孫悟飯は五つ子姉妹の家庭教師をするそうです【本編完結】   作:Miurand

117 / 120
 前回のあらすじ

 バビディに挑んだ悟飯だったが、本人は自身の才能を自覚し、更には魔力と気を併せた攻撃を思いついたことによって、悟飯にとって相性の悪い相手となってしまった。一花が再び洗脳される気配を感じた四葉と零奈はすぐにその場に向かったものの、特にこれと言って力になれず、一花は再び洗脳されるかと思いきや…………。



第117話 反抗

バビディ「な、なんてだ…!?僕の周りにはバリアが張り巡らされているのに……!?単に生命エネルギーだけじゃ突破できない特殊なバリアなのに…?」

 

それに、本来なら支配が完了したら現れるM字が額にではなく右手の甲に現れていた。これはいろんな種族を支配してきたバビディにとっては初めてのイレギュラーだった。そもそもベジータや以前の一花のように、完全に支配されなかった者もイレギュラーと言えばそうなのだが、今回はその次元が違う。

 

これは明らかに異常だ。しかも一花は明確な意志を持ってバビディに攻撃してきた。それに、今の一花の目は、バビディが気に食わない程の綺麗な目をしていた。

 

バビディ「ま、また失敗したっていうのか…!?改良した術が、またしても…!?」

 

 

 

零奈「どういうことですか……?一花は操られたんじゃないんですか……?」

 

四葉「分からない……。前みたいに一花から邪気を感じる。感じるけど…、いつもの一花に見える……。あの時とは違う…………」

 

バビディ「く、くそぉ……!!こうなったら、あの四葉ってやつを支配してやる……!!どうせまた異常な愛で支配を逃れたんだろうね……!!」

 

一花「あんた……!!まだ懲りてないの…!!?」

 

バビディ「パッパラパー!!!」

 

四葉「ッ……!!!」

 

バビディが呪文を発動させる動作をすると、今度は四葉が頭を抑える動作をした。しかし、今のところは少し頭に違和感を感じる程度で、危機感は特に感じなかった。しかし、何らかの要因で怒りなどの邪心に近い感情が引き出された時は非常に危険だ。

 

一花「あんたまた……!!」

 

無堂「おっと一花ちゃん。バビディ様の邪魔はさせないよ」

 

唯一バビディに有効打を与えることができる一花が再び攻撃しようとするが、無堂によってそれを遮られた。

 

一花「………できれば、一応私達が生まれたのはあなたのお陰でもあるから、あまり乱暴なことはしたくなかったんだけど………」

 

無堂「よく分かってるじゃないか。五月ちゃんの時とは違って物分かりがいいね?」

 

一花「…………でも、お母さんに苦労をかけたあなたには個人的に思うところがあるんだよね〜」

 

一花が無堂に感じた怒りがそのまま右手の甲にある紋章に反応し、更に一花の気と魔力が高められていく。

 

無堂「……!!!更に上がった…!?」

 

一花「その技の特性を把握する…。敵ながらも為になったよ。魔人ブウに指摘されたことはね……!!!!」

 

ドゴォッ!!!

 

瞬きをする間に一花が無堂の体に拳撃を加えた。無堂にもバビディ程の強力なものではないにせよ、バリアのような薄い膜が体の周りを張っていた。それにも関わらず、一花の拳はそれを突破した。

 

無堂「な、何故だ……!?何故僕やバビディ様のバリアを突破できる…!?」

 

一花「それはあなたのご主人様が教えてくれたんでしょ?魔力と生命エネルギーを掛け合わせるととてつもない効果を生み出すって」

 

無堂「だとしても、君はバビディ様より魔力は劣っているはず……!!孫悟飯程の生命エネルギーを持ち合わせているわけでもないのに……!!!」

 

 

 

四葉「………そっか…!そういうことだったんだ…!!!」

 

零奈「そういうこととは……?」

 

四葉「一花は支配を上手く逃れたんじゃない!!わざと支配されたんだ!!」

 

零奈「…………えっ?」

 

零奈は何を言っているのか意味がわからないと言った様子で四葉に返事をした。

 

四葉「一花じゃ孫さんみたいな気もないし、バビディみたいな魔力もないけど、一点に集中させれば勝る可能性がある……!!一花はそれにかけたんだよ!!」

 

零奈「………!!!」

 

そう。一花は紋章を額ではなく、右手の甲に現れるようにしたことにより、気も魔力も右手付近に集中するようになった。例え気や魔力の総量で劣っていても、一点の効果だけで考えれば、上回ることができるかもしれない。一花は単に支配を逃れるだけでなく、そこまで計算していたのかもしれない。

 

 

無堂「そういうことか……!!」

 

そして、無堂は四葉と零奈の会話を遠くから聞き、やっと一花の強さのカラクリを知った。だが、知ったところでどうにかできるわけではない……はずだ。

 

無堂「なら、僕も同じことをすればいいわけだ…!!娘にできて親にできないはずがないからね……!!!」

 

一花「……残念だけど、あなたには絶対にできない」

 

無堂「なっ……!!なんでそんなことが分かる!!?君は才能があるとでも言うのかね!?」

 

一花「いや?これは才能の有無の問題じゃないよ」

 

では、何故一花がバビディの支配を逃れることができたのか……?時を少し遡って一花の精神内で起こっていた出来事を見ていこう………。

 

 

 

 

 

一花「………ここは……」

 

少し時は遡り、悟飯達が必死に抵抗している頃、一花はバビディによって再び洗脳される危機に瀕していた。

 

闇一花「やあ、久しぶり」

 

一花「あ、あなたは………!!!」

 

一花にとってはもう1人のトラウマとも言える人物に精神内で顔を合わせることになった。かつて自分が支配された原因とも言える、バビディが一花を元に作り出した闇の人格だった。

 

闇一花「まさかまたこうして出てくることができるなんてね……。今度こそフータロー君を手に入れないと♪」

 

性格も考え方も以前のまま変わらないようだった。このまままた闇の人格に主導権を握られれば、四葉だけでなく他の姉妹をも殺してしまうかもしれない。

 

一花「………もう、あんなことはしたくない……!!」

 

闇一花「あーあ。そんな態度だから四葉に取られちゃうんだよ?何やってんだか……。顔もスタイルも全く同じなんだから、攻めればきっとフータロー君を手に入れることができたのに………」

 

一花「また、私の体を支配する気でしょ?そしてまた四葉を、姉妹を殺すつもりなんでしょ………?」

 

闇一花「……………確かにそれもいいね。でも、今は四葉なんてどうでもいいの」

 

一花「えっ………?どういう意味?」

 

闇一花「私、少し考えてみたんだけど、今思うと一番気に食わないのはバビディなんだよね」

 

一花「…………えっ??」

 

少し意外だった。あの人格は風太郎以外にはほぼ興味がなく、風太郎を手に入れるためなら何でもする人格。例え主人であるはずのバビディの命令でも聞くようなことはしなかった。それはバビディが気に入らなかったわけではなく、風太郎にしか興味がなかったからだ。

 

一花「どういう風の吹き回し…?」

 

闇一花「少し考えれば当たり前のことじゃん?私はあいつに生み出された。そして私のフータロー君に対する想いを利用して自分の都合のいいように使おうとしたわけでしょ?そして今回もそう。しかも今回は支配されたら、私の意思もほぼ働かなくなる。前みたいに抜け道のある術ってわけじゃないみたいだしね」

 

一花「そ、そんな…………」

 

目の前の人格よりもバビディのコマになってしまうことの方が問題だ。それでは本格的にみんなの、果ては地球人類の敵になってしまう。きっと沢山の人を殺してしまう。そんなことは絶対にしたくなかった。

 

闇一花「でも、私達ならできるかもしれないね」

 

一花「…………えっ?」

 

闇一花「あの額の紋章、なんで額に現れるか知ってる?あれは脳を支配しやすくする為にあそこに発現させてるんだって。なら、逆に言えば額以外の場所なら支配できないんじゃない?」

 

一花「………何が言いたいの?」

 

闇一花「私とあなたの力を合わせれば、支配を逃れることができるんじゃないのって言ってるの。どう?あなたにとっても悪い話じゃないと思うけど」

 

悪魔の囁きのようにも聞こえたが、完全に支配を逃れることができる可能性があるのは、目の前の人格が説明した通りの方法しかないのかもしれない。それに目の前の人格の風太郎への執着心はよく知っている。何故なら自分のことでもあるのだから。

 

一花「…そっか。いいかもね、それ」

 

闇一花「…今から2人で力を合わせて、右手の甲に紋章が現れるようにする。そうすれば、気と魔力が右手一点に集中するから、きっとバビディのバリアも突破できると思う」

 

一花「そしてバビディに反撃したいんでしょ?自分の想いを私利私欲で利用しようとしたことが気に食わないんでしょ?」

 

闇一花「………そういうこと。もし失敗しちゃったら、その時は私があなたの身体をいただこうかな」

 

一花「何を言ってるの?この体は元から、私のものでもあってあなたのものでもあるんだよ……?」

 

闇一花「よく言うよ…………」

 

一花が内に眠る闇の人格と和解した。それによって強力な力が生み出されることこそなかったものの、強い意志を生み出すことには成功した。この強い意志のおかげで一花は支配を逃れることができた。

 

 

 

 

 

無堂「馬鹿な……!!そんなことが可能だというのか……!?」

 

一花「もう一つの人格を生み出された私だからできたこと……だね!!」

 

ドカッッ!!!!!

 

時は戻って現在、一花は無堂と戦闘しながら精神内で起きた出来事を丁寧に説明していた。

 

一花「自分が私利私欲の為に生み出した者に反抗される……。清々しいほどの自業自得だと思わない?」

 

無堂「ガキが……頭に乗るな…!!!」

 

頭に血が登った無堂は何の考えも無しに拳を振るうが、スピードは一花が上回っていたようで、軽々と避けられてしまった。それどころか、振るった拳を掴まれ、引き込まれた。

 

無堂「なっ………!!?」

 

ドカッッ!!!!!!

 

再び無堂の頬に衝撃が走る。魔力と気が一点に集中された拳は流石に堪えるようだった。

 

無堂「ぐぬぬぬっ………!!!」

 

一花「あなたは落ちるところまで落ちたみたいだね。でもそれも仕方ないよ。あなたは自分の為なら娘を傷つけることだって厭わないような人なんだからさ」

 

無堂「君だってバビディ様に支配されている時点で同じだろう?」

 

一花「でも私は途中で踏みとどまった。あんたと一緒にするな!!!!」

 

一花は感情を上乗せすることによって紋章の力を更に引き出す。しかし、感情に身を任せるということは、それだけ冷静さを欠くということでもある。

 

無堂「……そこだッッ!!!!」

 

一花「ぐっ……!!!!!!」

 

感情に身を任せることによって生じた隙を見事に見つけ出し、無堂は一花に攻撃を与えることに成功した。

 

無堂「やはりそうだ。君は紋章の力を右手に集中させた分、他の部分がおそろかになってしまっている。まさに、諸刃の剣といったところだね」

 

一花「くっ…………」

 

一花もまさかこんなに早く弱点を見つけられるとは想定していなかったようで、図星をつかれると焦燥を含んだ顔色に変わった。

 

無堂「だが君の方が素早いし、攻撃力があるのは認めよう。はっきり言って今の僕では圧倒的に不利だ」

 

一花「………………」

 

しかし、弱点を把握されてしまっては相手もそれに合わせた動きをするようになってしまう。一花は少しでも早くこの勝負を終わらせて、バビディの元に向かいたいところだった。今はまだ四葉は大丈夫な状態とはいえ、何をするか分かったものではない。

 

無堂「勝負を急いでいるようだけど、そんなに四葉ちゃんが心配かね?」

 

一花「それは勿論。どこかの薄情者とは違ってね」

 

無堂「君は本当に口が減らないね」

 

一花は少しでも邪心を増幅させ、その分力を高めようとする。これは紋章の力を克服した一花だからこそできる神技と言っても差し支えはないのだが、あまりやり過ぎると暴走しかねない。それに、一花は基本は善人であるため、邪心を引き出すのにも限界がある。

 

無堂「素早さで勝てないなら、飛び道具で勝負するしかないね!!」

 

そう言うと、無堂は両手から大量の気弾を生み出した。無論これも魔力を含んだものである。何も対策せずに食らってしまえば、気の総量こそ少なくても、大ダメージを負ってしまう可能性がある。

 

素早い一花なら避けることは容易い。しかし、後ろに倒れている悟飯に当たってしまえば…………。考えるだけでも恐ろしかった。

 

無堂「……状況を把握できたようだね。どうする?自分を犠牲にするか、友人を犠牲にするか……………」

 

かつて零奈と融合して魔人ブウと対峙した時、悟飯は咄嗟に自分達を庇ってくれた。一花はそのことを思い出し、今度は自分の番だと言い聞かせ、防御をする姿勢に入った。

 

無堂「…………ほう?受けるのかね?」

 

一花「いいから、早く来な……」

 

無堂「ふん。少しは分からせてやる!!!!」

 

一花の挑発的な言動に乗った無理は、気弾を全て一花に向けて発射した。だが一花にとっては好都合だった。紋章の力を克服した彼女なら、通常よりも器用に魔力を操ることが可能なのだ。

 

一花「はっ!!!!!」

 

再びブラックホールを発生させると、全ての気弾を吸い込んだ。

 

無堂「むっ……!!!!」

 

一花「残念でした。まんまと引っかかってくれたね!!」

 

無堂「そういうことか……。なかなか姑息な手を使うね………」

 

一花「あなたにだけは言われたくないな」

 

無堂「なっ!!?」

 

無堂は数発だけ気弾を残し、一花の背後に近づけるような形で不意打ちをしようとしたが、当たる直前に一花がいた場所に残像が発生した。

 

無堂「……そこか!!!!」

 

だが、一花の動きをギリギリ追うことができた無堂は振り返って気功波を放った。してやったりという顔でニヤけるが………。

 

無堂「…………はっ??」

 

しかし、それは人の形をした気弾だった。

 

ドグォォオオオオオオオオオンッッ!!!!

 

無堂が放った気弾と衝突すると、無堂本人を巻き込んで大爆発を引き起こした。

 

一花「………元々私は正攻法で戦うのに向いてないタイプなんだよ」

 

爆風に背を向けた一花は、今度はバビディに視線を移して睨みつける。

 

バビディ「くぅ……!!やっぱりこいつには邪心が殆どない…!!なんて綺麗な心を持っていやがるんだ……!!」

 

一花「それはそうだよ。四葉は五つ子の中でも一番ピュアな心を持っているんだから」

 

バビディ「なっ……!!?」

 

一花「残念ながらあなたの手下はダウンしたよ」

 

バビディ「くそぉ………!!!」

 

洗脳も上手くいかないどころか、唯一自分に対して有効打を与えることができる一花がこちらに向かってくる。バビディにとっては都合悪いことこの上なかった。

 

バビディ「ぐぬぬぬ………。なら、これならどうだ……!?」

 

右手に火、左手に氷を発生させたバビディは、それを掛け合わせて一つの光を生成した。両手で持っていたその光を左手を前に突き出し、右手を後ろに引くことによって、弓矢のような形に仕上げる。

 

バビディ「どうだい?僕が新たに考えた新作の魔術さ。炎と氷の威力をほぼ同等にし、それを混ぜ合わせることによって爆発的な威力を生むんだ。並大抵の魔力でも山を消すことができるレベルなんだよ?この僕が使えば、どうなるか分かるよね?」

 

一花「…………」

 

バビディ「僕をコケにした罪は重いぞ!!ここで消えてなくなれ!!!」

 

バシュンッッ!!!!!

 

炎でもあり氷でもあるその光はバビディの手から離れて高速で一花の元に向かっていく。四葉や零奈の叫ぶ声が聞こえる中、一花は深呼吸をして右手に全ての力を込めた。

 

一花「はぁぁぁああああ……!!!!」

 

零奈「い、一花!!無謀です!!!」

 

四葉「逃げてッッ!!!!!」

 

だが、そのまま逃げてしまえば後ろの街は吹き飛んでしまう。その街にはきっと自分にとって親しい人もいるだろう。きっとらいはちゃんやフータロー君もいるに違いない。自分達の住むマンションもあるかも知れない。お父さんが経営する病院もあるかもしれない。

 

そんな人たちを守る為に、一花は自分の身を削る覚悟をした。

 

ドォォオオオッッッッ!!!!

 

魔力の塊が一花の右手と接触すると、一花は徐々に地面を抉りながら強制的に後退させられる。

 

一花「ああぁあぁああッッ!!!」

 

バビディ「ははははッッ!!!!そのまま死んじゃえ!!!」

 

一点に集中させているとはいえ、流石に一花1人では荷が重すぎた。後退する勢いは収まるどころかどんどん勢いを増していく。止まることを知る由もない。

 

四葉「一花…!!!」

 

見ても立ってもいられなくなった四葉は一花に加勢する為に飛び立った。

 

四葉「私の気を使って……!!!」

 

四葉の手が一花の体に触れると、四葉から気が送り込まれる。更にその力を右手に全て集中させる。

 

一花「うぁぁあああッッ!!!!!」

 

バシンッッ!!!!!!

 

バビディ「ええ!!?」

 

四葉に援助してもらってギリギリとはいえ、なんとかバビディの攻撃を弾き飛ばすことに成功した。

 

バビディ「ふーん?上手くやり過ごしたつもりだろうけど、周りはよーく見ないとね?」

 

一花「えっ……?」

 

その言葉に一花は振り返った。

 

一花「四葉!危ない!!!!」

 

四葉「えっ……?うわ!!?」

 

バキャッ!!!!!

 

無堂「ちっ………。気づかれたか」

 

直前で回避したが、先程まで四葉がいた場所は、無堂の攻撃によって地面が粉々になっていた。

 

一花「な、なんで……?私が倒したはずなのに…………」

 

無堂「言うことを聞かない子供には、お仕置きが必要だよねぇ!!!!」

 

説明こそしなかったが、バビディが新しく開発した術で洗脳された場合、バビディの魔力によって蘇ることを可能としているのだ。つまり、魔力の根源であるバビディを倒さない限りは、無堂の体を消滅させる以外に無力化することは不可能に等しいのだ。

 

一花「四葉!」

 

四葉「うん!!」

 

だが、2人とも素早さでは勝っているため、取り敢えず二手に分かれて逃げることを選択した。

 

バビディ「甘いよ!パッパラパー!!」

 

四葉「ぐっ…!?」

 

だが、バビディが魔力の糸が四葉を捉えたことによって、四葉の動きが止まってしまった。

 

一花「四葉……!!!!えっ…!!?」

 

助けに行こうとした一花だったが、同じくバビディの魔力の糸によって捉えられ、身動き不能となってしまった。

 

バビディ「残念だったね〜。別に1人しか捕まえられないとは一言も言ってないよ?」

 

零奈「………させると思いますか?」

 

だが、こちら側にはまだ零奈と言う主戦力が残されている。

 

無堂「ほう…?魔力を持たない君がどうやって僕達に立ち向かうって言うんだい?孫悟飯程の気の持ち主なら兎も角、君程度ならどうにかなるよ」

 

零奈「………あなたという人は、本当に……!!!!」

 

 

 

 

 

ドゴォォオオッッ!!!!!!

 

零奈「………えっ?」

 

突然、無堂が吹き飛んだ。一花も四葉も拘束され、零奈がまだ動き出していない中で無堂に有効打を与えることができるものなどいないはずだった。だが、無堂が吹き飛ばされたということは、それが可能な人物がいるということに他ならない。

 

 

究極悟飯「…………同じ父親でも、ここまで成り下がる奴がいるとはな………」

 

四葉「えっ……?!そ、孫さん!?」

 

一花「なんで……!!?さっきまでボロボロだったはずなのに………!!?」

 

究極悟飯「それは後で話す…。今はバビディを倒すことが先だ」

 

なんと、自分の攻撃をバビディに跳ね返されてダウンしたはずの悟飯が復帰していた。あの大ダメージから全回復するまての時間はとてもじゃないが経ってないし、仙豆も持ち合わせていないはずだ。デンデのように回復できる者も周りにいなかったはずだ………。

 

バビディ「な、なんでお前の攻撃が通じたんだ……!!?生命エネルギーだけだと通じないように開発したはずなのに……!!!そもそも、誰がお前を回復させたんだよ!!!ここにはそんなことできるやつは、僕以外には………」

 

「ほっほーい!!!!」

 

バビディの話を聞いていたのか、自分ならできると手を上げながら大声で返事をする者がいた。

 

一目見るだけでインパクトのある大きさに、特徴的な触覚のようなツノ。紫色のマントに、ピンク色の肌。無邪気で子供にも見えるその魔人は、再び元主人の前で姿を現した。

 

バビディ「お、お前は……!!魔人ブウ!!!?」

 

ブウ「ほーい!!!!!」

 

そう。悟飯を回復させたのは魔人ブウだった。彼は珍しい食べ物を求めてサタンの言いつけを破って外出するしていたのだが、そこに違和感のある場所を発見。たまたま訪れたところにバビディ達と交戦する悟飯達を見かけたというわけである。

 

バビディ「まさかまた僕の邪魔をしてくるとはね………。いいのかい?僕は君を封印することができるんだよ?僕に従うなら特別に許してあげるけど、もし応じないなら……………」

 

だが、バビディはこの状況を逆にチャンスに変えようと思考を巡らし、自分には魔人ブウを封印する呪文があることを思い出した。悟飯達Z戦士に復讐するのにブウは必要ないと判断していた為に、すっかり忘れていたのである。

 

ブウ「ふーん?でも、俺を封印したところでお前のピンチは変わらない」

 

バビディ「ぐぬぬぬぬっ……。そ、そうだ!!こいつらを見ろ!!この魔力の糸に捕らえられたやつに魔力を送ると面白いことになるんだよ?特に魔力の耐性がないやつに送ると、それはそれは面白い光景を見ることができるんだ」

 

バビディは捕らえている一花と四葉を盾にし、次の作戦を同時に練っていた。

 

ブウ「ほい!!」

 

ビビビッ!!!

 

一花「きゃっ!!?」

四葉「うわっ!!!?」

 

究極悟飯「えっ!!!?」

零奈「なっ……!!!?」

 

なんと、ブウは四葉と一花にお菓子光線を当てて2人をクッキーに変えてしまった。それと同時に魔力の糸は自然消滅し、クッキーは魔人ブウの手元まで運ばれた。

 

究極悟飯「な、何をしているんだ!?まさか食べる気か!!!?」

 

ブウ「むっ…。人間を食べ物にして食べちゃダメだってサタンに言われているからやらない。その代わり、こうする」

 

ビビビッ!!!

 

魔人ブウは再びお菓子光線を変え、今度はクッキーが一花と四葉に戻った。

 

一花「あ、あれ………?」

 

四葉「わ、私、生きてる……?」

 

究極悟飯「そ、そうか……!!そういうことだったんだ……!!!」

 

魔人ブウは一花と四葉を解放するために敢えて一度お菓子に変えたのだ。無闇に糸から引き剥がしては何が起こるか分かったものではない。だから一度お菓子に変え、再び戻す方法を選んだのである。

 

バビディ「くそ〜……!!!無駄に賢くなりやがって〜……!!!こうなったら封印して………」

 

ズォオオオオオオオッッッッ!!!!

 

バビディ「!!?ぶ、ブラックホール!!!!」

 

バビディが封印の呪文を唱えようとした瞬間に、悟飯の手からかめはめ波が飛んできた。それに対処するべくブラックホールを使用してギリギリのところで吸い込むことができた。

 

一花「はぁぁあああッッ!!!!」

 

だが、その死角から一花が迫っていることまでには気づかなかった。

 

ドカッッッ!!!!!

 

バビディ「うぐっ…………!!!?」

 

一花は勢いそのままバビディごと拳を地面に叩きつけた。

 

バビディ「こ、この〜……!!!」

 

魔人ブウを封印しようとすれば、悟飯の大技が飛んでくる。その大技はバリアで防ぐのは限界があるため、ブラックホールを使用して吸い込むが、ブラックホールを使うこと前が殆ど見えなくなってしまう。その死角から有効打を与えることができる一花が前進することによって、一種のコンボ技のようなものが完成したのだ。

 

バビディ「この〜!!!でも間抜けだね!!またこんな馬鹿でかい威力を持った技を僕に預けるなんてさ!!!!さあみんなくたばりな!!!!」

 

ホワイトホールが出現すると、悟飯が先程放ったかめはめ波が唐突に出現した。しかし悟飯はこれを予測できていたので、受け止める姿勢に入ったが…。

 

一花「待って!!」

 

一花に呼びかけられ、何事かと思って振り返ると、右手の紋章を光らせて魔術を発動させようとする一花の姿があった。

 

一花「はっ!!!!!!!

 

今度は一花が出現させてブラックホールによって、かめはめ波は再び一瞬にして姿を消した。

 

バビディ「くぅ〜……!!とことん邪魔だね君は…!!」

 

一花「四葉………」

 

四葉「うん」

 

合図を受けた四葉は、頭に付いていたリボンを外してそれに気を込める。するとリボンが光りだした。

 

四葉「よっ!!!!!!」

 

気を充填したリボンを投げると、バビディの体に巻き付いた。

 

バビディ「なっ……!!?なんだこれ!!!?取れないぞ!!!」

 

一花「………もうあなたは終わりだよ」

 

バビディ「なに〜?…………なっ」

 

バビディは絶望してしまった。自分の真下に現れたのはホワイトホール。恐らく出現させたのは一花。そして、一花は今まで何度かブラックホールを使用してきたが、これまで一度もホワイトホールを出現させていない。

 

 

 

つまり、これまでブラックホールで吸い込んだ力が、いっぺんに解き放たれようとしていることを意味していた。

 

バビディ「まっ………」

 

一花「これで、終わりダァアアアアアッッッッ!!!!!!!!

 

ズォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!

 

バビディ「ぐぼぉぉああああああアアアアアアアアアアアアッッッ……!!!!!!」

 

バビディのバリアを突破した気の塊はそのままバビディの体を飲み込み、雲を突き抜けて宇宙空間に突き抜けていった。

 

一花「は、はははっ……。やった…!倒したよ!!!」

 

四葉「一花すごーい!!!!」

 

究極悟飯「い、今のは凄かったなぁ………」

 

零奈「お、おっかない技でしたね……」

 

織田社長「一花ちゃん、大丈夫なのかい!!?」

 

戦闘が無事終わったことを確認した社長は、すぐさま一花の元に駆け寄った。一花は笑顔で大丈夫だと答えると、どこか安心したような表情になった。

 

織田社長「し、しかし…、とんでもないハプニングに巻き込まれたものだね。ところで、そこにいるのは…………」

 

ブウ「………ん?」

 

織田社長「ひぃ…!!!」

 

織田社長は魔人ブウの顔を見るなりすっかり怯えてしまった。実はまだドラゴンボールで記憶の消去を行っていない為、地球の人々は魔人ブウの悪行を覚えているのだ。

 

一花「大丈夫ですよ社長。この魔人ブウはいい方の魔人ブウだから!」

 

四葉「そうですよ!さっきだって私達の味方をしてくれましたし!!」

 

織田社長「し、しかし…………」

 

究極悟飯「実は、魔人ブウはバビディというさっきのやつに操られてたんですよ…………」

 

織田社長「な、なるほど………?」

 

悟飯は咄嗟にそれっぽい嘘をついてこの場は誤魔化すことにした。取り敢えず平和は訪れたものの、戦場となった周辺はすっかり瓦礫の山と化していた。これでは撮影の再開などできるはずもない。今日のところは一旦帰宅するしかなさそうである。

 

四葉「それにしても、とんでもない災難だったね〜」

 

究極悟飯「でも一花さんも戦えるようになるのは正直予想外だったよ。てっきりまたバビディにやられたのかと……」

 

一花「あはは……。私もだいぶ焦ったよ〜…………」

 

すっかり平和ムードに切り替わった一行だが、織田社長と監督に関しては未だに状況が整理しきれていないし、何より一花がこういった事態に慣れている様子だということにも驚きを隠せずにいた。

 

 

 

 

 

バビディ「よ、よくやるね〜……。君達には完敗するところだったよ………」

 

究極悟飯「なっ………!!!」

 

一花「まだ生きていたの!!?」

 

なんと、バビディはまだ生きていた。それに気づいた一行は再び戦闘体制に入る。

 

バビディ「これだけは使いたくなったけどやむを得ない………。僕をここまで追い詰めた君達が悪いんだぞ……?数分後には君達が無様に命乞いをする姿が目に浮かぶよ」

 

どう考えてもバビディが勝利する未来は想定し難いのだが、それでもバビディはその奥の手に相当自信があるようだった。その奥の手とは一体……?

 




 本免試験受かって免許取得。ようやくやること全て終えた感じですよ。マージで疲れました。そして最近思うことがあるのですが、ちょっと蛇足しすぎたかなって気がします。このお話が終わったら本編は卒業式と結婚式をやって終わらせて、残りのやりたいお話は番外編とか後日談としてやった方がいいような気がしてきました。これ以上は蛇足しないと思います、はい。
 最近自分の過去作というか過去話を見直して思うのが、昔の私はなんでこんなストーリー作れたんだろうなぁという疑問。今の私にはあれほどの斬新?な話は作れないような気がしてならない……。最近支部の方ではブクマも減ってきましたからなぁ。まあそれに関しては恐らく蛇足が原因でしょうね。それもあってそろそろいい頃合いだと思っております。

 まあ、これからしばらくは時間が作りやすくなるので、じっくり考えながら執筆できそうかなぁと思っております。多分来週からはそれなりにクオリティが上がるはず……多分。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。