孫悟飯は五つ子姉妹の家庭教師をするそうです【本編完結】 作:Miurand
何気にこの作品が投稿され始めて1年が経つのかな…?時の方が流れは早いですねぇ…。では本編をどうぞ。
ゴハンの手から伸びる気製の剣が悟飯を突き刺したように見えたが、何故か悟飯の胴体を突き抜けなかった。
一花「なっ…………」
五月「どう…………して……………!」
だが、悟飯の体に血が飛び散った。赤黒くて鉄臭い。しかし妙に綺麗だった。妙に生温かった。
悟飯「う、嘘だ……………………」
三玖「な、なんで……………………」
だが、その血は悟飯のものではない。確かに先程ゴハンのビームによって右胸が貫かれた。だが、気をコントロールすればなんとか出血は抑えられる。故に悟飯のものではない。ならば……。
ドサッ……
悟飯を庇った者が倒れ込んできた。悟飯はその者をすぐに抱き抱える。
悟飯「そ、そんな……!!どうして君が………!!!!なんで前に出てきたんだッッ!!!!!」
悟飯は自分自身に対して守れなかった怒り、悲しみを含んで彼女に叫んだ。
「…………だって、あなたには死んでほしくなかったんだもの……………」
四葉「二乃……!二乃ォ!!!」
そう。悟飯の恋人であり、大切な存在である二乃だった。何故ピッコロのようなZ戦士達じゃなくて二乃だったのだろうか……?彼らは激しく体力を消耗していたし、ゴハンによる妨害を受けていた。しかし五つ子や風太郎はノーマークだったのだ。だから二乃は動く暇があった。
悟飯「なんで……!!どうして…!!!!!」
二乃「いや、なのよ……!もう、あんな気持ちを味わいたくなかったの…。大切な人が消える、あの気持ちは…………」
悟飯「でも、だからって…………!!なんで……!!!!」
二乃「言ったでしょ……?女の子は、好きな男の為なら、戦場にだって飛び込めるんだって…………」
二乃の声が段々小さくなっていく。血液が流れ出ていくと同時に、二乃の魂が段々抜け落ちていくかのように、徐々に二乃の体に力が入らなくなっていく。最早喋ることすらも難しくなっていた。
でも、二乃は悟飯に言わなければならないことがあった。だから自分の身を犠牲にしてでも、彼の前にやって来たのだ。
悟飯「だからって……!!君の身を犠牲にする必要はないんだよ……!!!」
二乃「………ごめんなさい」
弱々しい声で、二乃がそう言った。
二乃「私ってね、考える前に先に行動しちゃうタイプなの。ごめんね、こんな馬鹿な私で……。こんな手段しか取れない私で……………」
悟飯「で、デンデ!!!早く二乃を!!!!」
デンデ「は、はい!!!」
二乃の気が段々小さくなっていく。それに気付いた悟飯はデンデに回復の依頼をする。今ならまだ間に合う。命を失う前なら、まだ間に合う。
だが…………。
超4ゴハン「させるか」
ドガガガッッ!!!!!!
ピッコロ「ぐぁああ……!!!!!」
悟飯「ピッコロさんッッ!!!!」
デンデに向けて放たれた複数の気弾をピッコロが庇う形で当たりにいく。
ピッコロ「悟飯……………」
ピッコロは最後に何かを言い残し、重力に従って地面に落ちながら気絶してしまった。
悟飯「そ、そんな………!!僕は、また守れなかったのか……?」
また守れなかった。あの時の悟空のように、また人を死なせてしまうのか…?自分の実力が伴わないばかりに、また殺してしまうのか………?絶対に守ると誓ったばかりなのに、彼女を死なせてしまうのか…………?
いやだ。そんなの嫌だ。
嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だッ………!!!!!
悟飯「嫌だぁぁあああああぁああああぁああッッッ!!!!!!!」
悟飯は目の前の現実を否定するように泣き叫んだ。悟飯がここまで涙を流して泣き叫ぶのは初めてだった。むしろ今まで泣かなすぎただけだった。同い年の普通の男子なら、悟飯と同じ経験をすれば泣いた回数は数え切れないものとなっていただろう。悟飯は強かった。でも、それは守りたいものがあったから。大切な存在がいたから。
悟飯は我を忘れるように泣き叫んだ。もう嫌なのだ。戦うのも、悪い奴と会うのも。自分の大切な人が死ぬのも、傷つけてられるのも………。もう、懲り懲りなのだ。
超4ゴハン「…………壊れてしまったか」
悟飯はひたすら泣き叫ぶ。大切な存在を失いたくないという我儘。自分に力がないせいなのは分かってる。それでも、死なせたくなかった。一緒にいたかった。
そっと、突如彼の頬に彼女の温かく、ほのかに甘い香りを発する手が触れた。
悟飯「………!!」
二乃「---」
悟飯「な、何を………?」
二乃は笑顔を作りながら何かを悟飯に伝えた。その直後………。
ガクッと……彼女の体から力という力が失われるのを感じた。
悟飯「に、二乃……!!二乃!!!!」
彼女を呼びかけるが、反応がない。気を確認することもできない。だけど、その事実から目を逸らすように悟飯は呼びかける。
悟飯「二乃!!しっかりしてよ、二乃!!!!!」
風太郎「ご、悟飯!!!!二乃はドラゴンボールで生き返ることができる!!!だから冷静になれ!!あの偽物さえ倒せればいいんだ!!!!」
風太郎は冷静に物事を見て、悟飯に冷静さを取り戻すように言う。確かに二乃は死んだとしてもドラゴンボールで蘇生可能だ。何も2度と会えないわけではない。
超4ゴハン「ほう?その創造者が無事でなかったとしてもか?」
ドサッ!
風太郎の目の前に緑色の物体が投げ出された。なめくじのような触覚に、青紫色の液体が所々付着している物体…。
風太郎「お、おい………。まさか、神様か!!!!?」
悟飯と二乃が会話をしている間に、頼みの綱とも言えるデンデすらもやられてしまったのだ。いや、気を感じない。殺されてしまった。これではドラゴンボールは復活したとしてもただの石ころだ。
悟飯「そ、そんな……!!そんなのって………!!!!」
超4ゴハン「(まだナメック星のドラゴンボールが存在するが、それすらも思い出せないくらいに動揺しているか……。二乃が自ら私に突っ込んだ時は本当に驚いたが、いい方向に事が転がりそうだな)」
悟飯「そんな………………」
悟飯はドラゴンボールすらも失ったことで完全に戦意………いや、生きる気力すらも失ってしまった。
超4ゴハン「おや?どうした?ダンマリか?」
悟飯「二乃……。お願いだから、目を覚ましてよ………。死んじゃ、嫌だ……」
四葉「……そ、孫さん……?」
四葉達にとって最後の希望とも言える悟飯は完全に壊れてしまった。大切な存在とはもう二度と会えない。その事実が心を激しく傷つけた。
風太郎「嘘だろ………?しっかりしろ!!!」
零奈「二乃…………。む、無堂先生……。あなたという人は……!!あなたという人はァアアッッ!!!!!!」
零奈は生前も感情を表に露骨に出すということをしたことがない。だが、二乃が殺されたことで鉄の仮面と言われた彼女の顔が完全に崩れた。その顔は憎悪。憎い存在をなんとしてでも殺したいという顔だった。
ガッ!!!!!
だが、実力差は明白。零奈はあっという間に意識を持っていかれてしまった。
超4ゴハン「哀れだな零奈。君も同じ場所に送ってあげるさ………」
一花「お、お母さん!!!!」
三玖「やっ……!!助けて!!」
四葉「そ、そうだ…!まだ手がある…!!」
超4ゴハン「融合か?しかし二乃はもういないぞ?それでは、完全体になることもできないだろう……?」
ゴハンはゆっくり、ゆっくりと五つ子と風太郎の元に近づく。唯一気を扱える四葉が迎撃するが、当然のようにビクともしない。平然とした表情でゴハンはゆっくり歩き続ける。しかし悟飯は二乃を抱えたまま彼女の名を呼ぶだけだった。
ベジータ「ビックバンアタックッッ!!!!!!!」
悟空「元気玉ダァアアアアッッ!!!!!!」
ベジータは速攻で作り上げたビックバンアタック、悟空は久々に片手サイズの元気玉を作り上げてゴハンに当てた。
ベジータ「この世界を……!!ブルマとトランクスを………!!!殺させてたまるかァアアッッ!!!!!!」
ボォオオオオッ!!!!!!
ベジータは残りの力を振り絞って超サイヤ人に変身した。
悟空「オレは、おめぇだけは絶対に許せねえッッ!!!!!!」
ボォオオオオッ!!!!
悟空もまた、残り少ない力で超サイヤ人に変身した。実は一度フュージョンを試せたのだが、やはりまだ再び融合することができなかったのだ。だから単体で向かうしかなかった。
超悟空「だあッッ!!!!」
ドガガガッッ!!!!!
平然と歩き続けるゴハンに拳を叩き続ける。しかしゴハンの足は止まらないし、気にも留めない。
超ベジータ「死ねッ!!くそったれめぇ!!!!!!」
ドカッッ!!!!!!!
逆にベジータは大きな一撃をゴハンの首に叩き込むが、同じくびくともしないし気にも留めない。
超4ゴハン「鬱陶しいハエがッッ!!!!」
ブォオオオオオオオオッ!!!!
超悟空「グァアア……!!!!」
超ベジータ「ふぉおお……!!!」
ゴハンは流石に鬱陶しくなったのか、気を解放して2人を吹き飛ばした。
ドドドドドドッ!!!!!!!
超悟空「何もしねえままやられるかァアアッッ!!!!!」
超ベジータ「俺達はサイヤ人だぞ…!戦闘民族を、舐めるなァアアッッ!!!!!!」
だが、遠くから気弾の雨を降らせてゴハンに攻撃する。
超4ゴハン「懲りない馬鹿どもめ。己の実力を弁えることすらもできないのか!!!サイヤ人というのは!!!!」
ドカッッ!!!!!
超悟空「がっ………!!!?」
ドゴォォオオッッ!!!!!
超ベジータ「ゴッ………!!!!」
痺れを切らしたゴハンが本格的に手を下した。
超4ゴハン「貴様らのせいだ…!貴様らがいたからセルが誕生した!だから私の家族も殺されたんだ!!!なのに貴様らは自分の番になったら拒否するというのか!!!!?そんなことが許されてたまるかァアアッッ!!!!」
ドグォォオオオオオオオオオンッッ!!!!!!!!
ゴハンは気を溜めて周辺を爆発させた。かなりの高度で爆発させたため、地上には然程影響がなかったものの、強風に襲われた。しばらくすると、煙の中から黒髪に戻ったベジータと悟空が落ちてきた。
圧倒的な敗北。もう誰もまともに戦えない。ドラゴンボールもなくなった。希望は残されていなかった。
風太郎「くそ……!!!」
だが、風太郎だけは諦めなかった。彼だけは決して希望を捨てなかった。先程覚醒した悟飯を見て、希望を持ち直したのだ。ズンズンと悟飯の方に歩いていく。悟飯はまだ二乃のことを呼び続けている。そんな悟飯の胸元を強引に掴んだ。
風太郎「てめぇ…!!!いつまで惚けてやがるんだッッ!!!!お前がやらなかったら誰がやるんだよッッ!!俺との約束を破る気か!!!!?」
悟飯「……………」
しかし、悟飯は答えなかった。
風太郎「お前が諦めてる中で、他の奴はみんな希望を見出している!!お前の師匠や父親なんかは気絶するまで戦ってたぞ!!!?」
悟飯「………………」
風太郎「なのにお前はこのまま好きなように暴れさせて負けるのか!!悔しくねえのかよ!!お前の大好きな二乃が殺されてなんとも思わねえのか!!!!!」
悟飯「そんなわけないッッ!!!!」
愚問だと言わんばかりに悟飯が感情的に返答した。
風太郎「なら最後まで諦めるなよ!!!二乃がなんでお前を庇ったか分かるか!!!?好きだからって理由もあるだろうが、それだけじゃねえッッ!!!!お前が勝ってくれるって信じていたからお前を庇ったんだッッ!!!!!」
悟飯「……………!」
風太郎「その信用を無下にするのか!!?二乃を犬死させる気かッ!!?」
悟飯「ぼ、僕は……………」
…………そうだ。戦いが嫌いだからって避けちゃダメだ。二乃はいないけど、三玖さんに五月さん、一花さん、四葉さんだって………風太郎もいる。悟天もいる。お母さんもいる………。みんなはまだ生きている。こいつを放置したら、みんな殺されてしまう………!!
『自分の力を信じろ…!悟飯………』
ここで、悟飯はピッコロに何を言われたのかを思い出した。気絶する直前だと言うのに、自分にエールを送ってくれていたとは…………。
『泣くのは、後にしなさい………。気付いたでしょ?あなたも我儘なのよ?』
『な、なにを…………』
『いいのよ。もう我慢しなくてもいいんだから。あの夜の時みたいに、自分に正直になりなさい………。本当のあんたを………悟飯を、さらけ出しなさい…………』
『に、二乃………!!!』
『私は先にいっちゃうけど、あんたまでこっちに来たら………許さないんだか…ら……………』
そして、二乃との会話も思い出した。二乃が死んでしまう現実を受け止め切れずに、本能的に記憶を封印していたが、向き合わなければならない。奴を倒さなければ、彼女が大好きだった家族や世界も滅ぼされてしまう。何より、彼女は悟飯を信頼していたのだ。全てが終わったその時、自分を生き返らせてくれることを信じて…………。
さあ、己の力を引き出すんだ。
怒れ、自分の無力さに。
怒れ、相手の理不尽さに。
怒れ、大切な者を傷付ける存在に……。
『愛してるわ、ハー……くん………』
悟飯「うぁぁぁああああああ……!!!!!!」
超4ゴハン「………!!!!!??」
空気そのものが変わった。上空に存在していた雲が悟飯を中心に渦巻き始める。悟飯を中心に風も発生している。振動、発電、発熱………。あらゆる現象を引き起こしていた。
超4ゴハン「な、なんだ……!!?何が起きたというんだッッ!!!!?」
目は獣のように赤く血走り、髪が逆立ち始め、紫電と表現するにふさわしいスパークが悟飯を纏い始めた。
さあ、解放しろ、己自身を。そして、手短に戦いを終わらせてしまえ。戦いが嫌いなら、とっとと終わらせることができるほどの、圧倒的な力を得てしまえばいい。
悟飯「うぁぁぁああああああああアアアアアアァアアアアアアアァアアアアアアアアァアアアッッッッッッ!!!!!!!!!!!!」
グォォオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!!!!!!!
大きな雄叫びと共に悟飯の気が一気に膨張し、周りを包み込んだ。
超4ゴハン「な、なんだ………?」
光が収まったと思いきや、身体中でヒシヒシと感じる恐怖………。ただ気が膨大なだけではない。この力は異質だ。なんだ?超サイヤ人ではない。本能が訴えている。あの化け物とは対峙するなと………。
超4ゴハン「な、なんだ………!?何がどうなってるんだ………!!!?」
煙が晴れ、莫大な銀色のオーラと共に目が炎のように赤く染まった悟飯が現れた。周りには紫電が時折り発生し、それが更に恐怖感を煽る。
悟飯「………………」
風太郎「な、なんだ…………?」
四葉「何が…………起きて………?」
悟飯「ウォォオオオオオオオオオオッッッッ!!!!!!!!」
ドゴォォオオッッッ!!!!!!
超4ゴハン「ぐふっ………!!!!」
今、ゴハンは自分が何をされたのか理解できなかった。だが、何かしら攻撃されたのだけは理解できた。反撃しようと試みるが………。
超4ゴハン「……!(か、体が……!!)」
そう、体が言うことを聞かなかった。これは悟飯が特殊な能力を持ち合わせているわけではない。目の前の悟飯に恐怖し、動けなくなったのだ。まさに『蛇に睨まれた蛙』状態。先の一撃で上下関係が完全に決したのだ。それを本能で理解してしまったから、体が動かなかったのだ。
悟飯「…………」
コツコツと、悟飯は一歩ずつ近づいていく。その度にゴハンの恐怖心は増すばかりだった。
超4ゴハン「ふ、ふざけるな……!ふざけるなッッ!!!!私こそ最強だッッ!!!超サイヤ人4なら誰にも負けない………!!!!超サイヤ人4は、最強の形態だぞ………!!?」
ゴハンは本能に逆らって無理矢理体を動かす。両手に光の玉を生成し、それを合成した。
超4ゴハン「これでも食らってくたばれ!!!10倍かめはめ波ァアアアアァアアアアッッッ!!!!!!!」
ズォオオオオオオオオオオオッッッ!!!!!!!!!
巨大なかめはめ波が悟飯に向かって突き進む。だが悟飯は動じることもなかった。
悟飯「グァァアア………!!!!」
悟飯は両手でかめはめ波を掴み、強引に圧縮し始めた。
超4ゴハン「な、何ッッッ!!!!?」
シュン……
数秒もすると、悟飯の圧倒的な力によって、押し潰された。
超4ゴハン「ば、馬鹿な………!そんなはずは……………」
悟飯は何事もなかったかのように再び歩き始めた。
超4ゴハン「くっ……!な、なら……!!!!」
シュン‼︎
三玖「きゃっ!!!!」
ゴハンは高速移動をして三玖を捕らえると、盾にするようにして三玖を前に突き出した。
超4ゴハン「コイツがどうなってもいいのか!!!?お前が変な動きを見せれば、こいつは死ぬぞ!!!!!」
その言葉を聞くと、悟飯は歩みを止めた。
超4ゴハン「よ、よーし…………。利口だな。そのままジッとしていろよ?貴様の手足を不自由にしてから三玖は解放すると約束しよう……………」
どこぞの大魔王を思い出させる卑劣な作戦で悟飯を追い詰めようとする。勝利を確信したゴハンは、恐怖心を押し殺しながら悟飯の足に狙いを定める……。
超4ゴハン「………なっ」
だが、片手で捕まえていたはずの三玖がいつのまにか自分の前、悟飯がいたところにいた。
悟飯「相変わらず卑怯なやつだな。世界は変わって父親らしくなっても、根本的な部分は変わらないな」
超4ゴハン「なんだと………!!?」
いつの間にか自分の背後を取られていたのだ。悟飯の声を聞くまで全く気づかなかった。
超4ゴハン「くっ……!!あり得ん…!!あり得んッッ!!!そんな力、私は知らないぞぉおおおおおおッッッ!!!!!!!!」
ドカッッ!!!!!!!!
悟飯の胸に向けて正拳突きが放たれた。だが、悟飯は表情一つ変えずにその猛激を胸で受け止めていた。
悟飯「この程度か………。今度はこっちの番だ」
ドゴォォオオッッッ!!!!!!!
悟飯の渾身の一撃が、ゴハンの頬、腹部、足。これらの部位に同時に命中した。その力は凄まじく、ゴハンは物理法則に従って吹き飛ばされた。
ズザァアッ‼︎
だが、ゴハンは途中で踏み留まった。
超4ゴハン「はぁ………はぁ…………!かかったな………!!!」
ガシッとある人物達の頭を掴んだ。
悟飯「…………貴様……」
超4ゴハン「もらうぞ!お前達のサイヤパワーをッッッ!!!!!」
悟空「グァアアァアアッッ!!!!」
ベジータ「グォォオオオォオオオッッッ!!!!」
右手で悟空の、左手でベジータの頭を掴んで2人の力を強引に吸い出す。その影響によって、意識を失っているにも関わらず、2人は強制的に超サイヤ人に変身させられていた。しばらくすると2人は黒髪に戻り、掴まれていた頭を離されたことによって解放された。
超4ゴハン「貴様なんぞに……!!貴様なんぞに負けてたまるかぁあッッ!!!私は力を持つ者を滅ぼし、最後に私自身が自決することによって、『力』を完全に消滅させる……!!その悲願を達成する為には、貴様に負けるわけにはいかんのだァアアッッ!!!!!!」
サイヤパワーを取り込んだことによってゴハンは更にパワーアップをした。これで悟飯が圧倒できるというほどではなくなったものの、倒せない相手ではない。
悟飯「…………哀れだ」
超4ゴハン「何………?」
悟飯はその一言だけ述べた。すると、少し離れた場所から白い光が発生した。神々しい白の光が地面から発生しているのが分かった。
超4ゴハン「こ、今度はなんだ……!!!!?」
スタッ
少しすると、髪の長い少女が2人の目の前に現れた。薄桃色の綺麗な髪が風と共に靡く。まるで女神のような純白の服に、純白の帽子を深く被っていた。
悟飯「君は………………」
「ごめんね、悟飯君。君にばっかり背負わせちゃって…………」
口調は一花のように聞こえたが、どこか違和感を覚えた。二乃と五月が大喧嘩をして家出をした際、池に現れた変装をした五月のようにも聞こえる。だが、三玖にも見えるし、五月にも見える……。なんなら、二乃にも見えた。
「もう君だけが背負わなくていいんだよ?私達………ううん。私にも協力させて?」
超4ゴハン「貴様は………!貴様はなんなんだ………!!!!?」
ゴハンの問いに、目の前の少女は……。
「私は…………そうだなぁ……。零奈でもあり一花でもあるし、二乃でもあり三玖でもある………。四葉でもあり、五月でもあるし、昔の私達でもある。……そうだ!」
目の前の少女は純白の帽子を投げ捨てて、こう答えた。
六海「私は六海!6人が完全に一つになって、新しい人間として誕生したから、そう呼んでくれると嬉しいな!!」
超4ゴハン「六海だと……?」
悟飯「な、なんで………?二乃は死んだはずじゃ………………」
六海「そのはずなんだけど、私達みんなが二乃を救いたいって強く願った。その感情が呼応して、私達は完全に融合することができたんだよ」
つまり、5人の愛の力が二乃を取り込み、奇跡を引き起こしてこの新しい形態を生み出したということだろう。
六海「さあ、この戦いを終わらせよう?この世界から悲しみを消そう?」
悟飯「…………うん」
2人はこれ以降言葉を交わさない。交わさずとも何をしようとしているのか理解ができた。お互い少しだけ離れ、あるポーズを取った。
六海「いい?失敗は許されないよ?」
悟飯「分かってるよ」
六海「フュー………!!!」
悟飯「ジョンッッ!!!」
「「はっ!!!」」
風太郎「あいつら……!!やりやがった………!!!!!!」
2人は初のフュージョンを見事に成功させた。2人は光となって、それらが混ぜ合わさる…………はずだった。
風太郎「なっ………………」
6人が完全に融合し、1つの新しい人格として誕生した六海の体が大きな純白の白い翼に変化し、悟飯の背中に装着された。そして悟飯自身は獣のような赤い目は変わらず、髪の色が純白に近い銀色に変化し、髪が更に伸びて逆立った。
悟飯「…………これは……?」
何故か今まで悟空とベジータ、悟天とトランクスと言ったようなペアとは違った形になってしまったが、自分の力を確かめるに、どうやら失敗したわけではないようだった。
『ありがとう……。あなたなら私の意図を理解してくれるって信じてたわ……』
悟飯「………その声……二乃?」
『当たり♡』
超4ゴハン「な、なんだ……!?なんなんだ!その姿はッッ!!!!」
ゴハンはまたしても見たことのない形態に遭遇し、かなり動揺していた。目の前の悟飯は先程よりも一層獣らしくなったはずだが、それに似合わない天使のような翼を生やしていた。
悟飯「………さあ、ここは『主人公』で決着をつけようじゃないか………」
パチンッ
風太郎「うおっ………!!?」
悟飯が指を鳴らすと、風太郎が宙に浮き始めた。そのまま悟飯の意思に従うように風太郎は悟飯の隣にまで連れてこられた。
風太郎「な、なんだこの力は…!?何が起きてんだ……?」
天才と評されている風太郎でもこの状況は理解できていなかった。
風太郎「何がどうなってんだ…?悟飯は分かるのか……?」
悟飯「さあね。僕にもよく分からない。だけど、この戦いを終わらせるには『主人公の力』が必要らしい」
風太郎「はっ……?主人公…………?」
悟飯が何を言っているのか全く理解できなかった。しかし、ゴハンだけは何を言っているのか、なんとなく意味が分かった。
超4ゴハン「き、貴様………。まさか、全ての世界を………!!」
悟飯「ああ。お前が言う世界の歪みの意味も理解した。そしてこの世界において何故僕が主人公なのかもよく分かった」
なんと、悟飯もDB世界に於いて起こった様々な出来事を全て知ったようだ。
悟飯「もう無駄な争いは終わらせよう。あなたはもう戦わなくてもいいんだ…………」
超4ゴハン「……今更後戻りなどできるものか……!!!私は『力』を滅ぼす為にこの力を得た……。『力』を滅ぼすことが、私が家族にできる唯一の償いなのだ……!!!だからそれを、邪魔するなぁああああッッッ!!!!!」
ゴハンは禍々しい邪気を溜め始めた。その力の正体は憎悪。セル、DB世界、力に対する憎しみが詰め込まれていた。
悟飯「風太郎………」
悟飯は左手を風太郎に向けて伸ばすと、光が風太郎を包む……。すると……
風太郎「うおっ……!!な、なんだこれ!!?」
その現象が発生した時、風太郎のうちに大きな力が現れたのを感じた。四葉に力を貸してもらった時の力に酷似していた。
超4ゴハン「なっ……!どうやって上杉風太郎の力を引き出した……!?いや、貸し与えたのか……!?何をした…?」
悟飯「貸し与えてもいないし、引き出してもいない。ただ、奇跡を引き起こしただけだ」
超4ゴハン「……………何?」
悟飯「翼にいる6人の強い意思……。貴様を止めるという僕の意思が、奇跡を必然と引き起こしたんだよ」
超4ゴハン「奇跡を必然に……?馬鹿な…!!それは奇跡とは言わん…!!!奇跡は滅多に起こらないからこそ奇跡と呼ばれるのだ……!!!意図的に引き起こされてたまるか!!!!!」
悟飯「それを可能とするのが『主人公』だ。違うか?」
超4ゴハン「なっ………………」
そう。いくつもの物語で主人公が奇跡を引き起こすという現象は起こっている。一部例外もあるが、基本的には、主人公という存在は奇跡を引き起こすことのできる存在なのだ。故に、この世界における主人公と呼ばれる悟飯や、元々主人公だった風太郎も奇跡を引き起こすことができるのだ。今の悟飯はそれを理解しているから、それを利用したのだ。
悟飯「さあ、この無意味な戦いを終わらせよう…。僕達の手で………」
風太郎「……ああ。誰かが悲しむ世界なんてごめんだな。全てを得ようとするなんておこがましいと思っていたが、それを目指すのも悪くない気分だ」
2人がそう言うと、2人とも白く輝きだした。悟飯に至っては六海のいる白い翼が強く輝き出している。
人は忘れていた。僕達は天使だったということを。その天使は愛の種を撒き散らして、この地球…………いや、世界から悲しみを消したかった。背中の羽は無くしてしまったが、まだ不思議な力は残っていた。
だが、それでは悲しみを失くすことはできない。世界から悲しみを消すには翼を取り戻す必要があった。一時的でもいいから、天使に戻る必要があった。天使の紛い者でもいい。とにかく天使に近づければよかった。
悟飯「かー………!!」
風太郎「めー………!!」
悟飯「は〜………!!!」
風太郎「めぇ〜………!!!!」
そのかめはめ波はいつものように青白いエネルギーではなかった。悟飯が生やしている天使の翼のように、純白の輝きを出していた。その力は相手を倒すことを目的としていない。悲しみを消すことに特化した力なのだ。
超4ゴハン「認めない……!!認めんぞ……!!!そんな力、私は認めないッ!!!!!その力諸共、貴様らを消し去ってやるッッ!!!!!!」
ゴハンは自分の憎悪を凝縮したエネルギーの塊を放った。そのドス黒い力は悟飯と風太郎を飲み込む勢いで迫ってくる。だが、2人は大して動揺はしなかった。
風太郎「やるぞ、悟飯…!」
悟飯「うん…!いくよ……!!!」
「「波ァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ !!!!!!」」
超4ゴハン「なっ………!!!!」
2人から放たれたかめはめ波はあっという間に憎悪の塊を包み込んでかき消した。それと同時にゴハンを包み込む。
超4ゴハン「ぐわぁああああッッッ!!!!!!!馬鹿なぁぁあああああああッッッ!!!!!!!」
光に包まれたゴハン…………否、無堂は肉体が粒子に変化していく……。手が、足が………。体の末端部分から中心にかけて徐々に粒子状になっていく……。
その力を受けると同時に、自分が妻や娘達と接していた時の記憶が掘り起こされた。私はこの笑顔が理不尽にも消された。『力』に消されたから、『力』が憎かった。だが、冷静に考えれば、自分も同じ誤ちを犯そうとしていたのだ。それは薄々気付いていたが、憎しみに支配された自分は止まることができなかった。
だが、流れ込んでくるのは無堂の記憶だけではない。この世界の悟飯や風太郎の記憶も流れ込んできた。最初は衝突し、分かり合えないながらも分かり合おうと努力した。時には理不尽な力にも対抗した。時には守られ、時には守り、時には共闘もした。そうして、彼らの絆は深まっていった。
莫大な力を持ち、優しい心を持った孫悟飯という存在を知り、無堂は自分がどれだけ愚かだったかを認めることができた…………。
超4ゴハン「私の方が………消えるべき存在だったのだな………」
ドグォォオオオオオオオオオオオオンッッッ!!!!!!!
大きな爆発と共に、ゴハン………否、無堂はこの世界から消えた………。
風太郎「…………終わったのか…?」
悟飯「かなりの強敵だったね…。でも、まだ終わってないよ。まだやるべきことがある。そうだよね、みんな?」
悟飯は翼の方に問いかけ、少しすると頬が緩んだ。翼を羽ばたかせて空中へ飛び、右手を上に上げて光を作り出す………。
風太郎「お、おい!?何をする気だ…!?」
悟飯「融合を解く前に、最後にみんなを元に戻さないと……。この戦いによって傷ついた人を………街を……………」
ゴハンとの戦いは魔人ブウほどではないにせよ、莫大な被害を及ぼしていた。中には死人もいるだろう。ドラゴンボールで直そうにも、創造者であるデンデも殺されてしまった。ならばどうやって直すというのだ………?
悟飯「奇跡を起こせばいいんだよ。僕達ならできる……!!!」
悟飯の右手にあった光が四方八方に散らばった。その光は傷ついた人や建物などに向かって飛んでいく。その光が入り込むと、崩れた建物は元に戻り、死んだ人は蘇り、傷ついた人は怪我を完治させた。
悟空「いっちちち………。うわっ!?なんだ!?あれ、悟飯なんか!!!?」
ベジータ「な、なんなんだ、あれは…?新手の超サイヤ人なのか………?」
ピッコロ「こ、これは……………」
デンデ「まるで…………」
すると、死んでいたり気絶していた人々が次々と起き上がった。そして上にいる天使のような、獣のような悟飯を見ては驚くと同時に、目を奪われてしまうのだ。
風太郎「おいおい、これじゃまるで、全知全能の神じゃねえか……………」
やることを全て終えた悟飯はゆっくりと地面に降り立った。
悟空「な、なあ悟飯………。それは一体なんなんだ………?」
悟空がそう質問した瞬間………。
ピュン‼︎
悟飯「あ、あれ??」
一花「………!?」
二乃「あら?」
三玖「融合が解けた…………」
四葉「それにしてもなんだったんだろうね、あの力………」
五月「不思議ですね…………」
フュージョンしてまだ30分経ってないはずだが、何故か7人の融合は解けてしまった。そもそも、悟飯が変身したアレはフュージョンのそれとは全く違かったのだろう。
ベジータ「悟飯。あれはなんだったんだ?一体何をしたんだ?」
悟空「ポタラでもフュージョンでもねえよな………?もしかして、零奈を利用した合体か?」
零奈「いえ、私達はフュージョンをしたつもりなのですが………」
悟飯「………結局なんだったんでしょうね?」
ピッコロ「……本人達も分からないなら迷宮入りだな」
こうして、史上最大の戦いは幕を閉じた。一時はメタな世界を理解した悟飯だったが、融合が解除されると同時にその記憶は失われてしまった。五つ子達も同様である。それもそのはず、あの力は全員の心が完全に1つになったからこそ成し得た融合であり、フュージョンのように特訓すればできるようになるものでもない。同一人物同士がいれば可能かもしれないが、そんなことなど普通は起こり得ない。
あの融合ができたことこそが、本当の奇跡と言うべきなのかもしれない…。
二乃「あっ!綺麗な虹!」
悟飯「ほんとだ!雨も降ってないのに不思議だね〜…!」
全てが終わったその時、彼らの瞳には綺麗な虹がかかっていた………。
無堂「………むっ?ここは………」
私はさっきまで孫悟飯と戦っていた気がする………。そうか、私は敗北したんだったな。ということは、ここは地獄か……?にしては妙に懐かしい雰囲気を感じる…………。
一花「お父さん…!お父さん!!」
無堂「うん………?そ、そんなはずは……………」
私の目の前には、セルに殺されたはずの娘がいた。勿論見分けられるさ。この子の名前は一花。最近は女優を目指していると聞いた。私としてはしっかり勉学して大学に進学してほしいが、一花の熱心な思いを聞いて応援してみることにした。基本的にズボラな一花だが、女優業だけは長く続いているところを見ると、本気のようだ。
二乃「パパ!今日はママがよく作るパンケーキ作ってみたの!食べてみて!」
二乃はザ・女子高生という感じだ。最近の彼女はどうやら気になる男の子ができたらしい。名前は………なんだったかな?二乃は恥ずかしがり屋さんだから素直に教えてくれないのだ。零奈も知らないらしい。
三玖「お、お父さん!こんなの知ってる?」
三女の三玖は歴史好きのようだ。その影響で歴史だけが点数良くなる傾向がある。歴史に興味を持つことは決して悪いことではないが、それで他のことを疎かにしてほしくはない。
四葉「お父さん見てみて〜!!この前の大会で優勝したんだ〜!!!」
四葉は本当に可愛い子だ。いつも元気で明るく、この無堂家のムードメーカーとも言える存在だ。何度も挫けそうになった時、私は四葉の無邪気さに救われたことが何度もある。
五月「お父さん!今日は英語を教えて!この前分からないところがあって………」
そして末っ子の五月は甘えん坊で勉強熱心だ。何故勉強に熱心なのかを質問したところ、どうやら五月は零奈のような先生になりたいらしい。零奈を手本にするなら間違いなくいい教師になるだろう。ただ、少しは私にも憧れてほしいな…………。
零奈「お仕事お疲れ様です、あなた」
そして言わずもがな。零奈は私にとって最も愛おしい存在だ。無論、娘達も大切な存在だが、彼女はその中でも特別だ。零奈も教師として働いているはずなのに、いつも私を労ってくれる…。
………あれ?何故あんなことをした私がこんな幸福を享受しているのだ…?これは夢なのか………?地獄に落ちる前の、最後の夢なのだろうか…………?
グィィイイっ
無堂「いてててて!!!こら!やめんか五月!!!」
五月「ぼーっとしないで早く教えてよ!!」
この痛み……。もしや現実か…?いや、あり得ない。娘も零奈も、みんなセルに殺されたはずだ。なんで………?
『この世界から悲しみを消そう……?』
確か、あの世界の零奈と娘達が合体して誕生した『六海』がこう言っていた…。
『この無意味な戦いを終わらせよう』
確か孫悟飯がそう言っていた。
『全てを得ようだなんて、おこがましいことだと思っていたが、案外それを目指すのも悪くない気分だ』
上杉風太郎が、そう言っていた………。
……………まさか、彼らがこの世界を創り直したというのか…………?いや、そうでなければ私の目の前に零奈や娘達がいるはずなどない…………。
無堂「………っ………」
五月「お、お父さん!!?」
なんでだ……。私は君達を殺そうとしたのだぞ………?世界ごと滅ぼそうとしたのだぞ…………?それなのに、何故……。
零奈「あら……?何かお辛いことでもあったのですか……?」
二乃「えー?!誰よパパを泣かせた奴は!!許せないわ!!」
一花「まあまあ、二乃、抑えて」
三玖「どうしたの?大丈夫?」
四葉「もしも何か抱え込んでいるなら聞かせて!!!!」
孫悟飯………。君というやつは、本当に……………。
無堂「娘達をよろしく頼むよ、孫悟飯君……………」
二乃「えっ?なんか言った?」
無堂「なんでもないよ、二乃。さあ、そろそろいい時間だしおやつにしようか。丁度二乃がパンケーキを作ってくれたからね」
五月「本当!?さっきからいい匂いがすると思ったけど!!」
二乃「コラ!!がっつくな!!!」
三玖「五月、慌てすぎ………」
四葉「どうどう!!」
一花「パンケーキは逃げないから落ち着こ?」
零奈「お行儀が悪いですよ、五月?」
五月「はーい………」
…………本当に微笑ましい。この団欒をもう一度見れる日が来るなんて………。君達にとっては私との出会いは最悪だったかもしれないが、私は君達に出会えて本当に良かった…………。
ありがとう、孫悟飯君………。
はい、本編のバトルは全て終わりました。この後書きは主に補足をしときます。ちなみに今回の後書きは長めです。
まず、悟飯がキレて変身した形態についてですが、あれはビーストではありません。ビースト未完全と言ったところですね。何故ビーストにしなかったかというと、流石に時系列的にビーストにするのは早すぎると思ったのと、SSJ4相手にビーストはオーバーキルにも程があるからですね。ちなみにビースト未完全の強さは、超サイヤ人ブルーから身勝手の極意兆の間ら辺をイメージしています。
次に六海について:
こちらは死にかけの二乃を救いたいという気持ちになった5人が『奇跡』を起こしました。実を言うとゴハン(無堂)が来た時から時空に歪みが生じ、メタな力が扱えるようになっているなんて裏設定もありますが、そこはまあ気にしなくても大丈夫です(えっ…?)。そして二乃を取り込み、人造人間零奈完全体は六海という1人の人間に変身しました。この六海こそが人造人間零奈の本当の完全体とも言えますが、この形態は覚醒条件が『6人の感情を完全に一致させること』なので無茶苦茶高難易度です。その為、実質今回限定の形態とも言えます。六海の戦闘力はこちらも『奇跡』という今回特有のバフと『愛の力』というバフがかかってることもあり、ブルークラスの強さはあるということになっております。
悟飯(六海との融合形態)について:
こちらはフュージョンしたつもりが、何故かフュージョンとはかけ離れた融合をしてしまったものです。これもまた『主人公補正という名の奇跡』によって成し得た形態であります。この融合はメタな力が扱える今回限定です。この先、超ドラゴンボールに願う以外は如何なる現象が起きようとも再び誕生することは有り得ないと言ってもいい形態です。この形態の強さはビーストを軽く超えている……かもしれませんが、この形態の真髄はあらゆる奇跡を自在に引き起こせることです。作中では、ゴハン(無堂)がいた世界に『愛の種』を撒き散らしたことによって奇跡を引き起こし、セルに荒らされる前の状況にまで戻されました。それに加えて死人は蘇るし、建物は直るしでなんでもアリな形態です。こんなのが常用できたら全王様も涙目ですわ………。ということで、超ドラゴンボール以外は一切の例外なく今回限定の形態ということにしました。
そして最後に作中の文章ですが、今話はタイトルで察した方が多いと思います。ドラゴンボールZのエンディングテーマである、『僕たちは天使だった』の歌詞から拝借している表現が結構あります。その為、この回ではメタ要素もあるということで、天使っぽい何かに変身させようと結構前から目論んでいました。そこに『五つ子の誰かと悟飯もしくは風太郎がフュージョンした場合を見たい』というリクを見て、人造人間零奈完全体と悟飯がフュージョンする展開を思いついたわけです。他にも色々語りたいことはありますが、あまりにも長くなってしまうのでここまでにしたいと思います。
…………あの力を使えば未来の世界も救えたのではないかというツッコミはなしですよ(釘刺し)。それだと流石に………ね?