大好きな彼女の為に 作:トロサーモン
くそ、こんな場面でバトル。それも初めてのバトルとはな。相手のタチフサグマのレベルは一回り二回り……いや、それ以上だな。落ち着いて分析をしろ……相手はタチフサグマだ特性は『すてみ』と『こんじょう』だ。こんじょうは状態異常で威力があがる。俺のケロマツには状態異常にする技を覚えさせていないから大丈夫だ。だけど、すてみだったらやっかいだな。すてみは反動のある技の威力を上げる。まぁ、どれをとっても厄介な事には変わらないけどな。これは勝てる戦いじゃない、戦えば100%負けるだろう。俺とケロマツが逆立ちしようが全裸で逆立ちしようがコスプレをして逆立ちをしようが勝てない戦いだ。勝てるとしたらホップが呼んでくれた大人達の持っているポケモン……それか神からの奇跡だろうな。後者は1%の可能性もないけど。
『フシャァァァ!!』
起き上がったタチフサグマは空に向かって大きく叫んだ。やばいな、そろそろタチフサグマが襲って来そうだ。もう少しだけ情報を整理して起きたかっ!!
「ケロマツ直ぐに伏せろ!!」
『ケロォ!?』
「えっ!!」
俺は慌ててケロマツに指示をしてから慌ててユウリちゃんの頭を抑えて伏せた。すると黒い衝撃波みたいなものが俺の頭上に流れた。さっきのはバークアウトだな、一瞬でも反応に遅れていたら当たっていたな。厄介な技を覚えやがって。
「ケロマツあわだ!!」
『ケロォ!』
ケロマツはあわをくり出した。だが、タチフサグマは腕でガードをしてそれを防いだ。レベルが違いすぎるから避ける必要もないって事だな。あわでは逃げる時間を稼げないな。だったら……
「ケロマツ、タチフサグマの足元を狙ってケロムースを投げろ!」
『ケロォ!』
『フシャ!?』
ケロマツのケロムースはタチフサグマの足に命中して身動きを止めた。
「よし、今のうちに逃げるよケロマツ、ユウリちゃん!」
「う、うん……あれ、足に力が入らない?」
「ごめんユウリちゃん!」
「えっ、うわぁ!?」
ケロマツは肩に乗ってから俺はユウリちゃんをおんぶをしてから走り出した。さっきので腰を抜かしてしまったようだな。それと何故ケロマツは俺の肩に乗るんだよ。…………さてと、さっきのケロムースでどれだけ時間を!!
『ケロォ!』
「分かってるぅ!!」
「きゃぁぁ!!」
俺は慌てて木の影に隠れた。するとバークアウトが俺の隠れた木に直撃して木が大きく揺れた。くそ、離れてもバークアウトで狙ってくるの! ユウリちゃんをおんぶしながら逃げるのは難しいな。だが、タチフサグマを勝つよりかは可能性はある、少しずつでもいい、出口に近づければ。
『フシャァァァ!!』
「もうケロムースを解いたのかよ!」
するとタチフサグマはケロムースから逃れてこっちに向かって走って来た。くそ、せっかく少しは離れたのにもう近づいて来られるなんてなぁ!
「ケロマツもう一度ケロムース!」
『ケロォ!!』
ケロマツは両手でケロムースを投げた。だがタチフサグマはそれを悠々に避けてこっちに向かって来ていた。
くそぉ、もうケロムースに対応して来たのかよ。後出来ることはなんだ考えろ……!!
『フシャァァ!』
「避けろケロマツ!」
『ケッ、ケロォォ!』
タチフサグマのつじぎりがケロマツにかすった。くそ、俺が油断したせいでかすってしまった。かすっただけだが、ケロマツとタチフサグマとのレベルの差が大きいから僅かにかすっただけでも致命傷ものだ。
ケロマツはそのまま地面に落ちてぐったりした。
「ケロマツ戻れ!」
俺は慌ててケロマツのモンスターボールに戻した。そして俺はそのまま全速力で走り出した。木と木の狭い間などを使って逃げた、木が障害物となり、タチフサグマが通らなくて戸惑うか大回りでもして少しでも離せればいいと思えた。
『フシャァァァ!!』
だが、タチフサグマはそれを無視して強靭な腕で木をバッタバッタっと薙ぎ倒してきた。
くそ、考えろ。この状況を打破する解決策を!! なんでもいい、何を使ってでもいい、何としてでもこの状況をなんとかしないと!!
「そ、ソラ……私を置いて逃げて」
「はぁはぁ……ユウリちゃん、こんな時に冗談を言わないで。今この状況を打破する考えを今考えているんだ!」
「だっ、だったら。私をお、囮にして逃げて」
「はぁはぁ……だから、冗談は」
「冗談じゃない!!」
ユウリちゃんは大きな声でそう言った。
「あ、足手まといの私を囮にしたらソラとケロマツは助かる」
「…………それをしたらユウリちゃんはどうなるのか分かってるの?ユウリちゃんのお母さんからやせいのポケモンはどれだけ怖いのか教えてもらってないの?」
「わ、分かってるよ。…………でも、そうしないとソラまでも犠牲になっちゃう。わ、私なら大丈夫だから。だから……」
「断る!!」
「ど、どうして!?」
「ユウリちゃんが震えてるから……大丈夫じゃないからだ!」
ユウリちゃんは俺の背中で震えている。それを分かっていて見捨てれる訳ない。それに元からユウリちゃんを見捨てる選択肢なんか一つも考えてない!
「ユウリちゃんがどれだけの覚悟であんな事を言ったのか分かるよ。だけど、俺は君の覚悟を踏みにじってでも君を助ける事を選択する!」
「ど、どうして……どうしてそこまでするのソラくん」
「…………好きだからだよ、ユウリちゃんの事が好きだからだよ。この世界の誰よりも」
例え俺がどうなったとしても君だけは絶対に守る……
そう思った時にケロマツが入ったモンスターボールがカタカタと動いた。そしてケロマツの想いが俺に伝わってきた。あぁ、そうだな。逃げてばっかじゃダメだよな…………勝ちにいかないと!
ふぅ〜はぁ〜、覚悟をはもう決めてある。あとは立ち向かうだけだ……そうだろケロマツ。
するとケロマツのモンスターボールがカタカタっと動いた。俺は走るのをやめてユウリちゃんを下ろした。そしてユウリちゃんの前に立ちタチフサグマの方を向いた。
「はぁはぁ……ごめんユウリちゃん、ここからは一人で町まで戻ってくれないか」
「えっ、ソラは?」
「アイツに勝つ」
「えっ、無理だよ。ソラとケロマツではあのタチフサグマは勝てないよ!」
するとケロマツがモンスターボールから飛び出した。
あぁ、分かってるよケロマツ。このまま逃げてもタチフサグマに追いつかれる、だったらここで戦うしかないと。それに……
「大丈夫、絶対に勝つから」
俺はそう言ってからまた前を向きタチフサグマを睨んだ。
ケロマツの気持ちや想いがソラに伝わり、ソラの気持ちや想いがケロマツに伝わった。そしてお互いの想いが気持ちが重なり、一つとなった。
「うおぉぉぉぉ!!」
『ケロォォォォ!!』
ケロマツから大量の水が放出されると、その水はケロマツを纏った。
ケロマツはタチフサグマに向かって走り出した。ケロマツの視界が何故か分かる。タチフサグマがつじぎりを繰り出そうとするのが見えた。
「木を足場にして避けろ!!」
『ケロォォ!!』
するとケロマツは俺の考えた通りに木を使って避けた。そしてタチフサグマの上をとった。これで決めるしかない、最大火力だぁ!!
ケロマツの纏っていた水が全部形を変えて巨大な手裏剣に変化した。
「いっけぇぇぇぇ!!」
『ケッコウガァァァァ!!』
『フシャアァァァ!!』
ケロマツの投げた手裏剣はタチフサグマに直撃して悲鳴と同時に倒れた。
やったのか……これでユウリちゃんは大丈夫だな。あれ、意識が……。
「ソラ……ソラ、ソラ!!」
するとソラとケロマツはフラついてからその場で倒れて意識を失った。
目を覚ましたら見覚えのある天井……俺の部屋の天井だった。
部屋から出てリビングに行くと母さんは驚いた顔をして俺に近寄ってきてビンタをされてから抱きしめられた。抱きしめられながらお説教されてから俺の寝ている間の出来事を説明してくれた。
まどろみの森で俺とユウリちゃんをダンデさんが見つけてくれて町まで連れて帰ってきてくれたみたい。そして俺は3日間も眠っていたようだ。その間ユウリちゃんとホップが毎日お見舞いにしに来てくれたようだ。ユウリちゃんは甲斐甲斐しく俺のお世話をしてくれたようだ。……本当に優しいなユウリちゃんは。しゅき!!
母さんから解放されてから部屋に戻ってからケロマツをモンスターボールから出した。ケロマツはいつも通りだった。あの時のケロマツは何処か変わっていたし、姿も変わっていたような気がしたけど……今みたけど何も変わってなかった。あの現象はなんだったのだろうか?
『ケロケロ!!』
「ありがとうなケロマツ。あの時一緒に戦ってくれて」
『ケロケロケロォ』
「そうか、やり返したかった……ってかお前の言っている事が分かるようになってるんだが何故だ?」
たぶんケロマツと一つになった……いや、合体と言っておこう。合体した事でケロマツの話している事が分かるようなったんだな。本当になんだろうな。
「ソラ、ユウリちゃんとホップくんが遊びに来てくれたわよ!」
「わかった、今行く」
ケロマツをモンスターボールに戻してからユウリちゃんとホップが居る玄関に向かって歩き出した。
ここはブラッシータウンのポケモン研究所、そこはソニアがポケモンを研究している研究所で沢山の本や資料などがあり、床にはワンパチのご飯のおわんが置いてある。今日はソニアのポケモン研究所にユウリが遊びにきていた。
「それでねその時にソラが震えている私をおんぶしながら『好きだからだよ、ユウリちゃんの事が好きだからだよ。この世界の誰よりも』って言ってくれたんだ。あの時のソラはすっごくカッコ良かったの!!」
「あはは……ソラくんは本当に昔からソラくんだったんだね」
ソニアはユウリの惚気話を聞かされていた。ソニアはユウリと出会った時(※第3話)にソラの事が好きな事を見抜いていて、ソラが気絶している時にユウリの事を応援すると言いユウリと協力関係を持つ事にした。
そしてユウリはよくソニアの研究所に行き女子会を開いていた。
「それにしてもソラくんは何者なの、タチフサグマを蹴り飛ばしてユウリちゃんをおんぶして全力で走って逃げて」
「それ以外にもソラとケロマツがね、一つになってケロマツが変身してね」
「えっ、それってどういう事!?」
すると『ピンポーン』っとインターフォンが鳴った。ソニアの研究所にお客さんが来たようだった。
「はい、どうぞ」
「すまない、失礼するよ」
「えっダンデくん!?」
研究所にダンデがやってきた。手には本が握られていた。ダンデはそう言うとソニアとユウリが座っている所までやって来た。
「おや、ユウリくんも居たのか」
「はい、こんにちはダンデさん。今日はどうしたのですか?」
「この前ソニアから借りた本を返しに来たんだ。ユウリくんはソニアと楽しそうに話していたようだが」
「はい。2年前のまどろみの森の事をソニアと話していました」
「……そうか、なら丁度よかった。ユウリくんに話さなければならない事がある」
そう言ってダンデは真剣な表情に変えて話だした。
「あの時、ホップが慌ててまどろみの森から出てきてホップにソラくんとユウリくんがまどろみの森に居ると話してくれた。私は慌ててまどろみの森に入ってユウリくんとソラくんを探していて、タチフサグマから逃げるソラくんとユウリくんを見つけたんだ」
「えっ、ならどうして直ぐに助けに来てくれなかったのですか?」
「あの時、2匹のポケモンに邪魔されたんだ。赤い鬣のポケモンと青い鬣のポケモンに」
ダンデが助けに来た時に赤い鬣のポケモンと青い鬣のポケモンによって立ち塞がれた。ダンデはドラパルトを出して戦ったが全ての攻撃はすり抜けた。そして2匹のポケモンは攻撃もせずにただダンデをソラとユウリに近づけさせないようにしていた。
「何をやっても2匹のポケモンには当たらなかった。そんな時に森の雰囲気が変わるのを感じた。すると目の前にいた2匹のポケモンは消えていた。俺は慌ててソラくんとユウリくんの元に向かった。だけど、その時に見た光景に驚いて固まってしまったんだ」
「それって、さっきユウリが話してくれたソラくんとケロマツが一つになったて」
「あぁ、ソラくんとケロマツが一つになった。そしてあり得ない事にケロマツがみずしゅりけんを使ったんだ」
「えっ、ケロマツがみずしゅりけんを!? みずしゅりけんってケロマツの最終進化のゲッコウガしか覚えない技だよね」
「えっ、そうなんですか!?」
「あぁ。だけどケロマツは使った。俺はその光景を見た時にある事を思い出してソニアにガラルの伝説の本を借りたんだ。だけど、この本には載っていたなかった」
そう言ってダンデはテーブルにソニアから借りた本を置いた。ソニアはそれを受け取ってパラパラっとページを巡った。
「俺がまだジムチャレンジャーの時に見たガラルの伝説が書かれた古文書とみんなに知らされている伝説は少し異なっていた」
「えっ、そんなの私知らないけど?」
「その時ソニアと分かれて探索していたからね」
「ただの迷子なのでは?」
「あははは、バレたかい。こほん、その時に見た古文書にはブラックナイトと戦った勇者は剣と盾の勇者……それと“もう一人勇者”が居たんだ」
「えっ、もう一人勇者がいたなんて私やお婆さまも知らない事よ!」
「そ、そうなんですか?」
「そうなの、私も立派な博士になる為に今はガラルの伝説について調べてるの。だけどもう一人勇者が居たなんてどの古文書や本にも載ってなかった。ダンデくん、その古文書って何処で見たの!!」
「ナックルシティの宝物庫の所で偶々古文書が開いていてそこに書かれていたんだ。だけど、この前ナックルシティでその古文書を探したけど見つからなかった。それどころか古文書のいくつかが消失していた」
「それって数年前にニュースになってましたよね、各地にあった古文書や文献などが大量に無くなったという」
「あぁ、数年前と言われてるがたぶんそれよりもだいぶ前から無くなっていたと思われる……何者かの手によってそれを隠蔽されていたようだが」
ダンデはそう言って悔しそうな顔をした。現在のガラルに不穏な影が潜んでいるのに気がついている。だが、その影が何者なのか何を企んでいるのかは不明なままだった。ダンデはその影を調べる為に各地を巡っているが何一つ情報は得られていない。このまま何も起きない事を願いながら……
「さてと、話を戻そう。その無くなった古文書に書かれていたもう一人の勇者とはとある遠い地方からやって来た人物らしい。その人物は“ポケモンと一つとなり”剣と盾の勇者と一緒にブラックナイトと戦っていたらしい」
「それってもしかして……さっき話していたソラくんとケロマツが一つになった力とそのもう一人の勇者の力は同じって事。だったらその勇者とソラくんは何か関係してるの!?」
「ソラくんと勇者との関係は不明だ。それと昔にマスタード師匠に言われた事があるんだ。トレーナーとポケモンと一つとなった時に進化を超越した強力な力を得ると言われた。俺は師匠にそれを聞いてポケモンと一つとなろうと頑張ったが、残念ながらなれなかった。俺はその事をすっかり忘れていたが、あの時のソラくんとケロマツを見た時に思い出した。俺の目指していたポケモントレーナーは彼なんだと。そして同時に思った、もしもソラくんがポケモントレーナーとなって俺の前に現れたら、最高のバトルが出来るんじゃないかと!」
ダンデの目は子供のように目をキラキラさせながら話していた。それを見た二人はくすりと笑った。
「だけどソラはポケモントレーナーやジムチャレンジとかに興味ないとか言ってたよ」
「そうなんだよ。ソラくん自身がその気がないのが問題なんだ。彼は異質な力以外にも才能を持っているんだ。多くのポケモンの知識に加えて俺以上の洞察力と観察眼を持っている。そんな彼がポケモントレーナーとなったらとてつもない存在になると思っているんだが……」
「だけどトレーナーには興味がないと、ソラくんらしいね。あの子はマイペースで自由にやってた方がらしいと思うわ」
ソニアはそう言ってから本を閉じてから立ち上がり本を片付ける為に本棚に向かって歩き出した。もしもダンデくんが言っていた古文書に書かれていた事が本当なら、ソラくんはもう一人の勇者になる。彼のポケモンと一つになれる力はあの時に偶々できる事が分かった。それまで一度もポケモンバトルをしていなかったからポケモンと一つとなる力なんか分かっていなかった。そんな彼を覚醒させたのはまどろみの森での出来事だ。だけど、あの時ダンデくんが2匹のポケモンに邪魔されなかったらソラくんとユウリがタチフサグマにギリギリまで追い詰められる事なくソラくんがポケモンバトルをする事はなかった。その2匹のポケモンはソラくんがその力を使える事を知っていたって事。もしかしてその2匹にもガラルの伝説の何らかの手がかりがあるのでは!? よし、明日ソラくんを誘ってまどろみの森に調査しに行こう!!
ソニアの研究心が燃え上がっていた。だが次の日、とある来客によってソラは遠出する事となった。
言い訳をします。戦闘描写が本当に苦手です。変な設定なんか付けなかったら良かったです。
なんか色々と伏線とかあるけど、全部回収しないと思います(今のモチベーション的に)。ソラくんがバカをやっている方が描きやすいですね、次回から当分の間ギャグとかネタとかに戻します。アンケートにあったシロナさんとカルネさんも登場させます(次回とは言ってない)次回は久しぶりにあの子を再登場させる予定です。アニメでも大活躍だったあの子です。
少し前にラインでポケモンのゲームの女主人公の人気投票が発表されていましてユウリちゃんが一位になってました(嬉しい)。なのでアンケートをやろうと思います(実はもうやってます)。金銀のクリスちゃん〜legendアルセウスのショウちゃんまでとします。リメイク作品はファイヤーレッドとリーフグリーンのリーフちゃん、ブラック2とホワイト2のメイちゃん、USとUMのコウミちゃんも投票できます。皆さん良かったら投票してください!!
次回はソラくんがあのジムリーダーと出会います。
もしも次にIFストーリーを書くとしてヒロインにするのなら。
-
シロナ
-
エリカ
-
コルニ
-
カミツレ
-
マリィ
-
メイ
-
その他