孫悟飯は五つ子姉妹の家庭教師をするそうです【本編完結】   作:Miurand

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 前回のあらすじ…。
 遂に始まった修学旅行。二乃は悟飯にどうアタックするかを試行錯誤し、三玖はどうにかして昼までに、自分で焼いたパンを渡そうと奮闘し、五月は、どうにかして風太郎に、6年前に出会った子は四葉だということを気付かせようと行動する。

 そんな中、なんと一花がギニューと入れ替わってしまったことが発覚。そしてギニューと風太郎が入れ替えられ、風太郎は一花の体に入ってしまった。悟飯はこれに気付いたのだが、一花本人は無事なのだろうか……?

 シリアス?そんなものはない(無慈悲)


第65話 チェンジ

やっほー!最近は売れっ子女優になりつつある中野一花だよー!今日はみんな大好き修学旅行に来ているんだ。私は姉妹と京都を満喫しているよ!

 

 

 

「……ゲコッ」

 

……………本来ならね……。

 

 

私は何故か蛙になっていた。たまたま近くにあった鏡で自分の姿を見たら、あら不思議!なんとナメクジみたいな触覚の生えた蛙がいるではありませんか!

 

…………それが私だった……。

 

どうしてこうなっちゃったんだろう…。というか私の体はそのまま走っていっちゃったし…………。

 

こんなことになるなら好奇心に任せてあんなことをするんじゃなかった……。

 

 

 

 

 

 

遡ること数分前………。

 

 

 

一花「あっ!珍しい蛙がいる!写メ送ろっと………あれ?嘘!蛙が文字を書いてる!?」

 

一花はとても珍しいカエルを見つけ、そのカエルはなんと文字を書いている。その様子に釘付けになり、しばらく様子見する。そして出来上がった文章が………。

 

一花「なになに?『次の言葉を言うとあなたにラッキーが訪れる』…ふーん?蛙なのに面白いこと考えるね〜?じゃあお姉さんが第一被験体になってあげよう!」

 

そして、次の言葉を発言する。

 

一花「えっと…?ちぇんじ…?あ、changeね!」

 

「ゲコッ‼︎」ピカッ‼︎

 

一花「きゃっ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

一花「ふふふ…!ふははははっ!!!!かかったな地球人の女よ!この体はしばらく借りていくぞ!!ふははははははッ!!!!!!」

 

 

こうして、一花と蛙が入れ替わったしまったのである。

 

 

 

(本当にどうしよう…。このままじゃ人に踏み潰されかねないし、森に入ったら蛇とかがいるかも……………)

 

一花は碌に動けずにじっとしていた。

 

そんな時である……。

 

「あら?何この蛙?触覚が生えてる…?珍しいわね……」

 

「!?っ」

 

(あ、あれ!?この人って…!!)

 

 

「………」

 

「うん?」

 

一花は蛙の体を必死に使いながら文字を書いていく。

 

「うそぉ…!この蛙、人間の文字を理解しているの…?これ研究所とかに寄付したら物凄い金額もらえそうね……。って、助けて………?『ソンゴハン』って人がいたらその人に引き渡してほしいですって?」

 

「………」コクコクッ!

 

蛙になった一花は必死に頷いて目の前の人と意思疎通を図ろうとする。

 

「………なんの縁か分からないけど、私も丁度その人に用があるのよ?感謝しなさいよ?」

 

(良かったぁ……。これでなんとかなりそう……。こういう非日常的なものは悟飯君に任せるのがいいよね…。でもこの人、悟飯君に何の用があるんだ、う…?)

 

一花はその少女の肩の上に乗せてもらい、安全に移動することに成功する。しかし、元の体を取り戻せなければ一生蛙のまま過ごすことになってしまう………。

 

 

 

 

 

 

 

悟飯「……………」

 

一方その頃、悟飯は風太郎と入れ替わったと思われるギニューを探して走り回っていた。

 

 

悟飯「(くそ!蛙になったからといって見逃さなければ良かった…!早く見つけて体を返させないと…!!あとは僕の体も狙うだろうから、そこも気をつけて……………ん?)」

 

高速で走っていた悟飯が突然足を止める。風太郎の気を感じ取ったのだ。その場所には…………。

 

悟飯「…………喫茶店?」

 

………それがあった。

 

 

 

悟飯はその喫茶店に入る。適当な席に座ってメニューを悩んでいるフリをする。

 

 

 

風太郎「んー!うまい!美味いぞ!!ここのパフェは美味い!!地球の食べ物を侮っていたぞ!!もしもフリーザ様に再びお会いできるのなら、地球を侵略することを提言しようっ!!」

 

しっかりとギニューがいた。だが、チョコレートパフェを楽しんでいるようだった。

 

「お、お客様…?そんなに食べてよろしいのですか…?代金の方は……」

 

風太郎「ああ、すまん。金はちゃんと払おう。これだけ美味いものなんだ。値段通りとは言わず…………。うん?これか?」

 

ギニューは財布を取り出してその中身を確認する。すると………。

 

風太郎「な、なにぃ!?金がない!?こいつ、さては貧乏だな!?」

 

ギニューは体の持ち主である風太郎が貧乏であることを知らなかったようで、お会計ができない状態に陥っていた。

 

「それは困りましたね……。場合によっては無銭飲食ということで、警察の方に対応をお願いすることもありますが…………」

 

風太郎「くっ…!ここで捕まるわけにはいかん!!」

 

悟飯「あっ…!」

 

ギニューは席から飛び上がり、店を後にする。店員はギニューを追いかけようとするが……。

 

悟飯「ま、待ってください!彼の代金なら僕が払います!!!」

 

「あなたがですか…?」

 

悟飯「はい!彼とは友人ですので……。元々は僕が奢ることになってたんですよ!!」

 

「そ、そうなのですか…?かしこまりました……。チョコレートパフェ、フルーツパフェ、抹茶パフェ、あんこパフェそれぞれ3点ずつで7,200円になります」

 

悟飯「………(食べすぎでしょ………)」

 

悟飯は支払いを済ませた直後に颯爽と店を後にし、風太郎の気を追跡する。

 

 

 

 

風太郎「ぜぇ……ぜぇ………!な、なんだこの体は…!!走るだけですぐに息切れが生じる……!!これなら前の女の方がずっとマシだったぞ……!!地球人は女の方が身体能力が高いのか……!?」

 

 

悟飯「…………見つけたぞ」

 

風太郎「あっ……?お、お前は………!!孫悟空か………!?」

 

悟飯「残念ながら違うな…。僕はその息子だ」

 

風太郎「孫悟飯の方か!!なら丁度良い!!貴様の体を……ぎゃふん!?」

 

悟飯は風太郎の体に手刀を当てて気絶させる。こうすることによってギニューを逃さず、風太郎の体を傷つけずに確保することができるのだ。

 

悟飯「…………あとはあの蛙と上杉君を連れて来れれば完璧だ……。一旦ホテルに戻るとしよう……」

 

悟飯は気絶したギニュー……風太郎の体をおんぶし、自分達の泊まるホテルに直行する。部屋に入ったら、逃げられないように体を拘束し、体の入れ替えもできないように口を塞いだ。側から見たら風太郎を誘拐したようにしか見えないが、状況が状況なので致し方ない。

 

 

 

一方で、悟飯が去った後の五つ子達はというと…………。

 

三玖「私、どうしよう……。お昼までにはこれを渡したかったのに…………」

 

三玖は悟飯にパンを渡す機会を失って落ち込んでいる。

 

四葉「だ、大丈夫だよ!!上杉さんを見つけたらきっと戻ってくるって!」

 

二乃「上杉のやつ……!三玖を泣かせるなんて…!!会ったら1発お見舞いしてやるんだから!!」

 

五月「二乃!それはやりすぎです!」

 

一花「……(勘弁してくれ…。あれは俺じゃないんだっての……。言えねえけど………)」

 

武田「……困ったね。僕達はどうしようか?」

 

前田「回る場所はお前が決めてるんだから、そのまま回るしかねえだろコラ」

 

武田「しかし、あれは上杉君と孫君を楽しませる為のプランであって………」

 

前田「あっ?俺は?」

 

武田「君は対象外だ」

 

前田「喧嘩売ってんのかコラッ!!!」

 

一花「お前らうるせえッ!!!」

 

「「「「「「えっ……?」」」」」」

 

一花「あっ………(しまった!つい…!)」

 

周りのみんなは一花が普段言わないような乱暴な言葉に驚いている。

 

一花「ほ、ほら!喧嘩したら折角の修学旅行が台無しだよ!前田………くんも笑顔……ね!」

 

前田「な、中野さんがそう言うなら……」

 

一花「(頼む悟飯…。早く俺の体を連れ戻してくれ……!!!)」

 

 

 

 

 

「何かしら?騒がしいわね…」

 

「ゲコッ(わ、私だ…!悟飯君とフータロー君以外はいる……!私と入れ替わったあの人は何をしてるんだろう…?)」

 

「何?あっちが気になるの?」

 

「ゲコッゲコッ‼︎」

 

「そう?じゃあ……」

 

 

 

「お、おい!あれって………」

 

「ミスターサタンの娘のビーデルさんじゃね!?」

 

「マジかよ!?なんでこんなところにいるんだよ!?」

 

ビーデル「やっば………」

 

そう。蛙の姿になってしまった一花を匿っているのはビーデルだった。しかし、何故ビーデルが悟飯に用があるのだろうか?グレートサイヤマンの正体はまだ割れていないはずだが……。

 

 

「ビーデルさん!」

「サインくださいお願いします!」

「きゃ〜!本物よ〜!!こっち向いて〜!!」

「なんですかその蛙!!新種のペットですか!?」

 

「ゲコッ‼︎(うわ!押さないで!落ちちゃうから!!)」

 

 

 

二乃「えっ?嘘っ!?やばっ!超やばいんですけど!!あれ超有名人がいるじゃないのっ!!私も写真お願いしてくるわ!!」

 

四葉「びーでる…?もしかして、あのミスターサタンさんの娘さんの!?わ、私も〜!!!!」

 

前田「だってよ武田。どうすんだよコラ」

 

武田「英雄とされている人の娘さんか…。一目見てみたいかもね………」

 

五月「一花一花!あのビーデルさんですよ!もしかしたらビーデルさんも一花のことをご存知かもしれません!!一度行ってみましょうよ!!」

 

一花「いや、今はそんな気分じゃ……」

 

五月「こんな機会は滅多にないですよ!行きましょうよ!!」

 

五月の力強さに負け、一花の姿をした風太郎は成す術もなく引っ張られる。

 

一花「少しは俺の話を聞けぇええええええええッッ!!!!!」

 

三玖「……有名人…?なんだ、悟飯じゃないのか…………」

 

一方で、三玖は悟飯にパンを渡すことに失敗した為に拗ねていた。

 

 

 

ビーデル「……あなた達、邪魔よ。早く退いて」

 

「「「「えっ……?」」」」

 

ビーデル「早く退きなさい!!道のど真ん中に群がってたら他の人にも迷惑でしょう!?そんなことも分からないの!?」

 

「「「「「すみません……」」」」」

 

ビーデルの熱心なファンだと思われる数十人はそそくさとビーデルから離れていく。二乃はそれをチャンスだと言わんばかりにビーデルに接近する。

 

二乃「あ、あの!一枚だけでも写真いいですか!?」

 

ビーデル「ごめんなさい。パパとは違って私はそういうの苦手なの」

 

二乃「そ、そう言わずに……」

 

四葉「二乃!ビーデルさんが嫌がっているから…!」

 

二乃「むぅ……。分かったわよ……」

 

「ゲコッゲコッ」

 

二乃「……ん?あれ!その蛙……」

 

ビーデル「あら?この蛙のこと知ってるの?」

 

二乃「まあ…。実は姉から送られてきたL○NEに………」

 

そう言いながら二乃は慣れた手つきでスマホを操作し、トーク画面をビーデルに見せた。

 

ビーデル「……………この蛙…。そうね。多分この子だわ」

 

四葉「なんでビーデルさんがその子を…?」

 

ビーデル「うーん………。なんか分からないけど、この子相当頭がいいのよ?文字を書けるの」

 

四葉「ええ!?本当ですか!?」

 

ビーデル「ええ。なんなら見てみる?」

 

ビーデルは蛙の姿をした一花を地面に下ろすと、書きやすいように木の枝を取り寄せてくる。

 

「ゲコッ………」

 

蛙は不慣れな手つきながらも、しっかりと意味を成す文章を構築していく。

 

二乃「……なになに?『入れ替わってるから注意して……?』」

 

一花「…!(まさか、あの蛙が一花…?)ねえ、もう少し何か書かせてみようよ!」

 

二乃「それもそうね。なら……」

 

一花「そうだ!君の名前………そうだ!風太郎って名前を聞いた時になんて呼ぶ?」

 

二乃「はぁ?何よその質問?」

 

一花「い、いいじゃん!なんとなく気になったんだから!」

 

「ゲコッ」

 

蛙は不慣れながらも文字を書いていく。

 

二乃「……『フータローくん』だって。一花と同じね」

 

一花「………じゃあ次は、夢を書いてみようか!」

 

四葉「え〜?蛙さんに夢なんてあるのかな〜?」

 

五月「……でも、知能を持った蛙がどのような夢を持つのか気になりますね……」

 

蛙は不器用ながら文章を完成させる。

 

二乃「女優…?まるで一花ね……」

 

四葉「ほぼ一花だね………」

 

五月「というか雌だったんですね……」

 

一花「………ねえ!その子私にくれないかな?」

 

ビーデル「えっ?でも、この子は孫悟飯君っていう子に会いたがってるのよ。どういう繋がりかは知らないんだけど……」

 

二乃「ええ!?なんでハー君と!?」

 

ビーデル「分からないわ。でも用があるみたいよ?って、もしかして孫悟飯君と知り合いなの?」

 

二乃「えっ…?ま、まあ……」

 

ビーデル「ほんと?じゃあその孫悟飯君のところに案内してくれないかしら?私も丁度用事があるんだけど……」

 

二乃「あ〜……。でも、今はどこにいるのか分からないんですよね〜……」

 

ビーデル「あらそう……。ならいいわ」

 

「………」

 

蛙も心なしか怯えているように見える。

 

一花「…(もしも本当にあの蛙の中身が一花なら………)ちょっと近くで見せてもらってもいいですか?」

 

ビーデル「いいわよ。そもそも、私のペットじゃないし………」

 

 

 

一花「………なあ、お前一花なのか?」

 

一花の姿をした風太郎が周りには聞こえない声量で蛙にそう問いかける。

 

「……!」

 

蛙の姿をした一花は警戒しているのか、返事をしようとしない。

 

一花「実は俺、風太郎なんだ…!なんかいきなりチェンジって叫ばれたら俺の体がどっか行っちまったんだ……!!」

 

「ゲコッ⁉︎(えええ!?じゃあ、私の体にフータロー君が入りこんじゃってるの!!!?)」

 

一花「とにかく俺について来い…!悟飯が俺の体を連れ戻して俺達を元に戻してくれるはずだ…!」

 

「ゲコッ‼︎(よ、良かった……。一生このままなのかと思ったよ………)」

 

 

 

ビーデル「そうだ。せっかくだから、これも渡しておくわね」

 

一花「っとと…!」

 

ビーデルがホイポイカプセルを風太郎に投げ飛ばす。

 

ビーデル「それを使うと動物の言葉が分かるんですって。その子になら使えるんじゃない?専用アプリを入れると使いやすいそうよ?」

 

一花「えっ……?いいんですか?これ、結構高いでしょ?」

 

ビーデル「お金なんて気にしなくていいわ。それと、今更気付いたけどあの中野一花だったのね。私はあなたの演技、結構好きよ。他の女優と違って自然な振る舞いが上手だと思うわ。これからも頑張ってね」

 

一花「あ、ありがとうございます……」

 

ビーデル「それじゃ、私はこれで」

 

そう言うと、ビーデルは早歩きでその場を後にした。

 

二乃「…………羨ましいわ」

 

五月「きゃーー!!!ビーデルさんが一花を認知してましたよ!!これでもう一花も大スターですね!」

 

四葉「よかったね!一花!」

 

一花「あっ、うん…(つーか、ビーデルって誰だよ?)」

 

家庭の事情によってテレビかない為、サタンは知っていてもビーデルまでは知らない風太郎だった。

 

ピコン

一花「……!」

 

そんな会話をしている時、悟飯から連絡が来た。どうやら風太郎の体を捕えたらしい。

 

一花「……ごめーん…。私は一旦ホテルにこの子を置いてくるから、先に行ってて!」

 

二乃「えっ?ちょっと一花!?」

 

四葉「ま、待ってよ一花!!それなら私が!!」

 

四葉は風太郎を追いかけるように走る。

 

二乃「………なんでこうなるのよ」

 

五月「ま、まあすぐに戻ってきますよ!私達は今のうちに昼食を取りましょう!」

 

三玖「昼食…………パンを渡せなかった…………」

 

五月「あっ!!私はそんなつもりでは………!!」

 

 

 

 

 

 

一花の姿をした風太郎はホテルに到着し、本来風太郎達が泊まる部屋に来ていた。そこには…………。

 

 

悟飯「やあ、上杉君」

 

一花「…………側から見たら、俺を誘拐してるヤバい奴じゃねえかお前」

 

悟飯「ははは…。上杉君の体を傷つけずに捕まえるにはこうするしかなかったんだよ…………」

 

椅子に手足を縛り付けられていた風太郎の姿が……。と言っても、風太郎の体の中身はギニューなのだが…。どうやらまだ気絶しているようだ。

 

悟飯「………ところで、なんで四葉さんも?」

 

四葉「ちょちょちょ!?孫さん、上杉さんに何してるんですか!?」

 

一花「はぁ……。仕方ない。姉妹の中で唯一理解を示してくれそうなのはお前だけだからな……。説明するぜ」

 

風太郎は四葉に対しては誤魔化すことを諦め、噛み砕いて説明した。

 

簡潔に言うと、一花が謎の蛙と入れ替わってしまい、その後に一花と入れ替わった蛙が一花の体と風太郎の体を入れ替えた。そして今こうなっている。

 

四葉「………………えっ?そんなことってあります…?私、何がなんだか………」

 

四葉はこの複雑な状況に、頭から煙が出そうなくらいに脳をフル回転させているようだか、それでも理解し兼ねているらしい。

 

一花「……とにかく、今はこっちが上杉風太郎、この蛙が一花、俺の体がギニューっていうやつのなんだよ」

 

四葉「……でも、流石に体が入れ替わるなんて…………」

 

「ゲコッゲコッ‼︎」

 

一花「……ほれ見ろ。これ」

 

四葉「……ん?」

 

四葉は風太郎に差し出された画面を確認した。一花のスマホは例の動物翻訳装置と連動したアプリを起動しており、蛙になった一花の言葉を人間の言語化することができるのだ。

 

『四葉、お子様パンツはそろそろ卒業しないとダメだぞ〜?』

 

…………そう翻訳されていた。

 

四葉「なっ…………!!!?ま、まさか本当に!?!?」

 

一花「だからそう言ってるだろ?」

 

四葉「な、なるほど…!ようやく理解しました!でも、どうやって元に戻るんですか?」

 

悟飯「それはギニューにもう2回チェンジしてもらうしか………。いや、一応もう一つ方法があるといえばある」

 

一花「何?それは本当か?それが本当ならそっちの方がいいんじゃねえか?」

 

悟飯「………ただ、そっちの方法は少し時間がかかるんだよね」

 

一花「なんでもいい!元に戻せるなら早くしてくれ!!どうやるんだ!?」

 

「ゲコッ‼︎」

 

悟飯「………それは、ドラゴンボールを集めることだよ」

 

一花「ドラゴン……ボール……?なんだそれ?」

 

悟飯「手のひらサイズで、それぞれ1〜7個星が描かれている玉があるんだよ。それを7個全て揃えることによって願いを3つ叶えることができるんだ」

 

四葉「そ、そんな凄いものがあったなんて…………」

 

一花「マジか!?じゃあ………いや待てよ?その玉ってどこにあるんだ?」

 

悟飯「流石上杉君だ。そう、ドラゴンボールは世界中に散らばっているんだ。だから全部集めるのに相当時間がかかるんだよ。一応その玉の場所が分かるレーダーがあるにはあるんだけど、ある程度近づかないと分からないしね…………」

 

一花「はぁ…………。やっぱり都合良くそんなに事は上手く行かないか……」

 

四葉「………じゃあ、もしもそのぎにゅう…?っていう人を説得できない場合は………………」

 

悟飯「うん。今すぐに入れ替えることは無理だろうね。だから僕は今からでもドラゴンボールを集めに行こうと思っているんだけど……………」

 

一花「……………」

 

風太郎は、以前の武田と悟飯と共にショッピングをした時のことを思い出す。

 

 

 

 

『おい武田。何故そこまでお前が張り切る?』

 

『君、孫君の親友なんじゃないのかい?孫君はこの世界を守る為に自分の身を削りながら守ってきたんだよ?そんな彼を少しでも行事の時だけでも楽しませようと考えないのかい?』

 

 

 

 

 

一花「……なあ、一花。修学旅行の間はその姿で我慢してくれねえか?」

 

四葉「な、何を言っているんですか!上杉さん!?」

 

「ゲコッゲコッ」

『ええ!?私に蛙でいろと!?それとも、私の体に興味深々なのかな?フータロー君?』

 

一花「それは断じてない。ほら、悟飯は今まで俺達を守る為に頑張ってくれてただろ?せめて修学旅行の時は気兼ねなく楽しんでほしいって思ってな…」

 

四葉「いや、それは無理じゃないですか?だって一花が蛙になっちゃってるんですよ?それに敵が上杉さんの体を乗っ取ってるんですし………」

 

一花「……確かにッ!!そもそも一花の修学旅行が台無しになっちまうじゃねえかッ!!!」

 

風太郎「………はっ!!ここはどこだ!?………なッ!?お前らは…!!」

 

風太郎の姿をしたギニューは、目の前にいるメンツに驚く。それもそうだ。今まで自分がチェンジしてきた顔が勢揃いなのだから。

 

一花「やっと起きたか。早速だが俺の体を返してもらおうか。ついでに一花のも」

 

「ゲコッ⁉︎」

『ついでって酷くないッ!?』

 

悟飯「さあ、大人しく返すんだ」

 

風太郎「……ふ、ふふふっ…!何を言うか!私が孫悟飯の体とすり替わってしまえば何の問題もない………ってあれ?手足が縛られて動けないッ!?」

 

悟飯「どうだ?僕の方に向けなかったら、僕と入れ替わることもできないだろう?」

 

風太郎「くぅぅ……!!小賢しい真似を……!!」

 

悟飯「小賢しいのはどっちだッ!!人を騙した挙句、勝手に体を入れ替えやがって……!!!」

 

風太郎「だが体は返さん!!蛙はもうウンザリだ!!意地でも返さん!!また蛙に戻るなら、地球人として細々と暮らした方がよっぽどマシだ!!!」

 

悟飯「返さないって言うなら………」

 

風太郎「おっと!手荒な真似をする気か?この体がどうなってもいいならやればいいさ!!貴様にはできるかな?」

 

普段はフェアな戦士であるはずのギニューだが、長年の蛙生活が余程嫌だったのか、普段は使わないような小狡い手を使う。

 

悟飯「卑怯な…!!」

 

風太郎「ふははははッ!!どうだ!!手も足も出まい!!がっ………!!」

 

悟飯「!!」

 

ギニューは突然、糸が切れたように気絶してしまう。その様子を不審に思った悟飯は、警戒しながらも風太郎の体の様子を探る。気を感じるので絶命したわけではないようだ。なら急にどうしたというのか……?

 

風太郎「……」

 

四葉「お、起きた………?」

 

風太郎「よっ!悟飯!」

 

悟飯「………??」

 

風太郎「オラだよ!孫悟空だ!!」

 

悟飯「お、お父さん……!?」

 

風太郎の体が突然悟空だと名乗るものなので、悟飯は少々困惑してしまう。

 

風太郎「ああ!あの世で様子を見させてもらったけど、ギニューがあまりにも狡い手を使うもんだから、ちょっとちょっかい出させてもらったぞ!!」

 

悟飯「いや、待ってくださいよ…?何故お父さんがコチラに来てるんです?」

 

風太郎「ああ……。それは意識だけをこの体に入れてるんだ。今、精神世界でギニューと戦ってる。決着がつくまで時間がかかっちまいそうだ。その間、おめぇらは旅行を楽しめ。じゃあ!」

 

言いたいことだけ言うと、またすぐに気絶してしまった。

 

一花「…………お前の親父無茶苦茶過ぎねえか?死んでもこっちに戻ってくるし、人の体に入り込むし………」

 

悟飯「ははは……。でも頼りになるでしょ?」

 

四葉「確かに………」

 

「ゲコッ」

『じゃあ私はしばらくはこのままかぁ………』

 

一花「そうするしかねえみたいだ……」

 

四葉「…………戦いっていつ終わるんでしょうね…?」

 

一花「………今日中に終わるのか…?」

 

悟飯「分からないな…。精神世界で戦うなんて初耳だし…………」

 

四葉「……じゃあ、お風呂はどうするんです?」

 

「……!!!」

 

ここに来て、重大な問題発生!そう!風呂をどうするかだ!!このホテルは幸いにも各室に浴室がある。だが!!風太郎は異性である一花の体にいる!これが何を意味するか……。

 

一花「…………まあ、1日くらい入らなくても大丈夫だろ」

 

四葉「上杉さん……」

 

「ゲコッ……」

『フータロー君……………』

 

四葉「流石にダメです!!お風呂にはちゃんと入って下さい!!!」

 

一花「いやいや四葉!!お前バカか!?冷静に考えてみろ!!この体で風呂に入るってことは、つまり………。い、一花の………を見ることになるんだろ!?そいつはまずいだろ!!?」

 

風太郎はいつもよりも短い前髪を弄りながら自身の考えを主張する。

 

四葉「でも女の子がお風呂に入らないのも大問題ですよ!!」

 

悟飯「…………上杉君に目隠しをすればいいんじゃない?」

 

四葉「えっ?」

 

一花「いや、確かにそれなら見ずに済むかもしれないが…………」

 

悟飯「それで、四葉さんが一花さんの体を洗うってのはどうかな?そうすれば問題ないと思うけど…………」

 

一花「…………はっ?」

 

四葉「あ、あの……?孫さん……?それ本気で言ってます?」

 

悟飯「でも、一花さんの裸を見ずに体を洗う方法なんてそれくらいしかないと思うけど………」

 

「ゲコッ」

『………もうお嫁に行けない…………』

 

四葉「〜っ……!!が、我慢して一花!!こうでもしないと……ね?」

 

一花「はっ?おい四葉?お前何をしでかす気だ?」

 

四葉「う、上杉さん…!今日のお風呂は、私がお供させていただきます…!!」

 

一花「はぁ!!!!??無理無理無理ッ!!!!何考えてるんだお前ェ!!!!?」

 

四葉「わ、私だって恥ずかしいですよ…!!でもこれは一花の為です!が、我慢して下さい!!!」

 

「………ゲコッ」

『まあ………体が入れ替わっちゃってる時点で今更か………。四葉、私は覚悟を決めたよ(フータロー君以外の男の子だったら絶対に無理だったよ……)』

 

四葉「わ、私も覚悟を決めたよ…!」

 

とは言いつつも、四葉は無茶苦茶顔を赤くしている。まるで茹蛸のようだ。

 

一花「…………待て待て…?えっ?マジでやるの?」

 

「ゲコッ」

『…………ねえフータロー君。そういえば、トイレはどうしてたの?』

 

一花「トイレ……?……………そういや、さっきからずっと我慢してたんだわ…。やべ、漏れそう………」

 

四葉「だーーーっ!!!!それはいけません!!早くトイレに!!!」

 

一花「お、おい!?だがそんなことをしたら!!」

 

四葉「漏らす方が大問題ですよ!早くトイレに行ってください!!」

 

悟飯「………大変なことになっちゃったなぁ…………」

 

「ゲコッ…」

『でもこれは逆にチャンスかも…?これを理由に責任を取ってもらうって作戦はどうかな、悟飯君?』

 

悟飯「………………それはいくらなんでも理不尽じゃないかなぁ………」

 

今回の修学旅行。原作とは違ったベクトルで大変な展開となってしまった。果たして、風太郎たちは元の体を取り戻せるのか!?そして、悟空とギニューの戦いの行方は如何に!?

 

次回、四葉と風太郎の混浴!?次回はサービスすっから、ぜってぇ見てくれよな!!

 




 前にも言った通り、今回の騒動はギャグ寄りです。あまりシリアスな展開にはなりません。次回はワンチャンR-18に引っかかるかも…?流石にないと思いますけどR15は確定かなぁ…?つーわけで、フータロー君はジャンプラブコメ主人公特有の展開(というかToLOVEる的なオイシイ展開)に遭遇します。それもこれも全てギニューって奴の仕業なんだ………。

……展開迷走してない…?大丈夫…?(スランプになりかけるとよく起こる現象)

 ちなみに、悟空vsギニューの過程は書くつもりはないっす。今回の修学旅行編は戦闘したくないんじゃ……。

 ギニューのチェンジの仕方は、超アニメでやっていたやつを引っ張り出してます。

再び台本形式から通常形式への変更を検討しています。詳細は第60話もしくは61話の後書きをご覧ください。Q:台本形式から通常形式に変更してもいい?

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