孫悟飯は五つ子姉妹の家庭教師をするそうです【本編完結】   作:Miurand

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 未来の世界での出来事を聞いた一同。現代と未来の悟飯によって、人造人間零奈の目的は五つ子(五月を除いた残り四人)の吸収ではないかと考察し、五つ子の護衛に専念することになる。

 その零奈はあくまで人造人間ではあるが、遺伝子的に見れば五つ子の実の母親であることに変わりはない。悟飯はどうにかして未来五月と共に零奈も救い出せないかと考えるが、未来の悟飯は破壊することを選択する。同一人物でも環境によって考え方に差異が生じるようだ。

 その後、悟飯は一花の悩み相談に応じることに。風太郎を悩ませていた偽五月の正体は一花だったと判明し、風太郎と恋仲になりたいが、二乃や五月、三玖のようにまっすぐなアタックをすることができないからこのような手を取ったらしい。悟飯は一花を説得し、旅行の最後に風太郎にチャンスを与えたのだった………。



第45話 家族旅行最終日

翌日……。

 

五月の姿に変装した一花と風太郎は、大広間にいた。一花と風太郎が悟飯に誘導される形で対面することになった。

 

風太郎「………お前は初日の夜、俺と話した五月ってことでいいんだな?」

 

一花「……はい。私は……」

 

風太郎「五つ子ゲームを結局俺は正解できなかった。降参だ。だが負けっぱなしってのも癪だな。……リベンジだ。せめてお前だけは俺から正体を暴く」

 

(それが、今俺が示せるお前たちと向き合う覚悟だ)

 

風太郎「……五月から話は聞いてるな?」

 

一花「ええ………」

 

風太郎「それならあいつに頼まれてた件を含め順を追って説明していこう。最初は四葉。あいつの悩みはこの旅行自体にあった。よって今日が終われば自動的に解決する。そしてお前は四葉じゃない。あいつはお前ほど完璧には変装できないからな」

 

一花「……正解です」

 

風太郎「続いて三玖でもない。お前が俺と会った時は三玖は悟飯といたそうだからな。三玖だけは絶対にありえん」

 

一花「………正解です?これで私は一花と二乃に絞られたわけですが……」

 

風太郎「……っとその前に、デミグラス」

 

一花「!? で、デミッ!?」

 

風太郎「いや、その反応で安心した……」

 

風太郎は、念の為五月本人かどうかを確認する為に合言葉を言ったが、反応を見るに五月本人ではないことが分かった。

 

風太郎「話を続ける。お前が一花か、二乃か………。まだ分からない」

 

一花「……(そうだよね…。私は何を期待していたんだろう……。悟飯君でさえも五つ子ゲームをクリアするのにかなり時間を掛けていた………。フータロー君には……………)」

 

一花と言えば一花にも見えるが、三玖と言えば二乃にも見える。五つ子なのだから顔は殆ど同じだ。

 

風太郎「お前さ………。俺のこと名前で呼んでくれない?」

 

一花「上杉君、その手にはかかりませんよ」

 

風太郎は自身の呼び方で見分けようとした。一花は『フータロー君』と呼び、二乃は『上杉』と呼ぶ決定的な違いがあるが、流石にその思惑も見破られてしまう。

 

風太郎「内緒話があるから耳を貸してくれ」

 

一花「左耳ならどうぞ」

 

風太郎は他にも姉妹のワンポイントで区別しようとするも、偽五月のガードは硬く、なかなかボロを出さない為、風太郎はかなり苦戦していた。

 

風太郎「……ダメだ。お手上げだ」

 

一花「……そう……ですよね」

 

風太郎「ああ、あいつを呼んできてくれ」

 

一花「……?あいつ?」

 

風太郎「ほらあいつだよ。お前らの末っ子の……今お前が変装している…………いつ………」

 

一花「ああ、そういうこと……」

 

姉妹の中で唯一五月のことを『五月ちゃん』と呼ぶのは一花だけだ。五月の呼び方で区別しようと試みたのだろうが、一花にはすぐにバレてしまった。

 

一花「五月ね……」

 

風太郎「……(分からんッ!!)」

 

五月ちゃんと呼ぶのは一花だけだか、五月と呼び捨てにするのは二乃だけでなく、三玖と四葉もそうだ。これだけでは二乃と断定することはできなかった。

 

一花「……やっぱり分からないですよね…。もうやめましょう?」

 

風太郎「ま、待て…!!」

 

一花は誤魔化すように笑いながらそう言った。悟飯は『きっと気付いてくれる』と言っていたが、所詮は綺麗事だったのだと自分に言い聞かせ、大広間を後にしようとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風太郎「…………お前」

 

 

……………俺はあの仕草を知っている…。誤魔化すように笑うあの仕草は……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風太郎「………全く。お前は本当に出来の悪い生徒だ。言われたことも実行できないとはな」

 

一花「…………えっ?」

 

風太郎「俺はあの時、お前にこう言ったはずだ。『その作り笑いはやめろ』とな」

 

 

 

 

 

『大丈夫。きっと気付いてくれるよ』

 

 

 

 

ああ……。悟飯君の言う通りだったよ。フータロー君は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風太郎「はぁ………。お前は一花。そうだろう?」

 

 

 

 

一花「……………当たり…!」

 

風太郎「うおッ!?」

 

 

ドサッ…

 

 

ウイッグが落ちた。

 

涙が零れるよりも先にフータロー君に抱きついていた。そのまま彼を畳に押し倒してしまった。

 

 

一花「…………ねえ、どうして分かったの?」

 

風太郎「………さっきお前が『もうやめましょう』って言った時、お前が誤魔化すように笑っていたから…。花火大会の時のお前のことを思い出したんだ……」

 

一花「………そっか」

 

風太郎「………一つ聞いていいか?何で俺をクビにしようとしたんだ…?」

 

一花「………今はそう思ってないけど、理由は………」

 

風太郎「いや、やっぱいい」

 

一花「えっ…?聞かなくていいの?」

 

風太郎「………わざわざ五月に成りすまして言ったくらいだから、相当言いづらいことだったんだろうし、もうそのつもりもないらしいからな…。よく考えたらわざわざ聞く必要もない」

 

……私の事を気遣ってくれたんだ。フータロー君って普段はノーデリカシーの名を欲しいがままにしているのに、何でこんな時だけ…………。反則だよ……。

 

一花「…………分かった。でもいつかは話すね」

 

風太郎「無理しなくてもいいぞ」

 

一花「………怒ってる?」

 

風太郎「なんでだ?」

 

一花「だって、私の都合で振り回しちゃったから………。旅行なんだから家族と楽しみたかったはずなのに、余計な心配事を増やしちゃって………」

 

風太郎「………………安心しろ。俺は別に怒っていない。お前らの身勝手な行動にはもう慣れたからな」

 

改めて思った。私、フータロー君が好きなんだ。恋をしているんだ。ずっと前から……。あの時から………。だから拒絶されたくなかったんだ……。

 

……………………ずっと今が続けば良いと思ってた。この一番心地良い空間が変わって欲しくなかった。

 

でも、本当は……………。

 

 

 

「……………………誰にも取られたくなかったんだ

 

風太郎「……?」

 

今思えば、そんなことは当たり前のことだったんだと思う。だけど、お姉さんとしての立場や、四葉の件で本心を曝け出すことを躊躇っていた。

 

 

けど、それはもう過去の話。四葉には悪いけど、私はもう譲るつもりはないから……。

 

 

 

 

『これは私の恋だもの。私が幸せにならなくちゃ意味ないわ』

 

 

 

 

今なら二乃の言っていたことがよく分かる。二乃は当たり前のことを言っていたんだ…………。妹に教わるなんて、私はお姉さん失格だなぁ………。

 

 

 

 

一花「ねえ、フータロー君。私を見つけてくれてありがとう……!!」

 

 

風太郎「……おう」

 

 

私は二乃や五月ちゃんみたいに真っ正面からぶつかることもできないけど、覚悟しててね、フータロー君……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風太郎「一花、重いからいい加減降りてくれないか?」

 

一花「あーッ!?女の子に対してそれは禁句だよッ!!」

 

 

………やっぱりフータロー君はノーデリカシー男だ……。なんで君なんだろうね。本当に………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたは新郎を、病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しい時も、夫として愛し、慈しむことを誓いますか?」

 

「はい。誓います」

 

純白のウェディングドレスを見にまとった女性が答える。

 

「それでは、指輪の交換を行います」

 

「あっ…」

 

しかし、何があったのやら、指輪の交換は後回しにされた。

 

「はぁ……。こんな結婚式前代未聞だよ……」

 

結婚式の参列者のうちの一人が呆れるようにそう呟く。

 

「それでは、誓いのキスを……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

四葉「らいはちゃん!」

 

らいは「なーに?四葉さん?」

 

四葉「今日で旅行もおしまいだけど、どうでしたかー?」

 

らいは「うん!すっごく楽しかったよ!昨日はお父さんとたくさん遊びに行ったんだ!お兄ちゃんがいなかったのは残念だけど、凄いところにブランコがあってね!」

 

らいはは四葉に今回の旅行について聞かれると、楽しそうに語り始めた。その様子から心から楽しめていたことがよく分かる。

 

らいは「この旅館は最初は驚いちゃったけど、とってもいいところだって、学校が始まったら友達に言うんだ!」

 

とびっきりの笑顔でらいはが言った。祖父が運営する旅館を気に入ってくれたことが相当嬉しかったのか、四葉はらいはに抱きついた。

 

四葉「わぁ〜っ!!やっぱりらいはちゃんはいい子です!!戸籍の改ざんという犯罪ギリギリの手を使ってでも妹にしたいです!!」

 

五月「思いっきり犯罪ですが……」

 

チチ「そういえば、この旅館はお爺さんが運営してるって聞いたぞ!いいとこでねえか!」

 

二乃「良ければぜひもう一度来てくださいね!」

 

チチ「んだ!そうさせてもらうだ!ところで……おめぇは………二乃さ?」

 

二乃「はい!そうです!」

 

チチ「顔がそっくりで訳分からねえだよ……」

 

 

五つ子とらいは、チチは、ゆっくりと温泉を堪能していた。その一方で……。

 

 

 

 

 

 

 

 

風太郎「………」

 

勇也「かーッ!!堪んねえな!お前も一杯どうだ、マルオ!!」

 

マルオ「上杉、僕を名前で呼ぶな。それに酒は苦手だ。特別な時にだけと決めている」

 

勇也「ったく!お前は昔から堅ぇーんだよ。長湯して少しふやかしたらどうだ?」

 

風太郎「親父、俺は先に上がるわ」

 

勇也「おう!」

 

風太郎はマルオとの件でかなり気まずかったのか、颯爽と上がっていった。しかしチチが温泉に入っているのに、何故男湯に悟飯と悟天がいないのだろうか?

 

勇也「そういや、仲居さんから不思議な話を聞いたんだが」

 

マルオ「やめてくれ。世間話をする間柄でもないだろう?」

 

勇也「まあ聞けって。知っての通り、この旅行はうちの息子とお前んとこの嬢ちゃんが当てたもんだ。そんなことあると思うか?五組限定だぜ?」

 

風太郎「…!」

 

風太郎は去り際にこんな会話を聞く。

 

勇也「そこで仲居さんに質問したんだ。この旅行券が当たった客は何人来ましたかってな。そしたら驚いたね。俺らより先に四組来てたんだとさ」

 

五組限定のチケットのはずだ。だが、三玖と風太郎が当てた分も含めると六組になる。この旅館は五つ子の祖父が経営する旅館である。マルオか祖父が関係していることは言うまでもないだろう。

 

マルオ「……不思議な話もあるものだね」

 

勇也「だろー!?」

 

 

 

風太郎「……(あの父親が偽の旅行券まで作り出してでもここに来た理由……。そんなの決まっている)」

 

 

『最後くらい孫達とまともに話してはどうか?あなたに残された時間は少ない』

 

『……思い出は残さぬ。あの子らに二度と身内の死の悲しみを与えたくない』

 

 

風太郎は昨日の夕方頃までは、あいつらならそんなの乗り越えていけると確信していた。

 

だが、それはどうだろうか?

 

未来から来たという悟飯から聞いた絶望的な世界での話……。

 

 

身内四人が殺されたことによって、心が壊れた五月。そこから新たに脅威が生み出された。

 

そんな話を聞いてしまっては、風太郎は自信を持って『あいつらなら乗り越えられる』とは言い切ることができなかった。

 

 

 

 

 

 

 

だが、それは五つ子に触れ合う前の風太郎の感想だ。今の風太郎はそうは思わない。

 

その未来では人造人間によって残虐に殺されてしまったのだ。病気や寿命死とは訳が違う。

 

今のあの五人なら、それくらいは簡単に乗り越えられるだろうと、五つ子を身内の次によく知る風太郎はそう確信できた。

 

風太郎「……実は昨夜の話を聞いていたんですが……」

 

風太郎は旅館から出て行く前に、五つ子の祖父に昨夜のことについて話しかけようとしたが、人の家の事情に首を突っ込むのも如何なものかと思い、何を話せばいいか分からなくなった。

 

だから、取り敢えず………。

 

 

 

風太郎「お世話になりました………」

 

 

祖父相手に深々とお辞儀をしながら、礼を述べた。

 

 

祖父「……孫達はわしの最後の希望だ。零奈を喪った今となってはな……」

 

風太郎「えっ……」

 

祖父「孫達に伝えてくれ。自分らしくあれとな……」

 

風太郎「……あいつらは、きっと乗り越えます。あなたの死も…。あいつらは強い。短い付き合いですが、それは保証します」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方で、風太郎達が温泉に入っていた時のこと…………。

 

 

悟天「……それで、未来の兄ちゃんだっけ?なんか用?」

 

未来悟飯「オレと手合わせしてほしいんだ」

 

悟天「えっ!?兄ちゃんと!?無理だよ勝てっこないよ!!」

 

悟飯「悟天。やる前から諦めちゃダメだぞ?」

 

悟天「やだよ!!」

 

悟飯「しょうがないなぁ……。悟天が勝ったらこの前言ってたオモチャ買ってあげようと思ったのになぁ……。悟天が嫌だって言うなら無理強いはしないけど……」

 

悟天「約束だからね!!」

 

狡賢く成長しても悟天はまだ7歳の子供。意外と単純なのだ。

 

悟天「でも兄ちゃんが相手なら手加減しないからね!」

 

未来悟飯「それでいいぞ!」

 

悟天「はぁああああッ!!!!」

 

 

ボォオオオオッ!!!!

 

 

未来悟飯「なっ!?この歳で超サイヤ人になれるのか!?」

 

未来の悟飯は16歳で初めて超サイヤ人に変身することができたが、目の前の悟天は7歳でありながら超サイヤ人にあっさりと変身した。これには10歳で超サイヤ人になった現代の悟飯も初めて見たときは驚いたのだが、注目すべきは………。

 

 

未来悟飯「………なんだ?何かおかしい?」

 

超悟天「……?」

 

未来悟飯「超サイヤ人は興奮状態になるはず…!なんで…!?」

 

そう。超サイヤ人でありながら平静を保ち続けているのだ。

 

未来悟飯「くそ…!こっちの世界にはこんな天才がいるなんて…!!はぁあッ!!」

 

 

ボォオオオオッ!!!!

 

 

超未来悟飯「最初から飛ばさないとキツいぞ…!!」

 

超悟天「あれ?兄ちゃん手加減し過ぎじゃない?」

 

悔しいことに、未来の悟飯はこれでも限界に近い力を出していた。それでも悟天には及ばないのだ。超サイヤ人の状態で平静を保てている時点で圧倒的な差があると言ってもいい。

 

 

超悟天「いくよ!!」シュン

 

 

超未来悟飯「……!!!」

 

 

超悟天「そりゃ!!」

 

 

ガッ!!

 

超未来悟飯「ぐっ…!!」

 

 

未来悟飯は悟天の動きを捉えることができなかったが、悟天の動きが単調だったこと、未来悟飯は戦闘経験が豊富だった為なんとか攻撃を受け止めることができた。

 

超未来悟飯「はっ!!」

 

 

小さい子に全力を出すのに抵抗があった未来悟飯だったが、自分より強力な気を持つとなれば話は別だ。

 

 

超悟天「よっ!」

 

悟天は小柄な体を生かして未来悟飯の攻撃をスラリと避けていく。小柄ということは、的が小さいということ。加えてすばしっこいとなると、攻撃を当てるのはかなり難しいのだ。

 

 

ドカッ!!!

 

超未来悟飯「ぐっ…!!」

 

超悟天「そりゃー!!」

 

 

ドッ!!!!!

 

超未来悟飯「ぐわっ…!!!!」

 

 

勝負は続けるまでもなく、悟天の勝利に終わった。

 

超悟天「未来の兄ちゃん、大丈夫?」

 

超未来悟飯「あ、ああ……。まさかここまでとはね…………」

 

 

実は未来悟飯にこの世界の戦士はどれほどの強さなのかを確かめたいと言われたのだ。それではということで、腕試しに現代の悟飯が選んだのが悟天であった。

 

 

未来悟飯「オレは向こうでたくさん修行をしてきた。それなのになんで………」

 

未来悟飯は超サイヤ人を解除しつつ、どうして自分の実力が伸びないのか思い悩んでいた。

 

悟飯「………」

 

悟飯は過去の出来事を思い出してみた。何故自分が強くなれたのか?

 

 

一番最初の修行……。

 

ピッコロに荒野に連れ去られて1年間みっちり稽古をつけられた。次に修行したのは、人造人間が来たと未来のトランクスに教えてもらった時、悟空とピッコロと共に修行をした。

 

そして次。精神と時の部屋で悟空と修行をした。

 

 

現代の悟飯にはあって、未来の悟飯にはないもの……………。

 

 

 

 

 

 

 

悟飯「…………師匠」

 

未来悟飯「えっ…?」

 

 

悟飯が呟いた。

 

 

悟飯「僕には本格的に修行するときは常に師匠がいました。ピッコロさんの時もあれば、お父さんの時もありました…………」

 

未来悟飯「師匠………か………」

 

 

修行によって自分の強さを伸ばす時、確かにピッコロに見てもらった方が効率が良かった。未来の悟飯はサイヤ人襲来に備えた修行以外ではろくにピッコロと修行していなかった。

 

本格的に修行を開始した時には、Z戦士は自分しかいなかった。そのため師匠となる存在どころか、自分がトランクスの師匠になる必要があった。

 

未来悟飯「そっか……。そういうことだったのか………」

 

悟天「それならベジータさんはどう?トランクス君もベジータさんに鍛えられているみたいだし!」

 

未来悟飯「トランクスが…。トランクスと悟天はどっちが強いんだい?」

 

悟天「トランクス君の方がちょっと強いかな?少し前まで僕は空も飛べなかったし」

 

未来悟飯「そ、そうなのか………」

 

この世界のトランクスは既に自分を超えていることを知り、少し悔しさを覚える悟飯。

 

悟飯「いや〜……。ベジータさんは素直に鍛えてくれるとは思えないなぁ……。ピッコロさんの方がやっぱり適任じゃないですかね?」

 

未来悟飯「ピッコロさんか……。懐かしいな……」

 

悟飯「ピッコロさんなら天界にいると思いますよ?多分こちらの状況には気付いていると思うので、一度会いに行ってみては?」

 

未来悟飯「………そうだな。そうさせてもらうよ。だが、オレがこの場にいなくなってしまっては……いや、君たちがいるなら大丈夫か……。五人を零奈さんから守ってくれ……。頼んだ」

 

悟飯「はい…!」

 

悟天「うん!任せて!」

 

 

未来の悟飯は気を頼りに天界へと移動を始めた。

 

悟天「ねえ兄ちゃん。未来の兄ちゃんを兄ちゃんが鍛えさせればよかったんじゃないの?」

 

悟飯「いや、あっちの兄ちゃんも兄ちゃんだからな。考えることは同じだよ」

 

悟天「……?」

 

悟天はイマイチ要領を得ない状況だったが、悟飯の言っている意味はこうだ。

 

自分なら、尊敬しているピッコロに鍛えてもらいたい。

 

同じ孫悟飯だからそこ分かることなのだ。例え環境が違えど、孫悟空の息子であり、ピッコロの弟子である孫悟飯には変わりないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上杉、中野、孫一家が同時に旅館を出発した。せっかくだからみんなで写真を撮ろうということになった。

 

 

風太郎「また来ます。あなたとの思い出を作りに……」

 

祖父「……その時は、五人の顔くらい見分けられるようになっているんだな…」

 

 

 

 

 

そんな会話をしていることは一切知らない悟飯。

 

悟飯「……あっ」

 

五つ子の祖父が近づいてくると、どうしても気まずくなってしまう。

 

祖父「…………お主の顔をどこかで見たことがあると思っていたんじゃ…。お主はあの孫悟空の息子だったのじゃな…」

 

悟飯「…!!」

 

驚くことに、五つ子の祖父は悟空の名前を知っていた。

 

悟飯「どうして、お父さんの名前を…?」

 

祖父「あれはまだわしが若い頃だった……。わしは天下一武道会を観戦するのが趣味でよくマヤリト王国に行っていたもんじゃ……」

 

天下一武道会…。悟飯にとっては馴染みのない大会だが、悟空とチチが結婚するきっかけにもなった大会だそうだ。そこでまだ悪者だったピッコロと死闘を繰り広げたり、天津飯やクリリン、餃子と壮絶な戦いをしたりしたとか……。

 

祖父「第23回だったか……。ピッコロの生まれ変わりを名乗る者が現れたが、孫悟空がその大魔王の生まれ変わりを倒したんじゃ……。わしは途中で避難してしまったから詳細は分からなかったが……」

 

この第23回天下一武道会で観戦していた者達はピッコロという存在に恐れ慄いたが、事後報告で孫悟空というものが優勝したことによって、孫悟空は大魔王を倒した英雄として一部の観客からは認識されていたのだ。

 

その観客のうちの一人が、この祖父だったというわけだ。

 

 

祖父「その前の大会でも孫悟空の活躍はよく見とった。その少年達が参加し始めたのは確か第21回だったか………。あの時の戦いは凄まじいもので、今までにない緊張感と憧れをもらったもんじゃ……。その少年達に影響されて武道を始めてみたはいいものの、世界中から集まる達人達相手にわしの独学の武道は通用しなかった………」

 

祖父はその時のことを楽しそうに生き生きと語っている。余程天下一武道会を観戦するのが好きなのだろう。

 

祖父「……話が逸れてしまったな。あの孫悟空の息子ならば、三玖を途中で捨てるようなことはしないだろうが、念の為言っておく。三玖を……孫達をお主が泣かせるようなことがあれば、わしはお主を許さん………」

 

結局は三玖との関係を誤解されたままではあった。だが、殺気のようなものは感じられなかった。

 

悟飯「………お爺さん。これ以上誤解されない為に言っておきます。僕は三玖さんとは恋仲ではありません。ただ、三玖さんが僕に好意を持ってくれていることは事実です………」

 

祖父「……そうだったか。それはすまないことをしたな……。だったらいつまでも返事を先延ばしにするようなことはするでない。三玖がお主に向けるものが真剣なものだということは、お主も理解しておるだろう?」

 

悟飯「………はい。出来るだけ早く決着をつけるつもりです。でも、中途半端な気持ちでお付き合いはしたくない…。自分自身の気持ちをはっきりさせたいんです………」

 

祖父「…………そうか。お主の気持ちがはっきりするまでに、孫達を"気"ではなく顔で見分けられるようになるんだな………」

 

悟飯「…………!!気のことまで知っていたんですか………」

 

祖父「ほれ行け。孫達が待っておるぞ」

 

悟飯「……お世話になりました!」

 

 

こうして、悟飯は五つ子の祖父に仮ではあるものの、認められることとなった。

 

悟飯は五つ子の祖父に言われたことを思い出し、できるだけ早く自分の気持ちをはっきりさせようと心に誓うと同時に、五人を絶対に守り抜こうと誓うのであった。

 

 

 

 

江端「それでは撮りますよ。はい、チーズ」

 

 

カシャ

 

 

四葉「よかったー!みんなで撮っておきたかったんだよねー!」

 

五月「この姿のままでよかったのでしょうか…?」

 

三玖「これはこれで記念だね」

 

チチ「格好まで揃えられちゃ、誰が誰だか分からねえだな………」

 

四葉「チチさんも見分けられますよ!!愛があれば!!」

 

勇也「ガハハハッ!愛で(アイ)を補うってか!!」

 

マルオ「さあ、行こうか。この辺りは滑りやすく危険だ」

 

 

風太郎「……だとしたら、俺があの時、一花だと分かったのは………」

 

らいは「お兄ちゃん!一人でブツブツ不気味に呟いてないで行くよー!!」

 

風太郎「おう。(何はともあれ、見分けたことには変わりない。フッフッフッ………)」

 

 

これでもう変装で騙されることはなさそうだと、安心するように呟いた風太郎の元に、五月の格好をしたら一人の少女が駆け足で現れた。

 

その少女は何をしたいのか。自身の顔を風太郎の顔に近づけようとしているように見えなくもないが……。

 

風太郎「いや、本当になんだよ…!」

 

風太郎はその行動のわけが分からずに困惑するが、一歩下がろうとしたその時に足を滑らせてしまい、目の前の少女は風太郎に寄りかかるような体制になっていたため、突然のように倒れそうになる。

 

風太郎は倒れまいと何かを掴もうとするが、鐘から垂れ下がっていた紐を掴む。しかし、これでは転倒を回避することはできず、ただ鐘を鳴らすだけとなってしまった。

 

 

ただ転倒するだけならよかった。だが目の前の少女が風太郎に覆い被さるように倒れた。

 

 

 

 

と同時に、誓いの鐘の音が鳴り響く中で、その少女と風太郎の唇が重なった。

 

 

風太郎「……キ…!なんで……!?」

 

 

「おーい!!」

 

「………///」ダッ‼︎

 

 

風太郎「ま、待て!」

 

 

誰かに呼ばれると、少女は顔を赤らめながらその場を後にした。

 

 

風太郎「………やっぱり誰だか分からねえ………」

 

 

風太郎はこの瞬間からあの少女を特別に感じるようになるのだが、この時の風太郎はまだそれに気付いていなかった…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………お前が未来のトランクスが言っていた、未来の悟飯か………」

 

「……お久しぶり……いや、初めまして、ですね………」

 

 

そして、ある場所で時空を超えた再会を果たすことになる……。

 




 五つ子の祖父が武道?柔道?に精通している理由はそれっぽくしました。お爺さんの過去は特に記述されてなかったし、まあ大丈夫やろ()

 さてさて、ここまでは計画通りなのですが、肝心のこの先が未定な模様()。しかしここで執筆の手をためてしまえば"長期"スランプに陥るのが目に見える…。ゆっくり執筆するかぁ……。てかゆっくりやらないと雑になるのでそれは作者のプライド的に許せないものがあるのです。

 もう4月デスネ〜……。時の流れが早いなぁ…。一年前のこの時期の自分は、まさかこんなハイペースで更新しているだなんて想像もついてないだろうなぁ…()
 何が起こるか分かったもんじゃないですな。ドラゴンボールと五等分の花嫁両方映画あるやん。無茶苦茶楽しみですわ。

 ところで、誰か悟飯の誕生日知らない…?5月8日は違うよね…?
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