孫悟飯は五つ子姉妹の家庭教師をするそうです【本編完結】   作:Miurand

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 前回のあらすじ…。
 二乃と一花は温泉で恋愛相談をするが、二乃の暴走っぷりに骨が折れそうになる一花。

 海で遊んでいた五つ子と風太郎と悟飯だが、突然空から人が落下。悟飯はすぐに救助し、マルオに見てもらうも、大事には至らなかった。

 夜、二乃に呼び出されて展望台にやってきたが、意図を察した悟飯は戻ろうとするが二乃に引き止められた。最初は脅しに近い形で二乃がキスを迫ったが、却下した。正々堂々と自分にぶつかる二乃の姿を見て、少々なやんでしまった悟飯。そこに、何故か五つ子の母親である零奈が現れる。
 その零奈は何故か超サイヤ人になった悟飯ともいい勝負をした。そして、そこに現れたもう1人の戦士が……。



絶望の未来、追憶編
第40話 絶望の未来の追憶


零奈「……どうしても、戦うというのですね?」

 

「全てはあなたを止め、五月を助けるためだ…!」

 

零奈「ならば、容赦しません!!」シュン

 

「…!」シュン‼︎

 

金髪に変化した青年の戦士は、高速で動く零奈とまともに張り合っていたのだか、二乃の目ではそれを認識することができなかった。

 

それよりも、二乃には気になることがあった。

 

二乃「……金髪になった…?」

 

今は二乃の腕の中にいる悟飯のように金髪に……。すなわち、超サイヤ人に変化したのだ。それだけではなく、その青年の姿を見て、一瞬悟飯だと錯覚してしまった。

 

二乃「……ハー君はここにいるわよね…?でも、あの人がハー君に見えたのは………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦士は片腕しかないものの、右腕と足を駆使して零奈の攻撃に対処していた。

 

零奈「流石ですね…!でも、人造人間を倒せないあなたが、私に勝てるとお思いで?」

 

「勝てる勝てないじゃない…!あなたを止め、五月を取り戻すには戦うしかないんだ!」

 

零奈「はっ!!」

 

 

ドカッ!!

 

ドコッッ!!!

 

 

「ぐっ…!!はぁ!!」バッ‼︎

 

 

零奈「…!!」

 

戦士は零奈から何発か攻撃を食らったものの、痛みを堪えて気弾を発射する。

 

零奈「ふっ…!!」

 

 

バシンッ!!

 

 

しかし、ハエを払うかのように零奈は気弾を弾いた。

 

 

シュン‼︎

 

 

零奈「…!!」

 

 

「だりゃあッ!!!」

 

 

ドコォォオオオッ!!!!

 

 

しかし気弾はフェイク。気弾に気を取られている隙に零奈の背後に周りこみ、戦士は零奈を地面に叩きつけた。

 

 

ドォオオオオオオンッ!!!!

 

 

「はぁぁあああ…!!!」バチバチッ

 

相手が浮かび上がってくる様子はないが、それでも戦士は次の技を準備している。右手に気を集中させつつ、相手の出方を伺っているようだ。

 

 

ガラッ!

 

 

零奈「……戦闘力で劣っているとはいえ、流石に一筋縄ではいきませんか…」

 

「今だ!!魔貫光殺砲ッ!!!!」

 

 

ビィイイイイイッッ!!!!!

 

 

なんと、戦士はピッコロが得意とする魔貫光殺砲を放った。

 

 

バチッッ!!!!

 

 

零奈「ぐっ…!!!」

 

 

魔貫光殺砲のスピードは予想以上に速かったのか、零奈は避けることができずにまともにくらってしまう。

 

 

零奈「……まさか魔貫光殺砲をも使えるとは……。流石ですね」

 

「………」

 

 

 

悟飯「……もう大丈夫」

 

二乃「ちょっと…!」

 

 

ボォオオオッ!!

 

 

悟飯は体力が回復し、再び超サイヤ人に変身した。

 

 

 

零奈「………」

 

 

スタッ

 

超悟飯「さっきはありがとうございました。僕も手伝います!!」

 

「……君も超サイヤ人になれるのか…?」

 

超悟飯「はい!」

 

零奈「……くっ…!ここは一旦引くべきのようですね…!!」

 

 

バシューンッ!!

 

 

2人を相手にするのは不都合だったのか、零奈は遠くに飛び立って姿を消した。

 

 

悟飯「……行ったか…」

 

「……そのようだね」

 

 

2人は超サイヤ人を解除し、元の黒髪に戻った。

 

悟飯「……ところで、あなたは何者なんですか?二乃さんのお母さんを知っていたようですし、超サイヤ人にもなれるし、何よりその道着は、僕のお父さんがよく着ていたものにそっくりだ……」

 

「……そうか。君が孫悟飯なんだね…」

 

悟飯「何故僕の名前を…?」

 

「それは後で話す。二乃がいるなら、一花、三玖、四葉、五月もいるかな?もしかしたら風太郎もいるのかな?できればその5人とも話がしたい」

 

悟飯「……!?」

 

目の前の青年は何故か風太郎と五つ子のことを知っていた。これにより、悟飯は青年の気、服装、技を見て、何となく正体は分かったのだが、確信するにまでは至らなかった。

 

二乃「なんであなたがあの子達のことを知ってるのよ…?」

 

「それも後で話す。そうだ。気絶していた僕を助けてくれたのは君なんだろう?礼を言わせてくれ」

 

悟飯「い、いえ!わざわざお礼なんて……」

 

「そのお礼と言ってはなんだが、オレの正体を洗いざらい話す。なんでここに来た目的も、あの零奈さんが何者なのかも……」

 

「……あっ、ところで、今はエイジ何年だか分かる?」

 

悟飯「今?今は確か…。エイジ774年です」

 

「……そっか。ということは、10年前か……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悟飯と二乃は、青年を五つ子の部屋まで案内をすることになった。旅館に入ったまではいいのだが、問題はその後…。

 

 

一花「あっ!二乃!」

 

マルオ「…二乃君、今までどこに行っていたんだい?」

 

二乃「そんなことはどうでもいいわ。取り敢えずこの2人と上杉も私達の部屋に呼ぶわね」

 

マルオ「……孫君と上杉君はともかく、この人は何者なんだい?さっき私が気絶していた彼の面倒を見ていたが……」

 

「…マルオさん…。初めまして……」

 

マルオ「……僕のことを知っているようだが……?僕のファン……ということはないだろう?」

 

「はい。マルオさんにもお話があります。娘さんのお部屋に入ることをどうかお許し下さい」

 

マルオ「僕にも話があると?それならここで済ませればいい。わざわざ娘達の部屋に入ることもないだろう?」

 

二乃「パパ。この人を入れてあげて。万が一この人が何か変なことをしようものなら、ボディガードがそこにいるでしょう?」

 

二乃は悟飯を見ながらマルオにそう言った。

 

マルオ「………ふむ。それもそうだね。だが長居は許さないよ?」

 

 

こうしてマルオの許可が降り、五つ子の泊まる部屋に、悟飯、風太郎、マルオ、青年が揃った。

 

一花「あっ、その人はさっきの……」

 

三玖「無事だったんだ」

 

四葉「良かったです!」

 

五月「……しかし、何故孫君と上杉君もいるんですか?」

 

風太郎「それは俺が聞きたい」

 

「よし、みんな集まったみたいだね。じゃあまずは自己紹介するよ。オレは10年後の未来からやってきた孫悟飯だ」

 

風太郎「孫悟飯だと…?いや、ただ同姓同名というだけかもしれんし……。だが10年後の未来からやってきただと?そんなことあり得るわけがないだろ?」

 

悟飯「……いや、この人は嘘をついてないよ、上杉君」

 

風太郎「はっ?いや、そんなはずは…」

 

五月「……だとすると、未来の孫君……ということですか?」

 

未来悟飯「ああ。その解釈で間違いないよ」

 

三玖「嘘……」

 

二乃「道理でカッコいいと思ったわ」

 

一花「なんか、こっちの悟飯君の方が頼もしいかも…」

 

四葉「あの、なんで左腕がないんですか?」

 

風太郎「四葉、そんなこと気軽に聞くもんじゃないぞ」

 

四葉「そ、そうですよね!すみません…」

 

未来悟飯「いや、気にしなくていいさ。オレの力不足で失っちゃっただけだから……」

 

マルオ「……君が仮に未来の孫君だとしよう。何故君はこの時代に来たんだい?」

 

未来悟飯「それは、タイムマシンを盗んだ零奈さんを追うためです」

 

マルオ「零奈さん……だって?」

 

マルオは、喪った愛する人の名が出てきたため、らしくもなく取り乱す。

 

風太郎「零奈…?零奈って……」

 

一花「お母さんのこと……だよね?」

 

風太郎「えっ?(こいつらの母親も零奈って言うのか…?)」

 

三玖「どういうこと…?未来なのにお母さんは生きているってこと?」

 

未来悟飯「いや違う。正確には、蘇らせたんだよ。五月が……」

 

五月「えっ…?わ、私が…?」

 

未来悟飯「あっ、勿論向こうの五月がだよ」

 

二乃「……だめだわ。話が全く見えてこないわ」

 

未来悟飯「そうだろうね。今からなんで零奈さんが蘇ったのか、オレがこの時代に来たのかを説明するよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは、もう一つの未来の話。

 

人造人間の危険性を伝えに来たトランクスが生まれ育った未来と物凄く似ているが、また別の未来の話。

 

今回は、何故未来の悟飯が来たのか、何故零奈が生き返ったのか。もう一つの未来世界での出来事を追いながら見ていこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

文化祭が終了した。風太郎は一花、二乃、三玖、四葉、五月の五人のうちの一人を文化祭最終日に選んだ。

 

その相手は四葉だった。だが、四葉は風太郎の前から逃げ出したしまった。風太郎が傷付かなかったといえば嘘になる。しかし、風太郎は諦めずに四葉に話をかける。

 

その努力は実り、2人は無事に恋仲になることができた。

 

二乃「結局、フー君は四葉に取られちゃったわね……」

 

一花「でも、本当に付き合い始めたのかな…?今日もいつもと変わらなかったもんね」

 

三玖「……もし付き合ってないなら、私がそのポジションにつけばいいだけ」

 

二乃「だめよ。フー君に添い遂げるのは私よ。これは決定事項よ」

 

五月「なに寝ぼけたこと言ってるんですか……。上杉君はもう四葉と付き合うことになったんですよ?」

 

二乃「分からないじゃない。もしかしたら些細な喧嘩で別れるかもよ?そしたら隙を見て私がフー君にアタックするだけだわ」

 

一花「あはは……。二乃は強いね…」

 

二乃「ま、安心しなさい。付き合ってる間に奪うようなことはしないから」

 

五月「ならいいのですが……」

 

 

 

 

「なあなあ、聞いたか?」

 

「人造人間がそろそろマヤリト王国を壊滅させそうなんだってな…。次はどこの国に行くんだろう……」

 

「マヤリトの軍事力でも対処できなかったんでしょ?大丈夫かしら……」

 

 

………そう。この世界は、孫悟空が心臓病で死に、ベジータ、ピッコロ、天津飯、餃子、ヤムチャ、クリリンなどのZ戦士が人造人間に殺されてしまった世界だ。だが、人造人間の被害はマヤリト王国のみに留まっているが、次の標的はどの国かと、世界中の人間が人造人間に怯える日々を過ごしていた……。

 

二乃「……人造人間……ね」

 

五月「何故そんなことをするのでしょうか……。理解できません」

 

人造人間に関する話題は毎日のように聞く。誰もが人造人間に怯えているからだ。

 

三玖「……もしこの国に来たら、私達はどうなるのかな……」

 

一花「……少なくとも私達じゃどうにもできないね……」

 

風太郎「お前ら、まだいたのか?先に帰って勉強してろって言ったのに……」

 

四葉「みんな待っててくれたんだ!」

 

二乃「遅いわよ、フー君に四葉」

 

一花「それじゃあ帰ろうか」

 

 

……皆さんは既にお気づきだろうが、この世界では、悟飯は旭高校に通っていないため、五つ子の家庭教師は風太郎一人である。

 

 

風太郎「……ったく、最近はどいつもこいつも人造人間の話ばっかりだな」

 

四葉「仕方ないですよ…。マヤリト王国があんな惨状になっているんですから……」

 

勉強以外のことに関心がない風太郎でも、流石に人造人間の件は知っていたようだ。

 

二乃「不安だわ…。もし人造人間が襲ってきたら、フー君が私達を守ってくれるかしら?」

 

風太郎「……できる限りのことはするさ」

 

四葉「無理しなくてもいいですよ、上杉さん」

 

風太郎「無理なんかしてないさ。お前がいなくなったら、俺はもう生きていけないかもしれん……」

 

四葉「う、上杉さん?///」

 

風太郎「……何言ってんだ俺。今のは忘れてくれ」

 

一花「ヒューヒュー!お熱いねえ!」

 

五月「全く…。浮かれてしまう気持ちは分かりますが、少し自重して下さい」

 

風太郎「すまん……」

 

 

こうして、今日も五つ子と風太郎は平和な日々を過ごしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

スタッ

 

17号「さて、次はこの辺にするか」

 

18号「そうね。ここら辺人間が多そうだし」

 

 

平和というものは、いつ如何なる時も、何が原因で崩れるかは分からないものなのだ……。

 

風太郎「じ、人造人間…!!」

 

二乃「う、嘘…!」

 

三玖「あ、あぁ……!!」

 

一花「お、落ち着こう…!みんな…!」

 

五月「と、取り敢えず肉まんを差し上げれば…!」

 

風太郎「それで大人しくなるのは五月だけだ…!!」

 

皆冷静さを保とうとするが、それは叶わなかった。

 

想定されていた最悪の状況が、今まさに訪れたのだから。

 

 

18号「ねえ17号?目の前に早速人間がいるけど、どうする?殺しちゃう?」

 

17号「まあ待て。そんなすぐに殺してしまったら、俺達の楽しみがあっという間になくなっちまうだろ?だからまずは街を破壊しよう」

 

18号「……なるほど。怯える人間どもの顔を見るのも悪くないかもね」

 

物騒な会話を何事もないごく普通の会話だと言わんばかりに表情を変えずに話していた2人は、それぞれ手を出し…。

 

 

17号「……」カァッ‼︎

 

18号「……」ズォオオオッ‼︎

 

 

 

ドグォオオオオオオオオオン!!!!

 

 

 

街の破壊を開始した。

 

風太郎「や、やべ…!逃げろお前ら…!!」

 

風太郎達はできるだけ人造人間から距離を取ろうとする。が……。

 

17号「まあ待てよ。逃げたところで俺達に怯える時間が伸びるだけだぜ?それでも逃げるって言うなら、好きにすればいいけどな」

 

高速移動で風太郎達のすぐ後ろまで移動してきた17号は、そのまま街の破壊を再開した。

 

風太郎「そ、そうだ…!らいはが…!」

 

五月「この時間ならまだらいはちゃんは中学校にいると思います!ですから私達も一旦学校に逃げましょう!」

 

二乃「いや、人の少ないところに逃げた方がよくない?学校じゃ目立ちすぎて、すぐに人造人間に破壊されるに決まってるわ!」

 

四葉「なら、どこに逃げれば…!!」

 

 

 

六人はどこに逃げればいいかも分からないまま、取り敢えず学校へと引き返すと……。

 

 

ドグォオオオオオオオオオン!!!!

 

 

「きゃあああああっ!!!!」

 

「人造人間だぁああああッ!!!!」

 

「とうとう日本にも来やがったッ!!!!!」

 

先回りされたのか、学校は既に火の海と化していた。

 

 

風太郎「嘘……だろ?」

 

四葉「み、みんなは…!?」

 

学校はすでに破壊し尽くされたのか、人造人間が近くにいる様子はなかった。

 

風太郎達は、生存者を探して学校を歩けるところだけで歩き回った。

 

風太郎「……お前、前田なのか…?」

 

血だらけになった前田に……いや、前田だったものに風太郎は呼びかけたが、返事はない。

 

武田「ははっ……。まさか人造人間がこんなにも早く襲来するとはね……」

 

風太郎「た、武田…!!」

 

武田「せめて、君にもう一度テストで勝利してから、死にたかったな……」

 

風太郎「何言ってんだよ武田!お前はまだ死んでねえだろ!!」

 

武田「無理だね……ここまで出血していては、もう助からないだろう……。意識も朦朧としてきた……。上杉君、付き合うことになったからには、中野さん達をしっかり守ってあげるんだよ……」

 

 

それが、武田の遺言となった。

 

風太郎「武田……!武田…!」

 

 

風太郎は武田にも呼びかけるが、もう返事をしてこない。

 

風太郎「くそ…!人造人間め…!!なんでこんなことを…!!!」

 

二乃「……フー君」

 

風太郎「二乃……、そっちは…?」

 

二乃「……だめ…。みんな死んでた……。2年生の頃の友達も、3年生になってできた友達も…!!」

 

風太郎「……っ!!」

 

一花「……こっちも」

 

三玖「……この学校の生徒で生きているのは、私達だけかも……」

 

四葉「どうして………どうして……!!」

 

五月「…………人造人間め…!!」

 

6人とも生存者を探し回ったが、誰一人として生き残っている者はいなかった。風太郎達は、今日は五つ子の家で勉強会をすることになっていたが、昨日は学校の図書室で勉強していた。幸いにも、風太郎達は偶然生き残っていたのだ。

 

風太郎「……少なくとも学校に残ってた奴らは………」

 

五月「どうしてこんなことをするんですか…!!こんなに壊して…!!!殺して……!!!!なんの得があると言うのですか!!」

 

 

17号「なんの得があるか……ねえ」

 

18号「人間共がこうして幸せそうに過ごしているのが気に食わないんだよ。私達だって本来ならそこにいたはずなのにさ」

 

二乃「………っ!!あんた達に何があったか知らないけど、それで他の人に八つ当たりするなんて最低よッ!!どうしてこんなことを平気で…!!!」

 

17号「俺達はもう人間じゃないからな。()()だからこそ、()()でこんなことができるんだろう?」

 

18号「あんたねぇ……。寒いダジャレ言うんじゃないよ」

 

17号「……さて、良ければ俺達がお友達のところに行かせてやろうか?まあ、片道切符だけどな」

 

人造人間の今度の標的は五つ子と風太郎。一瞬で学校をこのような惨状にできたのだ。今から走って逃げたとしても逃げることはできないだろう。かと言って人造人間に戦いを挑むのも無謀だ。

 

全世界の軍事力を結集させて、人造人間にぶつけたとしても、人造人間に傷一つ与えられるかどうかさえも怪しいというのに。

 

風太郎「……やるなら俺からにしろ」

 

17号「ほう?」

 

風太郎「俺は勉強しかできねえどうしようもない野朗だが、こいつらは違う…。こいつらは、俺とは違って明確な夢を持って前に進んでいるんだ…!だからこいつらは見逃してやってくれ!」

 

四葉「う、上杉さん!?」

 

二乃「フー君!?何言ってんのよ!?あんた死ぬわよ!?」

 

一花「そんな無茶な…!!」

 

五月「何を馬鹿なことを…!!」

 

三玖「ふ、フータロー…!!」

 

17号「……素晴らしい勇気だ。その勇気を称えて、俺がこの手でお前を殺してやろう」

 

風太郎「……じゃあ、あいつらは見逃してくれるんだな…?」

 

17号「ああ、俺はな」

 

風太郎「……なら」

 

 

 

「はぁああッ!!!」

 

 

カァッ!!!

 

 

 

17号「……!!」タンッ

 

 

 

ドグォオオオオオオオオオン!!!!

 

 

風太郎「うわっ!!なんだ!?」

 

四葉「上杉さん!!大丈夫ですか!?」

 

風太郎「あ、ああ……」

 

突如、17号目掛けてエネルギー弾が飛んできた。17号はそれにすぐに気が付き、難なく回避をした。

 

17号「……誰だ?」

 

18号「………さあ?初めて見る顔だね」

 

「………人造人間…!性懲りも無く街を破壊し…!人々を殺しやがって…!!!絶対に許さないぞ!!!」

 

山吹色の道着を来た少年が、17号と18号に向けて怒鳴りつける。

 

17号「………あいつ、孫悟飯じゃないか?」

 

18号「ああ。孫悟空の息子の?」

 

そう、彼はこの時間軸の孫悟飯。人造人間が現れてからというもの、勉強をすることを諦め、ひたすら修行に明け暮れていた孫悟飯。本来なら学者になる為に勉強したいところだが、彼の心がそれを良しとしなかった。

 

悟飯「ピッコロさん達の仇だ…!今日こそお前らを破壊する…!!」

 

17号「随分強気に出たな?」

 

18号「まあいいんじゃない?久々にちゃんとした相手が出てきてさ」

 

17号「そうだな。最近はただ街を破壊するのにマンネリを感じていたところだったからな。丁度いい」

 

悟飯「はぁあああッ!!」

 

 

ボォオオオッ!!!!

 

 

悟飯は超サイヤ人に変身し、17号に突撃する。

 

17号「ふっ…!」

 

シュン‼︎

 

17号「!!?」

 

17号が悟飯に蹴りを入れようとするが、悟飯はそれを回避した。17号と18号は気で相手を追うことができないため、目で追うしかないのだが、油断していたせいか見逃した。

 

 

ドゴォッ!!

 

17号「ぐっ…!!」

 

悟飯は17号の死界から17号に打撃を与えた。

 

 

18号「だぁああッ!!!」

 

 

ドカッ!!!

 

 

超悟飯「ぐっ…!!」

 

 

しかし、人造人間はそう簡単にやられるはずもなく、18号に仕返しをくらう。

 

 

超悟飯「…!!」ガシッ

 

18号「…!!?」

 

しかし、悟飯は痛みを堪えながら18号の足を掴む。

 

 

超悟飯「はぁああああッ!!!!」ブンブン‼︎

 

悟飯は18号を何回か振り回し、今にも崩れそうな校舎に18号を投げつけた。

 

 

超悟飯「はぁあああッ!!!」パッ

 

 

 

ドゴォオオオオオオオンッ!!!

 

 

18号が校舎に叩きつけられると、ついに衝撃に耐えられなくなったのか、校舎は崩れ始めた。

 

 

17号「はっ!!」

 

超悟飯「魔閃光ッ!!!!」

 

 

ドォオオオオオオッ!!!!

 

 

17号「なっ…!?」

 

 

ドグォオオオオオオオオオン!!!!

 

 

17号が悟飯の前に現れたが、悟飯はすかさず魔閃光で応戦し、17号に見事に当てることに成功した。

 

素人目で見れば、17号と18号相手に悟飯が優位に立っているように見える。

 

 

超悟飯「だだだだだだだだだッッ!!!!!」ババババッ‼︎

 

 

しかし、悟飯は攻撃をやめない。先程魔閃光を当てた17号を標的にし、気弾をこれでもかと言うほどに連射する。悟飯はここで17号を破壊するつもりなのが、誰がどう見ても分かるレベルだった。

 

 

一花「す、凄い……!」

 

二乃「もしかして…!人造人間をやっつけられるんじゃない!?」

 

三玖「あの人ならできるかも…!」

 

四葉「誰だか分かりませんけど、頑張れ〜!!!!!!」

 

五月「倒しちゃえ!!人造人間を倒しちゃってください!!!!」

 

風太郎「いける…!これならいけるぞ…!!」

 

誰もが悟飯の勝利を確信した。

 

 

 

シュン‼︎

 

 

ドゴォオオオオオッ!!!!!

 

 

超悟飯「がはっ…!!」

 

18号「甘いねぇ?ちゃんと死体は確認しておいた方がいいよ〜?はっ!!」

 

 

ズォオオオオオオオッッ!!!!

 

 

超悟飯「ぐわぁあああああッ!!!!」

 

瓦礫の下敷きになったはずの18号は、突然悟飯の前に現れ、悟飯に強力なエネルギー砲を浴びせた。

 

 

18号「まあ、久々に楽しい戦いだったよ。そりゃッ!!!」

 

 

ドゴォオオオッ!!!

 

 

 

ヒューーー

 

ドゴォオオオオオオオン!!!!

 

18号は悟飯を地面に向けて投げつけ、悟飯は校庭にクレーターができるほどの勢いで地面に叩きつけられた。

 

 

一花「そ、そんな…!」

 

二乃「嘘でしょ……!?」

 

 

6人は悟飯の勝利を確信していただけに、希望に満ちた顔が豹変し、一気に絶望に支配された顔になった。

 

 

18号「さて、今のうちにトドメを……」

 

 

シュン

17号「まあ待て、18号」

 

18号「なんだよ17号!」

 

17号「あいつはもう少し生かしておこうぜ?もう少し強くなれば、もっと楽しい戦いができるかもしれん。それに、俺達と張り合える奴は恐らく悟飯が最後だろう。楽しみを消すのは惜しい」

 

18号「………分かったよ。にしてもよく無事だったね?まるで無傷じゃないかい?」

 

17号「ああ、俺にはバリアがあるからな」

 

 

 

ヒュー スタッ

 

18号と17号は、五つ子と風太郎の前に着地をし……。

 

17号「お前ら、命拾いしたな?今の俺達は気分がいいから、お前らは生かしておいてやる」

 

18号「何してるんだよ17号。早く次行こうよ」

 

17号「ああ。そうだな……。じゃあな」

 

 

バシューン!!

 

 

ようやく五つ子と風太郎は、これまでに経験したことのない程の緊張感から解放された。

 

 

風太郎「た、助かった……のか?」

 

二乃「そのようね……」

 

三玖「あの人、まだ生きてるかもしれない…!助けてあげようよ!」

 

四葉「そうですね!」

 

四葉は悟飯が叩き落とされた場所に走って向かう。クレーターができてるとはいえ、人の足でも上り下りできる程度であった。

 

四葉「よいしょ……」

 

四葉は軽々と気絶して黒髪に戻った悟飯をおんぶし、風太郎達のところに戻ってくる。

 

四葉「すごいですよ!あれだけ物凄い勢いで叩きつけられたのに、まだ生きています!!」

 

五月「では、取り敢えずお父さんのところの病院へ急ぎましょう!!」

 

救急車は機能していないと判断し、自分達の足でマルオの病院へと足を運んだ。しかし…………。

 

 

五月「そ、そんな……!!」

 

三玖「お父さんは無事なの!?」

 

風太郎「くそ…!!ここもやられてたのか…!!」

 

 

マルオの病院は、既に人造人間の手によって、瓦礫の山に姿を変えていた。

 

二乃「ということは、江端さんも……」

 

悟飯「………ぐっ…!人造人間め…!!」

 

四葉「あっ、起きましたか?」

 

悟飯が喋ったことを確認し、四葉は悟飯に声をかけるが……。

 

悟飯「この野朗…!!よくもピッコロさんを…!!みんなを……!!!!」

 

……どうやら寝言のようだった。

 

四葉「……この人も、人造人間に家族や友達を殺されたのかな…………」

 

二乃「かもしれないわね……」

 

「………みんな、生きていたかい…」

 

四葉「……!!!」

 

風太郎「お父さん!!!」

 

マルオ「君にお父さんと呼ばれる筋合いはないよ」

 

なんと、マルオは生きていたようだ。

 

二乃「パパ!!生きてたの!?」

 

マルオ「ああ…。奇跡的に僕だけ助かったようだが、病院の中にいた患者や職員は…………」

 

五月「そう………ですか…………」

 

むしろ、この惨状でマルオだけでも生き延びていたことは奇跡と言えよう。

 

マルオ「娘達だけでも生きていてくれたことが嬉しいよ…。ところで、その人も怪我人かい?」

 

四葉「怪我というほどではなさそうなんですけど……」

 

マルオ「すまないが、僕の病院は見ての通りだ。今患者が来ても、何も対応ができない状況だ」

 

 

 

三玖「…………?あれは?」

 

三玖が空を指差した。みんながその方向に目を向けると、何やら飛行機のようなものが空を飛んでいた。その飛行機は、こちらの姿を確認したのか、その場に降りてきた。

 

降りてきた飛行機からは、一人の少々老けた女性が降りてきた。

 

「悟飯君!!良かった!!無事だったのね!!」

 

「悟飯さん!!」

 

四葉「あの、この人は……?」

 

「ああ。あなた達は悟飯君に助けられた人達ってことでいいのかしら?」

 

五月「ごはん……というのですか?もし四葉が背負ってる方を指しているのでしたら、その通りです」

 

「……なるほどね。とうとう外国にも手を出し始めたか………」

 

「くそ…!人造人間め…!!僕がもっと強ければ…!!!」

 

「仕方ないわよ、あんたはまだ9歳なんだから」

 

マルオ「……あなた、CCの社長のブルマさん……ですよね?」

 

ブルマ「残念ながらそんな会社は今ないけどね。パパとママが殺されちゃったから、一時的に私が社長をやってた時代もあったけど……。ちょっと待って?あなた白衣を着ているけど、もしかして医者?」

 

マルオ「ええ。これでも院長を勤めてました」

 

ブルマ「丁度いいわ!医者がいてくれるとこっちも助かるのよ!どうせ住む場所は破壊されちゃってるでしょ?付いてきてくれないかしら?」

 

二乃「えっ?悪いけど、私達は……」

 

マルオ「ありがとうございます」

 

二乃「ちょ、パパ!?」

 

マルオ「二乃君。君たちの家も人造人間によって破壊されていた。ここにいてもまともな生活を送る事はできないだろう」

 

二乃「そ、そんな…!!」

 

ブルマ「命があるだけあなた達は運がいい方よ?悟飯君にあとでお礼を言いなさいよ?」

 

五月「それは勿論ですが……」

 

ブルマ「せっかくだし、私の家に住む?一応私の家はまだ人が住める状態なんだけど……」

 

風太郎「ま、待ってください。俺には親父やらいはが………」

 

ブルマ「………私は空からここの周辺の様子を見渡すことができたんだけど…。この辺はもう建物が何一つ残ってなかったわ……。一瞬で人造人間が破壊しちゃったみたい……………」

 

風太郎「うそ………だろ……?らいは…!親父………!!!!」

 

四葉「う、上杉さん………」

 

なんということか。風太郎は家族を全員亡くしてしまった。母親は風太郎が幼い頃に事故死し、残された父親と妹は人造人間によって殺されてしまったのだ。いや、正確には殺されたところを見たわけではない。しかし、建物一つ残ってないと考えると、殺されてしまったと考えるのが妥当だろう。

 

風太郎にとって、その現実は到底受け入れ難いものだった。昨日までは何事もない平和な日々だったのに、数分で突如としてその平和は奪われ、家族も友人も奪われたのだ。

 

風太郎「くそ……!!!!親父ぃ…!!らいは……!!!!」

 

二乃「ちょ、ちょっと、フー君」

 

一花「…二乃、今はそっとしてあげて」

 

二乃「でも………」

 

一花「………いいから」

 

二乃「………っ…」

 

今の風太郎は見ている側としても辛かった。そのため、慰めの言葉をかけようとするが、今の風太郎には届かないだろう。

 

ブルマ「……取り敢えず、私の家で心と体を癒しなさい……」

 

 

こうして、五つ子と風太郎、マルオはブルマの家に居候をさせてもらうことになった。

 

 

 

 

この絶望的な世界での話は、次回に続く。

 




 未来悟飯が回想するような形になってます(悟飯視点ではないけど)。次回、次々回まではこのような形になります。現代での続編はもうちょいお待ちくだせぇ…。未来悟飯がなぜきて、なぜ零奈が蘇ったのかを丁寧にやっていきたいんで……。

 ということで、スクランブルエッグ編は一時中断して、「絶望の未来、追憶編」ということになります。

 ……何気に40話いっとる…。
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