孫悟飯は五つ子姉妹の家庭教師をするそうです【本編完結】   作:Miurand

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 どうも皆さま、お久しぶりでございます。2週間の合宿免許を経た後に四国・九州・広島倉敷に旅行とアホみたいなことをしておりました。まだ本免試験が控えておりますが、恐らくようやく落ち着くと思います。

 ということで、ようやく一花&悟飯メイン回のシリアスパートになります。何度も何度も嘘ついてすみません……。いや〜、最近はほのぼのとし過ぎてて、そろそろシリアスを投下したいと思ったところにまたしても被害に遭う一花………。もしかして私の深層心理では一花を嫌っている……?そんなはずはないんだけどなぁ……()

 てなわけで、本編をどうぞ。ちなみに急ぎで仕上げたので誤字脱字がヤバいかもしれないです。気づき次第修正します。



第115話 再来する脅威

何の変哲もない休日…。悟飯は勉強する間も惜しんであるところに訪れていた。それは…………。

 

二乃「…………ねぇ?本当に今日行くの?」

 

悟飯「マルオさんに予定を合わせてもらったんだから、急に予定を変えるのも失礼だよ」

 

二乃「いざとなったら緊張してきたわ………」

 

何故相手の両親の時は緊張していなかったのに自分のところになると急に緊張するのか不思議でならない。

 

悟飯「なんで緊張してるの……?普通は僕の方が緊張すべき場面だと思うんだけど……………」

 

二乃「い、いや〜……。お父さんがちゃんと認めてくれるのかなって………」

 

悟飯「ええ!?確信なかったの!?」

 

お父さんが自分達の関係を認めてくれているだろうと二乃が言ったのは、付き合い始めた翌日のこと………。彼女は悟飯と恋人らしいことをするために、根拠なくそう言ったのだ。

 

二乃「相手はハー君だし、いくら子煩悩なお父さんでも認めてくれるとは思うんだけど、最近の行動を思い返してみると…………」

 

悟飯「そう思うなら自重してほしかったんだけどなぁ…………」

 

と、いまいち締まらない会話をしつつも院長室の前まで辿り着いた。ノックして入室の許可を得たので、2人ともそっと入った。

 

マルオ「孫君。いつも娘達がお世話になっているね」

 

悟飯「こちらこそ、いつも娘さん達にはお世話になっています」

 

マルオ「ところで、私が忙しい身であることは知っているだろうが、わざわざ僕に時間を取らせたということは、余程重要な話なのだろうね?」

 

マルオは病院の院長として多忙な日々を送っており、休日を取るのも難しいし、家に帰ることも中々できない。最近は悟飯の約束や零奈が戻ってきたこともあり、できるだけ帰宅しようと努力しているらしい。

 

悟飯「はい。あなたにとっても、僕達にとっても重要な話だと思います」

 

マルオ「ふむ……。もしかして家庭教師の方で何か問題があったのかね?二乃と三玖が無事専門学校に受かった話は聞いているよ。一花は女優を目指し、四葉は推薦入学することがほぼ確定していると聞いた。もしかして、五月の成績が芳しくないのかね?」

 

悟飯「いや、家庭教師のことではありません」

 

マルオ「では、新たな脅威が訪れたのかね?」

 

悟飯「いえ、そういうものでもありません」

 

マルオ「……ならば何故僕を呼び出したんだい?」

 

マルオは少々不思議そうにそう尋ねた。悟飯は一度深呼吸をして、はっきりと言った。

 

悟飯「…僕と二乃の関係についてです」

 

マルオ「…………ほう?」

 

一瞬何を言ったのか理解できなかったのか、マルオは返事が遅れた。そしてどういう意味かを確認するために、今一度悟飯に問う。

 

マルオ「君と二乃の関係とは…?もう卒業後の進路が確定したから、生徒から卒業したと言いたいのかい?」

 

悟飯「違います。僕と二乃…二乃さんと交際をさせていただいてます」

 

マルオ「…………なんだって?」

 

まさか悟飯の口からそんな言葉が出てくるとは思っていなかったのか、顔にこそ出さなかったものの、度肝を抜かされてしまったようだった。一息置いたマルオは、現状の確認に努める。

 

マルオ「いつ頃から?」

 

悟飯「学園祭の最終日から……」

 

マルオ「ふむ……。そうか…………」

 

悟飯「あ、あれ?」

 

悟飯は沢山の質問をされるものだとばかり思っていたので身構えていたのだが、マルオは何故か納得するような素振りを見せた。

 

マルオ「……あの日、娘達との旅行から帰る時の船のことは今でも忘れないよ……。二乃を含む3人が孫君に恋心を抱いていることもそうだが、あそこまで殺気を出されたのは始めてだ……」

 

悟飯「あ、あはは………」

 

マルオ「それに孫君の性格からして、娘達の押しの強さに負けて誰かしらと付き合い始めるんじゃないかと思っていた。だからこれは想定内のことだ」

 

悟飯「そ、そうだったんですか………」

 

マルオ「………だから君達の関係を認めたいと思うが……。その前に聞かせてくれないかい?君は何故二乃と付き合いたいと思ったんだい?」

 

これは興味本意による質問ではない。悟飯が3人、特に二乃の押しの強さに負けて仕方なく付き合っているのか、それとも悟飯もしっかり二乃に対して特別な想いを持っているのかを見極める為の質問なのだ。当然悟飯は後者。むしろ押し負けて仕方なく付き合うような柄ならば、悟飯があんなに悩むこともなかったはずだ。

 

悟飯「………彼女との最初の出会いは、決していいものではなかったと思います。実際、最初は彼女に嫌われてましたから………」

 

二乃「そ、そのことは忘れてほしいわ………」

 

悟飯「………でも、二乃と接するごとに彼女が僕や上杉君を嫌悪する理由が段々分かってきたんです。二乃は姉妹の中でも家族を大切にする人で、分かりづらいけど本当は誰よりも優しくて、面倒見が良くて…………。

幼少期から戦ってきた僕にとって、人を大切にできる二乃がより一層魅力的な人に見えたのかもしれません」

 

マルオ「……ふむ。だが、家族を大切にしているという理由ならば、他の娘達でもいいはずだ。君は何故、二乃と付き合ったんだい?」

 

悟飯「………正直、詳しいことは僕にも分かりませんが、きっかけはあの時だと思います。僕が危険を呼び寄せているのかもしれないと思い、彼女達を危険に巻き込まない為に家庭教師を…。いや、転校も真剣に検討していました」

 

マルオ「……それは初耳だね。いつ頃の話だい?」

 

悟飯「風太郎………上杉君が家庭教師を辞退したでしょう?その時とほぼ同時期です」

 

マルオ「……ふむ。続けたまえ」

 

悟飯「はい。それで、その趣旨を彼女達にも説明しました。彼女達は嬉しいことに、僕を引き止めてくれました。でもその優しさに甘えて彼女達を巻き込むわけにはいかないと思い、その優しさに甘えるのは違うと思っていました。でも、その時に二乃が………」

 

 

 

『セルみたいな敵から私達を遠ざけるって言うけどね、あんな化け物が出てきたら地球のどこにいても同じなのよ?』

 

『あんたが私達の近くにいて私達を守りなさい。地球のどこに行っても同じようなもんなら、近くに超人的な身体能力を持ったボディガードを付けた方が安心するわ』

 

 

 

……思い返せば、あの時から二乃のことを意識し始めていたのかもしれない。自分が気づかなかっただけで、心の奥底では既に答えが出ていたのかもしれない。難しく考えるから気づくのに遅れてしまったのかもしれない。

 

 

 

悟飯「二乃がそう言ってくれました。多分それがきっかけだったんだと思います。それからも彼女達と沢山の時間を共有してきました。その中で分かったのは、二乃は案外無茶をしちゃうことです」

 

実際、二乃は考えるよりも先に行動するタイプであるが故に、人を助けるために自分がピンチになってしまう場面が多かった。それを象徴しているのは魔人ブウから悟天を守った時や、並行世界の無堂が憑依した"ゴハン"から悟飯を庇った時だろう。

 

二乃は自然体で姉らしい行動ができている分、自分の身を削りがちなのだ。自分ではそういう自覚がないのかもしれないが、少なくとも悟飯の目にはそう映った。

 

悟飯「だから、僕は二乃のそばにいて二乃を支えてあげたい。逆に僕が弱った時には、二乃に支えてもらいたい。そう思ったんです…………」

 

マルオ「……………」

 

二乃「………っ」

 

二乃は恥ずかしさのあまり顔を抑えて悶絶しかけるが、マルオは表情を変えなかった。

 

…………はずだった。この時、マルオは一瞬とはいえ、始めて零奈以外の人に笑顔を見せたのかもしれない。

 

マルオ「………同じだよ。僕と」

 

悟飯「えっ………?」

 

二乃「ど、どういう意味……?」

 

マルオ「僕も零奈さんを支えたい、側にいてあげたいと思った…。彼女は独り身でありながら5人の娘に愛情を注ぎ、仕事にも奮闘していた。その疲労からか倒れてしまうことも何度かあった。そんな無茶をする彼女を支えたいと思ったんだ……………」

 

悟飯「マルオさん……………」

 

マルオ「孫君。これからも娘をよろしく頼むよ」

 

マルオは、悟飯がちゃんとした理由を持って二乃と付き合っていることを知ると、反対する理由もないのか、あっさりと了承した。むしろ歓迎しているようにすら見えた。

 

マルオ「……しかし、2人とも学生だということを自覚しておいてくれ。清い付き合いをしてくれることを切に願うよ」

 

悟飯「あっははは……。肝に銘じます……」

 

二乃「……お父さん。ありがと!」

 

 

 

こうして、最大の難関とも言えるマルオとの対談を終えた。二乃と悟飯は晴れて両家族公認の関係となったわけである。

 

二乃「それにしても、釘を刺されちゃったわね。あの感じはなんとなく気付いてそうだけど………」

 

悟飯「あはは………。もしそうならこれから会うの気まずいな………」

 

二乃「大丈夫でしょ?どうせ将来的には一緒に暮らすんだから……ね?」

 

悟飯「それもそう……なのかなぁ…?」

 

二乃「ということで、今日も……」

 

悟飯「いや、流石にしないからね?」

 

二乃「チッ……」

 

悟飯と付き合ってからというもの、二乃のブレーキは本当に壊れてしまったらしい。悟飯が代わりにブレーキしてくれなければ、二乃は止まることができないだろう。

 

悟飯「いやいや、この前悟天に家出されたばかりだし、今日のこともあるから流石に自重しようよ……?」

 

二乃「………じゃあ、代わりにギュッてして?」

 

最近、ナニとは言わないが悟飯のお陰で頻度は減りつつあるが、その代わりに二乃はめちゃくちゃ甘えてくるようになっていた。それくらいならいいかと悟飯も二乃をこれでもかと甘やかしている。側から見るとただのバカップルにしか見えない。

 

二乃「…ありがと。これでハー君成分が充電できたわ」

 

悟飯「充電って………」

 

二乃「でも、この充電はすぐに切れちゃうのよ。だから明日も……ね?」

 

悟飯「そろそろ本格的に勉強しないとまずいんだけど…………」

 

そう。今まで受験生とは思えない頻度で二乃とデートをしていた悟飯だが、それは比較的余裕があるからの話。いくら学力があるとはいえ、そろそろ勉強に本腰を入れなければ危ない時期に差し掛かっているのだ。志望校に確実に受かる為には勉強は必要不可欠なのだ。

 

二乃「…………分かったわ。学者になることがあんたの夢だものね。そんな真剣な顔で言われちゃったら無理に拒否できないわ……」

 

悟飯「ごめんね?埋め合わせは試験が終わったらするから………」

 

二乃「約束よ!!!」

 

埋め合わせというワードを聞いた二乃は先程と打って変わってテンションが高くなった。昔はともかく今は無茶苦茶分かりやすくなっている。

 

上機嫌なまま二乃をPentagonまで送り、二乃は帰宅した。

 

悟飯「…………昔の二乃からは全然想像できないなぁ……」

 

悟飯は干渉に浸りながらひと気のないところを探して歩いていた。だが、ある方向が妙にいつもより気の数が多い。つまり、人集りができているということだろう。悟飯はその人集りを避けようとしたその時………。

 

一花「あれ?悟飯君じゃん?」

 

悟飯「一花さん?今日はロケじゃないの?」

 

一花「今日は別の撮影。ちょっと変わったヒーローものをやりたいんだってさ」

 

悟飯「へぇ〜……。ヒーローモノねぇ…」

 

一花「だけど、出演する予定だったスーツアクターさんが体調不良で来れなくなっちゃったんだよ。だから誰か代わりを用意できないかって必死になってるところなんだ」

 

悟飯「そうなんだ」

 

とはいえ、悟飯にとってはそういう撮影業界には関係のない話だ。確かに演じることができる人が限られているわけだし、代わりを用意するのは大変そうだ。

 

一花「でもさ、スーツアクターだからちゃんと運動できる人じゃないといけないんだよね〜。それも割と特別な訓練を受けてる人が望ましいんだって」

 

悟飯「でもそれじゃ余計に代わりを見つけるのは難しいんじゃない?」

 

一花「そうなんだよ。だから私にも頼まれたんだ。『もし知り合いにいい人がいたら紹介してくれ』って」

 

悟飯「ふーん………?えっ?」

 

流石にここまで来れば察するというもの。一花の視線の先は先程からずっと悟飯のみに向いている。そして、よく動ける人、もっと言えばアクロバティックな動きをできる人を求めている。つまり、今近くにいる人の中では悟飯が最適な人物ということに他ならない。

 

悟飯「いやいや待ってよ!?僕は演技なんてやったことないし…….」

 

一花「大丈夫!多分普段通りに戦ってくれればそれっぽく見えるから!!」

 

悟飯「そ、それはまずいよ…!そんなことしたら僕の正体が広まっちゃうよ…!」

 

一花「私がなんとかしておくから…!!お願い……!!!」

 

一花が珍しく真剣に頼み込んでいる様子を見ると、どうも本当に事態は急を要するようだ。

 

悟飯「……今日の撮影って、一花さんも女優として出演するの?」

 

一花「うん。そうだけど……」

 

以前、悟飯は一花の夢も応援すると言ったような気がしなくもない。言ったかどうかは置いといて、悟飯自身も一花の夢は応援したい気持ちだ。故に、自分が出演すれば一花が助かるのなら、出演してしまってもいいかと思った。

 

悟飯「…………そこまで言うならいいよ。でも、正体に関しては問題ないんだよね?」

 

一花「うん!顔は隠してあるからね!」

 

そういうことで、早速一花に付いていくと、更衣室に案内されて、ある服を渡された。

 

一花「はいこれ。このスーツが今回のヒーロー役の人なんだって!」

 

悟飯「……………えっ?」

 

悟飯は拍子抜けしてしまった。日曜の朝にやっているような特撮もののヒーローのことかと思っていたが、もっと身近なものだったのだ。

 

一花「悟飯君ってグレートサイヤマンって知ってる?今でも偶に現れるらしいんだけど、不思議な力を使って悪い人達を成敗するっていう正義の味方!」

 

悟飯「あ、あはは……。うん。知ってるよ?」

 

一花「なら丁度良かった!そのヒーローを演じてほしいんだ!どういうわけか分からないけど、悟飯君と似たような戦い方をするみたいなんだよね。だからいつも戦う要領でやってくれれば問題ないと思うよ?」

 

まさか自分の正体を隠す仮面として名を馳せていた『グレートサイヤマン』の役を演じることになるとは夢にも思わなかった。

 

一花「それじゃ、お願いね!!」

 

一花は悟飯の正体を知っているのかどうかは不明だが、悟飯に向けてウィンクすると更衣室のドアを閉めた。

 

悟飯「…………まあ、一度引き受けちゃったし、仕方ないか………」

 

 

 

 

ということで、着替えて撮影地に出てきた。

 

織田社長「おお!君が一花君が連れてきてくれたという代わりのスーツアクターの人かい?」

 

悟飯「は、はい。よろしくお願いします……」

 

織田社長「一花君、いい人材を連れてきてくれたじゃないか!!体格も声も本物にそっくりだ!!」

 

一花「あはは……。たまたま知り合いにピッタリな人がいたもので……」

 

それはご本人様なのだから似ていて当然なのだが、元々正体を隠す為に変身しているので、わざわざそのことを話すこともない。織田社長は満足しているので細かいことは問題無さそうである。

 

織田社長「それじゃあ、台本の通りに台詞を言ってくれれば大丈夫だからね」

 

悟飯「えっ?いきなり本番なんですか?」

 

織田社長「君なら大丈夫だ!!私の直感がそう言っている!!」

 

悟飯「は、はぁ………」

 

ということで、悟飯の出番が来るまでスキップ。出番が近づいてくると、あまり緊張することのない悟飯も緊張感を覚えてしまう。悟飯の出番はヒロインの女の子が突然現れた怪物に襲われているところを助ける場面だ。

 

「ギシャシャシャ!!!」

 

一花「きゃ〜!!!助けて〜!!!」

 

追いかけてくる怪物に背を向けながら一花が必死に走って逃げる。その気迫、必死さから本当に必死に逃げているかのように錯覚してしまう程の演技力だった。その手のものが素人の悟飯でも、勤労感謝の日に三玖と見に行った映画で出演していた時の一花よりも大分技術が向上していることが分かった。

 

監督「君!そろそろ出番だよ!」

 

悟飯「は、はい!!」

 

一花の演技力に見入るところではない。ここで自分はヒロインを助けるという大役を担っているのだから、失敗するわけにはいかない。

 

一花「きゃ!!」

 

悟飯「あっ…!!!」

 

一花は転ぶ動作をする。まるで本当に転んでしまったかのような動きだった。その間に怪物との距離は一気に縮まってしまった。

 

一花「な、なんでこんな目に遭うのよ…!!私、何も悪いことしてないでしょ…!?なんで…!!誰か、助けてよ……!!!!」

 

 

 

 

ドカッッ!!!!!!

 

「ギヒャ……!!?」

 

一花「…………えっ?」

 

悟飯「そこまでだ!!これ以上無実の人間を傷付けることは許さん!!」

 

悟飯は台本の通りの台詞を言った。本当にこれでいいのかと横目で社長や監督の顔色を窺うが…。

 

織田社長「す、素晴らしい……!!本当に一花君はいい人材を発掘しましたね…!!」

 

監督「いっそのこと正式にスーツアクターとして採用しちゃいます?」

 

織田社長「本当なら俳優として採用したいところだが、彼は素顔がNGらしいからね………。彼の顔を見てみたいよ……!!」

 

………どうやら無茶苦茶好評のようだった。

 

「無実の……人間だぁ?」

 

悟飯「そうだ!!この子がお前に何をしたって言うんだ!?」

 

「そいつは………。そいつは社長の娘なんだよ。金持ちで、運動もできて勉学にも精通している……。そんな天才なんだよ」

 

悟飯「まさか貴様…!才能を恨んでこんなことを……!?」

 

「確かに羨ましかった。でも、それだけでこんなことはしないさ。そいつは……!!そいつは私の息子をいじめ殺したんだ!!!!!」

 

悟飯「……!!?」

 

今解説すると、このヒーローものは少々変わっているようだ。純粋な正義と悪ではなく、それぞれ正義の信念を持っているらしい。純粋な正義と悪が戦うものは既に世に沢山出ていることから、少し捻ったものにしようということらしい。

 

「息子はただその子の失くした物を見つけてあげただけなのに…!!そいつは私の息子が盗んだとほざいて虐めたんだ……!!他の子も息子の優しさを知っていたから信じなかったが、そいつは親の権力に物を言わせて学校中にイジメをさせるように仕向けたんだよ……!!!最終的には息子は耐えられなくなって自殺した……!!!

 

息子をそこまで追い込んだクズが無実の人間だと……!?そんな奴が無実の人間だというのなら、俺は喜んで罪人になってやる!!!」

 

更に解説すると、この怪物は元々人間だったが、息子がいじめで自殺したことを気に自分の体を改造して、権力にも屈しない純粋な力を得たという設定だ。中々に重い設定である。

 

一花「そ、そんな……。私は………」

 

悟飯「…もしその子が本当にそんなことをしたなら、確かに許されることではないと思う……。だが、君は自らの手で人を殺めようとしている……!!それがどれだけ罪深いことなのが分からないのか…!?」

 

「何も分かってないのはお前だ!!!こんなクズを放っておいたら、息子のような犠牲者がまた出るんだぞ…!!?お前みたいな変なやつが何者かは知らないが、正義の味方を名乗るなら、私の邪魔をするな!!!!」

 

悟飯「変なやつ…?それは俺のことか?俺は……悪は絶対に許さない…!正義と平和を愛する………」

 

悟飯は事前に一花から聞いたポーズを決めながら、次のように述べる。

 

悟飯「グレートサイヤマンだ!!」

 

大分美化されているが、ダサいと作品としていまいち盛り上がりに欠けてしまうのだ。ギャグ路線ならそういう要素があってもいいのかもしれないが、この作品はゴリゴリのシリアス系の作品。なら、正義も悪もかっこよくしてしまえばいいという発想なのだ。

 

「悪を絶対に許さないなら、その小娘を殺してくれよ…!!なんで分かってくれないんだ……!!!」

 

悟飯「なんでもかんでも、暴力で解決すればいいというものではない…!!」

 

 

 

 

 

 

 

ザシュっ…!!!

 

悟飯「…………えっ?」

 

一花「…………そんな……」

 

怪物は、()()()()()()()()を噴き出しながら倒れてしまった。怪物に血の色が侵食し、血の池が生成される。その光景を見て撮影現場はどよめく。これはCGでも演出でもない。

 

本当に人が傷つけられたのだ。

 

悟飯「な、なんで………。織田さん!!これも演出なんですか!?!?」

 

撮影中でも構わずに悟飯はそう問いかける。だが、織田も監督も首を必死に横に振った。一花も驚いた表情で固まってしまっている。周りの反応を見て、本当の緊急事態だということを悟った。

 

悟飯「誰が一体こんなことを…!!」

 

「ふふふっ……。僕のことをもう忘れちゃったのかな?」

 

悟飯「………!!!」

 

悟飯はこの声に聞き覚えがあった。かつて今まで出会ったことがないほどのクズっぷりを発揮し、人に手を汚させるあいつの顔がより鮮明に思い出される。悟飯が誰よりも純粋に怒りを感じた奴が、何故か目の前にいた。

 

バビディ「本当に久しぶりだよね?サイヤ人とのハーフの孫悟飯君?」

 

何故か、魔人ブウに裏切られたはずのバビディが、天使の輪っか無しで目の前にいたのだ。

 




 今日の夜中に久しぶりに自宅に帰ってきました…。約3週間も自宅に一度も帰らないのはとても新鮮でしたね……。話し相手が少なくなってしまうので、家族のありがたみというものが分かりましたね…。

 そんなことは置いといて、シリアスパートの再来です。何故バビディが蘇ったのか?何故また悟飯達の前に現れたのか?そしてバビディが今更悟飯相手に何ができるのか?その辺は次回分かるかと思います。久々のバトル?パートを楽しみにしていただけたら幸いです。
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