孫悟飯は五つ子姉妹の家庭教師をするそうです【本編完結】   作:Miurand

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 前回のあらすじ……。

 前回にて、四葉が姉妹の中でトップの成績を収めるという偉業を成し遂げた。これも血の滲むような努力のお陰なのだが、意図せず三玖の告白を阻止してしまったことを四葉は気付いていない……。

 五月は教師になる決意をし、二乃も赤点を回避。これにてノルマを達成し、みんなで赤点を回避することができたのだ。

 しかし、悟飯と二乃が筋斗雲に乗っている時、二乃がまさかの告白…!これに悟飯は気付いているのか否か、果たして………?

悟空「……モテ過ぎじゃねえか?」



第8巻(上)
第35話 押してダメなら更に押す


悟飯と二乃は筋斗雲のお陰で、あまり時間をかけずにケーキ屋に到着することができた。

 

四葉「孫さーん!二乃を連れてきてくれたんですね!こっちですよ!」

 

悟飯「うん!」

 

二乃「……(言っちゃった…!言っちゃった…!!こいつが好きだなんて、どうしちゃったの私ッ!?初めての告白なのに……。なんで突然言っちゃったんだろう……。あーどうしよう!…………っていうか、なんでこんな無反応なのよ!?)」

 

二乃は、先程筋斗雲の上で悟飯に告白をしたものの、悟飯が反応を示さないため、少々機嫌が悪くなっていた。

 

二乃「ねえ、さっきの話だけど…」

 

店長「孫君、だよね…?丁度よかった。食器洗いできるお願いしたいんだけど」

 

悟飯「はい!それくらいなら!」

 

二乃「……ふん…。いいわ。後でにしてあげるわよ」

 

 

 

四葉「期末試験突破お疲れ様〜!!」

 

 

「「「「「かんぱーい!!」」」」」

 

 

三玖「本当に赤点回避できるとは思ってなかった」

 

四葉「うんうん!この答案用紙を額縁にいれて飾りたいよ!」

 

一花「それはもうちょっといい点数取ってからにしようよ…。嬉しい気持ちは分かるけど……」

 

二乃「お祝いだからってこれだけ贅沢しても大丈夫かしら?」

 

二乃達が座る席のテーブルの上には、一人ずつそれぞれ違う種類のケーキが用意されていた。どれも値段が張りそうな物ばかりである。

 

五月「店長さんがご祝儀としてご馳走してくれるそうですよ」

 

二乃「……ちょっと待って。上杉はバイトしてるから分かるけど、孫はなんでキッチンに入っていったのよ?」

 

一花「悟飯君はタダでケーキをもらうわけにはいかないから何か手伝わせてほしいって言ってたよ?それで、店長さんがその言葉に甘えたってわけ」

 

三玖「変に律儀…」

 

四葉「孫さんらしいね!」

 

五月「…それにしても、私達の注文する商品はやはりバラバラですね……」

 

四葉「まあこれは平常運転だね…」

 

三玖「……はい、四葉」

 

四葉「えっ?何これ?」

 

三玖は自分のケーキの一部をフォークに刺し、四葉に差し出す。

 

三玖「現文の問題、四葉の予想がドンピシャだった」

 

五月「そうでしたね」

 

二乃「あれは助かったわ」

 

一花「じゃあ私も!」

 

二乃「私も」

 

四葉「えええ!?」

 

三玖だけでなく、一花、二乃、五月も四葉にケーキを差し出した。四葉は少々戸惑いながらも、それぞれ口にして……。

 

四葉「……ししし…!おいしいね!」

 

それだけ述べた。

 

四葉「あっ!でも、それを言ったら私もみんなに助けてもらったからお返ししないと…」

 

二乃「それを言ったら私も……」

 

五月「では少しずつシェアをしましょう。きっとこの試験もそうやって突破できたのですから……。しかもいろんな味が楽しめてお得です!」

 

一花「本当はそれが目当てじゃ……」

 

せっかくいい感じの台詞を言ったのに、五月が平常運転過ぎるので台無しである。

 

三玖「……四葉、本当にありがとう…。それにおめでとう。次は負けないから」

 

四葉「……?うん!」

 

四葉は何故『次は負けないから』と三玖に言われたのか、イマイチ要領を得ない感じであった。それもそのはず、三玖が一位に拘る理由を知る由もないので仕方ない。

 

二乃「まさか一番危なかった四葉が一番とはね……。意外」

 

四葉「あはは…。今回は本当に死ぬ気で頑張ったからね…。わっ!五月のケーキ美味しい!」

 

五月「ええ、私のおすすめです。もう一度食べたかったのですよ」

 

三玖「もう一度って……」

 

二乃「いつの間に一人で来てたのよ…」

 

一人で来たわけではなく、下田と会った際に奢ってもらった時の話であるが……。

 

五月「えっと、その時もご馳走になりまして……。…みんなに話しておきたいことがあるのですが…。私、学校の先生になりたいです……」

 

三玖「えっ…」

 

一花「それって………」

 

五月「も、勿論過ぎた夢ではありますが……」

 

四葉「いいと思う!五月の授業分かりやすかったもん!!ピッタリだよ!!」

 

五月「四葉……」

 

一花「当然私も応援するよ!」

 

三玖「じゃあ五月は大学を受けるんだ…」

 

二乃「いよいよ三年生って感じね」

 

四葉「あっ、進級と言えばお父さんに伝えないと……」

 

一花「一応私がしといたけど、返事がまだ……」

 

二乃「それなら大丈夫よ。さっき私が直接話したから」

 

一花「やっぱりマンションに行ってきたんだ」

 

五月「それで、お父さんはなんと?」

 

二乃「当たり前だけど、あまりいい反応はもらえなかったわ。今はまだ甘えさせてもらってるけど、いつかケジメをつけないといけない日が来るはずだわ」

 

三玖「でも、マンションに行ったにしては帰ってくるのが早かった」

 

二乃「それはあいつが雲に乗って来たからよ」

 

「「雲…??」」

 

筋斗雲の存在を知らない一花と三玖はイマイチ理解できていないようだった。それも仕方のないことで、普通は雲の上に人が乗ることなどできない。しかし、筋斗雲に乗ったことのある五月と四葉はすぐに理解した。

 

五月「西遊記に出てくるような黄色い雲のことですよ。心の綺麗な人は乗れるそうですよ」

 

三玖「へぇ…。まあ悟飯は私達の常識が通用するような人じゃないから嘘ではないんだろうけど……、二乃がいい子…………?」

 

二乃「ちょっと何よ?私がいつ悪いことしたってのよ?」

 

三玖「睡眠薬」

 

二乃「ミニオボエガナイワ」

 

二乃は即答で否定するが、少し片言になっている。

 

一花「へぇ…。じゃあ夜の街を空中散歩してきたってわけかな?意外とロマンチックなことをするじゃん、悟飯君」

 

二乃「……そうね。だからあんなことを………」

 

五月「……あんなこと?」

 

二乃「あっ!お皿片付けてこよっかな!!」

 

二乃は誤魔化すかのように席から立ち、キッチンに向かった。

 

三玖「あんなことって……なんだろう?二乃が焦ってるなんて珍しい……」

 

五月「なんだか嫌な予感がします」

 

四葉「??」

 

案外、その嫌な予感は当たっていたりする……。

 

一花「じゃあ私もお手洗いのついでに手伝うよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

店長「よし、ひと段落…。僕は少し休憩を入れるからよろしくね上杉君。それから孫君も、今日はわざわざありがとうね」

 

悟飯「いえいえ。ご馳走してもらったのでこれくらいはさせて下さい」

 

一方その頃、悟飯達はキッチンにて食器洗いをしていた。

 

店長「凄くいい子じゃないか…。上杉君の友達だとは思えないよ」

 

風太郎「失礼ですね…。あっ、店長。プリンを一つ取り置きしてもいいですか?」

 

店長「いいけど、好きだっけ?」

 

風太郎「いえ、バレンタインのお返しに」

 

店長「!?君は仲間だと思ってたのに…。裏切り者……」

 

風太郎「妹のですけど……」

 

店長「な、なんだ…。そういうことか…。てっきりあの五人のお友達からかと思ったよ」

 

風太郎「あり得ないですよ」

 

店長「孫君もどうだい?ホワイトデー用に1つ取り置きしていかないかい?」

 

風太郎「店長、なんか悟飯には優しくないですか…?」

 

悟飯「いえ、相手も手作りをくれたので、僕も手作りで返そうかなと……」

 

店長「裏切り者っ!!」

 

悟飯「ええっ!?」

 

突然裏切り者扱いされた理由が悟飯には分からず、ただただ困惑する。

 

風太郎「気にするな。店長は情緒不安定だからな」

 

悟飯「あはは………」

 

風太郎「俺はそろそろプリンを取ってくるわ。悪いが一旦ここ頼めるか?」

 

悟飯「うん」

 

っと、そこに………。

 

二乃「ご苦労様…。って、店長さんは?」

 

風太郎「今奥に行った。何か用があったのか?」

 

二乃「そ、そう…。お礼を言おうと思ったんだけど…、少し待とうかしら」

 

風太郎「そうか。じゃあ俺はプリンを取り置きに行ってくる」

 

風太郎は決して察したわけでも、気を使ったわけでもないが、意図せず二人きりの状況が出来上がった。その状況を都合よく思った二乃は、さっき聞きたかったことを聞こうと思ったが、イマイチ踏み出せずに、悟飯の手伝いをすることにした。

 

悟飯「二乃さんは別にやらなくてもいいのに……」

 

二乃「それを言ったらあんたもでしょう?」

 

二乃が加わったことによって、想定よりも早く食器を洗い上げてしまった。

 

悟飯「よし、全部終わったね。店長さんには僕から伝えとくから、座って待っててよ」

 

二乃「そ、そうね!そうするわ!」

 

二乃はそのまま戻ろうと歩み始めたが、このままではダメかと思ったのか、途中で立ち止まった。

 

悟飯「……?どうしたの?」

 

二乃「……やっぱり筋斗雲の上で言ったことは忘れてちょうだい……」

 

悟飯「あ〜…。好きって言ったこと…?別にいいけど……、わざわざ言わなくても……」

 

二乃「……!?(こ、こいつ!?)」

 

二乃は一旦忘れて欲しいと思いつつも、自身の人生初の告白をこんなにも軽く扱われることに怒りを覚えた。

 

二乃「あ、あんたねぇ!!それはそれでどうなのよ!!」

 

悟飯「えっ…?でも、二乃さんが忘れろって言うから………」

 

二乃「あ、あれは…!恥ずかしいっていうか……。アクセルを踏みすぎたっていうか………」

 

悟飯「………?そんなに恥ずかしいことかな?」

 

二乃「はぁ!?(な、何言ってんのこいつ!?人生初の告白が恥ずかしくないわけないでしょ!?)」

 

悟飯の反応に困惑する二乃。しかし、次の悟飯の台詞によって、二乃は悟飯の反応に納得するのであった。

 

悟飯「だって僕と会話をするのが好きって意味だったんでしょ?」

 

二乃「…………はっ?」

 

一体どう捻くれたらそんな結果に辿り着くのだろうかと呆れる二乃。だが、強ち間違っていない。好きな人と会話することが嫌いな人はいないだろう。

 

悟飯「あっ、それとも筋斗雲に乗るのが好きって意味だった……?いや、二乃さんのことだから、筋斗雲の上から見る夜景が好きって意味なんじゃないかなー?ロマンチックなの好きなんでしょ?」

 

悟飯は名推理を言ったとでも言わんばかりの顔をしながらそう語るが、論外レベルの回答である。確かに、二乃はそういったことが好きである。しかしながら、悟飯に対して言った『好き』という意味はもっと単純である。

 

二乃「呆れた…。もういいわ!!」

 

悟飯「ええ!?二乃さん!?」

 

二乃の怒りは沸点を超えたのか、キッチンから駆け足気味に去った。

 

二乃「……(何よ…。一体どう考えたらその結論に至るのよ…。これでハッキリしたわね。あいつにとって私達は恋愛対象外。三玖のバレンタインには一応気付いていたみたいだけど、あの様子じゃ三玖の想いには気づいてなさそうだし………。むしろ気付かれなくて好都合だわ!!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悟飯「うーん………。僕、何か怒らせるようなこと言っちゃったかな?」

 

悟飯は二乃を怒らせてしまった原因を考察してみるが、何故怒ったのかが全く分からない。

 

悟飯「……四葉さんなら分かるかな?」

 

そう考えていると、足音がしたので、店長が休憩から戻ってきたのかと思い、悟飯は洗い物が終わったことを伝える。

 

悟飯「店長さん。もう洗い物は終わりましたよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二乃「あんたを好きって言ったのよ

 

 

しかし、そこに現れたのは、休憩から戻った店長ではなく、先程不機嫌になって席に戻ったはずの二乃であった。

 

悟飯「………へっ?(二乃さんが好き?誰を?あんた…?まさか僕?)」

 

悟飯はようやく二乃の言っていた『好き』という意味を理解する。五月の場合は、生命の危機から救ったからまだ自身に惚れてしまうのは分かった。しかし、二乃がそうなる理由が全くと言っていいほど思いつかない。

 

そもそも、最初はあんなに嫌われていたのに?睡眠薬を使って追い出そうとしていたのに?

確かに最近は拒絶されるようなことはなくなってはいたが…………。

 

 

悟飯「あはは!いやだなぁ二乃さん!いくら僕でもその嘘には騙されないよ?悟天でももうちょっと上手い嘘をつくよ?」

 

二乃「………言い逃れのできないようにしてあげるわ。あんたを男として好き。異性として好き。私はそう言ったのよ」

 

しかし二乃はめげずにアタックする。

 

悟飯「あ、あはは……。そんなムキにならなくても……」

 

二乃「そりゃムキになるわよ。乙女の人生初の告白をここまで粗末に扱われているんだから………」

 

悟飯「………まさか、本当に…?」

 

二乃「さっきからそうだって言ってるでしょ」

 

悟飯「…………へっ?」

 

ようやく二乃の告白が嘘でないことに気付くと、悟飯は心底驚いてしまう。でもそれは仕方のないこと。出会った当初はあんなに嫌われていたのに、今は異性として好きと断言されている。『私はあんたを認めない』と言われたことを悟飯は未だに鮮明に覚えている。だからこそ、二乃の告白には困惑した。

 

悟飯「に、二乃さん……?」

 

二乃「返事は求めてないわ。本当にムカつく。対象外なら、無理にでも意識させてやるわ…」

 

二乃は更に畳み掛けるように、鈍感な悟飯でも気づくように…。いや、既に気付いているが、念を押すようにアタックをする。

 

二乃「あんたみたいな鈍ちん野朗でも好きになる女子が、地球上には一人くらいはいるって言ったわよね?」

 

 

二乃が家出した時に確かに聞いた。そして続け様に………。

 

 

二乃「それが私よ…!残念だったわね…!」

 

 

顔を赤らめながら、そう言い切った。

 

いくら天然で鈍感な悟飯でも、やっと二乃の想いを認知し、理解した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その告白を聞いていた者が約2名いた。その約2名は、二乃と悟飯に気づかれないように、声量を抑えて会話する。

 

風太郎「……はっ?あれマジか?」

 

一花「二乃があんな嘘つくわけないよ…」

 

風太郎「嘘だろ………。俺が取り置きに行ってる間に何があった………」

 

突然の展開に、ただただ困惑する一花と風太郎であった…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後の試験が悟飯の場合

 

 

さて、もう3学期が始まってしまったので、マルオさんに上杉君を認めさせる為に頑張るぞ!

 

五月さんはやる気と気合いが十分!今までとは明らかに違う。でもそれ五月さんだけでなく、他のみんなにも言えること。

 

特に、四葉さんに至っては、マンツーマン授業を要求された。四葉さんは五人の中でもかなり勉強している方なのに、それでも尚、教えてほしいというのだ。僕も家庭教師。その思いに応えないわけにはいかないし、何より四葉さんが勉強をこんなにも頑張る理由を僕は知っている。だからこそ僕は四葉さんも全力で応援する。

 

……でも、3学期に入ってから三玖さんが毎日のようにチョコをくれるんだよね。というか、食べることを強制されている。一体どういうことだろう?

 

 

 

 

 

チチ「それはバレンタインに備えてるだよ!」

 

悟飯「へっ?」

 

バレンタインと言えば、お世話になった人や、好きな人に送るっていうあの……?

 

チチ「んだ!悟飯の好みを把握する為に色々な味のチョコを食べてもらってるんでねえか?」

 

………言われてみれば、色々なメーカーのチョコを食べたっけ?甘いもの、極甘のもの、少々苦いもの、苦いもの、ホワイトチョコレート、いちごチョコなど、様々なものを食べた。

 

………でも、三玖さんが僕に…?

 

 

悟飯「そっか!日頃から家庭教師でお世話になっているからか!わざわざそんなことしなくてもいいのに……」

 

チチ「…………はぁ………」

 

何故かお母さんは大きく溜息をついた。

 

チチ「……悟飯。もしもその子が悟飯のことが好きで頑張っているとしたらどうするだ?」

 

悟飯「へっ…?」

 

チチ「いい加減鈍感キャラは卒業してもらわなきゃダメだべ。女子をちゃんと見てあげるだよ!女子ってのは案外繊細な心を持ってるんだべ!些細なことで傷付いちまうだぞ?」

 

悟飯「………分かった」

 

……しかし、よく考えてみると、三玖さんは僕のことが好きなのだろうか?キャンプファイヤーのフォークダンスに誘ったのも、勤労感謝の日のお出かけも……。まさかそういう意味だったのか…?

 

………でも、五月さんみたいに告白されたわけでもないのに決め付けるのは、なんというか…。自意識過剰というか、ナルシストではないだろうか…?なんか僕はそういうのが苦手だ…。あはは…。

 

 

 

 

 

2月14日。三玖さんは本当にチョコを作ってきた。しかも手作り。今までの料理からは考えられないくらいに美味しいチョコに仕上がっていた。こんなに美味しいものをいただいたからにはそれ相応のお返しをしないと…。それをお母さんに言ったら……

 

 

チチ「手作り!?そりゃもう本命だろ!?義理なわけねえだ!!」

 

悟飯「そ、そうかな…?」

 

チチ「なら悟飯もしっかりとお返ししねえとダメだぞ!!テストが終わったらチョコの作り方を教えてやるだ!!しっかりお返ししてやるだぞ!」

 

悟飯「う、うん………」

 

こうして、僕はホワイトデーに三玖さんに手作りチョコをお返しすることにした。三玖さんは抹茶が好きなんじゃなかったっけ?どうせなら抹茶チョコとかにしたいな………。

 

 

 

でも、実は三玖さんからだけでなく、五月さんからもチョコをもらった。

 

五月「そ、孫君…!良かったらこれ、どうぞ!」

 

悟飯「えっ…?いいの?」

 

五月「……あなただからあげるんですよ///」

 

そう。五月さんは僕のことを好きでいてくれている。だからこのチョコも…。

 

五月「三玖のように手作りというわけにはいきませんでしたが……」

 

悟飯「ううん、ありがとう!嬉しいよ!」

 

五月「ホワイトデー、期待してますね♪」

 

………失礼なのは承知だが、五月さんはホワイトデー目的で僕にチョコをあげたのでは?と考えてしまうような返答だった………。まあ頑張るけどさ。

 

 

 

 

そして、3学期の期末テストが終了し、結果が返ってきた。僕は一応全教科満点をキープしている。この結果だから順位は当然一位。しかし………。

 

風太郎「マジで恥ずい。一生の不覚…」

 

まさかの上杉君が点を落としたのだ。今までずっと満点だったのにも関わらずに……。

 

悟飯「す、凄い珍しいね……」

 

風太郎「本当に恥ずい……。家庭教師、俺に対してもお願いできないか…?金なら……」

 

悟飯「いや、お金は貰わなくてもいいって……。僕はもう十分もらってるから……」

 

風太郎「すまん…。働き始めたら返すから……」

 

悟飯「だからいいって!」

 

高校のテストで初めて満点を逃した上杉君は、相当悔しかったようだ…。

 

 

 

その後、五人からも結果を聞いたら、みんな赤点を見事に回避した。こうして僕たちの目標は達成されたわけだ。

 

でも、四葉さんが一番だったのは流石に予想外だった…。でも、目の前で四葉さんが努力している姿をこの目で何度も見てきた。だから別におかしいことでもなんでもないと思う。

 

ここまで本当に長かった………。でも、これで僕の家庭教師としての仕事は終わったのだろうか…?

 

そう考えると、少し寂しいな…。そう思いながら、二乃さんを迎えに行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

二乃「あんたを好きって言ったのよ」

 

 

予想外だった。まさか二乃さんが僕のことを好きだとは……。最初は僕を揶揄っているのかと思った。でも二乃さんの真剣な表情を見て、とても冗談を言っているようには見えなかった。

 

しかも、五月さんよりも積極的になるものと思われる。五月さんに対してどのように思っているのかだけでも手一杯だというのに、ここで二乃さんまで………。僕はどうすればいいのだろうか…。

 

誰に相談すればいいのかな…?お母さんに相談すると……

『五つ子なんだろ?纏めてお嫁さんにもらっちまうだ!』

などと、意味不明な発言をすることが目に見えている……。クリリンさんはマロンさんと18号さん……、今まで二人と付き合ったことがある。相談するならクリリンさんだろうか……?

 

ベジータさんは論外だよね…。恋愛なんてすっ飛ばしてブルマさんと結婚してそうだし……。あれ?そもそも結婚してるのかな?書類上は……?

 

天津飯さんは……そもそもどこにいるか分からないし、恋愛に興味は無さそうだしなぁ……。

 

ピッコロさんはそもそも性別がないって前に聞いたし、デンデも同様だ。

 

……ヤムチャさん…?少なくとも浮気をするくらいにはモテるんだよね?でもヤムチャさんもどこにいるのかは正確には分からないし……。ここは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よお悟飯!久しぶりだな!」

 

スキンヘッドとは程遠い毛量を生やしたクリリンさんが出迎えてくれた。戦いをやめたことを機にスキンヘッドもやめたそうだ。

 

悟飯「お久しぶりです、クリリンさん!」

 

18号「なんだい?相談ならそれ相応のゼニーは用意しなよ?」

 

クリリン「それくらいはタダで乗ってあげろよ……」

 

18号さんは相変わらずガメツイ…。

 

マーロン「こんにちは!悟飯さん!」

 

悟飯「こんにちは!マーロンちゃん!」

 

そして、18号さんの髪色に、クリリンさんの面影が残る顔をした女の子は、クリリンさんと18号さんの娘さんの、マーロンちゃんだ。クリリンさんと18号さんは、絶賛幸せな生活を送っている真っ最中というわけだ。

 

クリリン「俺に相談なんて珍しいな?戦いのことじゃなさそうだし……。そういや、この前セルみたいな気を感じたんだが……大丈夫だったか?」

 

悟飯「はい…。負けはしたものの、セルはそのまま宇宙に旅立ったそうで……」

 

クリリン「マジかよ…。悟飯やベジータでも倒せないとなると……。いよいよやべえな……」

 

でも、セルは僕たちを殺す気は全くないようだった。その気分が変わらない限りは安全だろうが……。

 

クリリン「でも俺に相談なんて、やっぱり戦いのことじゃないよな?もしかして恋愛かー?高校に通ってるんだもんなー?このこの〜!」

 

悟飯「………」

 

クリリン「ご、悟飯…?」

 

悟飯「実は、その通りでして……」

 

クリリン「マジかよ!?!?」

 

事情を察したのか、18号さんとマーロンちゃんは僕とクリリンさんの二人だけの空間を作ってくれた。亀仙人さんは18号さんに無理矢理どこかに連れて行かれちゃったけど………。

 

クリリン「それで、好きな子でもできたのか?どんな風に告白したらいいとかそんな感じの相談か?」

 

悟飯「………いえ、逆です」

 

クリリン「逆…?逆ってお前……」

 

悟飯「……はい。先日、告白されまして………」

 

クリリン「マジかよ…。まあ悟飯は顔も性格もいいからな!しかも勉強もできて運動もできる!モテない方がおかしいって話だよな!」

 

悟飯「いえ、一人だけならまだよかったんですよ」

 

クリリン「………まさか、2人?」

 

悟飯「告白されたのは……。でも、もしかしたらもう一人僕に好意を持ってくれてるんじゃないかと、お母さんが言ってまして……」

 

クリリン「その話詳しく」

 

三玖さんに手作りバレンタインチョコをもらったことを伝えると……。

 

クリリン「そりゃどう考えても義理じゃねえって…。料理下手な子がそこまで努力して作ったんだろ?本命じゃないわけないだろ……」

 

悟飯「そ、そうなんですか…?」

 

クリリン「しかし、3人もねぇ……。告白された二人には返事をしたのか?」

 

悟飯「いえ…。そもそも返事は不要って言われまして……」

 

クリリン「でもよ、これ言っちゃうとちょっとクズ男っぽくなっちまうけど、今の悟飯は選べる側だぜ?あまり難しいことは考えずに、この子と付き合いたいって思った子と付き合えばいいじゃん?勿論付き合いたくなかったら振ってもいいわけだし……。告白されたからといって必ずしも付き合わなきゃいけないわけじゃないぜ?」

 

悟飯「それはそうでしょうけど…。でも………」

 

クリリン「………まさかとは思うが、3人とも好きだなんて言わないよな…?」

 

悟飯「いえ。根本的な話になるんですけど、そもそも異性としての好きという感情が僕には分からなくて……」

 

クリリン「うーん…。そうだ!それならこう考えろよ!まずはその子とキスする想像ができるか!」

 

悟飯「……想像というか……」

 

クリリン「……おいおい、まさか付き合う前に……?」

 

悟飯「されました……」

 

クリリン「された!?凄え積極的な子だなおい!?じゃあその子とキスして嬉しかったかどうかだ!」

 

悟飯「……まあ、嫌ではありませんでした……」

 

クリリン「もう付き合っていいんじゃね?」

 

悟飯「いや、こういうのは慎重になった方がいいかなぁっと……」

 

クリリン「はぁ……まあいいや。次は、そうだなぁ…。その子を独占したいかどうかだな!」

 

悟飯「独占…?」

 

前に、前田君も言っていたような…?

 

クリリン「そうそう!その子が他の男といるところを想像してみ?少しでも嫌な気持ちにならないか?」

 

他の男…?上杉君とか……?いや、嫌な気持ちにはならないかな……?

 

悟飯「いえ、特に……」

 

クリリン「えっ?うーーん……。じゃあこれだ!相手のことばかり考えてるかどうかだ!!」

 

悟飯「相手のこと?」

 

相手のこと……。五月さんに対してどう返事をしようか未だに考えているし、二乃さんもつい先日のことで頭いっぱいだし、お母さんに言われて気付いた三玖さんの本命チョコ。まさか三玖さんまでもが好意を持っているとは思わなかった為、最近ずっと考えっぱなしだ。

 

…………えっ?じゃあ、僕は3人とも好きってことなの……?

 

クリリン「……まあいいや。とにかく!あまり難しく考えないこと!俺だって18号のことが好きだって気付いた時には、特に難しいことは考えずに18号を庇ったし、俺の方が弱いけど、守ってやりたい。そう思えるんだ」

 

悟飯「守りたい…?」

 

クリリン「そう。地球を守りたいとか、世界の人々を守りたいって気持ちとはまた別にな」

 

…………

 

 

クリリンさんからいいアドバイスは聞いたものの、核心を突くようなものは得られなかった。でもクリリンさんには感謝かな?多少は恋愛感情のことについて知ることができた。

 

 

 

そして家に帰ると……。

 

チチ「悟飯!こんなのが届いたぞ!」

 

悟飯「へっ?」

 

お母さんが見せてきたチケットをよく見てみると……。『虎岩温泉』という旅館に泊まれるチケットだそうだ。ご丁寧に3人分……。

 

悟天「お母さん!お泊まりに行けるの!?」

 

チチ「んだ!3人で行こうな!」

 

悟天「わーい!!やった〜!!」

 

悟飯「……ん?これは…?」

 

開いた封筒の中には、手紙らしき物もあった。差出人は、中野マルオ……。

 

マルオさんじゃないか?一体どういう意図だ…?

 

 

手紙の内容をサラッと紹介すると……

 

 

 

 やあ孫君。今回は本当にありがとう。これからも家庭教師、ボディガード共に励んでくれたまえ。

 さて、本題に入るが、君達家族にこの旅行券をプレゼントしよう。偶には家族で旅行するのも悪くないだろう?

 では、また今度会おう。

 

 

………とのことだった。

 

なるほど…。特別ボーナスみたいなものなのかな…?

 

何がともあれ、貰ったものを使わなくては無礼というもの。ありがたく使わせてもらうとしよう。

 

悩み事を一旦忘れてリラックスできる絶好の機会だ。

 

 

………と思っていた時期が自分にもありました…。

 




 やっと二乃をヒロインレースに参加させることができた……。これにてそれぞれのヒロインは確定。さてさてスクランブルエッグ編をどうするかですなぁ…。悟飯は気で5人を見分けることは容易いので、三玖が五月に扮してアレをやってもすぐに見破られますし……。時間がかかりそうだなぁ…()
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