孫悟飯は五つ子姉妹の家庭教師をするそうです【本編完結】   作:Miurand

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 久しぶりの、前回のあらすじ…。

 悟飯は二乃と交際関係にあることをマルオに報告した。色々あったが、彼は2人の関係を認めてくれるようだ。これで晴れて両家族公認の仲になれたというわけだ。

 その帰り、悟飯は偶然一花達の撮影現場に出くわし、悟飯が急遽撮影の手伝いをすることになった。その役はなんと、自身のもう一つの姿のグレートサイヤマンだったのだが、撮影中に一花にとっても悟飯にとっても忘れることのないアイツが再び現れた…。



第116話 私は私のもの

悟飯「サイヤ人とのハーフ…!?なんでお前がそのことを!!?」

 

バビディ「地獄にいる奴らに聞いたよ。なんたって君はあの宇宙の厄介者のフリーザを倒した孫悟空の息子なんだってね?道理で地球人にしては強いと思ったよ」

 

悟飯「……それで?何故生き返ったかは今は聞かないでおく。それよりも、貴様はどうしてここに現れた?」

 

バビディ「決まってるじゃないか。僕はこの世界………この宇宙を僕のものにするんだよ。僕がこの世界の支配者になるんだ!!」

 

悟飯「まだそんなことを言っているのか…!!魔人ブウはもうお前に協力しないぞ!!!」

 

バビディが何故生き返ったのかは疑問に残るところだが、今は取り敢えず何が目的かを知る方が先決だ。どうやら生前と目的は変わっていないようだが、悟飯は対面した瞬間に直感した。『こいつは今までの奴ではない。何かが変わっている』

 

そんな感じがした。

 

バビディ「そうだね。僕は見事に魔人ブウに裏切られたよ。その後の光景も地獄から見ていたさ。まさか魔人ブウにはあんなポテンシャルも秘められているとは思わなかったよ。同時に君もとてつもないパワーアップをした……。魔人ブウを再び僕の配下にしたところで、君には勝てないだろうね…………」

 

悟飯「なら何故再び僕の前に現れたんだ!?勝てないと分かっていながら……!!!」

 

悟飯はバビディが何をしたいのか察した。バビディに自分を倒せるだけの力があるとは思えない。そして自分を倒せるだけの力を有する配下もいるとは思えない。なら、どうすれば悟飯を倒すことができるのか………?

 

悟飯「ま、まさか……!!!お前、再び一花さんを……!!!!」

 

一花「………えっ?」

 

考えられる策はただ一つ。親しい人物を洗脳して刺客として送り込むことだ。一花は以前に洗脳されてしまったという事実がある。それだけでもバビディが実行する可能性は十二分にあった。

 

バビディ「それもいいけど、今の僕はわざわざそれをしなくても君に勝てるよ」

 

悟飯「………なんだって?」

 

バビディ「僕は何故今まで気づかなかったのか不思議でならないよ。魔人ブウという怪物を作り出した僕のパパ、天才魔道士ビビディをも超える超天才魔道士…。それが僕だ。僕のパパも気付かなかったからまんまと界王神にやられちゃったんだろうね」

 

悟飯「な、何を言っているんだ……?」

 

バビディ「つまり、僕自身が僕の魔力を駆使して戦えば、わざわざ配下を用意するよりも手っ取り早いということだよ」

 

一花「えっ………?」

 

確かにバビディの魔術はすごいものである。どれくらい凄いかは、今までの戦闘を思い返せば分かること。ベジータの捨て身の攻撃をバリアで防げる程の魔力、強力な魔法を行使することができるのだ。もしその魔力を攻撃に転じれば…………。

 

悟飯「…………確かにお前の魔術は凄いのかもしれない。だけどお前は知ってるか?純粋なパワーは何ものにも勝るんだ。そのパワーが大きければ大きいほどに……!!!!!」

 

ボォオオッ!!!!!!

 

悟飯は一瞬にしてアルティメット状態に変身を遂げた。その余波で周りの者を吹き飛ばし、周囲の建物を歪ませてしまった。しかも身につけていたヘルメットも吹き飛んでしまい、自分の素顔が残っていたスタッフ達に見られてしまったが、目の前の敵をいち早く倒すために、2度と一花にあんな事をさせないために、手っ取り早く終わらせる必要があると判断した。今の悟飯は守るために戦う戦士。戦いを楽しむようなことはもうしない。

 

織田社長「な、なんだ!?彼から出ているあの風は……!!?」

 

「もしや、あれは未確認金属生命体が襲来した時に、各地でそれを撃破したという………!?」

 

 

バビディ「……素晴らしい力だ。君の中に邪心があれば僕の配下にできたのに……。でも君は綺麗すぎる。僕が気に食わない程にね」

 

究極悟飯「そいつは光栄だな。僕も貴様に好かれたくはないのでね……」

 

バビディ「口の減らないやつだね。御宅はいいから、かかってきなよ」

 

究極悟飯「それじゃ、遠慮なく…!」

 

悟飯が地面を蹴った瞬間に、バビディの眼前まで迫った。一応バビディは目に追えていたようだが、反応する様子がない。あくまで目だけ反応できたということだろう。悟飯はそう判断して初っ端から本気で殴りかかった。

 

 

 

 

ドカッッ!!!!!!

 

究極悟飯「…………何ッ!!?」

 

しかし、バビディを殴ろうとした直前に、透明な球体のようなものが現れてそれの邪魔をした。

 

バビディ「僕の自慢のバリアさ。何の対策もしないで君の目の前に現れるとでも思っていたのかい?僕は超天才魔道士だよ?」

 

 

ズガァアアアアアッッッ!!!!!

 

究極悟飯「ぐはっ……!!!!」

 

自信満々にバビディが述べた直後に、指から太い光線のようなものが放たれた。このような攻撃は予測しておらず、悟飯はなすがまま吹き飛ばされた。

 

一花「ご、悟飯君!!?」

 

究極悟飯「な、なんだ今のは……!」

 

バビディ「いい質問だね。では僕が具体的にどんな風にパワーアップしたのか教えてあげるよ………」

 

バビディはゆっくりと悟飯に歩み寄りながら話し始めた。悟飯はバビディの油断を誘ってなんとか弱点を見つけ出せないかと、敢えて喋らせることにした。

 

バビディ「…………なんて言うとでも思ったかい?」

 

究極悟飯「……!!!!!」

 

バビディ「敢えて僕を喋らせて弱点を見つけ出そうって寸法でしょ?君の今の顔を見れば分かるよ。まだ僕が超天才魔道士だってことを理解してないみたいだね?」

 

バビディは短い手を伸ばし、伸ばした方の手を紫色に発光させながら……。

 

バビディ「まずは君を拘束といこうか」

 

 

ズゴッッッ!!!!!!!

 

 

究極悟飯「がぁああぁあッッッ!!!!!!」

 

バビディが手を広げると、悟飯が倒れている辺りを中心とした場所に、紫色の魔法陣のようなものが出現した。その魔法陣が悟飯の体を拘束しつつ、悟飯に苦痛を与えているのだ。

 

一花「な、何をしたの!?」

 

バビディ「ふははは!!答えてやるもんか、バーカ!!!!」

 

究極悟飯「ぐがぁ!ああぁああぁあああ!!!!!」

 

悟飯は気を高めてこれを掻き消そうとするが、何故か消えない。バビディの気はそれほど高くないはずだ。にも関わらず、この魔法を掻き消すことができなかった。

 

究極悟飯「な、なんでだ……!!どう、して……!!!気を解放しているのに……!!!!」

 

バビディ「あまりにも君が不憫だから教えてあげるよ。僕の魔法は純粋な魔法じゃないんだよ。魔力と生命エネルギーを同時に込めることによって、その魔法は圧倒的な生命エネルギーに掻き消されることはなく、絶大な効果を齎すんだ」

 

そう。バビディは地獄の住人達に悟空達との戦闘エピソードを聞き、これを思いついたのだ。圧倒的な力で異能が掻き消されてしまうなら、異能と力を組み合わせればいい。それを思いついてからというもの、自身の魔力を高める瞑想と、自分の気を高める修行は欠かさなかった。それだけバビディは悟空達に復讐したかったのだ。悟空が余計な入れ知恵をいれたから魔人ブウが反抗した。ベジータが自分に完全に支配されなかったから敗北した。悟飯が圧倒的な力を持っていたから、力に対して怯えてしまった。

 

 

その復讐を、ここで完遂するために、地獄から舞い戻ってきたのだ。

 

バビディ「よっと」

 

バビディは途中で魔法を解除した。それと同時に悟飯は立ち上がって戦闘態勢に再び入った。

 

バビディ「今ので大分参ったと思ったんだけど、中々やるね。魔人ブウ相手に果敢に立ち向かっただけはあるよ」

 

究極悟飯「はぁぁあああああああッッッ!!!!!!」

 

ドォオオオオオオオッ!!!!!!

 

悟飯は今のバビディが以前とは全く別人になったことを理解した。このままでは自分は負ける。自分が負ければ、恐らく誰も勝てないだろう。だから諦めるわけにはいかない。世界を、五つ子を、二乃を守る為には、初めから全力でぶつかるしかない。

 

究極悟飯「かー……!!めぇ……!!!!」

 

バビディ「おーおー……。いきなり大技かい?相当焦っているようだね?」

 

究極悟飯「は〜……!!!めぇぇ……!!!!!!」

 

バビディの挑発に乗ることはなく、悟飯はそのまま気を両手に集中させ続ける。生半可な攻撃では今のあいつを倒すことはできない。もっと込めなければ……!!あいつが油断している今がチャンスだ……!!!!!

 

 

 

織田社長「す、凄いですよ監督…!!!これは………!!!」

 

「ああ……!下手したら今日私達は死ぬかもしれんな……!!だが、この戦いは凄い……!!これが本物の戦いというものなのだな………!!!!」

 

 

 

バビディ「さあ、かかってきな。そして僕の圧倒的な強さに屈服しな」

 

究極悟飯「ほざけッッ!!!!貴様なんかに、俺は負けないッッッ!!!!!」

 

ズォオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!!!!!!!

 

悟飯の全力が込められたかめはめ波が突き進む。巨大なそれは小さなバビディの体を一瞬にして飲み込まんと高速で接近した。

 

バビディ「ふふふっ。僕を舐めてもらっちゃ困るな。死ぬ気で鍛錬した僕の強さ、とくと見るがいい……!!!!」

 

バビディは両手を前に出して手を発光させると、次の魔法の準備をする。

 

バビディ「こいつで決めてやるよ。パッパラパー!!!!!」

 

ギュオオォオオオォオオォ!!!!!!!!

 

究極悟飯「!!!!!!?」

 

一花「そ、そんな……!!!」

 

バビディが魔法を発動させると、そこに小さなブラックホールのようなものが現れた。それは悟飯の巨大かつ強力なかめはめ波を掃除機のように吸い込んだ。

 

バビディ「ふふふっ…!君の全力も無駄に終わったね」

 

シュン‼︎

 

究極悟飯「!!!!!」

 

しかし、悟飯はかめはめ波が当たらなかった場合のことも考えていたらしく、すぐさま物理攻撃に移った。バビディに気づかれないように背後に回り、右手に全気を集中させてバビディの頭部に決めようとした…………。

 

バビディ「ふむ…。僕の真後ろにいるね?」

 

究極悟飯「なっ………」

 

ズォオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!!!!!!!

 

究極悟飯「がっ…………………」

 

叫ぶ暇もなく悟飯は先程自分が撃ったはずのかめはめ波に飲み込まれてしまった。

 

一花「悟飯くーーーーーーーんッッッ!!!!!!!!」

 

織田社長「あ、あぁ………!!!」

 

「化け物だ………………」

 

バビディ「ブラックホールは知ってる人が多いと思うけど、ホワイトホールはご存知かな?ブラックホールはなんでも吸い込むけど、ホワイトホールはその逆…………って、聞いてないか」

 

消滅は免れることはできたものの、悟飯は大ダメージに耐えきれずに地面に倒れ込んでしまった。

 

バビディ「ね?僕は変わったんだよ。君と初めて出会った時の僕じゃない。僕は自分の手を汚すことにしたんだ。自分の手を汚さずにこの世界を勝ち取れるほど甘くないって思い知ったよ」

 

少し心を入れ替えたバビディは精神的にも物凄く強くなっていた。悟飯達に対する復讐心も強くなった要因として考えられるが、一番はやはり覚悟を決めたことが大きいだろう。

 

悟飯「く……そ…………!!!!」

 

体力をほとんど消耗した悟飯だが、これは彼にとっては絶対に負けられない戦いだ。こいつを放っておけば、地球どころか宇宙が滅茶苦茶にされてしまう。

 

バビディ「君、ゴキブリのように渋といね。戦闘民族って肩書きは伊達じゃないってわけだ」

 

悟飯「だま………れ……!!!」

 

バビディ「もうまともに喋れないか…。君はギブアップかな?よっ!!」

 

バビディの指から紫色の糸のようなものが伸び、その糸が悟飯の身体を拘束するように絡みついた。

 

悟飯「ぐがっ………!!!ぁあぁ…!!」

 

バビディ「おっと、下手に抵抗しない方がいいよ?この魔力で作った糸の切れ味はものすごいからね。下手に動くと今の君だとスルッといっちゃうよ?」

 

だが悟飯は疑問に思った。何故自分を殺さないのか?殺した方が手っ取り早くないのか?それとも自分を人質にするつもりか?

 

バビディ「さーて、余興を始めようか。きっと君も楽しめると思うよ。冥土の土産だと思って、潔く楽しんだ方がいいよ〜?」

 

バビディは不敵な笑みを悟飯に向けた後に、その顔を一花に向き直した。

 

一花「………!!!!」

 

その瞬間、一花に悪寒が走った。

 

バビディ「今度はこの前みたいにいかないよ?この術も改良したからね。前みたいに支配を中途半端に逃れられるなんて、考えないことだね」

 

悟飯「や、やめろぉ……!!!!」

 

一花「…………」

 

バビディ「…………あれ?」

 

しかし、今の一花には邪心という邪心は存在しない。故に、バビディの洗脳魔術にかかることはない。

 

バビディ「……なるほど。確か君はベジータが暴れてから邪心が現れたんだっけ……?なら………パッパラパー!

 

シュン‼︎

 

一花「…………えっ?」

 

バビディが魔法で誰かを呼び寄せたらしい。しかし、その人物が大問題だった。そして最悪なタイミングだった。

 

無堂「やあ、一花ちゃんだよね?僕のことは知ってるかな……?」

 

一花「あなた…………」

 

文化祭のあの日のことを忘れない。一花を誑かそうと突然目の前に現れ、勝手に母を否定し、五月の夢も否定した最悪な男。その男の額には、一花も見覚えのある婉曲したM字があった。

 

無堂「今の僕はバビディ様の忠実な部下となったんだよ。あの日、孫悟空と零奈にしてやられて以来、僕はまともに外に出れなくなっちゃったけど、力とは素晴らしいものだね。いずれは他の娘達と共に、バビディ様が築く新世界で共に過ごそうじゃないか」

 

一花「な、何を言ってるの……?」

 

バビディ「にぃ………」

 

 

キィィン‼︎

 

 

一花「ぐっ……うぁ……!!いや……!!!!」

 

 

甲高い音が一花だけに聞こえると、その瞬間から頭が妙に重たくなる。この感覚を一花は知っている。この後嫌なことが起こることも知っている。

 

無堂「一花、苦しむことはないよ。バビディ様の下僕となれば、圧倒的な力を得られる上に、新世界に住む権利が与えられるんだ!何も恐れることはない!」

 

一花「でも……!!そしたら、また姉妹を………!!!みんなを……!!!!殺しちゃ………!!!!!」

 

バビディは無堂と一花達の関係性も地獄から見ていたので知っていた。仲が悪いことを知っておきながら仲間に仕立てあげようとする上に、一花の邪心を上手く引き出したのだ。

 

バビディ「心配はいらないよ。君を僕の配下にすることができたら、残りの姉妹も僕の配下にするから」

 

一花「…………えっ?」

 

バビディ「知ってるかい?何故君が僕の術にかかるのか?そして姉妹もその可能性を秘めているか?それはこの無堂仁之助が原因だよ。君は邪心がないに等しい母親に育てられたから良い子になった。でも血の繋がりからは逃れられないものでね?表に出てないだけで、この男のクズ要素もしっかり引き継いでいるんだよ。つまり、上手くやれば残りの姉妹も邪心を引き出せるんだよ」

 

悟飯「やめろ……!!やめろぉおお…!!!!!!」

 

ボォオオオオッ!!!!!

 

悟飯は残りの力を振り絞って超サイヤ人に変身し、バビディに殴りかかる。

 

ガシッ

 

超悟飯「なっ………」

 

無堂「バビディ様の手を煩わせるわけにはいかないな…………」

 

ドゴォッ!!!!!!

 

今の悟飯では無堂相手にも敵わないようだ。それもそのはず、無堂はバビディの新しい洗脳魔術の実験台として利用されたのだ。新しい洗脳魔術は自分の都合のいいように洗脳できるだけでなく、強さを更に引き出すこともできてしまうのだ。

 

だが、悟飯は攻撃されても諦めなかった。

 

超悟飯「一花…さん…!!ダメだ…!!そいつに心を許しちゃダメだ…!もし君が洗脳されれば、また姉妹も風太郎も悲しむ……!!同じ惨劇を、繰り返さないで………」

 

無堂「黙れ!!!」

 

ドカッッ!!!!!

 

悟飯「ぐぉ……!!!」

 

とうとう超サイヤ人を保てなくなった悟飯は元の黒髪に戻ってしまった。

 

バビディ「そうだよ。感動の親子の対面だよ?邪魔するのは酷じゃないかな〜?」

 

一花「きゃあぁ……!!!やめて……!!!ああぁあああぁ!!!!!」

 

時間が経つほどに一花の悲鳴が大きくなっていく。

 

織田社長「一花ちゃん!?どうしたんだい!!?しっかりしてくれ!!」

 

バビディ「ふふふっ…。こいつらの周りを徹底的に壊してやる。僕を馬鹿にした罪は重いぞ………」

 

そう。一花を洗脳する過程も復讐の一環なのだ。悟空達の日常を周りから徐々に壊して、精神的なダメージを与えようとするつもりのようだ。悟飯は肉体的なダメージを与えすぎてダウンしかけているが、起きたら絶望が待っているだろう。自分の友人、恋人の姉に無残に殺されてしまえばいい。バビディはそういう考えだった。

 

一花「あがっ………やっ……!!!」

 

そして徐々に一花の額にM字が現れ始めていた。今回も洗脳から逃れることはできないのか………?

 

悟飯「やめ………ろ………!!!」

 

無堂「さあ一花ちゃん!あと少しで僕達は本当の親子になれる!僕と共に新世界を築こうじゃないか!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

四葉「へぇ…!お父さんに報告したの?」

 

二乃「ええ。なんとか認めてもらえて良かったわ………」

 

一方で、中野家は平和だった。四葉は二乃から交際報告をしたことを聞き、自分達もそろそろ報告した方がいいかと考えていた。

 

三玖「これで両家公認……。寝取れない…………」

 

二乃「さらっとやばいこと言わないでちょうだい」

 

五月「にしても、あのお父さんがよく認めてくれましたね?」

 

零奈「マルオ君はああ見えて優しい方なのですよ。不器用すぎて分かりづらい時がありますけどね」

 

二乃「あの時のハー君、かっこよかったなぁ………」

 

四葉「………!!!!!」

 

突如、オレンジジュースを入れていたコップを四葉は落としてしまった。それによってコップが割れると同時に飲み物が飛散してしまった。

 

二乃「よ、四葉!?何してんのよ!?」

 

四葉「一花が危ない……!!!!」

 

ドシューンッッッ!!!!!

 

二乃「って、ば…」

 

パリーンッッッ!!!!!

 

三玖「きゃあ!!!」

 

五月「な、何事ですか!!?」

 

四葉は何かを感じて大慌てで家を出た。それも玄関から出ることなく、窓を突き破って舞空術で飛び出したのだ。

 

二乃「四葉の馬鹿ぁあ!!なんで玄関から出ないのよ!!!!」

 

零奈「………これは…」

 

そして、零奈も周囲の異変に気づいたようだ。愛する我が娘、一花の気に異変を感じたのだ。

 

零奈「私は四葉を追いかけます!すみませんが、後片付けを頼みます!!」

 

ドシューンッッッ!!!!

 

五月「きゃっ!!!」

 

零奈も大急ぎで四葉の後を追うようにして割れた窓から飛び出して行った。

 

二乃「…………何事なの?」

 

三玖「あの四葉の顔……。只事じゃなさそうだよ?」

 

五月「一体どうしたんですかお二人ともぉ!!?」

 

 

 

 

本来ならこの異変に気づけるはずがなかった。というのも、バビディは『余興』を妨害されることを考慮して、自分達の周りに薄いバリアのようなものを張り巡らせ、そのバリアの内側にいる者の気を感知できないように仕向けたからだ。しかし、そんな状況で四葉と零奈だけは異変に気づくことができた。これも愛の力というやつなのかもしれない………。

 

零奈「四葉!あなたも!?」

 

四葉「うん!!この感じは………」

 

零奈「何が起こるか分かるのですか!?」

 

四葉「うん。このままだと、一花はまた洗脳される…!!操られちゃう!!」

 

零奈「なっ………」

 

四葉「えっ?お母さん!?」

 

四葉のその必死さから、一語一句嘘を言っていないことは分かった。零奈は間に合わせる為に四葉を抱えて全速力で現場に向かった。

 

 

 

 

バビディ「………むっ?どうしてここが分かったんだ…?」

 

Pentagonから撮影現場まではそこまで離れていなかった為、零奈のスピードならすぐに到着できた。

 

四葉「一花!一花!!!!」

 

一花「よつ……ば………」

 

零奈「それに、無堂先生……!?」

 

無堂「やあ零奈。どうせなら君もバビディ様の配下になるかい?清々しい気分になれるよ?」

 

四葉「ほ、本当のお父さん………?そ、その額は…………」

 

四葉はバビディのことを既に知っていた為、無堂もどのような状態に陥っているかすぐに把握した。

 

零奈「まさか、無堂先生も……?」

 

その問いかけに、四葉は無言で頷いた。

 

バビディ「丁度いいところに来たね?君も僕の配下になるかい?それとも、以前のように一花に殺されるかい?」

 

零奈「えっ……?以前のようにとは……」

 

四葉「一花!そいつに負けないで!!あの時の意思の強さがあれば、きっと上手く行くはずだよ!!!!」

 

しかし、一花は頭を抑える動作をやめようとしない。それに加えて額のM字が徐々に濃くなっていく………。

 

零奈「やめなさい…!やめなさい!!!!」

 

ズォオオオオオオオッッッ!!!!!

 

零奈は原因の元であると推測したバビディに目がけて気功波を放った。相手の気を探る限りでは、零奈ほどの戦闘力があれば倒すことは容易なはずだ。

 

バビディ「ブラックホール!!」

 

零奈「えっ…!?」

 

しかし、バビディが生み出したミニブラックホールによってそれも吸い込まれてしまった。

 

無堂「零奈。今のバビディ様には何をしても無駄だよ。単純な攻撃では最早何もできないよ」

 

バビディ「とはいえ、洗脳作業の邪魔をされるのは不愉快だねぇ。無堂、その2人の相手をしてあげてよ」

 

無堂「承知しました」

 

零奈「あなたでは、四葉はともかく私には絶対に敵いませんよ?」

 

無堂「それはどうだろうね?確かに、単純に気で勝負するなら君の言う通りだよ。でもね………」

 

無堂は今までの洗脳戦士とは違い、バビディが新たに開発した洗脳システムによって、単純に気だけが底上げされているわけではなく、一定量の魔力も与えられており、底上げされた気と併せて使用することによって絶大な効果を齎すようになっているのだ。故に、気を探るだけでは相手の強さを正確に読み取ることはできないのである。

 

零奈「……四葉。あなたは一花をどうにかして下さい。あの人は私がなんとかします」

 

四葉「………分かった!」

 

四葉が自分を無視して一花の方に駆け出すのを確認した無堂は行かせまいと手を突き出して砲弾のようなものを繰り出した。

 

零奈「させませんよ…!!!」

 

だが、零奈が黙って見過ごすはずもなく、そのパワーを持って弾き飛ばした。

 

無堂「チッ………。流石だね。どうして君がそこまで強くなったのかは分からないけど、一筋縄ではいかなそうだね」

 

零奈「娘達を見捨てただけでなく、今度は傷付けようとするとは……。あなたのことは絶対に許しません………」

 

元夫婦同士は睨み合い、お互いに様子を見合うだけとなった。無堂はバビディのように気と魔力の両方を使い熟せるわけではないようだ。なんとなくそのことを察した零奈は早期に決着を付けようと思案していた。

 

一方その頃、四葉は一花のすぐそばまで来ていた。

 

四葉「一花!しっかり……!!!!」

 

一花「よつば………!!」

 

バビディ「無駄だよ。もうここまで来ればこっちのものだよ。でも安心しな?君も近いうちに一花の仲間になるんだからさ」

 

四葉「そんなこと………させない!!」

 

四葉は気を最大限まで解放し、悟飯直伝のかめはめ波を構えた。

 

バビディ「おや?君もその流派なんだね……。でもさっきのを見なかったのかい?君よりもよっぽど強い君の母親の攻撃を無力化したところを……。それを理解した上でやろうとしているなら、ただの悪足掻きだ。やめておいた方がいいよ?」

 

 

 

無堂「これでも喰らえ!!!!」

 

零奈「しまっ…!!!!」

 

四葉「お、お母さん!!!?」

 

無堂はバビディのように紫色の糸のようなものを繰り出して零奈の身動きを封じることに成功していた。その技は魔力も込められているため、一筋縄では断ち切ることはできない。

 

バビディ「おや?余所見したね?ホワイトホール!!!」

 

ズォオオオオオオオッッッ!!!!!

 

四葉「えっ………」

 

先程、零奈がバビディに気功波を撃った時のことを思い出してほしい。バビディはブラックホールを生成して零奈の攻撃を吸い込んだが、悟飯の時のように吐き出していないのだ。即ち、バビディには攻撃のストックが残っていたということになる。

 

零奈「よ、四葉ぁああ!!!!?」

 

主戦力の悟飯はほぼダウンし、零奈は拘束状態。四葉も死の目前で、他のZ戦士達では察知できないように改造されたフィールド………。

 

彼らにとって、この状況はまさに絶対絶命と言えるものだった。

 

 

 

 

 

 

 

しかし、それでも強い意思を持って奇跡を起こす者がいた。

 

ギュォオオオッッッ!!!!!

 

バビディ「うぇ!!?」

 

バビディがホワイトホールから放ったはずの零奈の気弾はまたしてもブラックホールに吸収された。バビディは繰り出した覚えのないブラックホールを確認して焦っているようにも見えた。

 

バビディ「な、なんだ……?どうなっているんだ?」

 

無堂「馬鹿な…!!………いや、そうか…!一花ちゃんの仕業か!!」

 

バビディ「なに!?どういうつもりだ!!!?」

 

無堂「いえ、バビディ様。恐らく自分の家族を自分の手で説得したいのですよ。だからバビディ様の攻撃を……」

 

バビディ「………なるほど?だけど何も言わずにいきなり実行するのは頂けないなぁ………」

 

四葉「そ、そんな…………一花が……また……………」

 

バビディ達だけが使える特有の魔法も使えるようになっているところを見るに、一花も洗脳が完了してしまったらしい。四葉は再び起こるであろう姉妹間の戦闘に恐怖さえしていた。ただでさえ前の段階で強かった一花が、今度は全く躊躇もなく自分を殺しにかかってくるとなれば、恐らく勝ち目はない。

 

バビディ「さあ一花、手始めに四葉を痛めつけてやりな!」

 

一花「…………」

 

だが、一花はバビディの命令を無視してバビディの方に歩いてくる。

 

バビディ「お、おかしいな…?ちゃんと洗脳できたはずなんだけど…。手応えはあったはず………。何をしているんだ!早くやりなって!!!」

 

一花「………お渡ししたいものが……」

 

バビディ「ん?なんだい?」

 

 

 

ドンッッッ!!!!!

 

 

バビディが一花の正面を向いた時、一花が急に地面を蹴って跳び、バビディのすぐそばまで接近する。

 

四葉「……!!!!」

 

無堂「なっ…………」

 

一花「私の姉妹に…!家族に手を出すなぁああああッッッ!!!!!

 

バビディ「馬鹿め!!僕にはバリアがあるんだぞ!!君にも魔力があるとはいえ、僕のバリアを破れるほどの力は…………」

 

 

 

 

 

 

 

ドゴォォオオッッッ!!!!!!!

 

バビディが自信満々にその場に立っていると、バビディの頬が一花の右拳によって歪んだ。

 

バビディ「ぐぇええええッッッ!!!!」

 

バビディは地面を抉りながら吹き飛ばされていくが、途中で無堂によってなんとか引き止められた。

 

無堂「一花…!!お前なんてこと………」

 

零奈「あれは…………」

 

四葉「どういうこと…………?」

 

洗脳が完了したから魔力を備えている。洗脳が完了したから、苦しむこともなくなった。それは間違いないし、特徴的なM字もしっかり刻印されていた。だが、一花の目は以前のように青黒く濁ったような色ではなく、いつも通りの透き通った色をしていた。邪気を感じるはずなのに、その目からは正義の意思さえ感じた。

 

一花「…………私は2度とあなたに屈しない。私は、私だッ!!!!!」

 

ボォオオオオッ!!!!!!!

 

一花に刻印されたM字が発光すると、気と同時に魔力も解放された。一花が気の力を扱っているということは、紛れもなく洗脳が完了した証拠。

 

バビディ「なんだ……?何が起きているんだ……?お前は一体……!!!?」

 

 

 

 

 

 

 

ただ異質だったのは、額ではなく、()()()()()M()()()()()()()()()()ことだった…………。

 




 再び一花が洗脳されるかと思いきや、まさかの覚醒イベントでした。おい待て、何で風太郎のヒロイン側だけ戦えるようになったんだよおかしいよぉ。(やった本人)

 えー、ちなみに今回の戦闘だったり技は大分ダイの大冒険が意識されております。特に一花のM字が額ではなく右手の甲に現れるのは、まさにダイの覚醒そのもの。バビディの魔法陣や糸の拘束術なんかは完全に闘魔滅砕陣や闘魔傀儡掌ですwww。

 ちなみにバビディの強さの秘密に関しては本編中に記載されている通りです。実際魔道士ビビディよりバビディの方が優秀ならば、魔術上手く使えば多分強くなったんだろうなぁという妄想です。まあ、DB世界では基本的に気が最強なので、気と魔力を混ぜた力ということにすればまあどうにかなるやろってことでああなりました。バビディも超魔生物ハドラーみたく武人っぽくしたかったけど、やっぱりバビディには無理だったよ…。ザボエラとバビディって性格的に物凄く相性いいと思うの…。

 そしてあっさり洗脳されてる無堂ェ…。ゴハンとして襲来してきた無堂とは大違いや……。

 ちなみにこのパート、早くて次回、遅くて2話後くらいには終わると思います。
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