孫悟飯は五つ子姉妹の家庭教師をするそうです【本編完結】 作:Miurand
悟飯が左腕を失った。これに危機感を覚えた五月は、人造人間の設計図を手に入れようとする。ブルマに聞き込み、Dr.ゲロという科学者が人造人間を作ったのではないかと絞り込み、その研究所に行くと、見事に人造人間の設計図をゲットした。
それと同時に、17号と18号を取り込むことによって究極の人造人間に進化するセルの存在を知るが、誕生前にトランクスが破壊した。
しかし、16号は未だに破壊していない。
トランクスと五月が西の都を離れている間に再び17号と18号が襲来。一花、二乃、三玖、四葉、風太郎は無残にあっさりと殺されてしまった。それを知った悟飯は、人造人間に対して激しい怒りを持った……。
※第22話を大幅に修正しました。悟飯が五月に襲われかけているシーンの地の文を悟飯視点から三人称視点に変更、微修正しました。今後の展開に大きな変更はないのですが、もし興味があればそちらもどうぞ。ちなみに変更前よりより過激になってます。なおR18ではないです。最近鬱展開が多いので、そちらを見て癒されるのもいいかもしれませんよ〜()
そのうち第22話のifでR18ものでも書いちゃおうかしら。つか書きたいんだけど、需要あるかな…?()
取り敢えず書いた場合はpixivには投稿する予定。こちらに投稿するかは未定。
超悟飯「貴様ら…!!絶対に許さないぞッ!!!」
ドシューンッ!!
17号「なっ…!?」
17号と18号は油断していた。彼らは悟飯のように気を感じ取ることもできないし、スカウターのような装置もない。よって、悟飯がパワーアップしていたとしても気づけないのだ。
ドゴォオオオオオッ!!!!
17号「ぐわっ!!」
17号は今までに経験したことのないような痛みに襲われる。どんな兵器だろうと、戦士の攻撃だろうと痛くも痒くもなかった。
だが、今の悟飯は一味も二味も違う。怒りによって眠っていた力が覚醒した悟飯だ。いくら人造人間でも今回ばかりは一筋縄ではいなかった。
18号「17号ッ!!この野朗…!!」シュバ‼︎
ここで、普段ならどんなに注意していても18号の拳が悟飯に命中していた。だが、先述の通り、今の悟飯は二味も違う。
ガシッ
18号「なっ…!?」
悟飯は逆に18号の腕を掴み……
超悟飯「おりゃあああッッ!!!!」
ヒューーン‼︎
18号を既に崩壊しかけていた建物に投げつける。
超悟飯「魔閃光ッッ!!!!」
ドォオオオオオオオオオオッッ!!!!
ドグォオオオオオオオオオオオンン!!!!!
普段は出せない威力の魔閃光を放ち、悟飯は今度こそ18号を破壊しようとした。無論、魔閃光だけで攻撃を終わらせるようなことはなく、気弾の雨を18号に向けて降らせた。
18号「しゃああああッッ!!!!」
しかし、18号はまだ無事のようだったが、その表情に余裕はない。まるで自分のプライドを傷付けられてイラついてるかのような表情だった。
超悟飯「はっっ!!!!!」
ドッッ!!!!!
18号「うっ……!!!」
悟飯は高速で向かってくる18号を、気合で一旦足止めする。
超悟飯「はぁあああああッッ…!!」
右手の人指し指と中指を頭に当てて、そこに気を集中させる。かつての師匠のピッコロから教わったわけではないが、間近でよく観察し、見様見真似でやってみたらできた技、魔貫光殺砲をトドメとして18号に放とうとしていた。
シュン‼︎
17号「貴様如きがよくもやってくれたなぁ!!!」
いつも一方的にボコボコにしていた悟飯相手に不覚を取ったからか、17号は少々冷静さを欠いていた。悟飯に急接近し、急所に打撃を当てようとするが……。
超悟飯「……!」バッ‼︎
17号「!?ッ」
悟飯は右手を17号に向けた。
超悟飯「お前が本命だッッ!!!!」
ビィイイイイイイイッッ!!!!!
バチッッ!!!
17号「ぐわぁああああああッッ!!!!」
ドォオオオオオオオオオオン!!!!
17号は身体が貫通することこそなかったが、魔貫光殺砲の威力に逆らえずに遥か遠くに飛ばされてしまった。
18号「粋がってるんじゃないよ…!人間風情がッッ!!!」ドシューン‼︎
18号は持ち直して再び悟飯にかかる。
ドカッ!!!
18号「ぐっ…!!」
ドコッッ!!!!
18号「な、なんで…!!」
ガシッ
18号「なっ…!?!?」
悟飯は接近してきた18号を蹴り、殴り、頭を掴む。
超悟飯「だぁぁりゃあああああッッれ!!!!」
ドンッッ!!
ドンッッッ!!!
ドンッッッッ!!!!
ドンッッッッッ!!!!!
悟飯は18号の頭を掴んだまま突き進み、幾つもの建物を突き破るが、そんなことはお構いなしに突き進み続ける。
18号「こんのぉおお……!!」ポワッ
この様には18号は相当頭にきたようで、容赦なく悟飯を殺そうと本気でエネルギー砲の準備をする。
超悟飯「………」ポワッ
18号「………!!!!!」
しかし、悟飯は18号の頭を掴んでいる右手でそのまま魔閃光を放つ。
超悟飯「はぁあッッ!!!」
ドォオオオオオオオオッッ!!!!
18号「くっっそぉぉおおおおおッッ!!!!一体どうやってそこまでの力を身につけたってんだいッ!!!」
超悟飯「お前らをもう許さないと言っただろう!今日!今ここで!!お前らを絶対に殺すッ!!!」
悟飯は片手を失ったにも関わらず、18号を圧倒するほどではないにせよ、確実に押していた。
一方その頃、トランクスと五月は……
トランクス「……!!悟飯さんの気が更に……!!」
五月「も、もう少しゆっくりにしてくれませんか!?そろそろ腕が……」
ィィイイイイイイイッッ!!!!
トランクス「なっ…!!?あれは悟飯さんの……!!?」
舞空術で移動していたトランクスと五月のすぐそばに、高速で迫ってくる一本の光があった。
トランクス「危ないッ!!!」
五月「わっ…!!!」
トランクスはそれにギリギリ気付き、間一髪のところで避けることに成功するが……。
ブォオオオオオオオオッ!!!!!
トランクス「うわぁああああッッ!!!?」
五月「お、おおお、落ちるッッ!!?」
その光から発生した風圧によってトランクスと五月が吹き飛ばされかけるが、なんとか持ち直すことができた。むしろ吹き飛ばされたことによって西の都がもう目の前の地点まで来ていた。
スタッ
トランクス「五月さん、大丈夫ですか!?」
五月「ううっ…。吐きそうですけどなんとか………」
無事に西の都に辿り着いた。
トランクス「そうだ…!人造人間がこの街にいるはず!悟飯さんに加勢しないと!!」
五月「上杉君や一花達は無事でしょうか?」
……ふと、周囲を見渡してみた。五月が降り立った場所は、幸か不幸か、悟飯と人造人間が遭遇した場所だった。
五月「……………………えっ?」
それは、つまり……………。
五月「うわぁあああぁああぁぁああああああッッッ!!!!!!!!!」
風太郎、四葉、一花、二乃、三玖の死体がある場所であった。
トランクス「ど、どうしました五月さん!?!?」
五月「一花!二乃!!三玖!!!四葉!!!!上杉君ッッ!!!!!」
五月は泣き叫びながら、友と姉達の名前を呼ぶ。しかし、返事はない。
トランクス「……なっ!?!?これは……!!!!!」
トランクスは五月が突然泣き叫び出した原因が分かったようだ。
トランクス「い、一花さん…」
描写こそされなかったが、トランクスが超サイヤ人になれずに落ち込んでいた時、一花はよくトランクスを励ましてくれていた。
『大丈夫だよトランクス君!頑張っていればいつかきっと報われるから!!私もそうだったから!!』
こうやって励まされたのが今でも鮮明に記憶に残っている。
そして、二乃。二乃はいつもブルマや三玖と共にご飯を作ってくれていた人。それでいて人には遠慮なく意見が言える人だった。
『いつまでウジウジしてんのよ。あんたがやらなきゃ誰がやるのよ』
厳しい時もあったが、彼女はとても優しかった。
続いて、三玖。彼女は控えめで大人しい印象だった。だが、よくトランクスを励ましていたのは三玖だった。
『私も昔は自分に自信が持てなかった。だけど、ある人のお陰で自信が持てるようになったんだ。だからトランクスも自信を持って!私は応援するから!』
四葉。彼女はいつも笑顔だった。子供達にも常に笑顔で元気よく話しかけ、子供達からの人気は熱かった。
『トランクス君。それくらいで孫さんは見捨てたりしませんよ!それに暗い顔してたら心も暗くなってしまいます!!常に笑顔でいれば、きっと何もかも上手くいきますよ!!!』
そして、風太郎。
彼は表立って人に親切することはないし、励ますようなこともあまりしない。だが、トランクスは知っていた。風太郎は充分思いやりのある人であったことを。五つ子のように直接言葉で励ますようなことはなかったが、風太郎は自慢の知識を用いて様々な雑学についてトランクスに語りかけていた。
どうにかして気を紛らわそうとしてくれていることがよく分かった。
『…お前は俺達よりも歳下なのに頑張り過ぎだ。たまには我儘を言ってもいいんだぞ』
不意打ち気味にこんなことを言われたこともあった。
そんな彼らが、人造人間に殺されてしまった。それを認識してしまった。見てしまった。
トランクス「うわぁあああああああッッ!!!!!」
プツンっ!!
トランクスの中で、何かが切れた。
ボォオオオオオオッ!!!!
超トランクス「うわぁあああああああああッッ!!!!!!」
トランクスにとって、彼らは新しくできた家族のようなものだった。それくらいには深く関わってしまった。
トランクスは、大切な人を失った見返りとして、超サイヤ人に覚醒することができたのであった。
だが、素直に喜べない。喜べるはずがない。
トランクスは雄叫びをあげながら、ひたすら金色に輝くオーラを増大させ続けるのであった。
お母さん。私、守れなかった。4人を守ることができなかった。母の代わりになると誓ったのに。母の代わりに導くと誓ったのに。
一花も、二乃も、三玖も、四葉も、5人の大切な上杉君も………守れなかった。
守れなかった。守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった守れなかった……。
どうして守れなかった?
………そっか。私がお母さんじゃないからだ。お母さんならきっと守ってくれたよね?私がお母さんの代わりなんて務まるはずなんてないよね?だって、お母さんはお母さんだけだもん。
…………そっか。そうだよね。
お母さんなら、人造人間だって簡単に倒してくれるよね?そうだよね?だったら私が天国からお母さんを呼び戻すね?
お母さん、きてくれルよネ?私が準備すルから、お母さんも準備してテネ?
そして、みんなの仇を打って。そして力不足だった私を叱っテ……?
私がお母さんの器を造ルから、もうちょっと待っててネ?
あれ?なんだろう?視界が広くなった気がする。頭が冴えてるような気がする。私、どうしたんだろう?こんな感覚は初めてだよ。
今なラ何をやッテもウまくいク気がスる……。
五月「あはっ…。あはは………あはははっ!!!あはははははハはっ!!!!あははハはハはッッ!!!!あはハハハハハハッッ!!!!!」
そうダ…!!私ガ人造人間ヲ作ればイイ!!お母さんヲ人造人間とシテ蘇らせレバいいンダ!!
なんダ。こンな簡単ナこと、何デ今まで思いつカなかっタんだろウ?
五月「待っててみんなぁ…!お母さんが仇を打ってくれるからぁ…!!お母さんが仇を打ってくれたら、私もそっちに行くからァ!!!!」
五人の死によって、トランクスは超サイヤ人に覚醒した。
それと同時に、五月の中の何かが覚醒した。…………というよりは、壊れてしまったのだろう。正気という名の心が………。
五月「今に見てろよ人造人間ッ!!!私の姉をッ!!上杉君を殺したことを今に後悔させてやるッッ!!!!!」
スタッ
17号「くっ……!孫悟飯め…!いつの間にあんな力を……!!!」
超トランクス「……!!人造人間…!!貴様ぁああ…!!!!」
ドシューンッ!!!
トランクスは17号を見つけると、すぐさま飛びかかった。殺された者達の仇を打つ為に。
17号「ガキまで超サイヤ人になってるのか…!!」
17号はトランクスが覚醒していたことに驚きはした。だが……。
ドコッッ!!!!
超トランクス「がっ……!!!」
17号「だがお前など相手にならん」
いくら超サイヤ人に覚醒したとはいえまだ成り立てだ。トランクスでは17号に敵わなかった。
超トランクス「よくも…!よくも…!!よくもぉおおおおッッ!!!」
ドゴォオオオッ!!!
17号「ぐっ…!!!」
しかし、トランクスは負けじと17号に仕返しをする。だが、大したダメージになっていない。
17号「ふん。少しはできるようだな。なら、これはどうだ?」シュン
超トランクス「……!?」
ドカッ!!
超トランクス「ぐっ……!!」
ドコッッ!!!
超トランクス「うおっ…!!」
17号がスピードを強化すると、超サイヤ人に覚醒したトランクスでも目に追えなくなっていた。それもそのはず、超サイヤ人に覚醒し、なおかつ数年修行した上で、怒りによって限界以上の力を出している悟飯でやっと人造人間を押せたのだ。トランクスにはまだ荷が重すぎた。
17号「死ね」
カァッ!!!!
17号はトドメの一発を放つ。かなり疲弊したトランクスでは避けることは難しいだろう。
バシンッ!!!!
17号「なに……!!?」
超悟飯「大丈夫か、トランクス?」
超トランクス「ご、悟飯さん……」
18号と戦っていたはずの悟飯が駆けつけた。
超トランクス「すみません。俺、また悟飯さんの………」
超悟飯「…………超サイヤ人になれたんだな…。君はゆっくり休んでるんだ」
超トランクス「でも………」
超悟飯「オレが片付ける。だから安心して眠っていろ」
超トランクス「……悟飯、さん……」
シュイン…
トランクスは悟飯の言葉に安心したのか、超サイヤ人状態を解除して眠りについた。
超悟飯「…………さて、ようやく戻ってきたか、17号。お前はもう終わりだ…!!!」
17号「ふざけたことを…。お前に俺を倒せるとでも…?」
超悟飯「今のオレならできるさ…」
スタッ
18号「17号!今の悟飯は相当強いよ!!今のうちにやっちゃおう!!」
17号「そうだな」
「「はっ!!!」」
ズォオオオオオオオオオオオッッ!!!!
二体の人造人間は悟飯の飛躍的な成長を危惧したのか、フルパワーで一斉にエネルギー砲を放った。
超悟飯「……(お父さん…!奴らを破壊できなくてもいい…!奴らを追い返せるだけの力を下さい…!!!)」
悟飯は薄々気付いていた。今のパワーでも人造人間を倒す決定打にはならないだろうと。
超サイヤ人に覚醒したトランクスを見て、もう少し時間稼ぎをしたかったのだ。
超悟飯「今なら…!あの技を打てる気がする…!!!」
悟飯は右手に青い光を生成する。
超悟飯「かーめーはーめー…!!!」
この時、悟飯は初めて父が多用していたかめはめ波を作ることに成功した。
超悟飯「波ぁあああああああああああああッッ!!!!!!」
ズォオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!!!!!!
18号「なっ…!?」
17号「そんな馬鹿な……!?!?」
悟飯のかめはめ波は次第に二体の人造人間のエネルギー砲を押し始めた。
17号「人間なんかに、俺達が負けるはずが……!!!」
超悟飯「波ぁあああああッッ!!!」
ズォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!!!!!
悟飯はなんとか人造人間を追い払うことに成功した。17号と18号はかめはめ波に押し出され、遥か遠くで爆発をした。
シュイン…
悟飯「はぁ………はぁ……………(これで人造人間を破壊できていればいいんだが…、そんな都合のいい話があるわけないか………)」
悟飯は全ての力を出し切ってしまい、超サイヤ人の状態を保てなくなってしまった。
悟飯「くそ…!!オレがもっと早く気づけていたなら…!風太郎も!一花も!二乃も!三玖も!四葉も!!みんな死ぬことはなかった…!!くそ…!!!くそッッ!!!!」
悟飯は右手を何度も地面に叩きつけ、後悔の念をぶつけていた。
悟飯「……五月」
五月「あはっ…。孫君?」
オレは五月に合わせる顔があるのだろうか?五月と初めて会った時、オレの力不足で彼女達の故郷は人造人間に蹂躙された。そして今度はどうだ?またしてもオレが頼りないばかりに、殺されてしまった……!!
五月「大丈夫ですよぉ…!私、全然気にしていません!!」
悟飯「い、五月…?」
五月「もうすぐお母さんが戻ってきてくれます。そうすれば人造人間なんて木っ端微塵です!」
………今の五月は何かがおかしい。よく見ると、頬に涙が流れた跡がある。やっぱり泣いてたんだ……。泣かない方がむしろおかしいさ……。
………じゃあ、何で五月は笑っているんだ………?
五月「あはははッ!!人造人間が恐怖に怯える顔を想像すると…!!私はなんでもできる気がしてしまうんです!!待っててねみんな…!!お母さんがみんなの仇を打ってくれるから…!!!!私が打たせるからぁ!!!!!!」
…………正気じゃない…。きっと一気に5人殺されておかしくなっちゃっんだ…!
悟飯「五月…!君はゆっくりしているんだ!!心が疲れ切っているんだろう?あとのことはオレに任せて………」
五月「お断りします。私にはやらなければならないことができたので……」
悟飯「い、五月!!!」
その日以来、五月はおかしくなっていった。
ブルマ「五月ちゃん!ご飯もういらないの?」
五月「いりません」
最初は些細な違いだった。ご飯を食べる量が減ったくらいだ。
マルオ「五月、ちゃんと睡眠できているかい?この頃毎日のように研究に没頭していると聞いたよ。少し休んだ方が……」
五月「大丈夫です」
いつからだろうか。五月の目の下に隈が当たり前のようにできていたのは…。
ブルマ「五月ちゃん!!具合悪そうよ!!今日はゆっくりしてなさい!!」
五月「お構いなく」
トランクス「だめです!無理して倒れてしまっては元も子もありません!!」
マルオ「五月、せめて今日は休んでくれ。君の体調が心配だ」
五月「………うるさいなぁッッ!!」
ブルマ「ひっ…!!」
いつからだろうか。周りの人を拒絶し始めたのは………。
五月「もうすぐ……!!もうすぐで…!!!」
いつからだろうか……?女性らしいふくよかな体つきから、あんなにもやつれて痩せこけていたのは……。
悟飯「い、五月……!!それは…!!?」
五月「………お母さんです」
いつからだろうか……?母親の墓を掘り出して、骨壷を取り出すような奇行に走り出したのは…………。
五月「孫君、見て下さい…!!もうすぐで私のお母さんが蘇ります!!」
いつからだろうか?骨からDNAを採取し、クローンを造り出すようになったのは…………。
五月「あははは!!達人達の戦闘データをゲロの研究所から盗んできました…!!これをお母さんに覚えさせれば……!!!!」
悟飯「五月…!こんなことはもうやめてくれ!!」
いつからだろうか?母親のクローンを改造し始めたのは……………。
五月「…………」
悟飯「…………」
いつからだろうか?
オレと五月が言葉を交わさなくなったのは………………。
時はエイジ784年。
風太郎達が死んでから、もう6年という時が過ぎた。
オレとトランクスは以前よりも強くなったが、それでもあの時ほどの力を出すことはできなかった。
それでも修行し続けた。トランクスの成長は著しく、あと少しでオレを超えるんじゃないかという気さえしてきた。
悟飯「流石ベジータさんの息子だ…。もう少しでオレは抜かされちまいそうだ」
トランクス「そんなことありません…!!俺なんかまだまだですよ!」
ドグォオオオオオオオオオオオン!!!!
トランクス「あっちは…!西の都…!!」
悟飯「またか…!!」
ボォオオオオオオッ!!!!
超悟飯「トランクス!行くぞ!!」
ボォオオオオオオッ!!!!
超トランクス「今度こそみんなの仇を打つッ!!!!」
ドシューンッ!!!!!
17号「なかなか現れないな、孫悟飯」
18号「結構長い間放置しちゃったけど大丈夫?」
17号「大丈夫だ。俺達だってトレーニングして以前よりもパワーアップした。そうだろう?」
18号「まさか悟飯があそこまでパワーアップするとは思わなかったからね…」
17号「今の俺達なら大丈夫さ」
人造人間達は相変わらず暴れ回っていた。街を蹂躙し、人々をなんの躊躇もなく殺していた。
五月「とうとう現れましたね、人造人間」
そこに、髪はボサボサになり、身体がやつれて、目の下に隈ができた、最早別人のように成り果てた五月が姿を現した。
17号「……おや?お前は……」
18号「ああ……。あの時の……。なんの用だい?身内に会いたいなら、私が送ってあげるよ?」
五月「………ハッ!!何をほざいているんです?この日をどれほど待ち侘びたことかッ!!」
五月の後をついて行くように、一人のめちゃ美人な女性が姿を現した。
「………五月、彼らが一花達を殺したんですね……?」
五月「そうです…!遠慮なく破壊しちゃって下さい、『お母さん』」
………五月は、一体の人造人間に対してそう呼んだ。
零奈「許さない…!!よくも娘達を…!!!!」
シュン‼︎
ドゴォオオオオオッ!!!!
18号「がはっ……!!!」
17号「じゅ、じゅうはち…」
ズォオオオオオオオオオオオッッ!!!!!!
18号は零奈が放ったエネルギー砲で呆気なく消滅した。
17号「ば、馬鹿な!?18号ッ!!!?」
五月「あははははッッ!!!いいですねぇその顔ッッ!!!今まで散々人殺しをしてきたんだッッ!!!!恐怖に溺れた末に無様に死ねばいいですッッ!!!!それが、私の姉妹に!!上杉君に手をかけたてめぇらへの判決だッッ!!!!!」
17号「この野朗……!!!」
カァッ!!!
五月の発言が頭にきたのか、17号は五月に1発の気弾を発射する。
シュン
零奈「……娘に手出しはさせません!」
バシンッ!!!
しかし、零奈によって弾き返された。
17号「ば、馬鹿な…!!なら、これでどうだッッ!!!!!」
ズォオオオオオオオオオオオッッ!!!!!!
17号は以前よりもパワーアップしたエネルギー砲で零奈を倒そうと試みる。
零奈「ハッ!!!!」
ドグォオオオオオオオオオオオン!!!!
17号「な………んだと……!!?」
しかし、零奈の気合によって相殺されてしまった。
17号「な、何故だ…!!何故貴様にこれほどの力がある!!人造人間でもないのに!!!」
五月「いえ、人造人間ですよ。歴としたね……」
17号「ば、馬鹿な…!!人造人間は俺達が最新型のはずだ!!旧型は16号を除いて排除されたはずだ!!!」
五月「私が作ったんですよ。盗み出したあらゆる人造人間の設計図を参考にして、私が一からね!!」
五月は一旦零奈のDNAを採取し、クローンを作った。そこからクローンに人造人間化改造を施し、セルにも使用された達人達のデータをインプットすることによってわざわざ達人達の細胞を用いなくても、零奈の姿を保ったまま強力な人造人間を造り出すことに成功したのだ。
零奈の記憶は、五月の記憶を元に生成されたものである。
五月「名付けるとするなら、人造人間
17号「なっ…!!?」
そう。この零奈こそが、現代にて悟飯と二乃の前に突如として姿を現した零奈の正体だった。
Dr.ゲロが造った人造人間ではなく、五月が人造人間を作り上げたのだ。全く新しい人造人間を……。
Dr.ゲロは、孫悟空に復讐する為に人造人間を造った。
五月は、17号と18号に復讐するために造った。
皮肉なことに、対象は違えど、五月の目的はDr.ゲロと全く一緒だった。
人造人間とは、強力な復讐心を持った人間から生み出される者のことを言うのかもしれない……。
零奈「………私の娘に手をかけた罪は決して軽くありません。死になさい」
ドグォオオオオオオオオオオオン!!!!!
17号も18号のように呆気なく破壊されてしまった。
五月「あハッ!!あははははははははははッッ!!!!私やったよ!!みんな見てるッ!!?お母さんが仇を打ってくれたよぉおおッ!!!!あははははははははッ!!!!!私もそっちに行く………から…………………」
ドサッ………
五月は今まで溜めに溜めてきた疲労に耐えられなくなったからか、それとも復讐を果たして心が落ち着いたからだろうか。五月は糸が切れた操り人形のように倒れてしまった。
零奈「……!!五月…!!五月!!」
17号を撃破した零奈は、倒れた五月の元に駆けつけた。
零奈「しっかりして下さい!五月!!」
スタッ
超悟飯「なっ…!?どうなっている…!?人造人間が………」
超トランクス「た、倒された……のか!?」
零奈が17号を破壊する様子を、悟飯とトランクスはギリギリ見ることができた。
超悟飯「と、とうとう完成したのか…!五月の人造人間が…!零奈さんが……!!!」
零奈「五月………」
超悟飯「……五月の気が…!五月は無理をしすぎたんだ…!!もう助からない…!!」
超トランクス「そ、そんな…!!なんとかならないんですか!?」
超悟飯「………」
五月は過労死する。悟飯はそう捉えたのだろう。だが、五月が死ぬことはなかった。
零奈「………私と共に探しましょう。一花を、二乃を、三玖を、四葉を……」
バシュッッ!!!!
超悟飯「なっ!!」
超トランクス「なにを!!」
零奈が五月に手を触れると、五月と零奈が突然光出した。五月が次第に光へと変化し、零奈に吸い込まれていく。
超悟飯「五月ッ!!!??」
やがて、五月だった光が零奈のオーラとなり、零奈と五月は一つになった。
零奈「………タイムマシンというものがあるのですね………」
バシューンッッ!!!
超悟飯「まずいッ!!」
バシューンッッ!!
零奈が突然飛び立ったので、悟飯もそれを追いかけることにする。五月が零奈に取り込まれて混乱していたが、五月を助けることが最優先であった。
ブルマ「えっ…!?ちょっとなに!?」
零奈「すみません。借ります」
零奈は器用にタイムマシンを操作して起動し、今にも過去に飛び立とうとしているところであった。
ブルマ「ちょっと待ちなさいって!!あなた何者!?」
超悟飯「……!(過去に飛ばれてしまったら、五月も二度と……!!)」
超悟飯「逃すかぁああッッ!!!」
ガシッ
悟飯はタイムマシンの足の部分を掴んだ。
シュン‼︎
それと同時にタイムマシンは悟飯と共に姿を消した…………。
未来悟飯「…………これが、オレがこの時代に来た理由と、零奈さんが蘇った理由です…………」
五月が生み出した人造人間零奈は、17号と18号を破壊し、過労死寸前の五月を吸収し、タイムマシンを盗み出して過去に飛んだのだ。悟飯はタイムマシンにしがみつくことによってなんとか現代まで追いかけることができたのだった………。
絶望の未来、追憶編(完)
ということで未来の回想編は今回にて終了。再び現代に戻ります。五月を如何に狂わせるかで苦労したなんて裏話があるのはまた別のお話。五月の闇堕ちに関してはある方の作品を参考にさせていただいています。五月が闇堕ちした作品はそれ以外に私は知らないので…。勝手に参考にしちまってすみません。
零奈が悟飯達の前に初めて現れた(39話時点)で零奈の正体が分かった人います?39話時点でですよ。流石にいないかな…?いや、一人か二人は流石にいるか……。
ここにきて、没にしたオリキャラを紹介します。
・中野六海(人造人間623号):製作者はDr.ゲロのコンピュータ。性別は男。無からではなく、五つ子の細胞を集めて合成し、戦士のデータをインプットした人造人間。ある人物達を吸収することによってセルを圧倒する人造人間に進化する。
てな感じのキャラを考えてました。だけど無理があると判断&オリキャラ反対派の方が結構いたので没にしました。そもそもなんでDr.ゲロのコンピュータが五つ子の細胞を使うか意味不明。ここが一番重要な欠点でした。
そこで代打となったのが零奈。さらに製作者を未来の五月に変更しました。こうすることによってある程度造られる理由ができたし、病死した零奈を擬似的に生き返らせることができるし、未来悟飯を本編に登場させることができるし、オリキャラが苦手な人でも安心できるというように良い事尽くめでした。
そんな経緯で生まれたのが人造人間零奈(07)でした。
やべぇよ!次回分できてねぇ()