ダンガンロンパ・scripter~絶望の舞台劇~   作:月乃と星乃

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【CHAPTER2 】〈非日常編〉

「………。」

目が覚めた。

時計を見るとまだ朝の6時半だ。

 

昨日は早く寝たせいか、早く目が覚めちゃったみたいだ。

二度寝するには微妙な時間だし眠くない。どうしようかな。

 

身体を起こすと、筋肉痛が大分軽くなっている。良かった…。

 

せっかくテレビがあるんだし見てみようかな。

外の情報が分かるかも!なんで今まで気が付かなかったんだ僕…。

 

リモコンを押すとテレビが映った。

チャンネルを変えたけど全部ジョーカーが映っている。

 

なにこれ!?

しかも映っているジョーカーはピクリとも動かない。

こんなの見ているだけで時間の無駄だ。

 

期待してたのに…。しょうがないDVDを見よう。

 

区切りのいいところまでDVDを見た時計を見ると7時15分だ。

なんか中途半端な時間だな。

 

そう思いふと目を向けると机の上に大量の湿布が置きっぱなしだ。

保健室に行って半分くらい戻してこよう。

 

保健室に着いた。

さて、湿布をさっさと返してご飯を食べに行こう。

そう思ってドアを開けようとした。

 

あれ?開かない。

 

力を入れてドアを横に引く。だけど開かない。

 

鍵が掛かっているんじゃなくて何かが引っかかってるみたいだ。

 

うーん、どうしようかな。

無理やり開けて壊そうものなら、ジョーカーに文句を言われそうだ。

急ぎの用じゃないし別にいいか。

保健室が使えないのは困るし、ジョーカーがどうにかしてくれるだろうし。

 

僕は部屋に湿布を戻してから食堂に向かった。

 

 

食堂に着くと小鳥遊さん以外の皆が揃っていた。

小鳥遊さんは来てくれなかったみたいだ。

 

小鳥遊さんのご飯をどうしようか考えていると、

「あの怠け者に説教してやるわ。」と喰田さんが自ら立候補してくれた。

 

 

さて、朝ご飯食べ終わったし何をしようか?

 

お菓子パーティの準備はお昼ご飯の後になっているからなぁ。

 

…小鳥遊さんの所に行ってみよう。

喰田さんもいるだろうし、やっぱりもう一度誘ってみようかな。

 

自分の食器を下げてから小鳥遊さんの部屋に向かった。

 

 

小鳥遊さんの部屋の前には、ご飯を乗せたトレーを持った喰田さんがいた。

 

「江ノ本なんで来たの?小鳥遊は顔だけ見せて"後で食べるから置いてて"って

すぐにドアを閉めたわよ。まだ眠そうだったし、二度寝でもしたんじゃない?」

 

「そうなんだ、ドアを開けてくれるまで二人で色々してみる?」

 

「いや、やめとくわ。待っておく義理はないし、入口に置いておけば、

 お腹が空いてからたべるでしょ。」

 

だから全部のお皿にラップをしてあるのか。

暖かいうちが美味しいのにもったいないなぁ。

 

「僕は少し待ってみようかな。」

 

「そう、私はもう行くわ。つまみ食いなんてするんじゃないわよ。」

 

「そんなことしないよ!」

 

喰田さんはトレーを置いてからさっさと行ってしまった。

僕はノックをしてみたけれど、小鳥遊さんが出てくる様子はない。

 

図書室に行こうかな。

 

図書室に着くと五十嵐さんと綾織さんが読書をしていた。綾織さんが読み聞かせていた。

そっか、五十嵐さんは漢字が読めないんだったな。

適当に本を数冊持ってきて戻ってくると食事の乗ったトレーが無くなってた。

 

あっ、僕が行ってる間に取ったのか、大人しく待ってればよかった。

 

うーん…どうしようかな。

 

 

「江ノ本!」

 

「うわっ!?」

 

いきなり名前を呼ばれて、びっくりした。

振り向くと、そこには鬼澤さんがいた。

 

「もうお昼ご飯の時間だし小鳥遊以外みんな揃っているよ。準備もできてるし来な。」

 

もうそんな時間になってるのか。本に集中してて分からなかった。

 

「分かった。本を図書室に返してから行くね。」

 

「貸しな。アタイが返してきてあげるよ。あんたは先に行って食べてな。」

 

鬼澤さんが僕の近くに来て言ってくれた。

 

「そんな…。いいよ。悪いし。」

 

「遠慮するんじゃないよ。厚意は素直に受け取っときな、それにアタイの方が早く着くだろ。」

 

笑顔で頭をわしわしと撫でられる。

確かに鬼澤さんの方が僕より体力もあるし足も速いだろうな。

 

「ごめんね…。ありがとう。」

 

本を鬼澤さんに渡して僕は食堂に向かった。

 

 

食堂で皆とご飯を食べた。もちろん後で来た鬼澤さんも一緒に。

 

小鳥遊さんには、五十嵐さんがご飯を持って行ってくれることになった。

 

片付けが終わった後、皆で話し合った結果。

本当は3時に始める予定だったけど早めにすることにした。

 

2時少し前にドーナツとイチゴ大福、クッキーを作ることになった。

 

僕を含め、料理が下手な人…。

生原君、帰ってきたソフィーさん、五十嵐さん、鬼澤さんが材料や料理器具の準備をする。

 

いたずらされたら困るので、木柳君は若鳩君の近くで見張っている。

 

それが終わったら残りの人がお菓子を作り始めた。

 

流石だ。手際がいい。

 

「僕にも手伝わせて!」って頼んでみたら

 

「寝言は寝て言え。」

 

「あんたは馬鹿なの?本気で手伝いたいなら大人しくしてて。」

 

「す…すみません、お願いですから大人しくしててくださぁい。」

 

ウルフ君、喰田さん、綿古里さんに言われた。

 

慰めているのか、唯輝が頭をポンポンと撫でて出来立てのクッキーをくれた。

一番最初に作ってた奴か。

美味しくクッキーを食べてるとココアを入れたコップを渡してくれた。

 

その後に、甘やかすなと喰田さんに注意されていた。

 

シープ君が「江ノ本様、落ち込むことはありません。練習すれば上達しますよ」と優しく慰めてくれた。

綾織さんは「江ノ本望夢の料理は個性的なだけじゃ」と言ってくれた。味音痴かな?

 

 

時間がたつとお菓子が全部完成した。

かなりの量だと思ったけど皆で食べてるとどんどん無くなってきた。

 

途中で綿古里さんが「小鳥遊さんに持っていきますねぇ。」と、

袋にいくつかお菓子を入れて食堂から出て行った。

小鳥遊さん食べてくれるといいな。

 

お菓子はどれも美味しかった。

五十嵐さんは綾織さん、唯輝とお喋りしていた。

ウルフ君と喰田さんは口喧嘩をしていてシープ君がそれの仲裁に入っている。

 

ソフィーさんと木柳君は楽しそうにお喋りしている。

若鳩君と生原君が楽しそうにお喋りしていて鬼澤さんは若鳩君のそばで見張っている。

途中で綿古里さんが戻ってきた。

 

お菓子は小鳥遊さんの部屋のドアの前に置いてきたらしい。

 

あっという間に時間が経った。もう3時かぁ。

 

晩御飯まで時間があるし湿布を戻しに行こう。保健室開いているかな?

 

部屋に帰ってから保健室に行くとドアはすんなりと開いた。良かった。

 

右のガラスケースの棚に湿布を戻してから保健室を出た。

 

さて…。

トレーニングは完全に筋肉痛が治ってからにするとして、料理の練習でもしようか?

それなら教えてくれそうな綾織さんがシープ君、唯輝。

いや、唯輝には内緒にしてこっそり練習しよう。そして驚かせたい。

 

綾織さんかシープ君を探そう。

あっ、探さなくても綾織さんは図書室にいるだろうな。よし図書室に行こう。

 

図書室には五十嵐さんと綾織さんがいた。

綾織さんが五十嵐さんに漫画を読んであげている。

 

「あっ!モトも本を読みに来たんっスか?」

 

僕に気が付いた五十嵐さんが話しかけてくれる。

 

「いや、違うよ。綾織さんに頼みがあって来たんだ。」

 

「儂に?何の用じゃ?江ノ本望夢。」

 

「うん、僕に料理を教えてくれないかな。」

 

「えっ!?モトが料理!!?無謀っスよ、無理っス!!!」

 

五十嵐さん…。そんなはっきりと…。

 

「そんな…すっごく上手くなりたいってわけじゃないんだ。

 せめて・・・皆が下手だなぁって笑ってくれるくらいになれれば…。」

 

「モト…。苦手なことを克服しようとするのは偉いっスけど、皆を病院送りにするつもりっスか?」

 

「それは違うよ!!!」

 

二人にどうして練習する気になったのかを説明した。

 

「なるほどのぅ。江ノ本望夢。儂は暗記したレシピ本通りに作っているだけじゃ。

 教えるのは上手ではないと思うぞ?それでもいいと言うのなら一緒にやってみるかのう。」

 

「ありがとう!助かるよ。今は五十嵐さんと読書してるみたいだから明日でいいよ。」

 

「うむ、物語において他の登場人物と交流を深めとくといい事があるしのぉ。

 儂が死んだ後、回想シーンを入れてほしいものじゃ。」

 

「縁起でもないこと言わないでほしいっス!」

 

五十嵐さんがすかさずにツッコミを入れる。

 

「あはは…。僕もせっかく来たんだし読書しようかな。」

 

「あっ、ならこの漫画がお勧めっス!」

 

五十嵐さんが進めてくれた少年漫画を読んだ。凄く面白かった。

 

「す、すみませぇん。3人共、晩御飯の時間ですよ…。」

 

綿古里さんが呼びに来てくれるまで皆、本に夢中になっていた。

 

食堂に着くと小鳥遊さん以外の人達が全員揃っていた。

 

また引きこもっているのか…。結局お菓子作りパーティにも来てくれなかったし。

ソフィーさんが自ら「ご飯はワタシが持っていくヨ!」と言ってくれたので任せることにした。

 

 

        バンッ!!!

 

皆で食事をしていると勢いよくドアが開けられた。

その音がした方を向くと血相を変えたソフィーさんがいた。

 

「どうしたんだい!?」一番近くにいた鬼澤さんがソフィーさんに駆け寄る。

 

床に力なくへたり込んでしまったソフィーさんが小さな震える声で

 

「小鳥遊サンが…小鳥遊サンが…」と言っている。

 

「小鳥遊がどうしたんだい?」鬼澤さんがそう尋ねるのとほぼ同時に、

五十嵐さんが走って食堂から出て行った。

 

僕も小鳥遊さんの身に何かあったのか気になる。

ソフィーさんは一先ず鬼澤さんに任せることにして食堂から出て行き

 

小鳥遊さんの部屋に全速力で走って向かう。その途中だった。

 

「きゃああああああああああああああああああぁぁぁぁ!!!!!」

 

耳をつんざくような五十嵐さんの悲鳴の直後に二度と聞きたくなかったあのアナウンスが流れた。

 

 〈ピーンポーンパーンポーン♪死体が発見されました!一定の捜査の後、学級裁判を開始します!〉

 

自分の耳を疑った。…え?嘘だ嘘だ嘘だ!そんなの嫌だ!

 

 

小鳥遊さんの部屋のドアが開けっぱなしになっている。

部屋に入ると、カーペットの上に横向きに倒れている小鳥遊さんと、

そばで真っ青な顔で腰を抜かしている五十嵐さんがいた。

 

おそるおそる近づいていく。冗談だよね?

あんなアナウンス、ジョーカーが嫌がらせで流しただけだよね?

 

小鳥遊さんはめんどくさがりだからカーペットで寝ているだけだよね?

 

近くで見てみると分かった。

小鳥遊さんの顔の傍にある血痕を見て気づいてしまった。

 

小鳥遊 架澄さんは、自分の部屋で永眠してしまったことを。

 

 

 

 




江ノ本の挿絵を貰いました!

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