孫悟飯は五つ子姉妹の家庭教師をするそうです【本編完結】   作:Miurand

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 今回までは主に二乃と悟飯の関係にスポットを当てましたが、次話は一花メインの話を書いて、その後に卒業式の話でも書いて5年後(正確な年数は不明)に移ろうかなぁと考えてます。そろそろ本編でやることじゃない話ばかり書いてしまいそうなので。ちなみに今回もおバカな展開というやつになりますね。今までのシリアスは何処へ………?


第111話 ハロウィンとクリスマス

ハロウィン

 

本日は10月31日……。日本では仮装をして街を徘徊したり、お菓子を求めることで有名な行事とも言える日である。この日は一花も家に帰ってきており、悟飯と風太郎を巻き込んだハロウィンパーティーの企画をしていた。

 

一花「よし…。こんなものでいいんじゃないかな?」

 

二乃「仮装もバッチリね」

 

三玖「ちょ、ちょっと緊張する……」

 

四葉「こんなに大々的にパーティーをするのは初めてかもね!」

 

五月「確かに、今までは私達だけでやっていましたからね」

 

そんな話をしているとインターホンが鳴り響く。風太郎と悟飯がほぼ同時に到着したようだ。数分すると玄関のドアが開かれ、2人が入ってきた。

 

一花「よし。みんな打ち合わせ通り行くよ?せーの……」

 

風太郎「トリックオアトリート!!!お菓子くれなきゃ悪戯するぞ!!」

 

五つ子が言おうとしていた台詞を風太郎に取られた。流石に予想外の展開で五つ子は驚きのあまり固まってしまった。

 

二乃「こ、これは…?!」

 

三玖「四葉…!がんばれ!」

 

四葉「えっ?なんで私…?」

 

五月「ふ、不純です!」

 

一花「四葉…!お菓子を持たずにフータロー君の元にGo!」

 

四葉「えぇ!?なんで!?」

 

風太郎「何を話しているのか知らんが、お菓子はないのか!?らいはの為にお菓子をくれ!!」

 

(((((あ〜……。そういうことね)))))

 

風太郎が妙にテンションが高い理由が分かった。恐らくらいはの為に少しでもお菓子を欲しているのだろう。

 

一花、二乃、三玖、五月は事前に準備していたお菓子を風太郎に手渡した。だが、四葉のお菓子だけ二乃に取り上げられてしまったため、渡せない状況にある。

 

風太郎「なんだ四葉?菓子持ってないのか?」

 

四葉「そ、そんなはずはないんですけど…!!?」

 

四葉は必死にお菓子を探すが、どこを探しても見た当たらなかった。

 

一花「四葉!フータロー君と進展するチャンスだよ?お菓子はわ・た・し♡って言わないと…!」

 

一花が小声でそうアドバイスをするが四葉は顔を真っ赤にして一花を睨んだ。

 

風太郎「持ってないのか…。ならお前は悪戯だな!」

 

四葉「ええ?!そ、そんな…!!」

 

風太郎「まずはそこの机付近に座れ!」

 

四葉「えっ……?う、上杉さん…?」

 

風太郎「そして筆記用具とノートを取り出せ」

 

四葉「えっ?」

 

風太郎「そして今からマンツーマンの家庭教師を実施する!」

 

四葉「それのどこが悪戯なんですか…?」

 

一花「フータロー君………」

 

三玖「フータローらしい……」

 

どうやら4人が期待したような展開にはならなかったらしい。となれば、次は悟飯に備えるべしと悟飯の方に向き直すが………。

 

悟飯「へ〜…。ハロウィンってこういうイベントなんだね〜………」

 

どうやら悟飯がまともにハロウィンに接したのはこれが初めてらしい。マヤリト王国にはその手の文化が渡っていないのかもしれない。

 

三玖「……ん?ということは…?」

 

五月「孫君はお菓子を持っていない…?」

 

二乃「……!!!!」

 

悟飯がお菓子を持ってない可能性に気づくと、3人の目が一気に光出した。

 

「「「トリックオアトリート!!」」」

 

悟飯「えっ?」

 

二乃「お菓子!」

 

三玖「くれなきゃ!」

 

五月「悪戯しちゃいます!!!」

 

悟飯「えっ……?」

 

一花「知らない悟飯君の為に解説すると、ハロウィンとはお菓子を持ってないと悪戯される文化なのです!」

 

説明口調で一花が役割を果たすが、ざっくりとしすぎている。だがこれで大体は合っている。

 

悟飯「こ、困ったなぁ…。僕、今お菓子なんて持ってないよ………」

 

二乃「なら悪戯決定ね!」

 

三玖「やった………」

 

五月「何にしましょう………」

 

案の定悟飯はお菓子を持ち合わせておらず、悪戯を考える3人だが……。

 

一花「(あれ?二乃と悟飯君は既に付き合ってるけど、後の2人は……)」

 

一花は嫌な予感がしてならなかった。二乃と悟飯が付き合う以前の激しい戦いが再び幕を開いてしまうのではないだろうかという懸念だけが頭に浮かぶ。

 

三玖「じゃあ私は今度一緒にお出かけしよう?時間がある時でいいから」

 

悟飯「えっ?そんなことでいいの?」

 

三玖「うん。私にとってはそれで十分」

 

悟飯「そっか…。分かった!」

 

どうやら三玖は二乃と悟飯の関係を案じ、そこまで過激な悪戯は提案してこなかった。というよりこれではただの約束の取り付けだ。

 

五月「じゃあ私は………。この前新しくオープンした焼肉屋さんがあるんですよ!受験が終わったら一緒に行きましょう!!」

 

悟飯「それも悪戯なのかな……?」

 

一花「(おや?これは平和に終わりそうだな………)」

 

五月も三玖もそこまで過激な悪戯はしないようだ。一花は取り敢えずシスターズウォーの再来は免れたと安心するが……。

 

二乃「じゃあ私からの悪戯は……」

 

何やら悟飯の耳元で何かを囁いている二乃。二乃が離れると悟飯は顔を真っ赤にして慌てる。

 

二乃「それじゃ、後で部屋に来なさい♡」

 

そう言うと、二乃は一旦部屋に戻っていった。

 

一花「…ねえねえ悟飯君。二乃になんて言われたの?」

 

一花は気になったのでこっそりと悟飯に聞いてみることにした。

 

一花「……もしかして、エッチなお誘いとか……??」

 

悟飯「………!!!?」

 

なんとも分かりやすい反応。一花はいつの間にそんなに進展したのかと二乃に対して関心さえしてしまった。

 

一花「(確かにとっとと確保するならそれが手っ取り早いもんねぇ。悟飯君は二乃に攻略されたわけだ………)」

 

一花「まあ、悟飯君も男なんだしビッシリと決めないとね?そろそろ二乃の方も準備できたんじゃない?」

 

悟飯「えーっと………」

 

一花は反応が悪い悟飯に、去り際にこう言った。

 

一花「ちゃんと避妊するんだぞ?

 

悟飯「ブフォ…!?い、一花さんッ!!??」

 

からかいがエスカレートしてきたので流石の悟飯も怒ってしまったようだ。

 

一花「ごめんごめん!やっぱり悟飯君を揶揄うのは面白いね〜」

 

悟飯「むぅ…………」

 

五月「一花?悟飯君と何のお話をしていたんですか?」

 

一花「別にー?ただ二乃のエッチな仮装が見れるかもねって言っただけだよ?」

 

五月「なっ……!!!?」

 

三玖「その手があった………」

 

一花「もうダメだよ?悪戯も決めちゃったんだから」

 

 

 

悟飯は複雑な感情ながらも、二乃の部屋に向かうことにした。ノックをすると二乃に許可をもらったのでゆっくり入ると………。

 

二乃「トリックオアトリート♡」

 

……体に包帯を巻きつけただけの二乃がそこにはいた。包帯がなかったら生まれたままの姿になってしまう。

 

悟飯「ちょっ……!!!い、いくらなんでもその格好は……!!」

 

二乃「あら?お菓子はないのね?なら悪戯決定ね♡」

 

この後、悟飯は二乃によって散々運動をさせられました。尚本人も逃げようと思えば逃げられるのに、それをしないということは…………。まあそういうことである。

 

 

 

 

 

 

四葉「うぇ〜……!!なんでハロウィンにもなって勉強をしないといけないんですかぁ!!?」

 

風太郎「おい四葉!手を止めるんじゃないぞ!これは俺からの"悪戯"なんだからな!」

 

一花「…………なんか違う」

 

未だに風太郎の悪戯は続行していた。なんで同じ年頃のカップルなのにこうも差があるのか……。四葉に二乃ほどの押しの強さがないのも一因だろうが、1番の問題は風太郎にあるように思える。

 

一花「フータロー君さぁ……。せっかく四葉と付き合ってるんだから、もっと別の悪戯とか考えないわけ?」

 

風太郎「はっ?他にって何があるんだよ?」

 

一花「ほら、例えば……『甘いお菓子がないなら、代わりにお前の甘い唇をいただくぜ』……とか」

 

一花はこれまで培ってきた演技力を駆使して、風太郎の真似をしながらキザな台詞を言った。

 

風太郎「なっ……!!お、お前……!!何言ってんだよ……!?」

 

一花「そんなにドライだと、四葉に愛想をつかされちゃうかもよー?」

 

風太郎「……!!?」

 

思い返してみると、四葉とキスしたことは何度かあれど、風太郎からキスをしたことは一度もなかったのだ。全て四葉から動いたものだった。

 

一花「………ダメだこりゃ。四葉、ちょっとだけフータロー君を借りてくね?」

 

四葉「えっ?別にいいけど……」

 

一花「ガールフレンドの了承は得たので私の部屋に連行しまーす♪」

 

風太郎「おい!待て!!」

 

一花「大丈夫!彼女いる男の子にいやらしいことはしないから!」

 

風太郎「そういう問題じゃねえ!少しでも四葉に勉強させねぇと……」

 

一花「どこまでその悪戯に拘ってるの!!!?」

 

しかし悲しきかな…。風太郎よりも一花の力の方が強い為、情けなくも引っ張られるしかなかった。

 

だが、道中で一花の足が止まることになる。その場所とは、階段から見て一花の部屋より少し手前……。つまり、二乃の部屋の前である。

 

ア、アンッ…!!ハゲシ……ッ…!!

 

…………聞いてはいけない声を聞いてしまった。

 

風太郎「……ん?どうしたんだ一花?」

 

だが、風太郎には聞こえてなかったようだ。

 

一花「な、なんでもないよ……!!や、やっぱり下で話そっか……!!」

 

急に恥ずかしくなった一花は結局はリビングで風太郎を教育することにしたそうだ。教育の内容は、基本的に乙女は何を求めているかというものだった。だが、四葉の支えになりたいと考える風太郎は思いの外真剣に一花の話を聞いていた。彼らが出会ったばかりの頃を考えるとかなりカオスな光景である。だが、三玖、四葉、五月の3人はいつまで経っても降りてこない二乃と悟飯のことが気になり始めていた。

 

五月「………二乃と孫君、明らかに遅いですよね?」

 

四葉「あ、あはは……。きっと部屋で話に花を咲かせてるんじゃないかな〜?」

 

三玖「きっとそう。多分誰にも見られないところでいつも以上にイチャイチャしていると思う」

 

五月「………やっぱり羨ましいです」

 

四葉「最近、孫さんは二乃にお熱だもんね〜」

 

三玖「ちょっと寂しい………」

 

ハロウィンパーティーを楽しんでいたところ、零奈が帰宅する。

 

零奈「ただいま戻りました」

 

風太郎「あっ、どうも零奈さん。お邪魔しています」

 

零奈「お義母さんと呼んでもいいのですよ?」

 

四葉「な、何を言ってるの!!?」

 

零奈は四葉と風太郎、悟飯と二乃が恋仲になっていることを既に知っている。悟飯や風太郎に会う時はマルオとは正反対に、これを決まって言うのだ。最早挨拶代わりとなっている。

 

零奈「おや?二乃と孫君はいないのですか?」

 

三玖「二乃と悟飯は部屋で2人っきりでイチャイチャしてると思う」

 

零奈「………!!」

 

三玖はあくまでオブラートに包んだつもりだ。だが、零奈は母親の感だからだろうか……。悟飯と二乃が部屋でナニをしているのか、たったそれだけで察してしまった。

 

零奈「なるほど……。どちらが主犯ですか?」

 

三玖「二乃」

 

零奈「分かりました。二乃には後できついお仕置きをしましょう………」

 

四葉「えっ?お、お母さん……?」

 

一花「(まさかあれだけで察したの?)」

 

今の零奈は優しき母親の顔ではない。鉄仮面と呼ばれている時の顔だ。目も顔も笑っていない。

 

五月「えっ?二乃が主犯ってなんです?別にお部屋でお話するだけなら問題ないのでは?」

 

零奈「ええ、そうですね。お話だけならですが…………」

 

五月「……??」

 

姉妹の中では一番鈍感な五月はこの意味を理解していないようである。

 

風太郎「なんだ?二乃はなんか盗み食いでもしたのか?」

 

一花「二乃はそんなことしないでしょ。五月ちゃんじゃあるまいし」

 

五月「なっ?!い、一花!?」

 

 

 

二乃と悟飯が部屋に篭って1時間……。ようやくツヤツヤした二乃と、何やらスッキリしたような顔をした悟飯がリビングに降りてきた。

 

二乃「あっ、お母さん帰ってきてたんだ。お帰り〜」

 

悟飯「お、お邪魔してます………」

 

零奈「………二乃。気持ちは分からなくもないですが、少しは自重して下さいね?」

 

二乃「えっ……?」

 

零奈「孫君も……。然るべき処置はしっかりとするように」

 

零奈も元々教師とはいえ、自分も恋をして子供まで持った身。そこまで強く言えないとはいえ、姉妹達から二乃の行動を聞き、最近は行き過ぎているのではないかと懸念して注意した。つまり、零奈にも2人がどのステップまで進んでいるかバレているのである。

 

こうして、ハロウィンパーティーは零奈と二乃合作のパンプキンケーキをみんなで食べて締められたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

クリスマス

 

正確にはイブだが…。聖夜とも言えるこの日。四葉と風太郎は…………。

 

『流石にそろそろ勉強しないとまずいから断る』

 

クリスマスパーティーに誘ったはずが、風太郎の心無い返信によって花のないものとなってしまった。

 

四葉「う、上杉さん………。せめて今日くらいは付き合って下さいよぉ……」

 

二乃「仕方ないわよ。もう受験も佳境に入っているしね。それに、あっちも見てみなさいよ」

 

 

零奈「五月…?そろそろ休まれては…?」

 

五月「ダメです…!!例えクリスマスと言えども、少しでも多く勉強しなければなりません……!!!お母さん、お願いします!!!」

 

 

三玖「あんな状態じゃ仕方ない…」

 

一花「あはは…。今日はケーキを食べるだけにした方が良さそうだね〜……」

 

二乃「そうよ。ハー君もそろそろ受験が近いからって来てくれなかったもの」

 

四葉「でも一花、よく休み取れたよね?」

 

一花「あはは……。でも後は年末年始くらいでお休みはもうないよ……」

 

二乃「むぅ………」

 

しかし、ロマンチストな二乃は、クリスマスは恋人と共に過ごしたいとも考えていたが、家族と一緒に過ごしたい気持ちもある。どうすればいいかと悩んでいるところに、一花に肩を叩かれた。

 

一花「二乃、本当は悟飯君と過ごしたいんじゃないの?」

 

二乃「……否定はしないわ。でも今年は久しぶりに家族全員が揃いそうなのよ?」

 

一花「ふふふっ……。ならこうすればいいんじゃない?夜ご飯は私達と食べて、夜は悟飯君と過ごす………」

 

二乃「えっ?で、でもお父さんが帰ってきたら大変なことにならない?」

 

一花「そこは上手く誤魔化しておくよ…!せっかくのクリスマスなんだから………。そうだ!お姉さんからちょっと早いプレゼントだぞ♪」

 

そう言うと、一花はややテンション高めにプレゼント用のリボン"だけ"を渡してきた。

 

二乃「えっ?リボンだけじゃ意味ないじゃないの?」

 

一花「違うよ。悟飯君のプレゼントは、二乃自身だよ?」

 

二乃「……!!そ、そういうことね…」

 

一花は二乃を揶揄おうとリボンを渡したのだが、何故か二乃はノリノリであった。

 

一花「あ、あれ……?」

 

二乃「ありがと一花…!!これは有効活用させてもらうわ!!」

 

一花「あるぇ〜……?」

 

一花のプレゼントはこの後有効活用されることになるが、それはまだ少し先のお話である。

 

マルオ「ただいま」

 

そんな話をしていたら、マルオが仕事から帰ってきたようだ。

 

三玖「お帰りなさい」

 

マルオ「既にみんな揃っているようだね。待たせちゃったかな?」

 

二乃「そんなことないわよ」

 

四葉「五月〜!お父さんが帰ってきたからそろそろご飯にしよ!」

 

五月「えっ!?本当ですか!?お腹空きましたぁ!!!」

 

この日の夜の食卓、中野家では数年ぶり………いや、家族全員揃って初のクリスマスパーティが行われたのである。ちなみにマルオはちゃっかりお酒を飲んでいた。

 

 

 

 

そして、パーティも終わりを迎え、みんなが寝静まろうとしていた時のこと………。

 

二乃「…………どうやって彼の家に行こうかしら…………」

 

二乃は一花に言われてしまったことが原因で、余計に悟飯の家に行きたくなってしまった。筋斗雲は二乃では呼べないし、悟飯にお迎えを頼んでも恐らく断られてしまう。悟天に頼むという選択肢もあるが、二乃のことをあまり好んでいないようにも思える。となると、自力で行くしかないのだが、とてもじゃないが自力で行けるような距離ではない。

 

四葉「ねえ二乃。何気に今日初めて家族全員で揃ってクリスマスを迎えたよね?」

 

二乃「そうね〜。父親がいなかったり、お母さんが死んじゃったり、お父さんが帰ってこなかったりしてたからね……って……」

 

灯台下暗しとはこのことを言うのだろう。案外というか物凄く近いところに適当な人材がいた。

 

二乃「あんたがいたかぁ!!!

 

四葉「うわっ!!?どうしたの二乃!?」

 

二乃「四葉。頼みがあるわ。今からハー君の家まで送ってくれない!?」

 

四葉「えっ…?今から……?でも今日はお父さんとお母さんもいるよ…?」

 

二乃「どうしても今日じゃないといけないのよ…!!お願い…!!!」

 

四葉「で、でも…………」

 

基本的に人の頼みを断ることのない四葉だが、今回反応が悪いのはいくつか理由がある。まず、二乃が悟飯の家に行ってナニをする気なのか理解しているからだ。先日ほぼ母親にもバレたというのに、自分が加担する気にあまりならないのだ。そして2つ目にマルオがいることだ。マルオにバレてしまえば二乃と悟飯………いや、悟飯が大目玉を喰らうことになるだろう。それらを考慮すると、どうしても遠慮したいものがあった。

 

マルオ「どこに行くんだい?」

 

四葉「わーっ!!!?」

 

すると、そこに丁度マルオが現れた。

 

二乃「お、お父さん…?寝てたんじゃ…?」

 

マルオ「僕はもうちょっと起きてると思うよ。何せ仕事をしているからね」

 

院長とは忙しいもののようで、家に帰っても仕事が待機しているようだ。

 

マルオ「今日はもう遅い。夜ふかしは美容の敵とも言うし、早めに寝たまえ」

 

二乃「は、はーい………」

 

マルオがまだしばらく起きているとなると、二乃が出かけることは絶望的である。

 

四葉「二乃。今日は諦めるしかないよ。明日もあるし……ね?」

 

二乃「………分かったわよ…」

 

二乃は渋々諦めることにした………。

 

 

 

 

 

同日の孫家。こちらでも家族でクリスマスパーティを開催していた。悟飯の祖父に当たる牛魔王を入れて初めての5人によるパーティだ。とはいえ、既に食事は終えており、今は悟飯と悟天が遊んでいる真っ最中だ。

 

悟飯「あちゃ〜……負けちゃった」

 

悟天「わーい!兄ちゃんの下手くそ〜!!」

 

この兄弟はゲームで遊んでいたのだが、そういった娯楽を経験したことのない悟飯は悟天に負けっぱなしだった。

 

悟飯「むむっ…!そう言われると悔しいなぁ……悟天、もう一回だ!」

 

悟天「もう58連敗じゃない?大丈夫なの?」

 

そして悟天はいつにも増してテンションが高かった。最近は悟飯が二乃にお熱であるのと、受験による佳境で中々遊んでもらえなかったからだ。悟飯が二乃の申し出を断った理由の一つに、この日ばかりは悟天と遊んでやらないと可哀想だとも思ったからである。

 

悟空「はぁ…!こうしてみると、悟飯のやつしっかり兄ちゃんやってんだなぁ」

 

チチ「悟天ちゃんにとってはお兄ちゃんでもあって父親みたいな存在だったからなぁ………。悟空さが死んじまってから悟飯が一層大人っぽくなっちまったたぞ?」

 

悟空「ははは……。なんかそいつは悪いことをした気分だなぁ……」

 

牛魔王「そう言うなチチ。悟空さもあの時は地球を守るためにやってくれたことなんだから……」

 

チチ「それはオラも分かってるだが…………」

 

そう。悟空が死んでからというもの、悟飯はただでさえ歳に似合わず礼儀正しく大人っぽかったが、更に遠慮気味になってしまったようにも思える。しかし、高校に通い始めて1年半が経過し、五つ子達と出会ってからは歳相応の顔を見ることが多くなっていた。そんな顔を作り出せたのは五つ子や友人である風太郎のお陰なのだとなんとなく分かっていた。それもあってチチは最初から五つ子や風太郎に対しては好感度が高かったのである。

 

チチ「あの五つ子の娘っ子に出会ってからの悟飯は、どこにでもいる普通の高校生になってくれたべ?」

 

悟空「そうなんか?オラからしたら、前よりもよっぽど戦士っぽくなったけどな?」

 

牛魔王「細かいことはどうでもいいだ。子供が健やかに育ってくれれば、オラはそれ以上は求めないだよ」

 

この日の孫家は、1日中和やかな雰囲気に包まれていた。

 

 

 

夜遅くになり、悟天達はもう寝静まった頃、悟飯は遊びに使った分の時間を取り返すように勉強に取り組んでいた。

 

悟飯「ふぁ………。今日はこれくらいにしようかなぁ………」

 

だが、流石に眠気が来たようで、ここで悟飯は勉強をやめることにした。既に風呂や歯磨きは済ませているので、すぐに寝ることもできた。

 

悟飯「……………」

 

そして就寝に入ろうと思ったが、最近ある変化が起きたのだ。少し前までは悟天と共に寝ていたはずなのだが、悟飯だけの部屋になったのだ。悟天は空き部屋にあった場所を部屋として改良し、新しい悟天の部屋として過ごすこととなったのだ。何故このようなことをしたのかは分からなかった。

 

そして、隣に悟天がいない物寂しさを覚えてしまった。

 

悟飯「………ちょっと水飲むか」

 

眠れそうになかったので、一度リビングに行って水を飲むことにした。一杯だけ水を飲んで自室に戻ろうとしたが……。

 

 

コンコンッ

 

悟飯「………?(こんな時間に誰だ…?)」

 

恐る恐るドアを開けると………。

 

零奈「メリークリスマスです、孫君」

 

悟飯「えっ…?」

 

何故か零奈がいた。しかもサンタクロースの格好で………。

 

悟飯「な、何をしているんですか…?」

 

零奈「孫君にクリスマスプレゼントを渡そうかと思いまして。ちなみにこのプレゼントは()()()()ですよ。孫君のお部屋で1人の時に開けてくださいね。あと、くれぐれも()()に扱うように……………」

 

悟飯「は、はぁ……?」

 

零奈の意図は不明だが、零奈のプレゼントなら疑うこともないだろうと思った悟飯は受け取ることにした。やたらとでかいプレゼントボックスを言われた通り自室に運び、そっと置いた。

 

悟飯「…………僕だけがいる時に開けてって言ってたけど……あれどういう意味かな………?」

 

色々と聞きたいことはあったが零奈はさっさと帰ってしまったので仕方ない。恐る恐る開けてみると……。

 

二乃「メリークリスマス!!」

 

悟飯「えっ、に………の!!!?」

 

中から二乃が出てきた。しかも身体にリボンを巻いただけの格好で………。

 

悟飯「な、ななな………!!?何をしてるの!!!?(というか零奈さんは何をしてるんだ!!!?)」

 

二乃「何って………い、言わなきゃ分からないわけ……?」

 

二乃の身体は何度も見てきた悟飯だったが、流石の不意打ちに思わず顔を赤くしてしまう。二乃が勢いよく飛び出した勢いによって飛び出た紙がヒラヒラと舞い降りてきた。それに気づいた悟飯は手に取って………。

 

『メリークリスマスです。今日はクリスマスということでプレゼントを渡しますね。プレゼントはあなたに会いたそうにしていたあなたの大切な人です。くれぐれも乱暴だけはしないように。

 

P.S. これからは私のことは"お義母さん"と呼んでくださいね?』

 

悟飯「零奈さん…………」

 

真面目で冷静な人だと思っていたが、どうやらチチやブルマに近い人間のようだった。恐らく悟飯と二乃が相思相愛であることを知ってるし、悟飯を信用しているからこそこのようなことをしたのだろう。だが、悟飯は何か大事なものを失ったような気がしてならなかった。

 

二乃「………ねえ。この格好でいつまでも放っておかれると風邪引くんだけど………」

 

悟飯「……あっ」

 

手紙の内容に気を取られていた悟飯は二乃の存在を忘れていた。今の彼女はとても危ない格好をしている。

 

悟飯「ふ、服を着ればいいんじゃないかな………?」

 

二乃「…………違うでしょ。そこは『俺の体で温めてやるよ』でしょ?」

 

悟飯「ぼ、僕はもう寝るから!」

 

二乃「ちょっと待ちなさい!!女の子がこんな格好してるのに無視するとはいい度胸ね!!?」

 

悟飯「ダメだよ!今日この家にはお父さんにお母さんに悟天、お爺ちゃんもいるんだから!!」

 

二乃「………へぇ?2人きりならいいんだ?」

 

悟飯「あっ…!いや、そういう意味じゃなくて…………」

 

二乃「それにこの前、私の姉妹がいたのにお構いなしだったじゃない?あれはどういうことなのよ?」

 

最近は羽目を外し過ぎたと自覚している悟飯は、節度を守らねばと強い意思を持っていた。その為、最近は二乃と会ってもそのようなことはほとんどしなかったのだ。だが、そのせいで二乃は不満になっているというわけである。

 

二乃「まあいいわ。あんたがどんな返事をしようと、ハー君に拒否権はないから♡」

 

 

 

 

 

全てを終えた後、悟飯は『寧ろ二乃がプレゼントもらってない…?』と思ったが、今更気にしても仕方ないと心に言い聞かせ、眠りにつくのだった。

 

 

 

 

 

四葉「ねえお母さん?最近二乃と孫さん羽目を外し過ぎじゃない?お母さんはむしろ止めなきゃいけない立場じゃないの?」

 

零奈「だって………。あまりにも二乃が悲しい顔をするものですから………」

 

四葉「お母さんが甘くなってる…?!」

 

一度死んで長い間娘達を放ったらかしにしてしまった罪悪感からか、零奈は娘に甘くなっていた。これでは悟飯がなんとかしない限りどうしようもないではないか。

 

まあ、幸せならOKです?

 




 どうも。バイトやらテストやらで疲弊しまくっているMiurandです(甘え)。マジで最近は執筆する時間がないでやんす。時間があれば書けるんだがなぁ…。というのはさておき、私が更新をグダっている間にファンアートをいくつか頂きました。どれも素晴らしい絵なのですが、その絵の特集的なものをどこかのタイミングで載せたいなぁと考えています。でも載せるとしても恐らくハーメルンではなくpixivになるんじゃないかな〜…?初の番外編で悟飯達が語っていく形式でならこちらでも投稿するかもしれませんが。

 ちなみに作者はファンアートをもらえるだけで泣いて喜びますw
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