孫悟飯は五つ子姉妹の家庭教師をするそうです【本編完結】   作:Miurand

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 前回までのあらすじ…。
 未来の世界では、風太郎と一花、二乃、三玖、四葉の五人が殺されたことによって、トランクスが超サイヤ人に覚醒し、五月は心が完全に壊れて、なりふり構わずに母親である零奈をベースにした独自の人造人間を開発した。その人造人間はあっという間に17号と18号を破壊できるほどの強さを持つという……。そんな人造人間は未来の五月を吸収した後に、この時代にやってきたという。

 果たして、人造人間の目的は…?


第8巻(下)
第44話 お悩み相談?


悟飯「五月さんが人造人間を造った……!!!?」

 

風太郎「おいおい。意味が分からねえぞ?五月がサイボーグを?」

 

一花「うわぁ………。私達そっちの世界じゃ殺されてるんだ………」

 

二乃「……」ポロッ

 

未来悟飯の話を聞いた各々の反応はそれぞれだったが、二乃に至っては、あまりにも絶望的な話だった為か、涙を流している。

 

しかし、未来悟飯は全て赤裸々に話したわけではない。四葉と風太郎が付き合っていた事は伏せているし、他の四人も風太郎に惚れていたことも伏せている。これは、不用意に歴史を変えることを防ぐ為だろう。

 

五月「私、そんな風になっちゃったんですか…?信じられません……」

 

四葉「そんな酷い人たちがいるんですね………」

 

三玖「………」

 

 

五月は別世界の自分が零奈を甦らせたことを信じることができないし、四葉は非道の限りを尽くしていた二体の人造人間に若干引いていたし、三玖に至っては無言のままだ。

 

 

マルオ「……人の為に戦うところは本当に孫君なのだね…。しかし、零奈さんをこの目で見るまでは君の話を信じる事はできない。確かに君は孫君に似ているが、時代を移動できるなど考えられない」

 

未来悟飯「そうですよね…。そう簡単に信じることなんてできないと思います……」

 

案の定、マルオは未来悟飯の話を信じていなかった。しかしそれも無理はない。タイムマシンというものがこの場にないわけだし、肝心の零奈もいない。

 

 

二乃「パパ。確かにママがさっき現れたわ。あれは間違いなくママだった」

 

一花「ほ、本当にお母さんだったの?」

 

二乃「ええ。あくまで外見はね……」

 

 

もしも本当に零奈ならば、五つ子にとってはこれ以上ない幸運。母親と再会できるのだ。それを嬉しく思わない子供はごく少数にとどまるだろう。

 

 

未来悟飯「ところで、この世界はどうなってるんです?少なくともこの国は平和なようですが……」

 

四葉「今はどこも平和ですよ!7年前にセルという怪物が現れましたが、そこにいる孫さんが倒してくれたので!!」

 

未来悟飯「……セル?セルってなんだい?」

 

別世界のセルが新たに現れたりもしたが、そこには触れないでおく。

 

悟飯「セルというのは、あらゆる戦士の細胞を寄せ集めて造られた人造人間なんです。17号さんと18号さんを吸収することによって完全体となって、究極の人造人間になるんです……」

 

未来悟飯「そんな人造人間までいるのか…!?聞いたことないぞ!?待て…!それよりも、今、人造人間をさん付けで呼んだのかい?一体どういうことだ…?」

 

悟飯「……僕達の世界での17号さんと18号さんは、決していい人ではなかったんですけど、不用意に街を破壊したり人を殺すような悪人ではなかったんです。あなたには受け入れ難い事実かもしれませんが………」

 

未来悟飯「あ、ああ…。あの人造人間達が……?信じられない………。しかし、そんな究極の人造人間を君は倒したというのかい?」

 

悟飯「は、はい……。お父さんが犠牲になってしまいましたが……」

 

未来悟飯「…?どういうことだ?お父さんは心臓病で死んだんじゃなかったのか…?」

 

悟飯「そのはずだったんですが、今から約10年前にトランクスさんが未来からやってきて、特効薬を渡してくれたんです。同時にトランクスさんから人造人間が現れることも聞きました」

 

未来悟飯「……トランクスが…?」

 

トランクスの世界では、既に悟飯も人造人間によって殺されてしまったという話は聞いていた。つまり、この未来悟飯はトランクスの世界とはまた別の未来から来たのだと思われる。

 

悟飯「かなりややこしくなってしまいますが、トランクスさんの世界もあなたの世界と似たような境遇だったそうです。トランクスさんが未来から来て歴史を変えてくれたから、今のこの世界があるんです……」

 

未来悟飯「そっか……。トランクスが………」

 

 

 

一花「にしても五月ちゃん。天才なんだね……」

 

四葉「未来で科学者になれるならきっと先生にもなれるよ!!」

 

五月「ええっ!?そ、そんな!私なんて…!!」

 

二乃「……確かに、五月は未練がましく母親の行動を真似ることはあるけど、まさかそんな形で生かされるとはね…」

 

 

 

悟飯「……一旦話を整理しましょう。あなたの目的は、そちらの五月さんを助けること……そうですよね?」

 

未来悟飯「ああ。それで間違いないよ。今となってはどこに零奈さんがいるのか分からないけど………」

 

悟飯「………その零奈さんは、何故五月さんを吸収したんでしょう…?」

 

未来悟飯「それが分からないんだ……。全くもって分からない…。過労死で今にも死にそうな五月を庇う為に取り込んだとも取れる。だけど、それならわざわざ過去に飛ぶ必要はないんだ」

 

悟飯「………いや、待って下さい。二乃さんが突然光出したのって………」

 

未来悟飯「………五月が取り込まれた時と同じだ……。ということは……」

 

 

「「二乃(さん)を吸収しようとした!?」」

 

 

二人の悟飯が見事にハモりながら結論を導き出した。

 

 

二乃「ふぇッ!?!?」

 

マルオ「二乃君を……?」

 

一花「二乃は別に死にそうじゃなかったよね…?」

 

三玖「単純に娘だったからとか?」

 

四葉「…………もしかして、五人で一緒にいること………」

 

四葉の言葉に、全員が耳を傾け始めた。

 

四葉「昔、お母さんに言われました。大切なのはどこにいるかではなく、五人でいることだって……」

 

風太郎「ああ。そういえばそんなことを言ってたな」

 

マルオ「つまりその零奈さんは、娘達が五人で共にいることを望んでいるということか……」

 

悟飯「……もしかして、5人とも取り込もうとしている……?」

 

 

「「「「「えっ……??」」」」」

 

 

当事者になりうる五つ子が呆然としてしまう。自分が誰かに吸収されるかもしれないなんて言われてしまえば、危機感が芽生えても仕方ない。

 

 

 

一花「そ、それって私も!?」

 

二乃「私はやられかけたし……」

 

三玖「私も…?」

 

四葉「ええ!?いくら五人一緒とはいえ、そこまで!?」

 

 

悟飯「……未来の五月さんは、あらゆる人造人間を参考にしながら零奈さんを造ったんですよね?」

 

未来悟飯「ああ。そうだけど……」

 

悟飯「その中に、セルという人造人間は……含まれていたら、セルのことを知らないはずはないですもんね………」

 

未来悟飯「いや、もしかしたら参考にしていた可能性はある。五月は目的こそ教えてくれたけど、詳細までは教えてくれなかったんだ」

 

悟飯「……なら、セルを参考にしている可能性もあります。あの零奈さんはかめはめ波も使ってきました。人造人間の中でそれができたのはセルだけ……」

 

未来悟飯「………言われてみれば、17号と18号はオレが知っている技は使ってなかった………」

 

悟飯「セルも参考にされていたとなると、誰かを吸収することによってパワーアップする仕組みを開発していても不思議じゃないですよ。人造人間を造ることができるなら、それも可能なんじゃないでしょうか?」

 

未来悟飯「……なるほど。つまり、五月は零奈さんの教えを反映して、一花、二乃、三玖、四葉も含めた五人を吸収することによって完全体になるように開発した可能性がある………。そう言いたいんだね?」

 

悟飯「はい………」

 

 

生きてきた環境が違えど、同じ孫悟飯だからだろうか。互いに理解が早く、会話がスムーズに進んでいるが、他の者はなんの話をしているのかよく分からない様子だ。

 

悟飯「……となると、完全体になったら今の僕でも手に負えない可能性がある…。早く零奈さんを見つけ出した方がいいですね……」

 

未来悟飯「………いや。破壊する」

 

 

「「「「「えっ…!?!?」」」」」

 

 

偽物とはいえ、母親を破壊すると言い出した未来の悟飯に、五人は驚きの声をあげた。

 

 

マルオ「…待ってくれ。その零奈さんは悪者なのかい?そうでもないなら……」

 

未来悟飯「そんな甘いことは言っていられません。あの零奈さんは人造人間であり、五月が人造人間を憎みながら開発したんです。いつどこで凶暴化するか分かりません。それなら、まだ手に負えるうちに破壊するべきです。世界の平和のためにも………」

 

悟飯「そ、そんな…!確かに偽物かもしれませんが、殺すなんて…!!」

 

未来悟飯「現に君に敵対しただろう?味方になる保証なんてどこにもない」

 

 

そう言われてしまうと、悟飯は未来の悟飯に何も反論ができなくなってしまった。

 

 

未来悟飯「……しかし、今のオレじゃあ零奈さんを倒すことはできない。情けない話だが、ここのオレはオレよりも強いらしい。君の力を借りたいんだ」

 

 

これが、相手がフリーザやセルのような極悪人ならば悟飯は快く引き受けただろう。しかし、今回の相手は五つ子の母親。親を失う悲しみは悟飯は知っているから、せっかく再会できるかもしれないというのに、殺す気には到底なれなかった。

 

 

悟飯「………」

 

未来悟飯「君…!状況が分かっているのか!?他の四人も取り込まれる可能性があるんだぞッ!!」

 

悟飯「分かりますよ…。でも……。また失う悲しみを味合わせたくないんです………」

 

未来悟飯「……っ!」

 

 

失う悲しみ。これは未来の悟飯にも通ずるものがあった。一緒にナメック星へ旅に出たクリリン。サイヤ人達を相手にする時に共に戦った天津飯、ヤムチャ、餃子。フリーザ妥当という共通の目的で共闘したベジータ。

 

そして、尊敬していた師匠であるピッコロに、戦いが大好きで優しい父親、孫悟空……。

 

 

 

夢を諦め戦士になった後に出会った、風太郎、一花、二乃、三玖、四葉……。

 

 

未来の悟飯は沢山の仲間を失った。だから現代の悟飯の言いたいことが痛いほど理解できた。

 

 

未来悟飯「君の言いたいことはオレも痛いほど分かる…。だが、君は『守る為の戦い』というものが分かっていない。全てを守ることなんてできないんだよ……」

 

悟飯「でも…………」

 

悟天「取り敢えずその人の居場所が分からないならどうしようもなくない?」

 

悟飯「確かに………」

 

未来悟飯「……えっ?君は誰だ?」

 

風太郎「ちょ、お前っ!?」

 

 

何故か悟天が部屋に入ってきていた。

 

 

悟天「僕、孫悟天です。実はさっきのお話、少し聞いてたんだ………」

 

未来悟飯「ご、ゴテン…?」

 

悟飯「どの辺から……?」

 

悟天「なんか、そのお兄さんが未来から来たとか兄ちゃんだとか……」

 

悟飯「それ全部じゃん………」

 

どうやら悟天も未来悟飯の話を全部聞いていたらしい。

 

未来悟飯「兄ちゃん…?まさか、君はこの悟飯の弟くんなのかい?」

 

悟天「うん!そうだよ!」

 

未来悟飯「なんだって…?」

 

未来の悟飯の世界では誕生すらしていなかった命。トランクスが未来から来て、運命に抗ったことによって新たに誕生した命なのだ。

 

未来悟飯「………そっか。でも君の言う通りだな。今は零奈さんの居場所が分からない」

 

とはいえ、零奈の目的が残りの四人の吸収だということを考えると、五月以外の五つ子四人に危険があるということになる。

 

未来悟飯「取り敢えずオレはその辺で野宿でもしているよ」

 

悟飯「えっ…!?僕の部屋で良ければ一緒に寝ましょうよ!お母さんにも会えますよ!!」

 

未来悟飯「……母さんか…。いや、やめておくよ。この世界ではあくまでも他人だからね」

 

そう断ると、未来の悟飯は窓を開けて飛び去ってしまった。

 

 

これによって、未来悟飯による会議は終了した。

 

風太郎、マルオ、悟飯と悟天が部屋を出た時のこと………。

 

 

マルオ「………またしても娘達に危機が及んでいるようだ…。頼んだよ、孫君」

 

悟飯「はい!任せて下さい!」

 

初めて本格的にボディガードとしての仕事に就くことになった。

 

 

 

 

 

 

 

そのまま就寝かと思いきや、悟飯は携帯で一花を呼び出していた。一体悟飯は一花になんの用があるのだろうか?マルオには、長女である一花に今後の護衛プランを伝えたいと、それらしい嘘をついて誤魔化した。

 

 

悟飯「やあ一花さん。来てくれたんだね」

 

一花「どうしたの悟飯君?こんな夜中に女の子を誘い出すなんて……。もしかしてエッチなお誘いかな?」

 

悟飯「違うよッ!?」

 

一花のこのようなノリは悟飯は少し苦手である。

 

悟飯「………いやね。実は五月さんからみんな悩み事を抱えてるみたいだって聞いたんだ。二乃さん、三玖さん、四葉さんは解決したんだけど、そういえば一花さんはまだ解決してなかったなって思ってさ………」

 

四葉の件は風太郎を経由して、上手く変装ができるかどうか悩んでいるということを知った。

 

悟飯「何か悩み事があるなら聞かせてくれないかな?」

 

一花「…………どうしてそんなこと聞くの?悟飯君が家庭教師だから?」

 

悟飯「違うよ。単純に困っているようだったから力になってあげたかっただけだよ」

 

一花「…………そっか。悟飯君にしてはやけに気が効くなぁって思ったけど、深い意味はないんだね」

 

悟飯「……そうだね。君が偽五月であるかどうか以外はね」

 

一花「……!?ッ」

 

 

一花は突然図星を突かれたからだろうか、一瞬表情を乱してしまうが、持ち前の演技力でなんとか持ち直す。

 

 

一花「に、偽五月?なんのことかな?」

 

悟飯「五月さんとして上杉君に家庭教師をやめるように促したのは、一花さんなんじゃないの?」

 

一花「…………どうしてそう思うの?」

 

悟飯「五月さんはこう言っていたんだ。春休みに入ってから四人とも様子がおかしくなったって。でも二乃さんの悩みも三玖さんの悩みも四葉さんの悩みも判明したけど、どれも上杉君の解雇に繋がるような悩みではなかった……。そこで、残る君が偽五月なんじゃないかって思ったんだ。まあ、ただの消去法みたいな感じではあるけど……」

 

かなり当てずっぽうに近いとはいえ、悟飯の予測は当たっていた。風太郎に家庭教師をやめるように促したのは一花だったのだ。しかし、何故一花がそんなことをしたのか?

 

一花「………そうだね。私だよ」

 

悟飯「……なんでそんなことを言い出したの?それも、僕と上杉君だけじゃなく、上杉君だけに………」

 

一花「……悟飯君はさ、私達の関係をどう思ってる?」

 

悟飯「……?それ、三玖さんからも聞かれたなぁ…」

 

一花「えっ?」

 

まさか同じような質問を三玖からもされているのは予想外だったようだ。似たような質問をしていることから、三玖ももしかしたら悟飯に対して同じようなことをしたのかもしれない…。そう考えた。

 

悟飯「もうただのビジネス上の関係だけじゃないんじゃないかって思ってるよ。あんなに長い時間を一緒に過ごしたんだもん。もう友達って言ってもいいと思ってたんだ………」

 

一花「(やっぱりそうなるよね〜…。悟飯君は三玖の好意には気づいて……うん?)ちょっと待って?『思っていた』?それ、どういうこと?」

 

悟飯「………実を言うと、僕と友達以上の関係を持ちたがっている人がいて……」

 

一花「二乃と五月ちゃんのこと?」

 

悟飯「あれ?五月さんはともかく、なんで二乃さんのことも………」

 

一花「あはは……。実はあの時の告白を聞いちゃったんだ……」

 

あの時の告白とは、二乃が悟飯に対して、ケーキ屋のキッチンで告白をした時のことである。

 

悟飯「そ、そうだったんだ…。実はもう一人いるんだけど………」

 

一花「……えっ?(まさか、三玖のことも気付いたの…?)」

 

悟飯「その………三玖さんも、僕のことを好きでいてくれているみたいで……」

 

一花「ようやく気付いたんだ」

 

悟飯「えっ?よ、ようやくって…?」

 

一花「悟飯君は全く気づいていないだろうけど、林間学校前からずっと三玖は悟飯君のこと好きだったんだよ?」

 

悟飯「えっ!?!?そんな前からッ!?!?」

 

一花「でも良かった…。これで三玖もようやく報われるね!それじゃあ私はこれで………」

 

悟飯「って待って。まだ何も解決してないよ」

 

この雰囲気なら誤魔化せると思ったのだろうが、悟飯は案外注意深いので流すことはできなかった。

 

悟飯「それで話を戻すけど、僕達の関係と上杉君の解雇とどう繋がるの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あはは………。上手く流せるかと思ったけど、一筋縄ではいかないみたいだ…。

 

もうバレてしまったのだから、話してしまってもいいだろう。

 

 

一花「……私はね、ある人との関係を変えたいの。ただの友達じゃなくて、それこそ恋人とかに……」

 

悟飯「あっ、もしかして上杉君のことを言ってる?」

 

 

……………えっ?

 

 

一花「ななな、なんで悟飯君がそのことを知ってるのッ!?まだ誰にも話したことないのに!?」

 

 

いや、正確には三玖には勘づかれているけど、三玖が言いふらすとは思えない。

 

 

悟飯「いや、なんというか…。今までの一花さんの行動を見て、なんとなくそうなんじゃないかなーって思ってたんだ…」

 

一花「えーっと……、具体的に気付いたのはいつ?」

 

悟飯「……確か、上杉君が入院した時のことかな?ほら、一花さんが上杉君にパンを食べさせてあげたでしょ?あの時に気付いたんだ」

 

一花「………悟飯君、よく見る女の子の対象間違えてるよ?」

 

悟飯「えっ?ご、ごめん………」

 

 

なんで鈍感なのにこういうことには気付いちゃうかなー……。多分五月ちゃんの好意に気付く前に気付いてるでしょこれ?

 

 

悟飯「ごほんっ!とにかく、一花さんが上杉君のことが好きなのは理解したよ。でもそれと家庭教師の解雇はどう関係があるの?」

 

一花「生徒と教師の関係のままじゃ、私とフータロー君の関係はずっと変わらない。多分友達止まり。……私はその関係が嫌で、終止符を打たなきゃいけないって思ったんだ。そしたら昨日の夜、偶然フータロー君に会ったから言ったんだ。………けど、そう言った時にフータロー君が少し悲しそうな表情を浮かべたように見えたんだ」

 

悟飯「…………」

 

 

悟飯君は何も言わずに私の話を聞いてくれていた。変に気を使われるよりもずっと話しやすかった。

 

 

一花「それが間違っていた事を悟った時にはもう取り返しがつかなかった。それでフータロー君がお爺ちゃんに投げられた時に逃げちゃって………。そのままどうして良いか分からなくて。今に至るまでずっと逃げてきてたんだ…。悟飯君に気付かれなかったら、今後もずっと逃げてたんだろうね、私」

 

 

多分私は自虐的な笑みを浮かべながら呟いた。フータロー君を騙した上に、多少なりとも傷付けたのだ。自分が嫌になるに決まっている。特にまっすぐな五月ちゃんや二乃、三玖を見ていると自分が如何にズルくて汚いかがよく分かる。

 

 

だけど悟飯君は、そんな私に微笑みながら………。

 

 

悟飯「そっか……。それくらいに上杉君のことが好きなんだね……。でもそれはハッキリ言わないと伝わらないよ」

 

 

 

『ハッキリ言わないと伝わらない……』

 

悟飯君のこの言葉は妙に説得力があった。確かにフータロー君も悟飯君と同じくらいに鈍感だろう。だからはっきり伝えなければ私の想いなんて一生気付いてくれないだろう。

 

だけど、私にはそんな度胸はない。二乃や五月ちゃんのように真っ正面からぶつかるなんてとても………。

 

 

悟飯「明日、最後に上杉君に会ってあげてくれないかな?上杉君はね、僕よりも君達のことをよく見てくれているはずだよ。この前の全教科0点騒動覚えている?あれは癖で犯人を特定したけど、その癖を把握していたのは上杉君なんだよ」

 

 

……そういえばそんなこともあったな。よく見ていると言えば………。

 

 

 

 

『その作り笑いをやめろ』

 

 

私の笑顔が作り笑いだと彼は見抜いた。今にして思えばそれからだ。私が彼のことを意識するようになったのは。

 

 

なんで私は忘れていたんだろう。私が彼を好きになった理由…。フータロー君は私のことをちゃんと見てくれているから好きになったのではないか。それなのに私が信用しないで一体誰が信用するんだ?

 

 

一花「………気付いてくれるかな?私だって………」

 

悟飯「大丈夫。気付いてくれるよ……」

 

 

うん。分かったよ。私はもう逃げない。ちゃんとフータロー君と向き合うよ。

 

 

一花「ありがと、悟飯君」

 

悟飯「………どういたしまして」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悟飯は一花を見送り、自分の部屋に戻ろうとした時だった……。

 

 

未来悟飯「へぇ…。やるねぇ!」

 

悟飯「わっ!?いたんですか!?」

 

未来悟飯「ああ。君と少し話をしたくてね。まだ勉強を続けているであろう君にね………」

 

 

どうやら未来の悟飯は現代の悟飯に用があったらしい。

 

 

未来悟飯「君は、風太郎達と一体どんな関係なんだい?」

 

悟飯「……上杉君とは親友、同じ学校に通っているんです。五つ子の5人もそうです。僕は上杉君と共に5人の家庭教師をしています」

 

未来悟飯「………そっか。君も家庭教師をしているんだね。…ピッコロさんや、クリリンさん達も生きているんだよね?」

 

悟飯「はい。みんな元気ですよ。天津飯さんと餃子さんだけは今どこにいるのか分かりませんけど…。ピッコロさんは神様と合体して一人になりましたし、クリリンさんなんか18号さんと結婚して子供までいるんですよ!」

 

未来悟飯「えっ!?クリリンさんと18号がッ!?嘘だろッ!!?」

 

悟飯「あはは…。あなたにとっては信じ難いことでしょうけどね…。そうだ…!信じ難いことと言えば、最近はベジータさんがちゃんと父親しているんですよ!この前なんかトランクスから聞いた話だと、何か賭け事をしてトランクスが勝ったからベジータさんが遊園地に連れて行くことになったそうですよ!」

 

未来悟飯「あのベジータさんが…!!?想像できないな……。トランクスも歳相応に楽しい生活が送れていてなによりだよ……」

 

そう。未来の世界では、人造人間が人々を襲っていた為か、トランクスは真面目に成長してしまった。本来ならブルマかベジータのようなやんちゃな子供に成長していただろうに……。

 

だが、現代の悟飯の話を聞く限りでは、トランクスはしっかり子供っぽい生活をしているようだった。

 

 

未来悟飯「……究極の人造人間を倒し、この世界を救った君に頼みたいことがあるんだ」

 

悟飯「……なんでしょう?」

 

未来悟飯「……5人を……。いや、6人をしっかり守ってやってほしいんだ」

 

悟飯「6人…?6人って………」

 

未来悟飯「……そう。顔がそっくりな五つ子に、やたらと勉強ができる不器用な家庭教師をね………」

 

 

無論、6人とは五つ子と風太郎のことを意味していた。未来の悟飯は五月を除いた5人を守ることができなかった。それが原因で五月が壊れてしまい、零奈を人造人間として蘇らせる原因になってしまった。

 

 

未来悟飯「オレにはできなかったことを君は成し遂げた。だから、君の親友と生徒を守ってくれ……」

 

 

未来の悟飯はせめてもの償いとして、こちらの世界の五つ子と風太郎には平和で幸せな生活を送ってもらいたかったのだろう。悟飯に6人を守るように頼んできたのだ。

 

絶望の未来へのせめてもの抵抗……と言ったところだろうか。

 

 

悟飯「………はい。任せて下さい」

 

 

未来の悟飯は悟飯からいい返事を聞き、安心したような笑顔を一瞬見せながら、窓から外へ飛び立っていった。

 




 2日に1回更新をやりすぎた反動でモチベ低下中。ゆっくりではありますがぼちぼち次回分も制作中です。

 dTVに加入してかなり時間が経ったんですが、なんとドラゴンボールシリーズほぼ全部見れるみたいですね。劇場版も含めて。こりゃたまげたなぁ……。ということで、メタルクウラのやつとボージャックのやつを早速見ました。一度見たことあるんですけど、内容ほぼ忘れていたので、この小説(?)を書いている時にちょうどよかったのです。
 元々は仮面ライダーシリーズを安価で見る為に加入したのに、これは嬉しい誤算でしたね。無印DBのアニメとかも見たことないから見てみようかな……(漫画でしか見たことがない)。

 関係ないけど、嵐のふるさとっていい曲だよね。(嵐の曲だとつい最近知った)
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