〈第十五話〉
グラウンドには土煙が舞っており選手たちがどうなっているかは確認できない。
「なんと雷門は無事です!!」
「よかった!!」
土煙がはれたグラウンドを見ると鉄骨が降ってきた付近には人はおらず、誰一人として怪我をしている人はいなかった。
“『円堂。試合が始まったらすぐに全員でできるだけ下がるんだ!頼む!』”
「鬼道に言われてなかったらと思うと・・・」
「助けられたな・・・」
「ああ。鬼道は・・・」
豪炎寺と話していた円堂は駆け出していく鬼道の姿と追いかける源田や佐久間の姿を見つける。
「俺たちも追いかけよう!」
円堂たちは鬼道を追っていくとある一室から声が聞こえてくる。
「これがあなたのやり方ですか!!??」
中に入ると鬼道が帝国の総帥に向かって怒鳴りつけるように話していた。
「何のことかね?私がやったという証拠は?」
言い逃れをしようとする影山であったが、そこに影山を追っていた刑事の鬼瓦が証拠を持ってやってくる。
「ここに鉄骨を緩めた弾みで落下してきたボルトとたった今捕まえたお前の部下という証言も取れた。もう言い逃れはできないぞ!今までの悪事も洗いざらい吐いてもらうからな!!」
「フッ・・・いいだろう。調べたところで何も出てきやしないがね」
鬼瓦に付き添ってきた刑事はと影山を連れて部屋を出ようとする。その際に鬼道と円堂の間を通ると影山は口を開く。
「そうだ。吹雪アツヤくんはどうかしたのかね?会場に来ていなかったみたいだが」
「なんだと!?ふざけたことを言うな!吹雪は必ず来る!」
「そうだといいがね。フフフ」
影山は笑いながら刑事に連れられて部屋を出ていく。
「すまなかった。こんなことが起こってまで俺たちに試合をする資格はない。俺たちの負けだ。吹雪の件も元はといえば俺が軽率な行動が原因だ」
「何言ってんだ!吹雪は俺たちのマネージャーが必ず連れて来るし、お前たちと戦えるのを楽しみにしてたんだ!」
「円堂・・・」
「鬼道!俺たちとサッカーやろうぜ!!」
「感謝する!!」
鬼道は申し訳なさから辞退を申し出るが、円堂の熱い言葉に説得されて試合を行うことになった。
先程のグラウンドは鉄骨があり、使用できないため、グラウンドの交換がされる。そして、改めて試合が開始されようとしていた。
「生まれ変わった帝国のサッカーを見せるぞ!!」
『おう!!』
「俺たちの雷門魂を全力でぶつけるんだ!!
『おう!!』
それぞれのキャプテンがチームを鼓舞する。
【 ピィー!! 】
そして試合開始の笛が鳴る。
雷門は今まで培ってきた技術と連携で攻めあがっていく。前回対戦した時よりも個々がレベルアップしたことにより、帝国はなかなかボールを奪うことができない。
「あの頃の俺たちとは違う!!」
『 疾風ダッシュ 』
風丸はマークにきた選手を必殺技にまで昇華させた持ち前のスピードでかわす。
「決めろ!染岡!!」
風丸はマークをはがした染岡にラストパスを出す。
『 ドラゴンクラッシュ 』
染岡のシュートは一直線にゴールに向かっていく。
『 パワーシールド 』
キーパー源田は地面に拳をたたきつけると衝撃で生まれたバリアでシュートをはじき返す。
「まだだ!」
『 ファイアートルネード 』
はじき返されたボールに豪炎寺は素早く反応し、ショートを放つ。
「無駄だ!!」
『 パワーシールド 』
前回決められた豪炎寺のシュートにも油断はなく、きちんとはじき返す。
「何度打たれようとも俺のパワーシールドは破れん!!」
「くっ!!」
再度跳ね返されたボールを今度は帝国が拾う。帝国はキャプテンの鬼道にボールを渡し攻めてくる。鬼道は持ち前のテクニックでターンをしたり、ヒールリフトを決めたりと個人技でボールを運ぶ。
「寺門!」
ペナルティーエリア付近まで持ち込んだ鬼道は寺門にパスを通す。
『 百列ショット 』
円堂はシュートに跳ね返そうと試みるが試合の前に影山に言われたことが脳裏によぎり、反応が鈍ってしまう。
『 熱血パンチ 』
なんとかパンチングで反応しようとするが当てるだけで精一杯になり、相手にシュートチャンスを与えてしまう。
「くっ!」
今度はかろうじてファンブルしながらもボールを押さえる。
その後も源田によって雷門のシュートは難なく止められてしまう。それに対し、円堂が不調のため、ディフェンス陣が奮闘することにより攻撃を食い止めていく雷門。しかし、その均衡も鬼道によって破られる。円堂からのゴールキックをカットした鬼道が前線の二人と駆け出す。
「いくぞ!これがゴッドハンドを破るために編み出した俺たちの必殺技だ!!ピィー!」
鬼道が口笛を吹いてペンギンを呼び出し、前を走る佐久間と寺門に向かってシュートと言えるような力強いパスを出す。そして二人が同時にシュートを叩き込むと三人の力をのせたボールはペンギンと共にゴールに進んでいく。
『 皇帝ペンギン2号 』
「止めてみせる!!」
『 ゴッドハンド 』
円堂も手を出して止めようとする。しかし、ペンギンによって削られていく大きな手はシュートの勢いを殺すことができずにゴールに突き刺さる。
「ゴッドハンドが破られるなんて!!」
雷門イレブンは円堂がゴールを決められたことに衝撃を隠すことができない。
これまでの試合の中どんな時も絶対を誇ってきたゴッドハンドが初めて破られた瞬間だった。
それぞれのタイトルつけることにしました!