乗車
金沢着 12時07分着 下車
「なるほど、村岡は米原から北陸へ行ったのか。」
「はい。」
「逆に桜坂は米原から乗る特急は違うんです。」
「えっ。」
と、調べて見ると。
新横浜発 9時59分発東海道新幹線「ひかり217号」に乗車
米原着 12時04分 下車
米原発 12時12分発北陸本線特急「きらめき1号」に乗車
金沢着 14時08分 下車
「そうか、時間によっては特急が違うのか。」
「はい。」
「村岡の話だと金沢で一緒になり、夕食は桜坂と一緒に食べたと言っています。」
「そうか。」
「そして、2人を殺害したって事は考えられますね。」
「可能性がありますね。」
「とにかく、犯行は可能かどうかだ。」
「ええ。」
そして、犯行は可能なのか?