ダンガンロンパ・scripter~絶望の舞台劇~ 作:月乃と星乃
《コトダマ一覧。》
【大浴場の脱衣所のドライヤー】
ソフィーが朝の7時過ぎくらいに大浴場にて入浴している。
その時に5個あったドライヤーが4個になっていた。
【机の上のガラス小瓶】
机の上に置いてあったガラスの小瓶。『即効毒』とラベルには書かれている。
強力な即効性の毒薬であり透明で無臭の液体。
飲むと体に異常が現れ吐血し数秒で死亡する。
しかし小鳥遊は吐血しておらず、口元に少量。顔の近くのカーペットに20㎝×15㎝程の血痕があるが吐血している様子はない。
【事件ファイル②】
被害者は小鳥遊架澄。
死体発見現場は小鳥遊架澄の居室。死因は薬物の服用。
死亡推定時刻は午後3時前後。補足は外傷なし。
居室のカーペットの上に横向きに倒れている。
クッションに頭を乗せており眠っているかのようだ。
【小鳥遊架の部屋】
クッションやゲームソフト、ゲーム機、お菓子のゴミ、空き缶、ペットボトル等で散らかっている。
死体の下には何も下敷きになっていない。
【机の上のメモ】
机の上にあったメモ『もう耐えられない。皆ごめんね~(´;ω;`)』と書いてある。
この小さめの丸文字。小鳥遊がホワイトボードに書いてた字と似ているが…違和感がある。
【小鳥遊が持っていた秘密】
小鳥遊がジョーカーに受け取っていた誰かの秘密。
内容は『父親に重傷を負わせた』
【図書室の脚立】
図書室にある二つの脚立。大きめのと小さめのがある。
二つとも木でできていてボロい。位置も最初に見たときのままで使われた痕跡も無い。
【毒物についての本】
図書室にある毒物についての本。ジョーカーのお勧めコーナーの棚に「猿でも作れる!毒薬・劇薬の作り方」が
2m以上くらいの位置にある。最初に見た時と同じ位置にあった。他にも毒についての本があるが薬ではなく毒のある食べ物・花・草についての本だ。
【小鳥遊の昼ご飯と綿古里の証言】
五十嵐が持って行ったものの全部3分の1程つまみ食いしている。
つまみ食いした直後に小鳥遊に食事を渡している。その一部始終を綿古里が目撃している。
【お菓子パーティのお菓子と綿古里の証言 】
机の下に置いてあった綿古里が小鳥遊に持って行った物。綿古里はドアの前に置いたと言っていたが机の下にあった。
中身はクッキーが5枚、ドーナツが5個、イチゴ大福が3個あった。減ってないので小鳥遊は食べなかったのだろう。
【 接着剤 】
ソフィーが保健室の毒のガラスケース棚を接着した接着剤。
説明書には「強力なので使うのは少量で大丈夫です。白色ですが空気に触れ時間が経つと透明になります。
剥がしたい時には熱に弱いので熱を与えて下さい」と書かれている。
【 保健室の毒・劇薬のガラスケース棚 】
保健室の毒・劇薬のガラスケース棚。ソフィーが接着剤でくっつけていたはずだが開くようになっていた
手前の列の薬品は綺麗に並べられていたが奥のほうは少し乱れていた。薬品は2つずつある。いくつか減ってる薬品があった。
【 保健室の床 】
保健室の毒・劇薬のガラスケース棚の近くの床を見てみるとタイルの隙間に
うっすらと茶色い液体の乾いた跡があった。
【 試薬の結果 】
薬品に反応して色が変わる薄い水色の液体状試薬。
試した結果、薬を調合する道具や器具には反応なしだった。しかし保健室入口の傍の洗面台
には所々、少量反応があった。
【 空の透明のガラス小瓶 】
有馬とシープがゴミ袋の中見つけてくれた空の透明のガラス小瓶
表のノベルに『時間差で効く。オリジナル毒』と書いてあり。
裏の説明文には
『茶色・無臭の液体状の毒です。溢さない様にご注意下さい。
また、大変落ちにくいので服などにつかない様にご注意ください。
3分の1で6時間後。3分の2で3時間後。全部で1時間後に効果が表れます。
強烈な眠気が襲い眠るように亡くなります。』と書いてある。
【 空の輸血パック 】
有馬とシープがゴミ袋の中見つけてくれた輸血パック。中身は空だ。
《学級裁判 開廷!》
「早速だけど議論するよ。まずは…。」
「いや、議論なんてせんでええ。もうこの事件の全貌はわかっとる。」
鬼澤さんの話を木柳君が遮る。
「えぇ!?…ほ、本当ですかぁ!?」
綿古里さんが驚いている。
「ほんまや。今回は小鳥遊の自殺や。」
木柳君がはっきりと言い切った。
「NO!信じられないヨ!」
「そうっス!カナは自殺するような人じゃないっスよ!」
五十嵐さんとソフィーさんが反論するけど木柳君が自殺だと主張するのには理由があるんだよね。
コトダマ提示。
→【机の上のメモ】
「これで証明できる!」提示!
「木柳君が自殺だって言うのは小鳥遊さんの部屋…机の上にメモがあったからだよね?」
「そうや。メモには『もう耐えられない。皆ごめんね~(´;ω;`)』って書いてあんたんや。
それに小鳥遊の死体が移動させられた痕跡はなかったし机の上に毒の瓶があったんや。
現場は本人の居室やし部屋は散らかっとったけど争そったちゅーかんじやなかったし 小鳥遊には外傷なしやろ?
それにカーペットや口元に血痕が付いとったんや!」
「ふーん、一応考えているみたいね。蟻と同レベルの知能と思ってたけど猿くらいはあるのね。」
「どつくぞお前!!!」
木柳君が喰田さんに怒鳴った。
「デモ、小鳥遊サンはどうやって毒を取ったノ?ワタシが接着剤でくっつけていたハズだよ!」
ソフィーさんの疑問に僕は答えられるはずだ。
【ノンストップ議論開始!】
ソ「小鳥遊サンはどうやって毒を棚かラ取ったノ?」
鬼「う~ん…。【塩酸でとかした】とか?」
綿「す、すみませぇん、【熱を与えたんじゃないですか】?」
五「分かった!【力ずくでこじ開けた】んス!」
若「【マジックを使えば】余裕で出来るぜぇ。」
綾「ふむ、若鳩空智それは自白かのう?」
羊「【刃物を使って】接着剤を削ぎ落としたのではないのでしょうか?」
綿【熱を与えた】←【 接着剤 】
「それに賛成だよ!」賛同!
「綿古里さんに賛成だよ!接着剤の説明書には
強力なので使うのは少量で大丈夫です。白色ですが空気に触れ時間が経つと透明になります。
剥がしたい時には熱に弱いので熱を与えて下さいと書かれていたんだ。」
僕が説明すると皆が僕の方を向いた。
「なるほどのう、少量で効果が表れ時間が経つと透明になるのなら棚を開けた後に閉めなおせば
一見みただけじゃ…実際に開けてみるまでは分からんじゃろうな。」
綾織さんが頷いて納得している。
「その推理は修築するべきや!」反論!
「ど、どうしたの?木柳君。」
「すまんな江ノ本、オレの意見を聞いてくれへんか?」
木柳君、なにか気になることでもあるのかな?とりあえず話を聞いてみよう。
【反論ショーダウン開始!】
「熱を与えるってどうしたんねん。」
「【熱湯でもぶっかけた】んか?」
「【部屋の温度を上げた】んか?」
「でも【棚に濡れた跡もなかった】やろ。」
「それに【部屋の温度も変わってへんかったし】」
「【熱い物や熱を与えれる物はなかったやろ】それともどっかから持ってきたんか?」
【熱い物や熱を与えれる物はなかったやろ】←【 大浴場の脱衣所のドライヤー 】
「そのシナリオ、書き直す!」斬!
「木柳君、ソフィーさんが教えてくれたんだけど朝、7時くらいに大浴場のドライヤーが一個、 無くなってたらしいんだ。」
「yes!その通りだヨ!」
「……あー、分かった。ドライヤーの熱風を当てて接着剤を剥がしたんやな。普段、ドライヤーなんて使わへんから、まったく思いつかんかったわ。すまんな。」
あっさりと木柳君は納得してくれた。
「あんた、髪を乾かすのに使わないの?」
喰田さんが呆れた顔で木柳君を見ている。
「別にええやろ!髪が短いしタオルで十分や!」
「あんた本当にがさつね。髪が痛むわよ。」
「木柳、喰田、後にして。今、議論中。」
唯輝が二人を窘めた。
「そーそーさっさと議論を続けよーぜっ。命がかかってるんだからよぉ。 小鳥遊の自殺だったっけ?つまんねーなぁ。せっかくの学級裁判なのによぉ。」
「つまんないとか言わないでくださいよぉ…。部屋にもドライヤーはありますけど
生暖かい風しか出ないので大浴場のを使うしかなかったんですね…。」
不満を漏らす若鳩君に綿古里さんが消え入りそうな声でツッコミと補足を入れる。
本当に自殺なのか?いや、そんなはずない。皆に分かってもらわないと。
【ノンストップ議論開始!】
狼「じゃあ、事件を振り返ってみるぞ。」
鬼「小鳥遊が朝の7時くらいに【大浴場からドライヤーを持ち出して】 保健室の棚を開けて毒を持ち出した。」
有「その後部屋に戻って。」
綾「机の上にメモ…遺書を書き残して【机の上の毒薬を飲んだ】んじゃのう。」
ソ「それデ晩御飯の時間にワタシが見つけたんだネ。」
綾【机の上の毒を飲んだ】 ← 【 机の上のガラス小瓶 】
「それは違うよ!」論破!
「ねぇ、聞いてくれる?
机の上に置いてあるガラス小瓶は強力な即効性の毒薬でね
飲むと体に異常が現れて吐血し数秒で死亡するらしいんだ。」
「怖っ!説明書に書いてあったんスか?」
「うん、そうなんだけどね。生原君、説明してくれる?」
「いいぞ。貴様ら安心するといい、大体の薬の成分性質や効果の表れは分かるからな。 まぁ、詳しくは知らんが。ゲームクリエイターは吐血していないぞ
していたとしても、成分表に書いてある通りの薬だとゲームクリエイターの吐血量が少ないのだ。 あれぐらいしか吐血してないならば数秒で死んでるはずがない。」
生原君が皆の視線に答えるように言った。 詳しくは知らんってそんな自慢気に言える事じゃないよね?
「他にも、ある。」
唯輝が言っている他にも気になることってあの事だよね?
コトダマ提示。
→【 小鳥遊架の部屋 】
「これだ!」提示!
「小鳥遊さんの部屋はね。クッションやゲームソフト、ゲーム機、お菓子のゴミ、空き缶、 ペットボトル等で散らかっていたけど
死体の下には何も下敷きになってなかったんだ。」
「?それだとおかしくないかい?数秒で死ぬほど強力な毒なんだろう?
吐血して毒で死にかけている最中にクッションを枕にしたり床のゴミを払う余裕があるとは思えないね。
小鳥遊は、わざわざ自分の倒れる所を予想してその部分だけを片付けておいたのかい?」
鬼澤さんの疑問にソフィーさんが答えた。
「それなら机の周り全部を毒を飲む前に片付けなイ?でも、小鳥遊サンなら「死ぬ前に片付け~( 一一)? めんどくさいしいいやー('ω')ノ」って思いそうなんだけド。」
「もう一つ気になることがあるのですか。」
シープ君が手をあげてから言った。
気になることって何だろう?
「その毒は数秒後には体に異変が現れ吐血するのですよね?ですが吐血をしておらず、していたとするともっと吐血しているはずだと生原様は言われました。」
「その通りだ。」
生原君が頷いてから肯定した。
「何故、小鳥遊様は吐血してないのでしょうか?していないとするとあの血痕の血はどなたのでしょう?」
シープ君にウルフ君が優しく話しかける。
「可能性は3つだな。生原の考えが間違っているか嘘をついていて小鳥遊はあの吐血で死んだか
二つ目は他の毒で誰かに殺されたか。3つ目は誰がか偽装したか。」
「?吾輩は嘘などついてないぞ?」
「信用できるか。」
ウルフ君がばっさりと言い切った。
前回の学級裁判でジョーカーは死体にはプライバシーがないから 部屋の鍵が開いているって言ってた。
つまり午後3時前後には誰でも小鳥遊さんの部屋に入れたってことだ。
「あーもう!議論なんてしなくていいっス!ナギが自殺だって言ってたじゃないっスか! 理由と一緒に!」
五十嵐さんが大声をあげた。
「待ちな。でも、あのメモに書いてある文字、小鳥遊がホワイトボードに書いていた文字と似てるんだけど…違和感があるんだよ。」
鬼澤さんが五十嵐さんに話しかける。
「そんなの自殺する前だから心境が文字に現れただけじゃない? 死体の下になにも敷かれてなかったのも偶然かもしれないじゃないの。
生原は薬剤師や監察医じゃないんだから間違えている可能性だってあるし。 それに口元に血痕が付いてたじゃない。」
「…。」
喰田さんの反論に鬼澤さんが黙り込んでしまった。
「吾輩は真実を言っている。まぁ、信じなくてもいいぞ。」
いいの!?そこは信じてくれ!くらい言ってよ…。 命が掛かってるのに本人は全然気にしていなさそうな様子だ。
…五十嵐さん達の気持ちは分かる。痛いほどに。
小鳥遊さんの自殺ならこれ以上、学級裁判を続けなくていい、誰かに疑われることも誰かを疑うこともしなくていい。
そして何より、誰も処刑されずに、お仕置きされずに済む。
僕だってこんな学級裁判なんてしたくない。早く終わらせたい。
でもそれじゃ駄目だ。いくら辛くても悲しくても現実から真実から逃げちゃいけない。
小鳥遊さんが吐血してないって証明できればいいんだよね?
それなら…!
コトダマ提示。
→【 空の輸血パック 】
「これで証明できる!」提示!
「皆、小鳥遊さんが吐血してないって証拠があるんだ。 保健室にある冷蔵庫の中の輸血パックが1個無くなってたんだよ。
それにゴミ袋の中から空の輸血パックが見つかってるんだ。そうだよね?唯輝、シープ君。」
「ん。」
「はい、江ノ本様の仰る通りです。」
二人とも肯定してくれた。
「え…えっと、ということは小鳥遊さんは吐血してないしあの血は犯人の偽装なんですねぇ。
メモも倉庫にある物なので誰でも使えますし…。
事件ファイルに薬物の服用って載ってましたので別の薬を飲んだってことでぇ…。 あの机の薬は飲んでないってことですね。」
綿古里さんが説明してくれた。
「う…ちゅーことは自殺じゃないんか。オレは間違っとったんやな…。」
「ぷぷーっ!!なぁ!今どんな気持ち?ねぇ、どんな気持ち?教えてくれよぉ!」
「やめろや!!!」
「「いや、議論なんてせんでええ。もうこの事件の全貌はわかっとる」( ー`дー´)キリッ」
って恰好つけてたよなぁ?あっははは、やっべぇ!ウケる!!なぁもう一回言ってくれよぉ~。」
「ぶちのめすぞお前!!!」
爆笑してからかう若鳩君を木柳君が怒鳴りつける。
「喧嘩は後でにしなさい。あんたら、輸血パックが捨ててあったゴミ袋が誰のか分かる?」
「あっ、誰の捨てたゴミ袋か分かればその人が犯人っスね!」
喰田さんの後に五十嵐さんが気付いてから言った。
「無理。他の議論からして。」
唯輝…。言いたいことは分かるけど言葉が足りなすぎるよ。
「唯輝はゴミ袋はシャッターの前に置いてあるし放置してある。 しかも鍵が掛かってるわけでもないから、誰でも開けれる。 他人のゴミ袋を適当に開けて中に入れることができるからその人を犯人だと決めつけるのは良くないし、犯人だと断定するのは無理だから、その人が犯人の可能性もあるけどひとまず別の話題で 犯人を捜していこうって言いたいんだよね?」
僕が問いかけると唯輝は無言で頷いた。
「なーんだ!そういうことっスね。分かったっス!」
「そんならどないするんねん。」
「ふむ、それなら小鳥遊架澄は何の毒を飲んだかを話し合ってみるかのう。」
そうだな。綾織さんの言う通りにしよう。
もう、何の毒を飲んだのか僕には分かっているはずだ。
【ノンストップ議論開始!】
綾「小鳥遊架澄は何の毒を飲んだのかのう?」
羊「保健室にある毒を使って【新しい毒】を作ったのではないでしょうか?」
ソ「なるほド!パイが無ければお箸を食べればいいって事だネ!」
木「いや、箸を食うやつなんておらんやろ…。」
鬼「毒なんてアタイには【作れないよ】。」
狼「【図書館で調べれば】誰でも作れるだろ。」
五「【洗剤とかボンドとかを食べ物に混ぜていた】とかじゃないっスか?」
狼【図書館で調べれば】←【 毒物についての本 】
「その台詞はおかしいよ!」論破!
「ウルフ君、それはおかしいよ。図書室にある毒物についての本はジョーカーのお勧めコーナーの棚に 「猿でも作れる!毒薬・劇薬の作り方」があるんだけど2mより高い位置にあるんだ。 木柳君くらい身長がないと届かないよ。脚立には使われた痕跡がなかったし、
本も最初に見た時と同じ位置にあったんだ。綾織さんも証言してるよ。 他にも毒についての本があるけど薬じゃなくて毒のある食べ物・花・草についての本なんだ。
つまり、図書室で毒の作り方を見た人はいないと思うな。」
「木柳が犯人じゃないのかい?」
「なっ!ちゃうわ!オレは図書室にはいっとらへんでほんまや。
今日は見張りの為にずっと若鳩と一緒におったんやからな!」
鬼澤さんに言われて慌てたように反論する。
「はいはーいずっといたぜぇ。全くこんなつまらねぇ筋肉デカブツと一緒とか拷問かよぉ…。」
「うっさいわ!オレやってお前みたいなムカつく喧しいやつは嫌いや!! 晴天達のことまだ怒っとるからなオレは!」
露骨に顔を顰める若鳩君に木柳君が怒鳴る。
「うわー。傷ついたぁ~。オイラは嫌われ者だぁー。」
若鳩君が泣きまねをする棒読みだし嘘泣きってバレバレだ。
まぁ、人を騙す為じゃなくて木柳君を怒らせる為にしてるんだろうけど。
「トモ、泣かないでほしいっス。トモは悪いことをしちゃったし許せないけど…。 傷ついてる所は見たくないっス。」
「ワタシも…。一緒に議論頑張ろウ。」
「若鳩様、私は若鳩様の事も大切な仲間だと思っております。共に罪を償いましょう。 いつかは分かり合えると信じていますから。」
「安心しろマジシャン!吾輩は貴様も大好きだぞ!」
五十嵐さん、ソフィーさん、シープ君は優しいなぁ。生原君は…いつも通りだ。
「あんたら、いい加減にしな。議論を続けるよ。」
鬼澤さんが止めてくれた。
「木柳修哉と若鳩空智は犯人じゃないのう。犯人は小鳥遊架澄の部屋でカーペットに血を付けたり小鳥遊架澄の口元に血痕を付けたり、机の上に毒の瓶とメモを置いたんじゃろ? 二人はずっと一緒にいたからそんなことは出来んじゃろう?」
綾織さんが説明してくれた。アリバイがあるしこの二人は犯人じゃないな。
「よっしゃー!オレは容疑者から外れたっちゅーことやな!」
「やったー。オイラは無実だぁ~(棒読み)。」
「そんなんじゃ、納得できねぇな。」反論!
「ウルフ君?」
「おい、江ノ本。図書室で本が読まれてないだけで毒を作れなかったことにはならねぇだろうが。」
「?どういうことか説明してくれるっスか?」
「…あ゛ぁ゛?なんでだよ。他のやつらに聞け。バカ女。」
うわぁ、ウルフ君。苛立ちを隠そうともしていない。
「お兄様。お願いです。五十嵐様に謝ってください。」
「…分かった。悪かったな五十嵐。」
「おい!なんでやねん!!!」
「それと、お手数をお掛けしますが説明をして頂けませんか?」
「ああ、分かった。」
さっきまで不機嫌そうに顔を顰めていたのに今はシープ君に穏やかな声で話しかけている。
「あんた、本当、シープには甘いわね。」
喰田さんが呆れている。
【反論ショーダウン開始!】
「図書室で読んでなくても【元々、毒の知識がある奴がいるかもしれねぇ】」
「【綾織なら】記憶力がいいからそういう本を見ていたら、覚えてるだろうし。」
「生原は薬学の知識があるんだろ?」
「【誰かに教えてもらう】こともできるだろ。」
「とにかく図書室で毒の本を見てなくても【保健室にある道具を使えば】毒を作れる訳だ。」
「いくつか減ってる薬品があっただろうが。」
【保健室にある道具を使えば】←【 試薬の結果 】
「そのシナリオは間違ってるよ!」斬!
「ウルフ君、生原君がね。薬品に反応して色が変わる薄い水色の液体状試薬を作ってくれたんだ。 そしてその試薬を試した結果、薬を調合する道具や器具には反応なしだったけど保健室入口の傍の洗面台には所々、少量反応があったんだよね。」
「つまり、犯人は薬を作るんじゃなくて洗面台にいくつかの薬品を捨てたんだね。図書室に長い間いる綾織や薬品を作れる生原に疑いを向けるために。
そして元々保健室にあった薬品を使った。でも洗面台の中を綺麗に洗い流せてなかった…。 というとこだろう。」
鬼澤さんが皆に説明してくれた。ありがたい。
「間抜けな犯人っスねー!」
「……お前が言える台詞やないやろ。」
木柳君が五十嵐さんにツッコミを入れた。
「いや、五十嵐俊穂よ。それは違うぞ。犯人は密室で小鳥遊架澄を殺し、自殺に見せかける偽装工作をしてから、バレた時にの為に保健室で薬品をいくつか捨てておき、どの薬品を使ったのか分かりにくくしておる。犯人は頭がいいのう。」
綾織さん、犯人をほめてどうするの…。
「とりあえず、どの薬品を使ったのかを突き止めるわよ。」
「…。知ってる。」
「?有馬さんどういう意味ですかぁ…?」
綿古里さんが唯輝に尋ねる。
あっ、僕も知ってる。あれを見つけたからだよね。
コトダマ提示。
→【 空の透明のガラス小瓶 】
「これで証明できる!」提示!
「唯輝とシープ君がゴミ袋の中輸血パックと一緒に空の透明のガラス小瓶を見つけてくれたんだ。
表のノベルに『時間差で効く。オリジナル毒』って書いてて裏の説明文には
『茶色・無臭の液体状の毒です。溢さない様にご注意下さい。
また、大変落ちにくいので服などにつかない様にご注意ください。
3分の1で6時間後。3分の2で3時間後。全部で1時間後に効果が表れます。
強烈な眠気が襲い眠るように亡くなります。』って書いてあったんだ。」
それともう一つ…!
コトダマ提示。
→【 事件ファイル② 】
「これだ!」提示!
「小鳥遊さんは居室のカーペットの上に横向きに倒れていてクッションを頭の真ん中に敷いて眠っているかのようだったよね?」
「説明文に書いてある通りに時間が経って強烈な眠気に襲われテ、近くにあったクッションを枕にして横になったんだネ!それなら辻褄があうヨ。」
ソフィーさんが納得してくれた。
これだけの根拠があれば十分だろう。
「あ…あのぅ。その毒が使われたのは分かったんですけど、いつ使われたんですか?」
綿古里さんが疑問を口にする。
確かに、それを明らかにしないと。
「怪しいのは料理当番のやつらね」
「それはないっス!ちょくちょく味見をしていたしお互いの事を見ていたっスから!」
「ん。」
「その通りや!毒が入っとるならオレらの誰かが毒を飲んどるはずや!」
「は、はい、私達はこの通り何ともないですよ…。」
料理当番の人達が反論する。
「あっ、分かったっス!カナの部屋にお菓子の袋があったから…。」
「いーや、それはねぇだろ。倉庫の中に沢山お菓子があったからなぁ。 ピンポイントで小鳥遊が食うやつに毒を入れれるわけがねぇだろ。容疑者は~朝ご飯を持って行った五十嵐。昼飯を持って行った喰田。お菓子を持って行った綿古里だなぁ。」
五十嵐さんに若鳩君が反論したあとに容疑者を上げていった。
「待ちなさい。私は犯人じゃないわ。」
「私も犯人じゃないっスよ!」
「わ…私だって違いますよぉ!」
3人が反論する。
「犯人は「犯人じゃねぇ」って言うもんだろ。」
「犯人じゃなくても言いますよぉ!」
ウルフ君に綿古里さんが涙目で言い返す。
3人の話を聞いてみよう。
【ノンストップ議論開始!】
綿「【私は犯人じゃない】ですよぉ…!」
狼「【証拠を見せる】か【理論的な反論】をしろ。」
五「私は【昼ご飯に毒なんて入れてない】っスよ!」
木「いや、口だけなら【何とでも言える】やろ。」
若「そうだそうだぁー!この嘘つきどもめ~。」
喰「黙りなさい、あんた嘘ついてたじゃない。【私も毒を入れてない】わよ。」
五【昼ご飯に毒なんて入れてない】 ←【 小鳥遊の昼ご飯と綿古里の証言 】
「それに賛成だよ!」賛同!
「五十嵐さんは昼ご飯に毒を入れてないよ、だって全部3分の1程つまみ食いしているんだから。 そうだよね?綿古里さん。」
「は…はい、その通りです。つまみ食いした直後に小鳥遊さんに食事を渡している所を目撃しましたぁ。」
僕が問いかけると肯定してくれた。
「えー!見てたんっスか!?恥ずかしいっス!」
「もう皆にバレてるからええやろ。」
五十嵐さんに木柳君がツッコミを入れた。
「要するに毒を入れてるなら五十嵐さんは死んでるか眠気に襲われているはずなんだ。」
「この通り!元気いっぱいっス!」
証人もいることだし五十嵐さんが昼ご飯に毒を入れたってことはないだろう。
「…ということは、容疑者は喰田サンか綿古里サンって事だよネ?」
「私は毒なんて入れてないわよ。」
「わ…私もですっ!皆さんが私を疑う理由は私が小鳥遊さんにお菓子を持って行ったからですよね?それなら私は無実を証明できますよぉ。」
綿古里さんが訴える。
「綿古里様。そんなに慌てなくても大丈夫ですよ。落ち着いてください。
そしてからお話を聞かせてください。」
シープ君が優しく微笑んで話しかけると綿古里さんは深呼吸をしてから喋り始める。
「私はクッキーを5枚、ドーナツを5個、イチゴ大福を3個袋に入れて持って行ったんです…。
でも袋の中のお菓子は減っていなかったんですよぉ。つまり小鳥遊さんはお菓子を食べなかったんです。江ノ本さんと有馬さんが証人ですぅ…。」
「うん、僕と唯輝が数を確認したけど減ってなかったよ。」
「…。」
僕が綿古里さんの話を肯定すると唯輝も黙って頷いた。
「それは本当なの?」
…喰田さんどういうつもり?
「綿古里がお菓子を持っていく時にお菓子の数を数えていた人はいたの?
お菓子の数を嘘ついてるのかもしれないじゃない。」
「私は嘘なんかついてないですよぉ!」
綿古里さんが涙目で反論する。
まぁ、喰田さんの言うことも一理ある。 この学級裁判では皆が協力してくれるわけでも本音を言ってくれるわけでもない。
でもいちいち全てを疑っていたらきりがないし議論も進まない。
仕方ない…。議論を進めるために、綿古里さんを犯人だと決めつけられない為に、他の謎を解くために…。嘘をつくしかない。
もしも嘘がばれたり議論に悪い影響が出るようなら正直に自白して沢山、誠意をこめて謝ろう。
《コトダマ変化》
【 お菓子パーティのお菓子と綿古里の証言 】 → 【お菓子パーティのお菓子と江ノ本の証言 】
【ノンストップ議論開始!】
綿「私は【嘘なんてついてない】ですよぉ!」
木「論より証拠って言うやろ。何か【証拠とかないんか?】」
五「アオが証言より多くお菓子を持って行ってて【捜査の時にお菓子を見て】嘘ついてるって事っスか?」
鬼「それなら、綿古里が【お菓子に毒を盛って】毒殺したって事かい?」
若「わー。毒殺犯は綿古里だったのかぁー。」
鬼【お菓子に毒を盛って】 ←【お菓子パーティのお菓子と江ノ本の証言 】
「この嘘で脚色する!」偽証!
「皆!待ってよ!お菓子に毒なんて入ってなかったよ!」
「?何で分かるノ?」
僕が反論するとソフィーさんが尋ねてきた。まぁ、当然の疑問だよね。
「捜査の時にお菓子を見つけた僕が自分の部屋に持って行ったんだけど その時に残りのお菓子を食べたんだ。
毒は液体状だったしお菓子は一個ずつ包装されてたわけじゃなくてまとめて同じ袋に入ってたから
毒が入っているとしたら少しくらいは他のお菓子にもついてるはずだよね?でも僕は捜査の時もなんともなかったし、今もこの通り何ともないよ。」
「……。」
シープ君は心配そうな顔で僕の事を見た。でも何も言わないでいてくれている。 信じてくれているのかな?
若鳩君はニヤニヤと笑っているわざと黙ってるのかな?唯輝は僕を見て微かに頷いてくれた。 僕を信じて黙っててくれるって事だろう。
「…。」
鬼澤さんは何か言いたそうな顔だ。でも何も言わないでくれている。
「なら、一番怪しいのはナミっスね!」
「馬鹿じゃないの。私はご飯を小鳥遊に直接渡さずにドアの前に置いておいたわ。
だから小鳥遊がご飯を取るまでの間に誰でも毒を入れれるわよ。考えてから発言しなさい。無能。」
五十嵐さんに喰田さんがすかさず反論する。
「ど…どうしましょう…。それじゃあ今までの議論は無駄だったんですかぁ?これだけ議論したのに…。」
綿古里さんが泣きそうな顔で言っているけどそれは違う。
たしかにまだ犯人は分からない。でも…。
小鳥遊さんが自殺じゃないってことも分かったし、使われた毒も判明した。
確実にゆっくりだけど僕達は真実に近づいていってる。
…諦めるわけにはいかない。たとえどんな残酷な現実が待っていようとも。