孫悟飯は五つ子姉妹の家庭教師をするそうです【本編完結】   作:Miurand

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 たいっへん長らくお待たせしました。五つ子の誕生日までには最新話をなんとしても間に合わせたいという思いから急ピッチで仕上げて参りました。GWも予想外に忙しくなってしまったのが誤算でしたが、本当にギリギリでなんとか間に合わせることができてよかった……。こうなったらあとは結婚式のお話くらいしか残っていませんね。原作ベースで進めるならの話ですけど。
地の文少ないけど許して……



第119話 孫悟飯は五つ子姉妹の家庭教師を終えるようです

今度こそバビディを倒した悟飯達。間違いなくバビディの気は消滅したはずなのだが………。

 

ヨツカ「…………あれ?」

 

ヨツカの両手にある紋章は未だに消えていなかった。

 

究極悟飯「どうしてまだ残ってるんだろう……?バビディは今度こそ確かに死んだはずなのに…………」

 

ヨツカ「…………これは勝手な憶測だけど、洗脳を振り切ってこの力を克服したから、この力は自分自身の……いや、一花の物になったんだと思う。だからバビディに関係なくコレは残っているんじゃないかな?」

 

悪役側なら、そんな奇跡みたいなことが起こるかと怒鳴りたくなるような話だが、彼女達は幾多もの奇跡を引き起こしているのも事実だ。今更奇跡の1つや2つを新しく起こしたところで何もおかしいことはない。

 

零奈「これで一見落着ですね。孫君が負けかけた時はどうなるかと思いましたが……」

 

究極悟飯「はい……(それにしても、バビディはなんで生き返ったんだ…?ドラゴンボールは使われていないはずだし………)」

 

生き返った本人には結局聞かないまま始末してしまったため、閻魔大王にでも直接聞かない限りは原因は分からずじまいだ。

 

ヨツカ「にしても疲れちゃったなぁ。早く風太郎君のところで癒されに行こっと」

 

究極悟飯「えっ?」

 

ドシューンッ!!!!

 

零奈「えっ?あの…!?」

 

ヨツカはフュージョンが解けぬままその場を後にした。付き合っている風太郎の身としては好ましくない発言が聞こえたような気がするが、片方は四葉なので問題ないかもしれない…?

 

ブウ「あいつ、死んだのか?」

 

究極悟飯「ありがとう魔人ブウ。君のお陰でなんとか倒せたよ」

 

ブウ「俺、サタンにもう殺しはしないって約束した。だけど約束破った……」

 

究極悟飯「問題ないよ。あいつは物凄い悪いやつだから、サタンさんも分かってくれるって」

 

ブウはどうやら本当にサタンと仲が良いらしく、約束を破ってしまったことを軽く後悔していた。最初は敵として現れたが、サタンの活躍によって、初めて戦いもせずに仲間になったのだ。サタンはそういった平和的な交渉、あるいは交流が得意なのかもしれない。

 

悟空がサタンのことを救世主として評価したのも、そういう側面があるからなのかもしれない。

 

だが事情を知らない者は、魔人ブウを未だに敵として認識している。一花の事務所の社長は、悟飯や一花が魔人ブウを味方として扱っていたからか、そこまで敵視している様子はなかったが、万人がそうなるとは限らない。寧ろ敵として認識するだろう。だからこそしばらくは魔人ブウに対して外出の自粛が言い渡されていたのだが……。

 

究極悟飯「………もうそろそろドラゴンボールが使えるようになりますから、魔人ブウのことに関する記憶を消さないとですね…………」

 

零奈「そうですね、放置していれば……」

 

 

ざわざわ……

 

零奈「………このように、不必要な混乱を招く原因になりますからね」

 

撮影どころでは無くなってしまった。悟飯は社長や監督に事情を説明した上で、その場を後にした。気掛かりだったのは、フュージョンが解けないまま風太郎の元に向かっていったと思われるヨツカだが、気はある意味特徴的なものなので、すぐに見つかった。

 

 

 

ヨツカ「風太郎く〜ん!!会いたかったよ私の愛おしの風太郎くーん!!」

 

風太郎「ちょっ…!!くっつくな!!!てかお前は四葉…?いや一花か?だ、誰だお前!!?」

 

ヨツカ「どっちも正解とだけ言っておこう。ところで風太郎君。四葉の記憶を介して知ったけど、ヤったんだね」

 

風太郎「なっ……………」

 

ヨツカ「そういうことなら私ともヤろ?そうすれば一花も初恋で初の体験を迎えることになってみんなハッピーだよね?」

 

風太郎「お前の頭の中はお花畑なのか?俺には四葉という…か、彼女がいるから………」

 

ヨツカ「その心配ならいらないよ。半分は四葉だもん」

 

風太郎「………まさか、合体したのか?四葉と一花で…?」

 

ヨツカ「正解!賢い風太郎君にはご褒美を差し上げます!!」

 

風太郎「ちょ…………。口を近づけるな……むっ…!!?」

 

悟飯「………………」

零奈「………………」

 

そこには、風太郎相手にやりたい放題なヨツカがいた。外だと言うのにお構いなしでやりたい放題であった。

 

ヨツカ「…………えへへ。もしかして、こんなこともできるのかな?」

 

風太郎「はっ?」

 

ヨツカ「魔術!媚薬!!!」

 

風太郎「あっ、ちょ……!」

 

ヨツカ「おお!成功した!もしかしてこの力って、素直にならない風太郎君相手には有効打なのでは………?」

 

零奈「…………これ、バビディの影響をまだ受けているのでしょうか?」

 

悟飯「いえ、多分シラフだと思います………」

 

零奈「………ヨツカ………で会ってますよね?」

 

ヨツカ「あれ?お、お母さん……!!?」

 

母親の姿を見て、流石に暴れるのをやめた…………。

 

ヨツカ「そうだ!!お母さんも混ざる〜?」

 

なんてことはなかった。

 

零奈「正義の鉄拳」

 

ゴンッ!!!

 

ヨツカ「いてっ!!!」

 

あまりの自由奔放っぷりに、永らく封印されていた鉄拳を解放した。いくらフュージョンして強くなった身といえども、痛いものは痛いらしい。

 

零奈「身の程を弁えなさい。上杉君にも迷惑をかけていることを考えなさい」

 

ヨツカ「ご、ごめんなさい…………」

 

零奈は親の力でヨツカを説得し、風太郎を元の状態に戻した。

 

 

 

風太郎「……なるほど。またあのクソ魔道士が生き返ったのか。にしても洗脳を逆に自分の力に変えちまうとは、大したもんだな、一花」

 

一花「もう2度とあんな思いはしたくないからね………」

 

数分後、フュージョンが解けて四葉と一花に戻り、2人して一斉に風太郎に謝罪した後に、何故四葉と一花がフュージョンしたのか、後から来た悟飯と零奈が説明することになった。

 

四葉「………って、あれ?そういえば、実のお父さんの方はどうしたんだろう?」

 

悟飯「……………あっ」

 

すっかり忘れてたと言わんばかりの顔をした悟飯が急に焦り出した。だが…。

 

零奈「別に問題ないでしょう。放っておけばいいですよ」

 

悟飯「えっ?でも…………」

 

零奈「あなたは優しすぎます。時には厳しくすることこそが本当の優しさだということにも気づくべきですよ。特に今のあなたは二乃を甘やかしているように感じますし」

 

悟飯「は、はい…………」

 

零奈に言われて付き合い始めてからのことを思い出してみたが、確かに他の誰よりも甘やかしているように感じた。実際、人に甘いのが孫悟飯という人間である。

 

一花「あっ、そうだ悟飯君。例の件があってから、社長が君をスカウトしたがっているんだよ。特撮やアクションの方で大活躍できそうだからってさ」

 

風太郎「あ〜…。確かに悟飯の身体能力なら余裕で熟るだろうな。俺にはそんな身体能力がないから羨ましいぜ」

 

四葉「おっ…!それなら上杉さんも一緒に孫さんの修行を受けられてはどうですか?数ヶ月あれば今の私くらいにはなれると思いますよ!」

 

悟飯「いや、それは四葉さんに特別な才能があったからこそ実現できたことだから、多分他の人はあそこまで早く成長することはないんじゃないかなぁ………」

 

四葉「そ、そんな…!?」ガーン

 

風太郎「………いや、受験を終えてからなら普通にありだな」

 

一花「えっ?フータロー君が提案に乗るなんて意外」

 

風太郎「今まで様々な悪党どもが現れただろ?俺達は悟飯に守られてばかりだったし、一緒にいることで恐らく足も引っ張っただろう。なら、せめて自分自身を守れる力はつけた方がいいかと思ってな。今後も悪党が現れないとも限らないしな。ということで、頼めるか?」

 

悟飯「うん。僕は全然構わないよ」

 

四葉「やったー!これで一緒に修行できますね!」

 

風太郎「………つーか、お前、悟飯の家に行って修行してたのか?」

 

四葉「はい!孫さんのお家は山奥にあるので、あまり公に知られない方がいいこの力を行使するには丁度いいので」

 

風太郎「………そうか。じゃあ今度から俺と一緒に行こう」

 

四葉「えっ?それって…………」

 

一花「おやおや?フータロー君、もしかして嫉妬してる?」

 

風太郎「俺がそんなのするわけないだろ」

 

悟飯「あはは!!大丈夫だよ風太郎。僕は二乃一筋だから。でも確かに一緒に修行した方が、2人のモチベーションも上がりそうだね」

 

一花「そうだ。私もいいかな?この力の扱い方もよく分からないし」

 

そんなこんなで、悟飯が抱える生徒の数が日々上昇していくことになるのだが、それはまだ少し先のお話。悟飯達の平和なやり取りを天空から見ていたピッコロ達は、今回のバビディ復活の件を重大視していた。

 

ピッコロ「……なに?バビディ自ら蘇生魔術を生み出しただと…!?そしたらまたあいつが蘇るのではないか!?」

 

デンデ「いえ、それはどうやら対策済みだそうです。今回の件で地獄では罪人の魔力や気の力が最小限まで抑えられるようにするそうです」

 

ピッコロ「何故最初からそうしなかったのだ……………」

 

デンデ「でもよかったじゃないですか。これで地獄から悪人達が蘇る可能性は大分下がりましたし」

 

ピッコロ「そうだな。ドラゴンボールでも使われん限りはな……」

 

デンデ「しかし、バビディは本当に天才魔道士だったのですね。大量の魔力を消費するとはいえ、蘇生魔術を生み出した上に魔人ブウ以上の力を身につけられるとは…………」

 

ピッコロ「もしもヤツがその力を使って魔人ブウを従えてたとしたら…。考えたくもないものだな。今までの修行では足りないかもしれないな」

 

 

 

 

 

そこから時は進み……

 

ドラゴンボールが復活し、魔人ブウに関する記憶がほぼ全ての人々から消されて、魔人ブウはミスターブウとして地球で生活することになった。

 

二乃と三玖は専門学校に無事合格し、悟飯にご褒美を要求するも、三玖に調子に乗るのは良くないと釘を刺された。

 

 

五月「孫君!無事に大学に受かりました!!!」

 

悟飯「おお!本当に!?」

 

四葉「やったー!!!!」

 

二乃「一番心配だった子もどうにかなったみたいね」

 

零奈「本当によく頑張っていましたからね。努力が報われて良かったです……」

 

風太郎「ということは、俺らもようやく自分の勉強に専念できるわけだな」

 

悟飯「僕も最後の追い込みをしないと…………」

 

二乃「えっ?じゃ、じゃあ………」

 

悟飯「うーん………。デートはしばらく我慢してほしいかな…?ごめんね……」

 

二乃「…………」

 

四葉「あはは……。二乃拗ねないの」

 

五月「そうですよ。付き合えてるだけ充分幸せものですよ」

 

三玖「そうそう。それ以上は我儘。寧ろ今までの振る舞いでよく悟飯が許したなってレベルだよね」

 

五月「そうですよ!!それだけ二乃に甘やかすなら私にもすこーしだけでいいからその愛情を分けてくれても全然構わないというのに!!」

 

零奈「堂々と浮気宣言をしないでください」

 

一花「まあまあ!取り敢えず今日は五月ちゃんの合格をお祝いしないと!!お母さんにお願い(意味深)してもらってお父さんも帰ってくるわけだし!」

 

五月「えっ!!?結果も伝えてないのにですか!?」

 

零奈「あの人は五月が合格すると信じていたのでしょうね。最近のあなたの頑張りを見て体調の心配もしていましたし」

 

二乃「なんでそれを直接言わないのかしら…………」

 

五月が難関大学に合格し、後は四葉が油断さえしなければ大学に合格できるという状況になり、悟飯と風太郎は最後の追い込みをすることになった。その為当然しばらくは勉強に専念することになるので、デートなんてしていられるほど余裕ではない。一部棘があったり下心があったりする子がいたが多分気のせいだろう。

 

悟飯「………いよいよ試験本番だな」

 

とうとう悟飯にも試験の日が訪れた。幼少期から学者を目指してずっと勉強し続け、今日までやってきた。そしてこの日でそれらの努力が報われるか、はたまた無駄になるかが決まると言っても過言ではない。いくら死闘を繰り広げてきたZ戦士の一員といえども、自分の夢がかかっているのだから緊張してしまうのも無理はない。

 

悟飯「………風太郎も二乃も、みんなも応援してくれてるんだ。何より五月さんが合格したんだから、教師である僕だって合格しないと示しがつかないよね………。よし、いくぞ……!!」

 

 

 

武田「おや?らしくもなく緊張しているのかい?」

 

風太郎「かもな。だが俺は1人じゃねぇ」

 

そして偶然か、はたまた必然か……。風太郎と武田も、悟飯とは志望校が違うとはいえ、試験日が同じ日だった。

 

風太郎「悟飯は恐らく合格するだろう。ここで俺だけ落ちたらカッコ悪いからな」

 

武田「それならそれで僕が初めて君に勝つことができるけどね」

 

風太郎「おいおい。受かる前提かよ。なら尚更受からないとカッコ悪いじゃねえか」

 

 

 

 

…数日後…

 

二乃「…………まあ、当然よね」

 

三玖「あの西の都の大学に受かっちゃうなんてすごい……。しかも主席でしょ?」

 

五月「まあ、当の本人はそれほど驚いているご様子はありませんけどね…」

 

四葉「上杉さんも主席だって」

 

一花「久しぶりに学校に行ったけど、武田君相当悔しがってたね〜。また僅差でフータロー君に負けたんだってさ」

 

二乃「受かったのに悔しがるって……」

 

風太郎「ようやく肩の荷が降りた気がするぜ………。この日のために今までずっと勉強してきたからな」

 

悟飯「そうだね。でもまだ僕達の仕事は終わってないよ?」

 

風太郎「ああ。一花は休学した分、卒業試験ってのを受けて合格しないと卒業できないからな。そこまでは気を抜けないな」

 

一花「大丈夫だよ。ロケの間もフータロー君に勉強教えてもらったし、余程油断しなければ大丈夫だって」

 

 

 

進学組は皆結果が判明し、無事に志望校に合格することができた。あとは一花が無事に合格できるかどうかだが、これも一花の言う通り問題はないだろう。彼女も風太郎の助力を受けながら頑張ってきたのだから。きっと5人……否、7人揃って笑顔で卒業できるに違いない。

 

 

 

 

そして、その日が訪れた。

 

前田「お前の祝辞、くそつまんなかったな」

 

風太郎「当然だろ。漫才じゃあるまいし」

 

武田「だけどなんで君が祝辞を担当したんだい?本来なら3年間首位を維持した孫君が担う役割のはずだけど……」

 

風太郎「あいつは辞退した。ドラゴンボールで魔人ブウに関する記憶は消えたはずだが、何故か悟飯を英雄視する奴らが絶えないらしいからな」

 

武田「……機械軍団の時の記憶は消していないのかい?」

 

風太郎「いや、2つ目の願いで消したらしいが、悟飯が戦って悪い何かを倒してくれたっていう記憶が残っていたようだな。要は完全には消しきれなかったらしい」

 

武田「なるほど。上杉君が魔人ブウと戦っている姿をみんな見てなかったけど、孫君の場合は機械軍団の時に限っては見てたから、強く印象に残ってたのかもしれないね」

 

前田「で、その孫本人はどこにいるんだよ?」

 

武田「あっちの方にいるよ。多分女子に第二ボタンを狙われているんじゃないかな?」

 

前田「あいつ、戦闘以外は隙だらけだな………」

 

風太郎「武田も他人事じゃないだろ?確かお前のボタンも狙われていると聞いたが…………」

 

武田「僕は既に隠してあるから問題ないさ。上杉君、ほしいなら君にあげるが………」

 

風太郎「いやいらん」

 

男組が雑談をしていると、女子の大群を掻き分けてようやく悟飯が合流した。

 

悟飯「お待たせ…。なんかみんなにボタンくださいって言われて大変だったよ…………」

 

前田「ようモテ男。いつか背中を刺されるぞコラ」

 

悟飯「でもなんでみんな第二ボタンを欲しがるのかな?」

 

武田「えっ?孫君、意味を知らないのかい?」

 

風太郎「まあこいつはそういうやつだしな」

 

前田「なんだよ。学園祭に告白したからロマンチストになったのかと思いきや、そうでもないみたいだな」

 

前田達が悟飯に意味を教えると、悟飯は納得したようで……。

 

悟飯「へぇ〜そうなんだ………。えっ、じゃあ、みんな僕のことが好きなの?」

 

前田「そうだぞコラ。お前は武田に並んで旭校トップクラスのモテ男なんだよコラ」

 

武田「最近は中野さん達が孫君に付きっきりだったからみんな諦めかけていたみたいだけどね」

 

悟飯「そ、そうだったんだ…………」

 

風太郎「しかもお前と二乃が付き合ってるってのは専らの噂だからな。この学校で知らないやつはいないんじゃないか?」

 

前田「上杉がそう言うと信憑性増すな」

 

実際、悟飯と二乃のバカップルぶりは学年に留まらず、全学校生徒、なんなら教員達にも知られている。

 

悟飯「………そうだ、風太郎。みんなが呼んでるよ。せっかくだから写真を撮ろうってさ」

 

風太郎「あいつらか?分かった」

 

そう返事すると風太郎は立ち上がり、悟飯と共に五つ子の方に歩み始めた。その直後に大量の女子が武田に押し寄せ、第二ボタンを求めていたそうな…。悟飯達は計らずも面倒事を回避したようだ。

 

風太郎「お前、もしかして見えてたのか?」

 

悟飯「えっ?何が?」

 

風太郎「………いや、なんでもない」

 

四葉「あっ、おーい!」

 

二乃「やっときたわね」

 

三玖「悟飯、女子達に揉みくちゃにされてたね。大丈夫?」

 

二乃「えっ!?それは本当なの!?もしかしてボタンを取られてたりは……」

 

悟飯「大丈夫だよ。このボタンは本当に大切な人にしかあげないから」

 

二乃「ふ、ふーん?それで?その大切な人って誰のこと?」

 

二乃は悟飯がなんて返事するのか分かっているくせに、悟飯に問う。

 

悟飯「………はい」

 

悟飯は言葉で二乃と答えるのではなく、二乃の目の前で第二ボタンを外して二乃にあげるという形で返事をした。

 

それを受け取った二乃はこれ以上ないほど幸せそうな顔をしていた。

 

三玖「口じゃなくてボタンで返事するとは………」

 

五月「孫君って無意識にロマンチックなことしますよね」

 

一花「女たらしならぬ二乃たらし…?」

 

風太郎「…………」

 

悟飯と二乃がまたしても2人だけの世界を作り出しているが、そんなことはお構いなしに風太郎が6人……特に五つ子をじっと見続けていた。

 

四葉「あ、あの……?上杉さん?」

 

三玖「どうしたの?」

 

風太郎「………全員、卒業証書を持っているのか………。夢じゃないよな?」

 

五月「あなたはとうとう最後までデリカシーを身につけませんでしたね…!」

 

風太郎「いやお前…。赤点だった奴らが卒業できるレベルにまでなったんだぞ?少しは感慨に浸ってもいいだろ………」

 

悟飯「あ〜…。僕達が初めて会った時はみんな落第寸前だったからね〜……」

 

一花「そうだよ。フータロー君と悟飯君に感謝しなきゃ。2人のお陰でこうしてみんなで卒業できたんだし!」

 

三玖「それもそうだけど、悟飯と出会って世界は広いってことも分かったしね」

 

四葉「まさか宇宙人が実在するとは思わなかったもんね〜」

 

 

悟空「おっ!おめぇらここにいたか!」

 

勇也「風太郎にみんな。卒業おめでとさん」

 

風太郎「親父に悟空さん……」

 

四葉「………悟空さんがスーツを着てる…!?」

 

悟空「あーこれか?オラは本当は道着で来たかったんだけどよ、チチがどうしても今日はこの格好じゃねえといけねえっていうから………」

 

チチ「当たり前だべ!!息子の晴れ舞台だってのに正装で来ねえ親がどこにいるだか!!!!」

 

悟天「兄ちゃん卒業おめでとう!」

 

悟飯「ありがと、悟天」

 

牛魔王「悟飯もすっかり大きくなったべな〜。ピッコロさに連れ去られた時が懐かしいべ」

 

零奈「おや?みなさんもうお揃いですか」

 

上杉母「ちょっとあなた!なんで先に行くのよ!!」

 

らいは「そうだよお父さん!危うく逸れるところだったんだから!」

 

勇也「すまんすまん……。早くこのカメラ(こいつ)で撮ってやりたかったからよ」

 

マルオ「全員揃わないと意味がないだろう………」

 

勇也「んじゃ、全員揃ったことだし撮ろうぜ。今日の主役さん達は真ん中に集まりな」

 

1年生……。悟飯と風太郎が入学し、しばらくして2人は意気投合した。そこから孤独だったはずの2人の学校生活は変化した。しかし、悟飯と風太郎はどちらも勉強を第一とする姿勢に変わりはなかった。

 

それが変わったのが2年生の2学期。そこで五つ子が転入し、悟飯と風太郎は家庭教師をすることになった。1人では厳しかったかもしれないが、2人で協力してなんとかこの日に辿り着いた。

 

2人のノルマは5人を卒業させること。しかしその障害は生半可なものではなかった。まだ学力の向上だけを目的とするならマシだったのだが、五つ子(1部)の反抗、5人とも赤点候補生、五つ子の姉妹喧嘩など、様々な問題が起きた。

 

それだけでなく、地球の存亡そのものを揺るがすような強敵が襲来することが何度もあった。その度に悟飯が、途中からは五つ子と風太郎も協力してその強敵を打ち倒してきた。

 

7人は関わっていくうちに、お互いに足りなかったものを補いながら成長した。特に、風太郎は勉強星人から凡人に。悟飯はZ戦士からZ()()()()()()()()()()()になることができた。

 

この高校生活は、彼ら、彼女らにとって、かけがえのないものになったに違いないだろう。

 

勇也「おっ!いい写真撮れたじゃねえか!」

 

両サイドに各々の両親、中央に今日卒業した笑顔の悟飯達7人が並んだ写真が綺麗に撮れた。7人全員卒業証書の入った筒を持っている。これは7人が全員卒業できたことを意味している。それも笑顔で。悟飯と風太郎は家庭教師の役目を全うしたのだ。

 

悟飯「あの……もう一枚お願いしてもいいですか?」

 

勇也「別にいいが……。なんか気に入らないところでもあったか?あ〜、もうちょっと二乃ちゃんとくっついて撮りたかったか?」

 

悟飯「いや、それは………違くはないんですけど………」

 

勇也「なんだよ?はっきりしたらどうだ?二乃ちゃんに告白した時みたいによ」

 

悟飯「えっ?なんでそのことを………。もしかして風太郎……!!?」

 

風太郎「文化祭の時の仕返しだ。これでおあいこだな」

 

らいは「お兄ちゃん…………」

 

悟飯がもう一枚写真をお願いした理由。それはとても単純なものだった。

 

悟飯「………ピッコロさんも一緒に撮りましょうよ!!そこにいるんでしょう?」

 

二乃「えっ?いたの?」

 

ピッコロ「………構わん。お前ら家族と友人だけで撮ればいいだろう」

 

悟飯「そんなこと言わないで下さい。僕がこの学校生活を送れたのは、ピッコロさんのお陰でもあるんですから」

 

 

勇也「……?どういう意味だ?」

 

悟空「ははーん…?そういうことか…」

 

勇也「なんだなんだ?どういうことだ?」

 

悟空「実はピッコロは悟飯の……」

 

 

悟飯は元々甘えん坊な御坊ちゃまだった。潜在能力こそ昔からあったものの、悟空のように常に戦っていたわけでもなく、野生に生きる子でもなかった。だがサイヤ人襲来を機に、ピッコロが悟飯を鍛えたところから、悟飯のZ戦士としての人生が始まった。

 

つまり、ピッコロがいなければ悟飯は戦えないままだった可能性が高いし、今の礼儀正しい性格はなかったかもしれない。

 

悟飯が戦えたから、五月をサイヤ人から守ることができたし、崖に落ちそうになった二乃を助けることができた。もしも悟飯が戦えてなければ……。恐らく5人は笑顔で卒業することがなかっただろう。そもそも卒業以前の問題だった可能性すらある。故に、()()()()()()()()()、五つ子卒業の影の功労者はピッコロと言っても過言ではなかった。

 

ピッコロ「………一枚だけだぞ」

 

悟飯「……!はい!!」

 

勇也「へぇ……。そんなことがあったのか」

 

悟空「ああ。生き返ってもう一度会った時はびっくりしたぞ。突然オラよりもしっかりした子になっちまったんだからな」

 

 

上杉母「よし!それじゃあ、もう一枚いくよー!!」

 

 

勇也「………俺もあんたらに感謝してるんだぜ?」

 

悟空「ん?オラ達にか?」

 

勇也「ああ。俺の息子が、あんたの息子と友人になった。それで様々な災難に巻き込まれちまったかもしれねえが、こうしてまた嫁さんと一緒に写真を撮ることができるようになったんだからよ。マルオのやつも口では言わねえが、きっと感謝してると思うぜ?」

 

悟空「そうか?でもそのお礼ならオラじゃなくてドラゴンボールに言ってくれ。オラ達はあくまで強えやつらと戦っただけだからよ」

 

勇也「俺もそう言えるくらい強い男になりたいもんだぜ」

 

悟空「オラみたいに強くなるのは厳しいかもしれねえけど、ある程度までなら強くなれると思うぞ?」

 

勇也「そいつは本当か?今度鍛えてもらってもいいか?」

 

悟空「おう!その代わり畑仕事手伝ってもらえると助かるんだけんど……」

 

勇也「力仕事なら任せな!」

 

こうして、今度こそ全員が納得のいく写真を撮ることができた。五つ子達がいたから、悟飯は一般人になれた。五つ子達は、悟飯達と出会えたから、もう一度大切な人と過ごすことができるようになった。

 

本来ならあり得なかった幸せが、ドラゴンボールの、Z戦士達のお陰で確かにここに存在していた。

 

零奈「……皆さん。ご卒業、おめでとうございます………!!」

 

 

………こうして、孫悟飯と上杉風太郎は、五つ子姉妹の家庭教師を終えたようです。

 




 卒業式も無事に終わりましたね〜…。若干駆け足感が否めないですが、あまりグダグダやるとDBアニメ並みに引き伸ばしちゃいそうなので、ここは重点だけ書いて流してしまった方がいいかなと思いました。この卒業式で伝えたかったことは、五つ子と風太郎だけじゃあり得なかった幸せ、悟飯達Z戦士だけじゃあり得なかった幸せというものです。特に悟飯は原作だけでは高校生活がここまで充実していたかどうかは分からないので完全な憶測になってしまいますが、普通の高校生のような生活は送ってないような気がします。そういった意味では、五つ子がいたから高校生らしい高校生になることができたとも言えます。
 そしてごと嫁側の方のあり得なかった幸せというのはもう言うまでもありませんね。風太郎の母や零奈ともう一度出会えたことです。これに関してはドラゴンボールや人造人間技術の力がないとどうしようもないですからね。もしかして私がこの作品を始めたのは、みんな本当の意味でハッピーにしたかったからなのか……?

 あと、急ピッチで仕上げたので、もしかするとこのお話は修正が入るかもしれませんが、大まかな展開は変えるつもりはないです。次のお話はいつになるかまだ不明ではありますが、5月中にはなんとか完結まで持っていきたいところですね。しかも別ルートも残っているからそっちもやらないと……w。そんな中でぼざろに浮気してるワイって………。

 ではまた次回で。
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