冬の能登半島・哀愁の15番ホーム~新横浜発9時59分の失踪人~ 作:新庄雄太郎
「そうか、やっと能登に来たのか。」
「ええ。」
「実は、桜井に調べてほしいことがあるんだけど、お願いできる。」
「それで、桜坂の足取りはつかめた。」
「ええ、新横浜から「ひかり」に乗って米原で「きらめき」に乗り次いで金沢へ行った事がわかったよ。」
「えっ、それ本当なの。」
「うん、9時59分に「ひかり」に乗って米原へ行ったのね。」
「そうだ。」
「なるほど、失踪事件の前に能登へ行っていたのね。」
「そうだ、桜井は松本と梶山と一緒に調べて見てくれ。」
「わかったわ、今メモを取るから?。」
と、桜井はメモを書いた。
「村岡が事前に来ていた、12月の7日に輪島を離れた、二人を殺害した可能性があるのね。」
「はい。」
「事件前と失踪前に能登へ来ていたと。」
「わかった、調べて見るよ。」
と、桜井は松本と梶山に時刻表を見せてもらった。
「とにかく、犯行は可能かどうかね。」
「よしっ、調べて見るよ。」
「うん。」
「えーと、新横浜から東京から輪島へ行ったって事は。」
「それも考えられるわ。」
早速、松本は時刻表で調べて見た。
「そうか、上越新幹線か。」
東海道新幹線「ひかり126号」
新横浜発 9時32分
東京着 9時49分
上越新幹線「あさひ309号」
東京発 10時08分
長岡着 11時41分
北陸本線特急「かがやき4号」
長岡発 11時49分
和倉温泉着 15時23分
七尾線
和倉温泉発 15時29分
輪島着 16時08分
「そうね、犯人はこれに乗って輪島に行くのかな。」
「もしかしたら、米原で乗り換えたことは。」
「そうだな。」
東海道新幹線に乗る。
新横浜発 7時56分発東海道新幹線「ひかり205号」に乗車
米原着 10時04分 下車
米原発 10時12分発北陸本線特急「しらさぎ3号」に乗車
和倉温泉着 13時06分
和倉温泉発 13時29分七尾線に乗車
輪島着 14時48分
「そうね、これは無理だわ。」
「出発したのは、11月の終わりぐらいかな。」
「そうね、失踪前日に輪島で殺人が起きたからね。」
「と言う事は、鴨ヶ浦海岸突き落として溺死したって事ね。」
「それは考えられるな。」
「問題は、どうやって新幹線に乗って何処へ下車したかだ。」
と、その時桜井はピン!ときた。
「待てよ、新横浜から新幹線に乗るなら京都駅があるじゃないか。」
新横浜発 8時34分東海道新幹線「ひかり43号」
京都着 10時58分
京都発 11時09分北陸本線特急「スーパー雷鳥19号」に乗車
和倉温泉着 14時35分
和倉温泉発 14時41分発七尾線に乗車
穴水着 15時17分 下車
「穴水からはタクシーで輪島へ行ったって事ね。」
「うん。」
「第1の事件は、鴨ケ浦海岸で早乙女を突き落として殺害した。」
「石川県警によると、死亡推定時刻は16時15分頃です。」
「そして、第2の事件は輪島の毒殺は前もって毒入りのウイスキーを用意していた。」
「なるほど、福沢は輪島で毒殺されたって事ね。」
「それで松本、死亡時刻は。」
「小沢警部の話では、朝の7時20分と思われます。」
「そうか、犯人は村岡 辰夫か。」
「ええ。」
「と言う事は、帰りは輪島から金沢へ行き、金沢から米原特急に乗って新横浜へ帰った。」
と、時刻表を調べて見ると。
輪島発 8時24分 七尾線に乗車
穴水着 8時55分 七尾行に乗り換える
穴水発 9時03分 乗車
七尾着 9時45分 金沢行に乗り換える
七尾発 9時55分
金沢着 11時09分 下車
金沢発 13時27分 北陸本線特急「加越8号」に乗車
米原着 15時27分 下車
米原発 15時35分 東海道新幹線「ひかり252号」に乗車
新横浜着 17時39分 下車
「帰りは、川本と一緒に乗っていたから、新横浜で下車する事は可能ですね。」
「そうか、犯人はそれを利用したのか。」
と、松本は言った。
そこへ、高杉班長がやって来た。
「おう、何か分かったか。」
「班長、失踪前日村岡は輪島へ行っていました。」
「何、それ本当か。」
「ええ、「ひかり」と「スーパー雷鳥」と七尾線に乗り次いで犯行を行ったんだよ。」
「なるほど。」
「すぐに南達に知らせるわ。」
「ところで、南達は。」
「今、桜坂しずくと一緒に輪島へ向っている。」
「そうか。」
そこへ、輪島から高杉と桜井に電話がかかった。
「そうか、やはり村岡が。」
「ええ、2日間能登に入たのね。」
「ああ。」
「そして、9日に金沢から米原まで特急に乗って新幹線で新横浜へ帰ったのか。」
「はい、可能性があります。」
「うん、後伊豆内浦で発見された所持品は村岡ではなく、村岡の共犯が捨てたんだろう。」
「やっぱり、そうか、共犯がいたのか。」
「ええ、主任と高山の言う通りだったわ。」
「そうか、我々は引き続き桜坂の捜索と村岡の捜査を続けます。」
「うん、南と高山達は引き続き捜査してくれ。」
「わかりました、早速石川県警に連絡します。」
「うん、頼むよ。」
そして、南は言った。
「これで、村岡のアリバイは崩れたな。」
「ねぇ、やっぱりお父さんは村岡に殺されたの?。」
「いや、詳しいことは分らない。」
「えっ。」
「主任、鶴岡、小海さん。」
「何か分かったか。」
「今班長から連絡が会ったけど、この事件に共犯がいるらしいんだ。」
「えっ、本当それ。」
「恐らく、そいつが村岡の仲間かもしれんな。」
「ええ。」
そして、事件は終結を迎える