冬の能登半島・哀愁の15番ホーム~新横浜発9時59分の失踪人~ 作:新庄雄太郎
次の日、南の連絡で石川県警・捜査一課の小沢警部がやって来た。
「どうもお待たせしました、私、石川県警・捜査一課の小沢と言います。」
「鉄道公安隊の南です、先ほど電話をいただきまして。」
「同じく、高山です。」
「いえいえ。」
「何か分かりました。」
「早速、捜査したところ、行方不明の桜坂は午前8時頃に金沢駅であなたが調べた川本と一緒に七尾線に乗るところを目撃されています。」
「あのー、何時の七尾線か覚えていますか。」
「ええ、調べたところ午前8時の急行「能登路1号」と判明しました。」
「やはり、川本と一緒に乗っていたのは本当だったんだ。」
「はい、高州園に確認したところ、4日にチェックアウトされ、輪島朝市で一緒だったことがわかりました。」
「そうか。」
「恐らく桜坂は新横浜から新幹線に乗り、米原から北陸本線に乗り継ぎ金沢へ行った事がわかりました。」
「それって、新横浜発の「ひかり217号」じゃないでしょうか。」
「そうです。」
「やはり、桜坂は。」
「はい、金沢へ到着したのは14時頃と着いたと思われます。」
「高州園に出たところで、犯人に殺害された可能性も。」
「ええ、恐らく。」
「やはり、犯人は村岡か。」
「いいや、そこまでは。」
「もし、そうだとしたら現場は。」
と、高山が言うと。
「志賀町の能登金剛ですね。」
「はい、早速、我々も捜査してみます。」
「お願いします、後共犯がいる可能性もありますので」
「わかりました。」
「主任、やっぱりしずくちゃんのお父さんは。」
「ああ、恐らく遺棄したかだ。」
「ええ。」
「桜坂は、「ひかり」と「きらめき」に乗って金沢へ行って、そこから急行「能登路」に乗って輪島へ行った。」
「なるほど。」
その頃、桜井と松本は川本に話を聞くことにした。
「ああ、桜坂さんの事ですか。」
「はい。」
「ええ、行く時は8時の急行「能登路1号」で一緒でした。」
「それ、本当ですか。」
「はい。」
「その時に、何か気づいたことは。」
「そうだな、下りホームで帽子をかぶった男を見たな。」
「それ、何歳ぐらい。」
「確か、27歳ぐらいの男でしたよ。」
川本の証言で村岡の共犯は27歳の男と判明した。
「えっ、共犯がいた。」
「はい、家の桜井が調べたんです。」
「なるほど。」
「よし、恐らく桜坂は能登金剛に突き落として殺害したんだろう。」
「早速、志賀町で捜索しよう。」
「了解。」
小沢警部は南と高山達に言った。
「いやー、さすが名推理だよ。」
「いえいえ、それほどでも。」
南と高山達は、石川県警のパトカーに乗り志賀町へ向かった。
「警部、桜坂のコートが発見されました。」
「本当か。」
「やはり、しずくの父か。」
そこへ、高山と鶴岡も駆けつけてきた。
「恐らく、桜坂は能登金剛で殺害し、志賀の海岸で遺棄したんだ。」
「やはり、村岡が。」
「ええ。」
「お父さん、お父ーさーん。」
と、しずくは父の遺体で泣き叫んでいた。
小海はしずくを慰めてやり、南と高山と鶴岡は犯人の逮捕へ向かった。
その頃、彼女は七尾線に乗って穴水で下車した。
「能登金剛か。」
と、言って彼女は能登金剛へ向かった。
「どこにいるの、出てきなさい。」
能登金剛
「イッヒヒヒヒヒ。」
「やっぱりお前が犯人だったのか。」
「誰だ、てめぇ。」
「鉄道公安隊だ。」
「その女を放すんだ。」
「やはり、お前が殺害したのか。」
「あれは、村岡が指示されてな。」
と、鶴岡は山辺を確保し、手錠をかけた。
「大丈夫ですか。」
「はい、あなたは輪島の時の。」
「そうです、輪島朝市の時ですよ。」
「あなた、鉄道公安だったんですか。」
「はい。」
「でも、どうして能登へ。」
「実は、若葉商事で不正の調査をしていたんです。」
「じゃあ、あなたは若葉商事の内部調査員。」
「はい、名前は安藤和子です。」
「なるほど、やはり村岡と山辺が。」
「はい。」
「これが証拠か。」
「はい。」
「わかった、すぐ東京に連絡して捜査してもらう。」
そして、次の日南の知人吉井警部補と大下刑事に連絡し、村岡の逮捕へ向かった。
「村岡辰夫、殺人及び死体遺棄の容疑でお前を逮捕する。」
「えっ、何。」
と、大下刑事は村岡に手錠をかけた。
特捜班の通報者、上原 歩夢と高咲 侑の後輩桜坂 しずくの父が新横浜発9時59分「ひかり217号」に消えてから丁度4日目の事でした。その後、東京地検特捜部が横浜支社に強制捜査が入った。殺害された3人は村岡の不正を止めようとしたが、村岡の仲間に口封じで殺害したことを自供した。
こうして、新横浜発の新幹線ひかり号失踪事件は解決した。
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劇中の列車時刻は平成4年のダイヤを使用しています