大好きな彼女の為に   作:トロサーモン

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過去編2話目でーす。

おまけもあります。


君のいる場所までかけて往く

 ホップの家を出て少し歩いて、まどろみの森の近くの木のバリケード前までやって来た。この木のバリケードは牧場のウールー達がよく間違えてまどろみの森までやって来ては迷い込んでいて、おっちゃん達がバリケードを作った。それがこのバリケード………そのできはお世辞でも上手とは言えないできだ。

 

「よーし、まどろみの森にレッツゴー!!」

「おぉー!!」

 

 ユウリちゃんの号令にホップノリノリで返事をしてバリケードをよじ登って行った。俺はその2人の姿を見て少し嫌な汗をかいていた。何故か分からないけど冷や汗が出てくる、そして何故か心臓の動悸が煩い。ユウリちゃんのパンチラにときめいていると言えばそうだと思うが。この冷や汗と動悸は関係あると思う……端的に換言すると嫌な予感がする。それも今まで感じた事ないくらいの……少し前に母さんのエルレイドにイタズラをしてブチギレされた時よりも嫌な予感がする。ねぇ、ホップさん。まどろみの森なんか行きたくないよって言いたい。

 

「ソラ、早くこっち来てよ」

「あっ、うん」

 

 ユウリちゃんに急かされて俺はバリケードに足をかけて登った。ユウリちゃんに怪我でもあったら大変だ。俺の嫌な予感よりもユウリちゃんの方が大切だ。どんな事があってもユウリちゃんを守らないと………えっ、ホップは大丈夫だって?大丈夫だ問題ない。軽装な装備だけど1番いいやつを装備している筈だ。そんな事を思いながら俺はバリケードを乗り越えて3人で森の奥へと歩いて行った。

 

 少し歩くと霧が出てきた。周りの景色が少し見にくくなったな、足元とか気をつけないとな。

 

「2人共、霧が出てきたから足元に気をつけながら進もう」

「うん」

「りょーかい」

 

 ホップも同じ事を考えていたようだな。……そう言えばここに来た理由って最近この森で暴れているポケモンを追い払う為だったよな。そのポケモンと戦う方法とかあの2人は考えているのかな?

 

「なぁホップとユウリちゃん。この森に来た理由ってこの森で暴れているポケモンを退治するか追い払うでいいんだよね?」

「うんそうだよ」

「何を言ってるんだソラ、その為にこの森に来たんじゃないか」

「なら、そのポケモンと戦う術って用意してきたの?」

「「・・・。」」

 

 すると2人は黙って固まった。あっ、さてはこの2人考えなしで来たな〜。もぉ、このうっかりさんが〜。………神は言っている、ここで諦める運命だと。

 こんな何も作戦なしで勝てる相手なんかも分からない、いや勝てないだろ。この森のポケモン達が怯えるくらいなんだ、強いに決まっている。俺達が逆立ちしてもどうにもならないだろう。

 

「そ、そうだ。ソラはケロマツ持ってたよね?」

「そうだよ、ケロマツが居たらどうにかなるよ!」

「戦闘経験があまりないケロマツがこの森のポケモン達が怯えるくらいのポケモンに勝てると?」

「「………帰ろっか」」

「異議なし」

 

 そして俺達は回れ右をして森の出口に向かって歩き出した。すると突然強い風が吹いた。

 

「なんだ、この風は」

『………やっと戻ってきたのか、我らが………よ』

「えっ、ホップなんか言ったか?」

「いいや、何も言ってないけど?」

 

 なんだ今の声は……俺にしか聞こえてないのか?なんだか分からないけど不気味だから早くこの森から出よう。

 

『………どうやらまだ目覚めてないようだ』

『……ならば試練を与えよう」

 

「なんだよさっきから変な事話しやがって!!」

「どうしたのソラ?」

「さっきから変声が聞こえるんだ。ホップやユウリちゃんは聞こえないの?」

「何も聞こえないけど?」

「私も」

 

 ホップやユウリちゃんには何も聞こえてないようだ。なんだよ目覚めてないとか試練とか……どういう意味だよ。

 そんな事考えていると霧が更に濃くなり周りが見えなくなるくらいにまでなった。やばい、みんなの姿が見えなくなった!

 

「ユウリちゃん、ホップ!!」

 

 俺は大きな声を出して2人を呼んだが2人からの返事はなかった。どういう事だ、さっきまで側に居たから聞こえて返事を返してくれる筈なのに。くそ、前が全然見えない。名前を呼びながら2人を探そう。俺は2人の名前を大きく呼びながら歩いた……だが、2人からの返事はなかった。

 

「あれ、ここは!?」

 

 霧が晴れるとそこは森の入り口だった。いつの間にか俺は引き返していたようだ。だが、森の入り口にはユウリちゃんとホップは居なかった。

 もしかして先に戻って行ったのか………いいや、2人の性格からしてそれはない。もしも入り口にたどり着いていたとしても戻る事はせずに探しに行くだろう。

 

「探しに行かないと!」

 

 そして俺はもう一度森の中へと入って行った。

 

 

 森の中はまだ霧が濃くて周りがあまり見えない、だから俺は大きな声を出して2人に気がついて貰えるようにした。大きな声でこの森で暴れているポケモンに気が付かれるかも知らないけど迷わずに大声を出した。

 

「そ、ソラ……ソラなのか!?」

「えっ、ホップ!!」

 

 大声を出し続けて歩いているとホップと再会した。良かった、ホップは無事のようだ。……ユウリちゃんはホップとは一緒には居なかったようだ。ホップは俺の顔を見るなり涙を浮かべて話し出した。

 

「よかった、ソラとユウリが突然居なくなって……俺、俺」

「気にするなって」

「俺がこんな事を提案しなかったら」

「大丈夫だって。そんな事よりユウリちゃんを探さないと!」

「そ、そうだな」

「………」

 

 俺は少し悩んだ。この前ホップを連れて行こうかどうかを。この前一緒に探してたらまた霧のせいで離れ離れになるかも知らない。そうなるならホップを入り口まで連れて行ってから大人達を呼んできて貰った方が良いのではと。

 

「……取り敢えずホップ、入り口に戻るよ」

「えっ、どうして。ユウリはまだ見つかってないよ!?」

「この前探していたらまた霧のせいで離れ離れになるかも知らない。だからホップには街に一度戻って貰って大人達を呼んできて貰いたいんだ」

「う、うん。いいけど、ソラはどうするの!?」

「ホップを入り口まで連れて行ったらユウリちゃんを探しに行くよ」

「な、なら俺も!?」

「さっきも説明しただろ。……俺は大丈夫。ケロマツも居るから」

 

 そう言ってケロマツを出した。ケロマツは『ケロケロ』と鳴いてから俺の肩に乗った。そしてペシペシっと頭を叩いてくる。さっき役立たず発言した事で怒っているのだろう、後で謝っておこ。

 

「わ、わかった。ユウリの事ならソラに任せた方がいいよな。入り口なら一人で戻るよ」

「あぁ、任せておいて。一人で大丈夫?」

「大丈夫、ソラの歩いてきた足跡を辿って戻るから。それじゃあ大人達を連れて戻るから!」

 

 そう言ってホップは早足で戻って行った。さてと、ユウリちゃんを探しに行かないと!

 俺はケロマツを肩に乗せながらユウリちゃんを呼びながら走り出した。

 

 

 

 

 しばらく走り続けると霧が晴れて少し広い場所にでた。そこは神秘的な場所で古いアーチ状の建造物があった。何処か懐かしいような感じがする。

 

『ケロケロ……』

 

 ケロマツも何かを感じたのかジーッと古いアーチ状の建造物を見つめていた。俺はそのまま歩いてアーチ状の建造物の近くまで来た。建造物の中には石碑みたいな物があり何か書いてあるが読めなかった。そしてその石碑の下に古い剣と盾が置いてあった。俺はその剣と盾に見覚えがあり、剣と盾の方に手を伸ばした………

 

「きゃぁぁぁ!!」

「……ユウリちゃん!!」

 

 ユウリちゃんの悲鳴に俺はハッとしてユウリちゃんの声のした方に向かって走り出した。するとユウリちゃんがタチフサグマに襲われそうになっていた。俺は更に走るスピードを上げた。そして………

 

「なにやってんだごらぁぁぁ!!」

『シャウゥ!!』

 

 俺はそのままタチフサグマに向かって飛び蹴りを喰らわせてタチフサグマを蹴り飛ばした。そしてユウリちゃんの前に立ちタチフサグマに立ち塞がった。

 

「そ、ソラ!?」

「大丈夫だったユウリちゃん、怪我してない?」

「そ、そら……ソラぁぁ!!」

「うぉ、ゆ、ゆゆゆゆ、ユウリちゃん!?」

 

 するとユウリちゃんが俺に抱きついてきた。やばい嬉しい、なにこれすごくいい匂いした。もうこれで死んでもいいや………まだだ、まだダメだ。ユウリちゃんを無事に町に帰すまでは死ねない!!

 

『シャアァァァウゥゥゥ!!』

 

 そして俺はタチフサグマの方に目をやった。タチフサグマは立ち上がり腕を交差させてから大きく吠えた。このタチフサグマがここ最近森で暴れているポケモンなのか?………今はそんな事を考えている場合じゃなさそうだ。

 

「いくぞケロマツ!」

『ケロォ!!』

 

 これが俺とケロマツの初めての戦いだ。

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

おまけ ユウリちゃんにチョコレート貰った話

 

「ねぇソラ、今日何の日か知ってる?

 

「うんそう、バレンタイン。だからね、じゃーんハッピーバレンタイン!!

 

「ママと一緒にチョコレートを作ったの。良かったら受け取ってくれないかな?

 

「えっ、貰っていいのって?うん、ソラの為に作ったんだから

 

「あっ、勘違いしないでね……このチョコレートはソラの為に作ったんだけど他のチョコレートはその人の為に作ったの。だからソラが特別って訳じゃないから

 

「それでもすごく嬉しい。そ、そうなんだ……良かった

 

「えっ、私にチョコレート貰ったからもう死んでもいい?ダメだよそんな事で死んだら!!

 

「わ、私のチョコレートなら毎年でも作ってあげるから死ぬなんて冗談でも言わないで!!

 

「うん、分かればよろしい

 

「一生大事にする……いや、そこは食べてよ!

 

「さっきも言ったけど毎年バレンタインの日にチョコレートあげるからちゃんと食べて!

 

「毎年貰ったチョコレートは大事に保管するって、だから食べてよ!

 

「もう、そんな事言うならそのチョコレート返して貰うよ

 

「あっ、ちょっと、地面に頭を擦りながら謝らないで!!

 

「返さなくていいから謝らないで!!

 

「もう、ソラは大袈裟なんだから

 

「そんな事よりチョコレート、食べてよ

 

「味の方はママと一緒に作ったから大丈夫だよ

 

「形の方は私がやったから変かも知れないけど

 

「えっ、すごく上手に出来てる。えへへ、ありがとう

 

「あっ、スマホロトムで写真撮らないで!!

 

「初めて私からチョコレートを貰った記念だから写真を撮らせて?

 

「……うぅ、わかった。次はもっと上手に作らないと

 

「って、連射機能で写真を撮らないで!!

 

「一枚だけじゃ足りないって、足りる足りる足りてるから!!

 

「もう、本当にソラは大袈裟なんだから!!

 

「それで、味の方はどうかな?

 

「……えぇ、大丈夫。涙でてるよ!!

 

「美味しすぎて涙が止まらない!?

 

「毎日食べたいくらい美味しい!?

 

「そうなんだ。えへへ

 

「それじゃあ私はホップにチョコレート渡しに行ってくるね!!」

 

 

 





 投稿がおくれてすみません。アルセウスをやり込んでいたり、新しい作品を書こうとして辞めたりして投稿が遅れました。
 
 今回は過去編2話目となり次回で終わる予定になっております。意味深なことが起きてますが私自身正直そこまで考えもせずに書いてます。ソラになにが起きてるのか!?とか、前世ではどうだった!?とか適当に考えて書いております。こじつける事もあるかも知れませんが暖かく見守ってください。

 バレンタインのお話書きたかったのですが、過去編の途中で突然バレンタインのお話を挟むのはどうなのか?っと考えて、おまけとしてこのような形でバレンタインのおまけ話を書きました。ユウリちゃんだけ話している形になってますがソラくんもちゃんと話してます。ポケモンやプリンセスコネクトとかで主人公が話さずに話が進む形で書きました。
 マリィちゃんのお話を書きたかったのですが、難航してこれ以上投稿が遅れるのはダメだと思いマリィちゃんのお話をやめてユウリちゃんだけにしました。(マリィちゃんアニメに登場おめでとう)

 感想にあったユウリがホップに惚れているとありましたが、それはソラくんの勘違いです。


 次回は過去編のラストになります。ケロマツvsタチフサグマになります。

もしも次にIFストーリーを書くとしてヒロインにするのなら。

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