孫悟飯は五つ子姉妹の家庭教師をするそうです【本編完結】   作:Miurand

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 今回の前書きは特になし。ネタが尽きたわけではないけど、最近は本当に忙しくて執筆も編集もできん…。タイトルを考える力も……長期休みよ早く来てくれ()


第109話 デート

戦いが終わり、この世界に再び平和が訪れた。悟空達は悟飯の新たな力に狼狽ながらも、流石純粋サイヤ人というべきか…………。

 

悟空「悟飯ばっか強くなられちゃたまったもんじゃねえな!オラももっともっと修行を頑張らねえとな!!」

 

ベジータ「いつまでも貴様が最強だと思うなよ?」

 

悟飯「は、はい………」

 

悟飯は別に強さを求めているわけではない。ただ大切なものを、人を守れるだけの力さえあればいいのだ。

 

二乃「全くもう………。脳筋ばっかりね………」

 

ふと二乃が悟飯のところに歩み寄ってきた。彼女はさっきまで死んでいたはず………。本来なら生き返ることもできなかったはずだが、奇跡が引き起こされて無事蘇ったのだ。魔人ブウの時、二乃は悟飯が死んだと思い込んだ時は本当に辛かったと言っていた。その気持ちが悟飯にもよく分かった。だから……。

 

 

二乃「!!!?えっ、ちょ!!?」

 

悟飯「良かった………!!!本当に、良かった………!!!!!」

 

悟飯は彼女を強く抱きしめた。

 

二乃「えっ!?ちょ、きゅ、急にどうしたのよ!!!?」

 

まさかこの場で抱き付かれるとは思ってもみず、二乃は不意を疲れて顔を真っ赤にすると同時に羞恥に悶えてしまう。

 

悟飯「もうあんなことはしないで。君のことは僕が必ず守るから……。もう君にあんな無謀なことはさせない。僕ももっと強くなるから………!」

 

二乃「あぅ………」

 

真剣な、男らしい眼差しを向けられ、二乃は完全にオーバーヒートしてしまった。

 

一花「ありゃりゃ、お熱いですなぁ」

 

三玖「むう………」

 

五月「ふふっ……。仲睦まじいですね」

 

風太郎「おい、流石にそこではやめろ。全く…………二乃のこととなると、お前は本当に馬鹿になるんだな……」

 

四葉「ししし…!いいじゃありませんか。それだけその人のことが大切ってことですよ」

 

風太郎「………そういうもんなのか?」

 

四葉「そういうものです!」

 

少し離れた場所で風太郎と四葉は談笑する。彼らもまた恋人同士なのだが、二乃と悟飯のような恋人らしいことはまだしていない。

 

風太郎「…………四葉も、あんな感じの方がいいのか?」

 

四葉「……………えっ?」

 

突然、風太郎らしからぬ質問が飛んできたことに、四葉は度肝を抜かされてしまった。

 

風太郎「い、いや!今のは忘れてくれ!!」

 

四葉「………私はいいですよ。上杉さんらしくいててくれれば、それだけでいいですから」

 

太陽のような、しかし色気も持った笑顔を風太郎に向けた。その顔を見て思わず風太郎はそっぽを向いてしまった。

 

悟空「よっしゃー!!まずは超サイヤ人4ってのを目指してみっか!!」

 

ベジータ「だが、尻尾を失った俺達が変身できるのか?」

 

悟空「あっ………。そういやそうだったなぁ…………」

 

ベジータ「まあいい。大猿の力なんぞに頼らずに俺はもっと強くなる。カカロットよりも、悟飯よりもな」

 

悟空「オラだって負ける気はねえかんな?」

 

ベジータ「ふっ……。ならば、どちらが先に新しい変身を会得できるか、勝負してみるか?」

 

悟空「望むとこだ!!よーし!もっと気合い入れてかねえとな!!」

 

2人の純粋なサイヤ人は相変わらずと言ったところだし、悟飯は未だに二乃を離さない。そしていい加減引き剥がそうとする一花と三玖に、微笑ましく見守る五月と零奈。下らねえと言いつつも満更でもなさそうなバーダックに、恋愛が分からないピッコロとデンデは何をしているのか全く理解できず……。

 

 

 

 

 

 

四葉「上杉さん………」

 

風太郎「なん………んっ!!?」

 

四葉「………ししし!顔真っ赤ですね…!」

 

風太郎「お、お前だって顔真っ赤だぞ?」

 

隅に隠れて恋人らしいことを達成した四葉と風太郎…………。

 

これらの光景は、まさに平和が戻ってきた証……。悟飯達全員で勝ち取った平和なのだ。しかしこの戦いは魔人ブウのように公のものにはなっておらず、戦い自体が起こったことを殆どの人が知らないまま過ごすこととなる……。

 

 

 

 

 

翌日、いつも通りの日常が再び広がる。悟飯と二乃は仲良く登校し、途中で姉妹と、風太郎と合流する。そのまま談笑して教室に入った。二乃と悟飯のイチャイチャっぷりはあれから更に加速した。二乃が死にかけてからというもの、悟飯もまた積極的になってしまったのだ。

 

しかし、積極的になったとはいえ、悟飯から大胆にも抱きつくようなことはしない。二乃とのやり取り1つ1つを大切にするような、そんな感じであった。

 

悟飯「今日もお弁当が美味しいや……。今度僕にも作り方を教えてよ」

 

二乃「えっ?それはいいけど、急にどうしたのよ?」

 

悟飯「だって、いつも作ってもらってばかりだから悪いかなって思って……」

 

二乃「そんなこと言わないで!!これは私が好きでやってるんだから!!」

 

悟飯「じゃあ僕も同じ理由で。いいよね?」

 

二乃「………わ、分かったわよ…」

 

と、悟飯が二乃に照れるのではなく、二乃が悟飯に照れることも多くなってきた。

 

 

四葉「あはは〜……。またやってる…」

 

三玖「もう少し周りを見るべき……」

 

五月「微笑ましいとはいえ、節度は持つべきですね」

 

四葉はともかくとして、他2人は付き合う前は猛烈アプローチをしていたというのに、そのことを棚に上げてる辺り、ちゃんと二乃の妹なのだなということを実感させる。

 

風太郎「全く……。浮かれすぎて受験に響かせるんじゃねえぞ………」

 

風太郎の言うように、もうすぐ受験シーズンとなる。イチャイチャするのは結構だが、そちらにばかり夢中になって志望校に受からないとなっては笑えない話である。

 

 

 

 

 

 

 

そんなことを言っていた風太郎だが、この週末は四葉とのデートの約束を取り付けていた。ということで、今回はそのデートの様子を手短に見ていこう。

 

 

四葉「ほ、本日はお誘いいただきありがとうございます………」

 

風太郎「休みの日なのに悪いな」

 

四葉「い、いいえ!そんな、嬉しいです………」

 

風太郎「そ、そうか…………」

 

それはそれは無茶苦茶初々しいやり取りだった。それはもう、二乃が見ていたらイライラしてしまいそうな程に。

 

風太郎「なんだかんだ学校じゃ2人きりになれなかったからな。(とてもじゃないが、アイツらのように恋人らしいことなんて堂々とできん)」

 

四葉「あはは、確かに、どこで誰が聞いてるか分からないですね………」

 

そこで会話が途切れてしまう。2人とも初のデートということで緊張し切ってしまっているようだ。だが、2人が緊張していても関係ない。

 

 

『急停車します。お立ちのお客様や、吊り革や手すりにお掴まり下さい』

 

 

四葉「きゃ!!?」

風太郎「な、なんだ!?」

 

どうやら線路内立ち入りの影響で列車が急停車してしまったらしい。その余波で風太郎と油断していた四葉がバランスを崩してしまったのだが………。

 

風太郎「………これ、逆じゃない?」

 

四葉「ですかね………」

 

四葉が風太郎に壁ドンをしているような構図が出来上がった。やだ四葉さん男前。

 

四葉「あっ!飛行機雲です!」

 

四葉はこの状況を誤魔化すように飛行機雲について解説する。とは言っても一言程度で、どうやらこれを見れるといいことがあるようだ。

 

風太郎「き、聞いたことないな…(このままでは男が廃れてしまう………)」

 

 

初っ端から挫けている風太郎だが、今回は微妙な関係を終わらせる為に念密にデートプランを練ったようだ。

 

風太郎「さあ!好きなものを頼め!!今日は俺の奢りだぞ!!」

 

四葉「わーい!!」

 

……風太郎はファミレスで大盤振る舞いをした。ファミレスなんてショボイと思ったそこのあなた。風太郎の家庭状況から鑑みて、これでも相当頑張っている方であるから大目に見てほしい。いや、見れない人は人間じゃねぇ!!(過激派的思想)

 

二乃「…………なんでデートの行き先がファミレスなのよ………」

 

三玖「初々しくていいと思う。どこかの誰かさんと違って」

 

二乃「はっ?」

 

一花「こらこら…。まあ、フータロー君にしては頑張った方だよ」

 

五月「ご飯も美味しいです!」

 

ちなみに、四葉と風太郎のデートはもれなく他の姉妹に加え、なんと悟飯も付き添っていた。いや、付き添いというより本人達に秘密で尾行をしているのだ。しかし四葉には尾行がバレてしまうのではないだろうか…?ところが、今日の四葉は初デートで緊張している為、そこまで気が回っていないのだ。だからまだ気づいていない。

 

ちなみに席は通路側から順に悟飯と二乃。向かい側に五月、三玖、一花の順に座っている。ちなみに五月と悟飯は本来の目的を忘れてファミレスから出された料理を楽しんでいる。

 

二乃「………あの、本来の目的を忘れてない?」

 

二乃は食べ物に夢中な悟飯に半ば呆れて話しかけた。すると………。

 

悟飯「あれ…?尾行を口実にしたデートかと思ったんだけど………」

 

二乃「違うわよ!?いや、確かにそれもありだけど、今日は違うわ!」

 

シスコンの二乃は四葉がちゃんとできるか心配で心配で尾行してきたのだ。今回は悟飯とデートをしたかったというわけではない。まあ、暇さえあれば悟飯とデートしたいのは事実である。

 

二乃「あっ…!クーポン使ってる!」

 

一花「抜かりないね〜………」

 

そしてデート中にクーポンを使用する風太郎の行動に、二乃は呆れ、一花は苦笑いをしている。

 

三玖「……?ダメなの?」

 

二乃「デートでクーポンとかNGでしょ」

 

どうやら三玖的にはクーポンはNGではないらしい。

 

二乃「全く……!2人とも焦ったいわねぇ…!!いっそのことカップルジュースでも注文しちゃいなさいよ…!そしてキスしてハグして[ピー]しちゃいなさいよ」

 

一花「二乃?ここは公の場だよ?」

 

案の定、暴走ストッパーこと一花がトリップし始めた二乃を静止した。我に返った二乃は悟飯の方をチラ見しつつ顔を赤くした。だが悟飯はご飯に夢中だったため、何を言っていたのか聞いていない。

 

悟飯「………クーポンやファミレスがNGとかはともかく、四葉さんは楽しそうだけどなぁ………」

 

そう。結局は当人達が楽しめているかどうかなのである。周りが何を考えようが、自分達が楽しければそれでいいのだ。無論、周りの人に迷惑をかけないように配慮はするべきではあるが…。

 

悟飯「それに、二乃だって僕が奢るって言った時に自分も払うって言ってたのに」

 

一花「おや〜?案外優しいんだね?」

 

二乃「ば、バカァ…!!なんでここで言うのよ……!!」

 

五月「…………隙あらばいちゃつくのはやめてもらえません?」

 

「「ごめんなさい…」」

 

 

 

 

場所は変わって図書館。デートで何故図書館というチョイスが出てくるのか謎であるが、そこは風太郎クオリティということで以下略。

 

四葉「何かお探しですか?」

 

風太郎「いや、えー……、進学が現実味を帯びてきて、目標とか夢が見えてきたんじゃねえかってな……。そこんとこどうなんだ?」

 

風太郎は携帯を見ながら四葉に話しかける。どうやら困った時何を話せばいいかリストのようなものを作成し、それを見ていたようだ。

 

二乃「なんでデート中に携帯見んのよ……!!?」

 

悟飯「お、抑えて抑えて……!!」

 

 

四葉「なんだか急な話ですね…」

 

風太郎「そんなことないだろ?お前には聞けずじまいだったからな」

 

四葉「……私は、やはり誰かのサポートをして支えることが合っていると思います。諦めから始めたことでしたが、今ではそれも誇れることに気付いたんです」

 

風太郎「そうか。お前らしいな」

 

四葉「いえ。そう思えたのは、上杉さんがそうだったからですよ」

 

風太郎「………そうなのか?」

 

四葉「はい!」

 

 

 

二乃「あ〜……!!ムズムズする〜…!!!」

 

五月「まあまあ………」

 

二乃からすればいつまで経ってもそれっぽい雰囲気にならないから焦ったいのだろう。まあ二乃達がロケットスタートをしただけで、四葉と風太郎の方が普通に健全である。

 

風太郎「それでも具体的な目標とかはあったんじゃないか?ほら、小さい頃の夢とか………」

 

四葉「あ、あったと言えばあったのですが…………」

 

風太郎「ん?なんだ?」

 

四葉「わ、忘れちゃいました〜!」

 

風太郎「なんだそりゃ。まあ思い出したならちゃんと言えよ。二乃は言ってたぞ、昔の夢」

 

二乃「……!?」

 

四葉「えっ?二乃が?なんでしたっけ?」

 

風太郎「確か、日本一のケーキ屋さん?」

 

二乃「そこまで具体的に言ってないわよ!!!」

 

風太郎「……………」

四葉「……………」

 

痺れを切らした二乃はつい2人の前に出て指摘してしまった。流石にこれで気付かないはずもなく、仕方なく他のメンバーも2人の前に現れた。

 

風太郎「悟飯に二乃……。お前らなぁ……」

 

悟飯「あ、あはは!!僕達はたまたまここに来ただけだよ!それじゃ、ごゆっくり!!」

 

二乃「ちょ、ちょっと!!」

 

まだ何か言いたげな二乃を無理矢理押してその場を離れる悟飯に、それについて行く一花と三玖。だが、五月だけは何かを思い出したように風太郎に一言言った。

 

五月「初デートでクーポンやスマホ見たりは気にした方がいいかと思います」

 

風太郎「…………四葉、行くぞ」

 

四葉「は、はい…」

 

五月「…………もう背中を押す必要はなさそうですね」

 

これまでのデート中の四葉の笑顔を見て、五月はそう確信したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

とか言いつつ最後まで尾行することになった。

 

悟飯「えっ?あの流れで普通ついてく?」

 

二乃「しーっ!黙ってなさい!」

 

 

最後は何の変哲もない公園だった。ここの何がデートスポットに最適なのか意味が分からないが、2人にとってはある意味特別な場所である。

 

四葉は勢いよく立ち漕ぎをし、跳んで綺麗に着地する。どうやらブランコから跳んでどれだけ遠く跳べるのかを競っているようだ。

 

そして風太郎も四葉と同じように勢いよく立ち漕ぎを始めた。

 

一花「ちょ、ちょっと…!あれ大丈夫なのかな…?」

 

悟飯「まあ、もし風太郎が怪我しそうになったら四葉さんがどうにかするでしょ」

 

そう思っていたのだが……。風太郎の乗っていたブランコは途中でチェーンが壊れ、風太郎は変な跳び方をしてしまい、全身を強く地面に打ち付けてしまった。

 

悟飯「なっ…………!!!?」

 

五月「だ、大丈夫なのですか……!!?」

 

しかし、どうやら風太郎は無事だったようだ。転倒した際についた砂に気にすることなく、四葉に何かを言っている。だが、この距離では聞き取ることも困難だった。しかし、最後の言葉だけはよく聞こえた。

 

風太郎「好きです……!結婚して下さい!!」

 

 

 

 

 

 

「「「「…………えっ??」」」」

 

なんと、風太郎はいきなりプロポーズをした。段階を飛ばしすぎて、姉妹の4人は呆然としてしまう。

 

悟飯「へぇ……。今のは決まったね」

 

だが、ただ1人。悟飯だけは風太郎に敬礼をしそうな様子で彼を褒め称えた。

 

二乃「いやいやちょっと待ちなさい。いきなり段階をすっ飛ばしてプロポーズよ…!?あり得なくない!?」

 

悟飯「えっ?そうなの?僕のお父さんとお母さんは天下一武道会の時に再会して、お父さんがプロポーズしたみたいだけど…………」

 

二乃「…………ああ。そういえばあの人達の息子だったわね、あんた」

 

悟飯「………なんだろうこの目。久々な気がする…………」

 

まるで出来ない子を見るような目で二乃……いや、姉妹達は悟飯を見ていた。この視線を感じたのは、確か……。いつ頃だっただろうか?

 

ちなみに悟空とチチの場合、大人になったチチをチチだと認識できなかった上に、お嫁にもらうという意味を分からずに約束し、本人の説明でようやく思い出すと同時に『じゃあ結婚すっか』というプロポーズと共に彼らは婚約を果たしている。これと比べてしまえば、風太郎のはまだマシだろう。結局は当人達が幸せかどうかが重要だ。

 

………結果、どうやらそのプロポーズは上手くいったようだ。勿論すぐに結婚するわけではなく、大人になってからという意味合いだろう。そして、四葉の昔からの夢が、風太郎にだけ説明された。

 

なんだかんだでデートが上手くいった様子を見届けた5人はクールに去っていった…………。

 

 

 

 

翌朝。いつも通りに起床した悟飯はいつも通りに朝食をとり、いつも通り筋斗雲で出発する。そしてある程度まで近くにきたら降り、道中にいる二乃達と合流した。

 

一花「おっは〜」

 

三玖「おはよう」

 

五月「おはようございます…」

 

四葉「おっはよーございまーす!!」

 

二乃「おはよ!」

 

5人に挨拶されて二乃に腕を確保されるまでがテンプレだ。他の四人も、悟飯も二乃の行動に慣れ、誰もツッコむようなことはなくなったものの、少し羨ましそうに見ている人が1人か2人いたとかいないとか……?

 

そして、駅まで歩いて風太郎との合流地点にまで辿り着いた。すると遅れて風太郎も合流してきた。どうやら珍しく寝坊してしまったようだ。

 

四葉「上杉さん、おはようございます!」

 

二乃「あんたはいつまでその言葉使いを続けてんのよ」

 

悟飯「おはよ、風太郎」

 

風太郎「おっす」

 

簡潔に挨拶し返した風太郎は、ある人物の様子が気になったようで……。

 

風太郎「五月……。お前、ひどいな…」

 

五月「何がでしょうか………?」

 

目に色濃く隈が刻まれていた。五月だけ目指す大学のレベルが高いということもあり、夜遅くまで勉強しているようだ。

 

三玖「五月、また徹夜してたの」

 

一花「大丈夫……?」

 

悟飯「ちゃんと寝ないと健康に悪いよ?」

 

五月「ここまで来たら最後までやり抜きます!!お二人とも、よろしくお願いします!」

 

 

そして放課後、頻度の減った家庭教師を図書室にて行うことになったのだが、案の定またしても四葉が何かミスをしたようで、風太郎にリボンを掴まれ注意されていた。しかし、そのあとリボンを直された四葉は幸せそうな顔をしていた。

 

二乃「普段通りの2人だわ、つまらない…。とても付き合ってるとは思えないわ」

 

五月「ええ…。もっとギクシャクするのかと思ってました。プロポーズしたと聞いた時は驚きましたが………」

 

二乃「……まっ、私たちの姉妹と付き合ってるんだもの。それくらいの覚悟でやってもらわなきゃね。ねー?ダーリン♡」

 

悟飯「あっははは………」

 

またしても隙あらばいちゃついている2人だが、三玖はその場に相応しくない顔をしていた。

 

五月「三玖、どうかしましたか?」

 

三玖「……私、もう受験しない立場なのに、ここにいてもいいのかなって……」

 

風太郎「そんなこと気にする必要あるか?家庭教師はもう終盤だ。たとえ今日教師と生徒の関係が終わったとしても、明日同じように会うだろうな」

 

悟飯「そうそう。それに家庭教師の約束は卒業させられるかどうかだしね」

 

四葉「三玖がいてくれた方が心強いもん!」

 

五月「そうです。そういえば、教えてほしい日本史の問題があったんです。どんな目標でもきっと1人では持ち続けられませんでした。何よりこうして皆んなで机を並べられた日々が、とても楽しかったです」

 

その言葉に続き、6人は再び勉強を始めるのだった……………。

 

 

 

 

 

 

 

勉強会が終わり、空はすっかり暗くなっていた。いつも通り6人で帰宅する。一花は仕事のため、駅で別れていた。そんな一花から姉妹に対してメールが来たようで、あるドラマの役を勝ち取ったとのこと。その文面は悟飯や風太郎にも来たのだが、風太郎のだけは他のみんなとは一味違ったものとなっていた。

 

風太郎「……………ったく…」

 

だが、それを見て何かを思ったのか、風太郎はなかなか言い出せなかったことをこの場で言うことにした。

 

風太郎「お前達に言っておかなきゃいけないことがある。俺が受ける大学は……ずっと言えなかったが………」

 

珍しく言葉に詰まる風太郎をジッと待ち続ける6人。

 

風太郎「とっ、東京なんだ!!!」

 

やっとの思いで風太郎は告げることができた。

 

風太郎「卒業したら俺は上京する。そしたらもうお前達と今までのようには…………」

 

二乃「えっ?そんなこと知ってるけど?」

 

風太郎が言い切る前に二乃が反応した。

 

風太郎「……はっ?」

 

四葉「敢えて聞くことはしませんでしたが…………」

 

五月「上杉君ならそう言うと思ってました」

 

三玖「だよね」

 

風太郎「……あー、そう。1人だけ盛り上がってたのか……。恥ずっ………」

 

四葉「あはは…。一生のお別れじゃないんですから。どこにいても上杉さんを応援しますよ!上杉さんがそうしてくれたように!!」

 

悟飯「そうそう。寂しかったら、僕と四葉さんならいつでも会いに行けるしね」

 

四葉「おーっ!それもそうです!!」

 

風太郎「ありがとな。お前達と会えて本当によかった」

 

昔の風太郎なら誰かと離れ離れになることを恐れることなどなかっただろう。家族以外の相手にそういう感情を持ち合わせなかったに違いない。だが彼も変わった。彼女達も変わったように。

 

風太郎「またな」

 

風太郎は満面の笑みで5人に別れを告げる。

 

四葉「はい!また明日!!」

 

悟飯「またね!」

 

そして、悟飯達もそれ相応の顔で返事をする。風太郎の姿が見えなくなった時、彼らはまた会話を再開する。

 

五月「予想通りでしたね」

 

二乃「物凄く寂しそうだったわ」

 

三玖「でも、ちょっと嬉しいかも」

 

四葉「上杉さんのあんな顔が見れるなんてラッキー!」

 

そんな元気の有り余った四葉の一言が聞こえた。悟飯は暗いしもう帰ろうと後ろにいる4人に伝えようと振り向くと………。

 

悟飯「…………!」

 

なんと、4人とも涙を浮かべていたのだ。もうすぐ風太郎と会えなくなる寂しさを実感したのだろう。高校を卒業すれば、みんなそれぞれ別の道を行く。高校のように毎日顔合わせをすることもなくなってしまうのだ。

 

だが、悟飯がそこには気を止めなかった。二乃が、五月が風太郎と会えなくなることに対して寂しい思いをするのも意外だが………。

 

悟飯「……(本当に、変わったな……)」

 

初めて会った時、彼女達は風太郎には特に嫌悪感を示していた。最初から友好的だった四葉や、面白いことに興味ありげな一花を除き、風太郎がいるだけで不機嫌になっていたような彼女達が、今はもうすぐ来る別れを惜しんでいるのだ。

 

昔のことを思い出し、悟飯は感情に浸っていた。

 

悟飯「みんな……。まだ風太郎とお別れってわけじゃないんだからさ…」

 

四葉「そ、そうかもしれませんが…。もうすぐこの生活が終わると思うと……」

 

やはり高校生活が終わってしまう寂しさもあるようだった。その気持ちは悟飯にもよく分かる。学校を学者になる手段としか考えていなかった以前の悟飯ならここまで寂しい思いをすることはなかっただろう。

 

悟飯「何も一生のお別れってわけじゃないよ。むしろ近い将来は家族になる可能性もあるわけだし………」

 

四葉「か、家族………!そ、そうですね…!」

 

二乃「ふ、ふんっ!今のは目にゴミが入っただけよ!」

 

悟飯に対しては大分素直になった二乃だが、風太郎相手ではまだツンが抜けないようだ。

 

悟飯「はいはい。泣くのはみんなが進路確定してからだよ。それまでは今まで通り頑張らないと……ね?」

 

しかしなかなか泣き止まない姉妹達を慰めるのに悟飯は苦労したと同時に、風太郎も五つ子も変わったんだなぁと感情に浸る。そして4人を慰め終わった悟飯は、Pentagonまで送るとその場から飛び立って帰宅した。

 

………確かに五つ子と風太郎も変わったのは火を見るよりも明らかだ。だが、悟飯もこの高校生活を通して変わっている。風太郎のように閉鎖的ではなかったし、五つ子達のように勉学面でズボラなわけでもなかったが、悟飯には一般人としての振る舞いというものがなかった。だが、ここ最近はどこにでもいるような普通の高校生のような振る舞いをするようになったのだ。風太郎と同じように、悟飯もまた戦士でありながら、凡人にもなれたのである………。

 

 

 

 

 

悟飯達が卒業するまで、残り僅か………

 




 原作ごと嫁ではこの後から卒業式を飛ばして一気に5年後の世界に飛び移りますが、今作ではゆっくり……かどうかは分かりませんが、原作よりかはゆっくり進めたいと思います。色々と日常パートを書いてから5年後…かどうかは分かりませんが、とにかく未来の話を書く形になると思います。そのため、もう少しだけお付き合い下さい。
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