孫悟飯は五つ子姉妹の家庭教師をするそうです【本編完結】 作:Miurand
そんなことはさておき、2週間ぶりの投稿ですが、まだしても一花回ではありません。次回こそは一花メイン回にする…!
あといつもより短いけど許して…。
時は徐々に過ぎていく……。2月に入ると二乃と三玖が料理の専門学校に合格し、この2人に関してはひと段落といったところだ。五月は受験勉強に専念し、四葉は推薦に必要な最低限の学力を維持するために勉強を続けている。
風太郎と悟飯もそれぞれが目指す大学の為に日々勉強に奮闘している。この頃になると流石の悟飯もデートの頻度を減らして勉強に専念するようになった。二乃は寂しそうにしていたが、受験が終わったら沢山デートしようと言うと機嫌がよくなった。
さて、ここでもう一度言うが、二乃は受験も終え、卒業も確定していることからほとんど暇だ。しかも三年生は自由登校のため、行きたくないなら行く必要はないのだ。つまり……。
二乃「はいハー君、紅茶よ」
悟飯「ありがとう」
二乃は悟飯のサポートに徹していた。これだけならカップルとして別におかしいことではない。ないのだが……。
悟飯「………なんで僕の家にいるの?」
何故か孫家に入り浸っているのである。
二乃「えっ?もしかして、勉強の邪魔だった……?」
悟飯「いや、そんなことはないんだけどさ…………」
二乃「ならいいじゃない!悟空さんとチチさんは畑仕事でこの時間は家にいる時間が少ないんでしょ?誰がハー君のサポートをするのよ!」
別にサポートはなくてもいいんだけどと言おうとするが、それを二乃に言ってはいけないことはなんとなく分かっている。だから悟飯は二乃が家にいることは目に瞑ろうと思った。恐らく泊まる気でもないだろう。
二乃「……それにしても、ハー君のご両親って随分寛容よね」
悟飯「えっ?」
二乃「だって、息子が取られるかもしれないのに、結構私を歓迎しているというか………」
悟空はともかく、確かに子煩悩なチチなら悟飯を婿に出さんと言いかねない。セルゲーム前のチチなら間違いなくそう言っただろうが、彼女も一度最愛の人物を失って変わったのだ。
悟飯「それだけ二乃が良い子だってことじゃない?なら良かったじゃん」
二乃「まあね。でも、悟天君の反応はいまいちなのよね〜………」
過去に二乃と悟天は一瞬とはいえ対立していた時期もあった。悟天はどう考えているのか分からないが、二乃は悟天に対して苦手意識を持っているようだった。
二乃「はいハー君、召し上がれ!」
昼時になると、畑仕事で忙しいチチの代わりに二乃が昼ご飯を作っていた。チチには既に許可を得ており、自由にある食材を使ったというわけである。
悟天「……なんで二乃さんは当たり前のように家にいるの?」
二乃「別にいいじゃないの。私はハー君の恋人なんだし……ね?」
悟天「むぅ……」
二乃はあくまでも優しく悟天にそう言うが、彼は何かご不満な様子だった。
二乃「まあ、そんな膨れないで食べなさい!私の料理は絶品なんだから!!」
悟天「お母さんの料理の方が美味しいもん!!」
そうは言いつつも、悟天は美味しそうに二乃の料理を食べていた。普段は素直な悟天だが、二乃に対してだけは当たりが強いように思える。
二乃「………ね、ねぇ…。私、やっぱり悟天君に嫌われてるのかしら…!?」
悟飯「そんなことないと思うけど……」
二乃は不安になってこっそり悟飯に聞くが、普段は悟天から二乃に対する悪口のような話は一才聞かない。そんなに嫌ってはいないはずなのだが、今の態度を見るとそれも分からなくなってしまう。
悟天「……兄ちゃん達、また内緒話している………」
悟飯「えっ?」
悟天「……兄ちゃん、そんなに二乃さんのこと好きなんだ」
悟飯「そ、そうだけど………」
悟天「………」
悟天は食器の中身を空にするとすぐに立ち上がって自分の部屋に戻ってしまった。その仕草はどこかイラついていて、また寂しそうにも見えた。
悟飯「悟天………」
二乃「もしかしてちょっと早い反抗期かしら?」
悟飯「そんな急に来ないと思うけど…」
やっぱりそうだ。兄ちゃんは二乃さんと付き合ってから、やたらとデートに行くようになった。僕が遊んでってお願いしても、『勉強するから』とか、『ちょっと用事があるから』とか言って、大抵二乃さんとデートか勉強。勿論全く遊んでくれないわけじゃないけど、それでも二乃さんとのデートの回数の方が多い。
…兄ちゃん、僕よりも二乃さんのことが好きになっちゃったんだ。僕のこと、どうでもよくなっちゃったのかな…?
悟天「……やっぱり一人で遊んでいてもつまらない……」
一人で遊んでもつまらない。……そうだ…!
数時間後……。日がそろそろ沈み始める時間帯になり、チチと悟空も畑仕事から帰ってきた。
チチ「ただいま〜……」
悟空「たっぷり働いたから腹減っちまったなぁ!飯にすっか!」
チチ「まだ明るい時間だぞ?早くねえか?」
悟空「そう言われても腹減っちまったもんは仕方ねえよ……」
チチ「しょうがないだな……。んじゃ、ちょっと早い飯にするだか……。悟空さ、悟飯と悟天ちゃん……あと今日は二乃さもいただな。その3人を呼んできてけろ」
悟空「おう」
悟空はシャワーを軽く浴びていつもの道着に着替えた後、もうすぐ夕食ができることを伝える為に、まずは悟飯と二乃がいる部屋にノックする。
「はーい?」
悟空「悟飯に二乃……だったか?もうすぐ飯ができっぞ!!」
「はーい!!」
悟飯の返事を聞いた悟空は次に悟天の部屋をノックする。しかし、応答はない。
悟空「あり?」
もう一度ノックするが、またしても返事がない。不思議に思った悟空はドアを開けるが………。
悟空「あれ?悟天のやつどこ行ったんだ………?」
何故か悟天が部屋にいなかった。
二乃「ねえハー君、私退屈なんですけど〜」
悟飯「……勉強の邪魔はしないでほしいんだけど………」
二乃「なによ〜!私より勉強が大事だって言うの〜?」
一方で、二乃はあまり娯楽がない孫家に退屈を感じ始めていた。とはいえ、悟飯と一緒にいたいから常に悟飯の側にいるが、今は悟飯にくっついて退屈を紛らわせている。
悟飯「二乃が大事だからこそ勉強するんだよ。ちゃんと勉強して学者になつて、しっかり稼げるようにならないとね!」
二乃「えっ……?その答えはちょっと予想外だったわ………」
久しぶりに悟飯の不意打ちをくらった二乃はときめいてしまった。少しの間悟飯の顔をジッと眺め、彼の存在そのものが愛おしく感じるようになってしまった。
二乃「……あ〜!我慢できない!ハー君!しましょ!!」
悟飯「えっ……?いやいや!!僕今勉強中だし、お父さんもお母さんも悟天も起きているんだよ!!!?絶対に無理だって!!」
二乃「いいじゃない!声は我慢するから!!」
悟飯「僕が勉強しているからダメなんだって〜!!!」
そして二乃はまたしても暴走し始める。悟飯は勉強中だからと断るも、その程度で止まる二乃ではない。
二乃は上着を半脱ぎし、意地でも悟飯を意識させようと顔を近づけて……。
ガチャ
悟空「なあ悟飯、こっちに悟天はいるか?」
………しかし、ノーノックで悟空がドアを開けやがったので(二乃の)ムードが台無しである。
二乃「…………」
悟空「ん?どうした?オラの顔になんか付いてるんか?」
二乃「馬鹿ァアア!!!」
悟空「わっぷ……!!」
二乃は恥ずかしさのあまり、枕を投げつけて悟空に抗議する。
二乃「なんでノックもしないで勝手に入ってくんのよ!!?」
悟空「んなこと言われてもよ〜………。悟天の気をこの辺で感じねえんだよ」
悟飯「…………えっ?」
悟空に言われ、悟飯も周囲の気を探ってみた。確かに悟天の気は感じない。
二乃「えっ?お昼はいたのに………」
悟空「困ったなぁ……。悟天のやつ一体どこにいるんだ……?」
家族のうち誰も悟天が外出するという報告を受けていない。悪戯で隠れんぼをしている可能性もあるが、悟天はそのような悪戯をしたことがない。つまり黙ってどこかに出かけて行ったということだろう。
悟飯「………まさか…」
最近、悟天の機嫌が悪い傾向にあったのは知っていた。それは悟飯が二乃のことを話す時に限ってのこと……。昼の会話を思い出し、悟飯はひょっとすると自分に原因があるのではないかと思った。
悟飯「………お父さん、僕悟天を探してくるよ!!」
悟空「えっ?いや、おめぇはいいって。勉強しなきゃならねえんだろ?それにオラには瞬間移動があるし……」
悟飯「そんなこと言ってる場合じゃないですよ!!もし悟天が家出したとしたら………」
悟空「ならブルマの家に行ってるんじゃねえか?」
悟飯「それならブルマさんから連絡が来ますよ!!」
悟空「そ、そいつもそうだな……」
悟飯「とにかく僕は悟天を探しに行きます!!」
そう言うと悟飯は窓を開けてすぐに飛び立って行った。
悟空「おい悟飯!!………仕方ねえな。オラはまずはベジータのとこに……」
シュン‼︎
悟空は瞬間移動で心当たりを探ることにしたようだ。
ポツーン
二乃「………えっ?」
そして唐突に二乃だけが取り残された瞬間だった…………。
悟飯がやってきたのは日本。日本だとどうやらそろそろ日が暮れる頃らしい。
悟飯「(悟天……!どこにいるんだ…!!)」
一方その頃、上杉家では………。
風太郎「おい、何故お前がいるんだ?」
悟天「……………」
らいは「お兄ちゃんは黙ってて!今は私が話を聞いてあげてるんだから!」
悟天は悟飯とラブラブな二乃に嫉妬し、何故か上杉家に来ていた。悟天の友達といえば真っ先に出てくるのはトランクスのはず。にも関わらず、上杉家に来ていた。
らいは「やっぱり孫さんは二乃さんに付きっきりになっちゃったんだね〜」
風太郎「俺なららいはを冷遇するようなことはしないぞ!」
らいは「お兄ちゃんはもう少し四葉さんを優先しようか!」
悟天「………」
こんな下らないやり取りでも、悟天は羨ましく思えてしまった。無論悟飯に無視されているわけでも、構ってもらえないわけでもないが、頻度は明らかに減っている。
らいは「まあ、もしもそうなっちゃったら私のところに来ていいって言ったもんね。偉い偉い♪」
らいはは優しく微笑みながら悟天の頭を撫でていた。
らいは「でもよくお兄さんの前で我儘言わなかったね?」
悟天「…………だって、兄ちゃんは高校生活で色々あったから……。二乃さんが彼女になったって聞いた時は本当に嬉しそうな顔をしてたんだよ。だから、その邪魔をしたくないなって……」
らいは「悟天君、いい子すぎない…?」
悟天は基本的に悪戯好きな性格だが、根は悟空のように優しく、素直な子だ。今まで苦労してきた悟飯を見てきたからこそ、悟飯の前では我儘を言えなかったのだろう。
風太郎「なあ、一つ聞いてもいいか?」
悟天「なに?」
風太郎「お前は二乃のことが嫌いなのか?そんな二乃がお前の兄と仲良くしているのが気に食わないのか?」
悟天「……別に。そんなに嫌いってわけじゃないけど、去年の二乃さんを見ているとね……………」
風太郎「あ〜……。去年の二乃は本当に酷かったからな………。思えばあんなに二乃が丸くなったのも悟飯のお陰なのか…………」
らいは「でも二乃さんのことは嫌いではないんでしょ?ならどうして……」
悟天「……なんか、兄ちゃんが二乃さんに振り回されているみたいで嫌なんだよね……。兄ちゃんも悪い気はしないみたいだけど………」
風太郎「確かに、最近のあの2人を見てると、確実に尻を敷かれてるのは悟飯の方だもんな……………」
らいは「やっぱり…………。でも、二乃さんだって根はいい人だと思うよ?孫さんが選んだんだから間違いないと思うよ?」
悟天「根は優しい………。あっ………」
そういえば、まだ記憶に新しい魔人ブウ騒動の時、フュージョンが溶けた自分達に向かってくる魔人ブウを身を呈して受け止めてくれたのは二乃だった。確かに、根が優しくなければあんな行動は咄嗟にできない。ましてや考える前に行動なんて………。
悟天「………でも、やっぱり兄ちゃんが二乃さんにばかり構っているのはズルい……」
らいは「………そうだ!」
らいはは閃いた動作をすると、悟天にこんな提案をしてきた。
らいは「それなら、孫さんに悟天君という存在を再認識させるのはどうかな?」
悟天「えっ?」
風太郎「なんだ?どういう意味だ?」
らいは「悟天君は、二乃さんのことは嫌いじゃないんでしょ?」
悟天「うん。そうだけど……」
らいは「なら、悟天君が二乃さんに甘えてみたらどうかな!」
風太郎「おい、何故そうなる」
らいは「悟天君が二乃さんに甘えまくれば、きっと孫さんは自分が兄だってことを再認識してくれるはずだよ!」
風太郎「逆に嫉妬されないか?」
らいは「流石に8歳相手に嫉妬はしないでしょ。ましてや孫さんだよ?」
風太郎「それもそうか……」
悟天「…………」
らいはがそんな提案をしてみたので、悟天は二乃に甘える想像をしてみる。
………だが、上手く想像できない。
らいは「きっと二乃さんも悟天君と仲良くしたいんじゃないかな?おもちゃとかねだってみれば?もしかしたら買ってくれるかもよ?」
悟天「本当に!!?」
おもちゃを買ってくれるかもしれないという甘い言葉に悟天はすぐに釣られた。地球人戦士以上の力を持ちながらも、まだ中身は小さな子供。意外と単純なのである。
風太郎「なるほど……。もしらいはが俺以外の歳上に頼ったとなると……………。なんか嫌だ!!よし、その作戦で行こう!!」
風太郎は悟飯の立場を自分に置き換えた結果、無茶苦茶不快感を感じたらしい。故にこの作戦は有効だと判断した。
悟天「取り敢えずおもちゃねだってみるよ!!ありがとね!!」
らいは「またいつでも遊びにきてね〜!!」
悟天は満足したのか、舞空術で帰宅していった。
風太郎「…………なあらいは。あの方法じゃ根本的な解決にはならないんじゃないか?」
らいは「でも悟天君、おもちゃもらえるかもしれないとなるとすごく嬉しそうだったよ?」
風太郎「………まあ、本人がそれでいいならいいのか………?」
数十分後……。悟飯は悟天が帰ったきたとの連絡を受けて帰宅し始めた頃…。孫家では………。
悟天「ねえ二乃さん。おもちゃ買ってくれない?」
二乃「えっ……?きゅ、急にどうしたの?というかどこほっつき歩いてたのよ!!」
チチ「そうだべ悟天ちゃん!!何も言わずにいなくなっちまって…!!オラ山中探し回っただぞ!!?」
二乃とチチは遠くへ行けない分、パオズ山中を探したようだった。
二乃「急にいなくなったから心配したのよ!!どこかに出かけるならせめて一言くらい言いなさいよ!!」
チチ「そうだべ!!!心臓が止まるかと思っただよ!!」
二乃やチチだけでなく、今日悟飯も世界中を飛び回って探してくれているらしかった。悟飯がそこまで自分を必死になって探してくれたことを知ると、自分のことがどうでもよくなったわけじゃないことを知り、嬉しさを覚えた。
悟天「僕は兄ちゃんが全然構ってくれなくなったかららいはさんのところに遊びに行ってただけだもん!」
二乃「構ってくれないって…?」
悟天「そーだよ!二乃さんと付き合い始めてからだよ!!」
二乃「わ、私のせいなの!?」
こんな下らないやりとりをしつつ、悟天は昔のことを思い出していた。昔の自分には父親は存在しなかった。だが兄と母はいた。不意に姉が欲しいと思った時もあったが、それもほんの数日だけ。だが、姉がいたらそれはそれで楽しそうだなぁとも思っている。
実際、今の二乃と悟飯は誰がどう見てもラブラブであり、別れるどころかこのまま結婚までしてしまいそうな勢いである。もし結婚すれば、二乃は悟天にとっては義理の姉ということになる。近い将来そうなる可能性がある。本音を言えば五月がその相手になって欲しかったのだが、最近は二乃でもいいかとも思っていたり……。
それに、悟天は二乃が自分に気を使っていることが分かっていた。その原因もよく分かっているつもりだ。だからこそそれを最大限に利用してしまおうと考えた。どうせ近い将来義姉になるのなら、甘えたって許されるだろう。なんせまだ8歳だもの。
悟空「……だってよ、悟飯」
悟飯「あはは……。以後気をつけます…」
悟飯は兄であることも忘れないようにしようと心に誓った。
ちなみに、悟飯が必死に自分を探してくれていたことを後から知り、自分のこともちゃんと考えてくれているのだと再認識した。
余談だが、二乃は悟天におもちゃをちゃんと買ってあげたらしい。
マージで疲労で書く気がなかなか起きないのですが、ちょっとずつ書いたものを投稿しました。まあいつもより短いんですがね…。あと、この前戦闘は最後だ的なこと言いましたが、また嘘になるかもしれません…。まあこの前のようなスケールの大きいものにはならないとは思いますが…。
また、pixivの方ではファンアートを紹介する番外編を投稿しました。気が向いたら見に来てね。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19150765