孫悟飯は五つ子姉妹の家庭教師をするそうです【本編完結】   作:Miurand

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 前回のあらすじ…。
 零奈が目を覚ましたので、五つ子と悟飯はカプセルコーポレーションに行った。するとそこには既にマルオが既に到着しており、零奈は確かに意識を取り戻していた。五つ子は母親との会話を楽しむ中、悟飯は未来の二人と話をしに行っていた。未来悟飯が帰ると言った時、あの世から悟空が話しかけ、悟空も天下一武道会に出場すると報告するが、未来悟飯にも五月にも帰りを待つ人がいたため、断った。

 未来に帰った悟飯と五月は、ブルマとマルオに交際していることを報告し、次に孫家に訪れた。悟飯にとっては何年ぶりの帰宅だろうか。チチは息子が生きて帰ってきてくれたことに泣いて喜んだ。交際相手である五月を連れてきた時は驚かれたものの、歓迎している様子だった…。



魔人ブウ編
第73話 天下一武道会


中野家にてパンケーキ会を楽しんだ悟飯は、天下一武道会に悟空がやってくるとのことで、久しぶりにZ戦士を集結させようかと、世界中を回っているところだった。

 

だが、悟空は他のZ戦士にも伝えたようで、Z戦士達も今回の天下一武道会に出場する気は満々だ。特にベジータなんかは力の入り方が根本的に違った。しかしながら、天津飯と餃子に関しては未だに行方が分からない状態である。この前会った時に居場所を聞いておくべきだと悟飯は後悔していた。

 

悟飯「ということで、もうすぐ天下一武道会が開催されるんだけど、みんなも見に来る?」

 

三玖「……確か、世界中の武術の達人が集まる大会だっけ…?まあ、悟飯が出るなら行こうかな……」

 

二乃「えっ?なになに?何の話をしてんのよ?」

 

悟飯はついでに中野家にも訪れていた。

 

二乃「へぇ……。面白そうじゃない。私も行こうかしら」

 

五月「いえ、受験は……?」

 

二乃「何言ってんのよあんた。ハー君の晴れ舞台を見届けないっての?愛が足りないわね」

 

"愛が足りない"

 

五月はこの言葉を聞いて急に行く気になったようである。

 

五月「そんなことはあり得ません!!未来では私は孫君と結ばれてるんですから、そんなことあり得るはずがありません!!」

 

三玖「………正直鬱陶しい」

 

五月は未来の2人が結ばれたことを知って以来、度々これを口にするため、三玖は若干鬱陶しく思っていた。

 

一花「へぇ!この日は……。丁度仕事がない日だ…!せっかくだし私も行こうかな〜?」

 

四葉「みんな行くなら私も!!」

 

零奈「では、私は付き添いということで」

 

取り敢えず中野家は全員天下一武道会に来るようだ。四葉は出場するのかどうかはまだ不明である。しかしマルオは病院のこともあるため、なかなか時間を作れないということで、天下一武道会には来れないそうだ。

 

悟飯「まあ、そこは仕方ないね……」

 

悟飯は一礼して中野家を去ると、次は上杉家に向かう。

 

らいは「へぇ!面白そう!」

 

らいはは大会の詳細を聞いて面白がっていた。

 

勇也「へぇ!優秀な成績を残すと賞金がもらえるのか!どうだ風太郎。俺らも出場してみないか?」

 

風太郎「流石に無理だ。悟飯の仲間達も出場するんだろ?今からじゃとてもじゃないが時間が足りん」

 

いくら金に執着がある風太郎でも、流石に現実を見ていたようである。確かに四葉のように修行を頼んだところで四葉のように成長できるとも分からないし、仮に四葉以上に成長してもZ戦士に追いつくのは非常に難しい。

 

らいは「観戦だけでもいいから行こうよ〜!!」

 

風太郎「いや、俺は受験生だから親父と2人で行ってこい」

 

勇也「一日くらいいいじゃねえか!」

 

風太郎「いや、夏は海にもプールにも行ったしな………」

 

らいは「……ダメ?」

 

いい返事をしない風太郎にらいはの上目遣いが炸裂した。これによって風太郎は折らざるを得なかった………。

 

風太郎「も、もちろんいいさ………」

 

こうして、上杉家も観戦しに来ることになった………。

 

 

 

 

悟飯「それで、四葉さんはどうするの?」

 

四葉「うーん……。実は結構迷っているんですよね…。ただ私は実践経験がないので、プロの人達に勝てるかどうか………」

 

悟天「じゃあ実際に組手してみればいいんじゃない?」

 

四葉「えっ…?」

 

悟飯「うん。そうだね。じゃあ何回か模擬戦をやってみよう」

 

四葉「ええ!?孫さん相手にですか!?無理無理!!勝てるわけないですって!!」

 

悟飯「流石に本気は出さないよ……」

 

四葉「ほ、本当ですね?超サイヤ人は絶対にダメですからね!!」

 

悟飯「だから変身しないって!」

 

四葉と悟飯は何度か模擬戦をした。他の出場者も各々で修行をし、天下一武道会本番に向けて精を出していた。

 

 

 

 

ギネ「なあバーダック!!こんなもの見つけたぞ!!」

 

バーダック「ほう?天下一武道会?」

 

バーダックはしばらく地球に住み着いていた為、地球の言語も理解できるようになっていた。その為、天下一武道会の案内をサクサクと読み進めていく。

 

バーダック「ほう?戦って上位に就けば賞金か…………」

 

ギネ「これからの生活のこともあるし、バーダックなら優勝なんて楽勝だろ?いい稼ぎになると思うんだけど…」

 

バーダック「……それもそうだな。だがどうせならアイツらにも出場させるとしよう。そうすりゃ…………」

 

バーダックはチームのメンバーを出場させようかと考えていたが、突然口を止めた。

 

ギネ「ば、バーダック……?どうしたんだい?」

 

バーダック「…もしかすると、あいつらも出場するかもしれねえな…」

 

ギネ「あいつら……?」

 

バーダック「まあいい。今回は俺1人で出場する。そしてこの大会がどういうものかを把握することにする」

 

ギネ「別にそんなに慎重にならなくてもいいんじゃないかい?もうクウラもターレスもいないんだろう?」

 

バーダック「………そうだな。だが……」

 

バーダックはいくつか懸念があった。一つは超サイヤ人になれたバーダックをあっさり完封したセル。彼は目的の為なら手段を選ばないタイプだと踏んでいる。次にベジータ。以前は見逃してもらったが、残忍で冷酷だと噂が蔓延っていたあの王子が次も見逃してくれるとは限らない。そんな化け物達がいるところにチームのメンバーを出してしまうと、あっさりと殺されかねないとバーダックは判断した。

 

バーダック「まあ念の為だ。俺もトレーニングを本格的に再開するとしよう………」

 

こうして、バーダックも出場することを決意した。

 

 

 

 

 

悟飯は天下一武道会が開催される日まで基本的に修行に明け暮れていた。偶に風太郎と共に五つ子に家庭教師をしに行ったり、四葉に稽古をつけたりするくらいであった。

 

そうして、夏休みは終わる数日前……。ようやく天下一武道会の日がやってきた………。

 

上杉一家と中野一家(マルオは仕事の為不在)は前日から天下一武道会付近のホテルにて宿泊しているそうだ。なお、上杉一家の宿代はマルオが負担している。腐れ縁とはいえ、友人(?)の宿代を持つとはマルオはぐう聖だ。そんなことはさておき、悟飯の方はカプセルコーポレーションで一旦集合することになっていた。

 

悟飯「どうも皆さん!お久しぶりです!」

 

クリリン「おう!久しぶり!!」

 

ブルマ「いよいよ今日ね〜!孫君が帰ってくるんでしょ?」

 

チチ「8年ぶりだべ…!良かっただな悟天ちゃん!おっ父に会えるだぞ!」

 

悟天「う、うん?」

 

悟天にとっては、父親がいない日々が日常となっているため、父親という言葉を聞いてもピンと来ない様子である。

 

ウーロン「にしても久々だよなぁ!悟空のやつが帰ってくるのって!」

 

ヤムチャ「ほんとだよな。あいつのことだから、俺たちが想像もできないくらいに強くなってるんだろうなぁ……」

 

これに関してはみんなほぼ同意見である。悟空はあの世でも修行しているのは確かで、超サイヤ人3にもなっているが、それを知っている者はここにはいない。

 

クリリン「だが、天津飯のやつはどうしたんだ?」

 

ピッコロ「天津飯はもう二度と会うことはないだろうと言っていたからな。この前会ったとはいえ、どこにいるのかは分からん」

 

クリリン「ま、まあ…!1人でも出場者が減ってくれれば俺としては助かるんだけどな!はは……」

 

ベジータ「……(俺はこの時を待っていたぞ。貴様と思う存分に戦える時をな……)」

 

それぞれの思いを胸に、一行は天下一武道会へと向かった……。

 

 

 

 

 

一方その頃、天下一武道会の会場では先に来ていた上杉一家と中野一家が現場に到着していた。

 

風太郎「人多っ………」

 

らいは「わぁ…!屋台がたくさん…!!私あれ食べてみたい!」

 

四葉「じゃあ私がなんでも買ってあげちゃいますよ〜!!」

 

四葉はウキウキ気分でらいはを連れて屋台を巡る。ここにはお祭りに来たわけではないのだが、当人達はとても楽しそうである。

 

一花「ねえフータロー君。お腹空かない?お姉さんがなんか買ってあげようか?」

 

風太郎「言っとくが俺は他人から施しを受けるつもりはないぞ」

 

一花「そんな連れないこと言わずにさ〜」

 

風太郎「お、おい…!いいから離れろ!」

 

一花は相変わらず風太郎本人に揶揄いながらもアピールをする。風太郎は親も目の前にいるので非常に恥ずかしく、一花を引き剥がそうとするも、風太郎の力ではそれは不可能だった。

 

勇也「がはははっ!一花ちゃんだったか?風太郎をよろしく頼むな!」

 

一花「はい、頼まれました〜!」

 

風太郎「おい馬鹿親父。ふざけたこと抜かしてんじゃねえ!!」

 

 

二乃「いいわぁ…。私もあんな風にハー君に抱きつきたい……」

 

三玖「悟飯、早く来ないかな……」

 

五月「あの、公衆の面前でやるのだけはやめて下さいよ…?」

 

普段は積極的な五月だが、今日は母親の見ている前だからだろうか、真面目に振る舞っている。

 

勇也「しっかし、先生が生き返っちまったってマジですか?」

 

零奈「はい。色々ありまして……」

 

勇也「いや〜!!先生が生き返ってくれて俺は嬉しいですよ!なんたって俺の恩師ですからね!!」

 

勇也は零奈が戻ってきたことを特に驚くことなく受け入れていた。

 

 

 

そこに、一際目立った集団がこちらに歩いてくるのが見えた。

 

らいは「よ、四葉さん…!あの人達凄いよ!?なんかターバンとマントつけてたり、M字禿げだったり、妙にダサい格好をしていたり!!」

 

四葉「そ、そうですね……(あの人達の"気"……まさか…!!)」

 

悟飯「あっ!四葉さんにらいはちゃん!みんなもいるんだ!」

 

らいは「えっ……?誰?」

 

悟飯はサングラスに山吹色のバンダナをしているため、らいはは正体に気づかなかったようだ。悟飯はそれを察してゴーグルを取り外す。

 

悟飯「はい。これで分かる?」

 

らいは「えっ?そ、孫さんなの…?」

 

悟飯「うん!そうだよ!」

 

らいは「えー、なんか孫さんのファッションセンス、絶妙にダサい」

 

悟飯「……えっ?」

 

ここで大打撃。幼い子からのストレートな一言は、どんな悪口や陰口よりも心に響くものである。

 

悟飯「えっ………?あの、僕の格好ってそんなにダサいんですか…?」

 

クリリン「ちょっとなぁ…」

 

ヤムチャ「正直女ウケはよく無さそうだよな……」

 

トランクス「ノーコメント」

 

ピッコロ「そんなダサい格好は捨ててとっとと魔族衣装に着替えたらどうだ?」

 

らいはの評価を皮切りに、Z戦士達の辛辣な評価が悟飯の耳に届くと、悟飯のメンタルはどんどんライフを減らしていく。

 

四葉「そ、そんなことありませんよ〜!!だってこれはヒーローの衣装ですよ?いくらダサくてもカッコイイに決まってるじゃないですか!!」

 

ここで四葉がフォローするが、はっきり言うと下手である。四葉の悪意のない一言がさらに悟飯のライフを削る。

 

三玖「わ、私は…!!どんな格好をしてても、悟飯はカッコいいよ…?」

 

三玖は顔を赤くして顔を手で覆い隠しながらそう言った。

 

ヤムチャ「(えっ?何この子可愛すぎない?健気すぎない?)」

 

クリリン「(こんな子に愛されてて付き合わない悟飯は多分将来的に呪われるな。羨ましいぜこんちくしょう)」

 

そんな男達の嫉妬が蔓延る。というかクリリンは既婚者にして子持ちだというのに、それは如何なものかと思われる。しかも18号は五つ子に負けないどころか、寧ろ上回る可能性さえあるビジュアルだというのに、罰当たりな男である。

 

二乃「あっ!ハー君だ!!会いたかった!!」

 

悟飯「ちょ、ちょっと二乃さん!ここは人前だから…!!」

 

二乃「え〜?私はそんなの気にしないわ!」

 

ヤムチャ「(あの子はこの前のデートしてた子じゃないか!?)」

 

クリリン「(マジでなんで悟飯はとっとと返事をしないんだ?)」

 

五月「こ、こら二乃!離れてください!!孫君に迷惑ですよ!!」

 

二乃「うっさいわね。そう言って空いた場所を自分がぶん取るつもりでしょ?このムッツリスケベ」

 

五月「む、むっつ……!!」

 

五月はムッツリスケベという言葉に過剰に反応し、二乃から離れるかと思いきや………。

 

五月「な、何を言っているのですか、二乃!!私はムッツリなんかではありませんよ〜!!!?」

 

そう言って五月は公衆の面前で堂々と悟飯の腕に絡みついた。

 

悟飯「ちょ、五月さん……!!?」

 

 

 

チチ「はぁ………」

 

ブルマ「どうしたのチチさん?」

 

チチ「オラももうすぐお婆ちゃんって呼ばれる日が来るのかと思うと少し複雑な気分になっちまって……」

 

チチはそう言うが、流石に気が早すぎではいかとブルマは内心で突っ込んだ。なんなら牛魔王に実際にそうツッコまれている。それはヤムチャやクリリン、18号も思ったことであるのだが………。

 

二乃「なるほど…!チチさん、お孫さんは男の子がいいですか?女の子がいいですか?なんなら両方ですか?」

 

チチ「いいだなぁ…。オラは娘はいなかったから孫娘がいいけど、どっちでも孫なら嬉しいだな………」

 

二乃「なるほど。そういうことならバンバン子供産むわ」

 

五月「に、二乃…!!何を言っているのですか!?」

 

二乃「あーら、まさか五月はハー君との子供を産めないの?そんなんじゃハー君に相応しくないわね?」

 

五月「何言ってるんですか?他の男なら兎も角、孫君との子供なら野球できるくらいの子を産んでも構いません。私の愛を見くびらないで下さい!!」

 

三玖「子供……。あっ、やめて悟飯…!私達はまだ学生なのに……。でも、悟飯がいいなら……」

 

一花「さ、3人とも!!!それ以上はここではやめようか!!!」

 

流石の一花もこの状況はまずいと思ったのか、大声を上げて妹達のセクハラじみたトークを強制終了させた。流石長女である。

 

ブルマ「………あ、愛が重い」

 

零奈「……私はどこで育て方を間違えたのでしょうか……」

 

勇也「いや、先生は多分間違えていませんよ。それもこれも全て孫悟飯ってやつの仕業なんです」

 

勇也は謎のノリで零奈をフォローするが、零奈はまともに受け止めてしまったようで………。

 

零奈「そうですか…。ならば孫君に責任を取ってもらわねば…………」

 

勇也「あっ、やべ。やりすぎた」

 

勇也は勝手に悟飯の外堀を更に埋めてしまったようである。

 

 

そんな馬鹿げたやり取りが繰り広げられていたが、ある人物の登場によってそれは一気に鎮まる。

 

 

 

 

悟空「よっ!みんな久しぶりだな!」

 

悟空が現れると、みんながそっちを向く。見てみると、見慣れた道着姿が目についた。しかし頭の上には天使を連想させる輪っかがあった。これは悟空が死人であるという証である。

 

占いばば「それじゃあ悟空。23時間だけじゃからな。くれぐれも"アレ"にだけはならんようにな」

 

悟空「おう!サンキューな、おばば!」

 

占いばばは悟空の付き添いが終わるとそそくさと帰ってしまった。

 

チチ「悟空さ〜!!!」

 

真っ先に悟空に向かって行ったのは、妻であるチチだった。

 

チチ「会いたかっただよッ!!オラ、ずっと会いたかっただ…!!!」

 

悟空「すまねえな、チチ………」

 

泣きながら抱きつくチチを悟空は抱きしめ返して優しく撫でる。

 

クリリン「ほんとに久しぶりだな〜!!」

 

悟空「あれ?クリリンいつの間に毛が生えたんだ?」

 

クリリン「言い方ッ…!!前にも言っただろ?ただ剃ってるだけだって」

 

亀仙人「悟空よ。よく帰ってきたな」

 

悟空「おう。じっちゃんも久しぶり!」

 

悟空は仲間達に次々と挨拶をすると、互いに積もる話でもあるのだろうか、会話が途切れることはなかった。特に悟飯とチチは家族ということもあるのだろうが、とても嬉しそうである。

 

しかし、そんなほっこりした会話をする中、1人は平常運転な者もいる。

 

ベジータ「カカロット。今日こそ貴様と決着をつけるぞ。覚悟しておけよ?」

 

悟空「おう!そっちもな」

 

たったそれだけの短いやりとり。だが、このやり取りは長年のライバル関係に終止符が打たれる時が近いことを意味しており、それを理解しているのは悟空とベジータだけである。

 

 

勇也「ほーう?あれが悟飯君の父親ねえ……」

 

零奈「私もあの世で何度かお話したことがありますよ。とってもいい方ですよ」

 

勇也「ガハハッ!先生が言うなら間違いないな!」

 

 

風太郎「………悟空さんって、人気者なんだな……」

 

五月「まあ、地球を幾度となく救ったヒーローみたいなものですからね」

 

二乃「というよりは、交友関係が広いように見えるけど」

 

 

 

 

そして、天下一武道会の受付までやってきた。まず初めにトランクスと悟天が名前を記入しようとしたら……。

 

「あ、君達15歳以下でしょ?だったら少年の部だよ」

 

トランクス「はあ?少年の部?何それ?」

 

係員の説明によると、15歳以下のちびっ子達は大人とは別に子供同士で戦う少年の部というものができたそうだ。大人とは完全に別枠ということだ。

 

悟天「えー?何それ!」

 

トランクス「大人とやらせてくれよ!」

 

「ダメダメ。これは決まりだから」

 

ブルマ「へぇ…。今はそんなものもできたのね〜……」

 

チチ「そっか…。なら優勝は悟天ちゃんに決まりだな」

 

ブルマ「あら、分からないわよ?うちのトランクスの方が強いんじゃないかしら?」

 

チチとブルマが互いの息子の強さで競い合いそうになった時…。

 

らいは「私は悟天君が勝つと思う!!だって間近でその強さを見てきたもん!!」

 

チチ「そうだよな!!悟天ちゃんの方が強いに決まってるだな!」

 

らいは「間違いないです!!」

 

ブルマ「えっ?まさか悟天君も隅に置けない感じ?」

 

恋愛関連に関しては相変わらず鋭いブルマである。

 

らいは「そうだ!はい悟天君!今日は試しにお饅頭作ってみたの!初めて作ったから上手くできてるか分からないけど……」

 

悟天「わーい!やった〜!!ありがとう!!」

 

悟天はこの夏休み期間でらいはに度々餌付けされており、既に胃袋が掴みかかれている。悟天にとってはらいはの料理もお気に入りなのだ。そして悟天はそんならいはに懐くのは必然である。故に、らいはの作戦は順調に進んでいると言える。

 

悟天はその純粋さを全面に出しらいはに抱きつく。この光景は、花火大会にらいはが四葉に抱きついた時のことを想起させる。

 

らいは「あ〜…!!もう悟天君可愛い!!!!お持ち帰りしたいくらい!!」

 

チチ「ちょっと待つだ!いくらなんでも悟天ちゃんにはまだ早いべ!!」

 

ここで我に帰ったチチが制止を促すが。

 

らいは「えー?じゃあ数年後、悟天君がもっと大きくなってからでもダメですか?」

 

チチ「あっ、それならいいだぞ」

 

もう少し粘れよと誰かからツッコミを受けたチチ。自分の息子を安売りしすぎではないだろうか…?

 

風太郎「らいは…!?血迷ったか!?」

 

勇也「ま、待ってくれ…!父ちゃんを1人にしないでくれぇ……!!」

 

そして血涙を流している者が2人。

 

二乃「らいはちゃん…。相手の親に約束を取り付けたわよ…?」

 

三玖「策士…………」

 

五月「お、恐ろしい子です…!」

 

トランクス「………なあ悟天。お前…」

 

悟天「ん?なーにトランクス君?このお饅頭はあげないよ?」

 

トランクス「いや、別に饅頭はいらねえ(悟飯さんがモテてるって度々言ってるけど、お前もじゃね?)」

 

トランクスは心にこそそう思ったが、口には出さないでおいた。

 

そんな様子を見て、Z戦士達は悟天も幼いのに隅に置けないと思うのであった。ちなみに悟飯はよく分かっていない。

 

ということで、少年の部に出場する子はここで一旦お別れとなった。悟天とトランクスなら大人に誘拐されそうになってもぶん殴って撃退することができるので安心である。

 

クリリン「いや〜…。この大会は本当に久しぶりだなぁ…」

 

クリリンがそうぼやくと、突然辺りが騒がしくなってきた。

 

「おい!ミスター・サタンが到着したってよ!!」

 

「マジかよ!?行こうぜ!!」

 

 

地球の英雄(ということにされている)Mr.サタンの顔を拝もうとするファンが続出。Mr.サタンの周りはあっという間に人で埋め尽くされてしまった。

 

サタン「うおおおッ!!みんなの英雄Mr.サタン様の到着だ〜!!!私を越えるのは誰だ〜!!!」

 

その雄叫びを聞こえると、連動するように一般大衆が歓声をあげる。それに引き続いてシャッターを切る音が絶えない。インタビューで今日の調子はどうだと聞かれたら、『120%の確率で勝利するかな!』と自信満々に答えていた。一方で隣にいたビーデルは、マスコミを煙たそうにしている。

 

 

クリリン「すげぇ人気者だな……」

 

ヤムチャ「あんなのでも世界チャンピオンなんだよな……」

 

悟飯「うわぁ……。カメラ多いな……」

 

そんな悟飯の一言に気づいたようで…。

 

「あ、あれ!?」

 

「カメラが一斉に壊れた!?」

 

「なんで〜!!!?」

 

ちなみにカメラというのはスマホも含まれている。全て壊されたわけではないのだが、カメラを出すとその瞬間壊されるということで、カメラやスマホを取り出さない人が続出したそうだ。

 

ちなみに、カメラを破壊した犯人はピッコロである。弟子の為にカメラを壊してあげるとは流石である。ただしカメラを壊す行為は普通に犯罪なので、良い子のみんなは真似しないでいただきたいところだ。

 

 

 

そして、天下一武道会の予選に入るわけだが……。

 

「それでは予選についてご説明します。毎度のごとく、パンチマシーンで数値で高い方から順に16人選出致します。ですがチャンピオンであるMr.サタンは無条件での出場となりますので、実質15人になりますね」

 

係員が簡潔にそう説明した。以前の予選は本番と同じように戦って決めていたのだが、当時よりも人数が増えた為に、スムーズに予選を終わらせる為にこのような形になったようだ。

 

そしてパンチマシーンの使い方を説明するということで、Mr.サタンが選手達の前に堂々と出てくる。羽織っていたマントをその辺に投げ捨てて、思いっきりマシンにパンチを決めると……。

 

「137点です!!これまた素晴らしい点数ですね!」

 

ちなみに、パンチマシンの最高記録は139点で、これもまたMr.サタンが叩き出した記録らしい。この点数を見た出場者達は、『今年もサタンの優勝か』とぼやいていた。つまり、一般人にとってはこの記録は相当なものなのだろう。

 

「それでは、出場者の皆さんは順番にこのマシンに殴り込んで下さい!思いっきりやってくださいね!!」

 

それを合図に悟飯達も選手列に並ぶ。そこである違和感を五つ子達は感じた。

 

二乃「あれ?四葉?そっちは選手列よ?観客席はこっちだけど?」

 

四葉「あっ!そ、それは………」

 

一花「あれ?二乃見てなかったの?さっき四葉は受付に名前を書いてたよ?」

 

二乃「はぁ!?」

 

三玖「えっ?四葉も出場するの?」

 

五月「ええ!?いくら運動ができる四葉でも無茶じゃないですか!?」

 

四葉「あはは…。本当はサプライズにしたかったんだけど……」

 

零奈「四葉、無理だけは絶対にしないで下さいね」

 

四葉「うん!私頑張るよ!」

 

四葉が出場することに皆驚いている様子である。

 

風太郎「四葉」

 

四葉「はい!なんでしょうか上杉さん!」

 

風太郎「頑張れよ」

 

そのなんてことのない一言のエール。四葉は母親や姉妹に応援されるのと同じくらいに、その言葉が嬉しかった。

 

四葉「はい!!精一杯頑張ります!!」

 

風太郎「……!お、おう……」

 

クリリン「えっ?君も出場するのか?流石にやめた方がいいんじゃないか?」

 

ピッコロ「腑抜けたなクリリン。そいつは気を抑えているだけだ」

 

クリリン「うぇ!?いつの間に気を覚えたんだよ!?」

 

四葉「孫さんにみっちり稽古をつけてもらったので!!」

 

クリリン「ちょっと待て?お前あの3人に迫られてるのにこの子とワンツーマンでやってたわけ?」

 

悟飯「えっ?は、はい…」

 

クリリン「お前馬鹿か!?まさか五つ子全員攻略するつもりか!!?」

 

悟飯「それは断じてないです……」

 

クリリンの気迫に押されつつも、しっかりと否定をする悟飯。そんな話をしていると、悟飯の肩が叩かれる。振り返ってみると、そこにはビーデルがいた。

 

ビーデル「やっほー!悟飯君!」

 

悟飯「ビーデルさん!さっきマスコミが沢山いたけど大丈夫だったの?」

 

ビーデル「ええ。こっそり抜け出してきたわ。それにしてもちゃんと出場してくれて良かったわぁ…。特に、四葉!あなたも出場してくれるとは思わなかったわ!」

 

四葉「あはは……。ま、まあ…」

 

クリリン「………悟飯。まさかこの子も…?」

 

悟飯「だから違いますって」

 

何が違うのかはよく分からないが、多分何も違わないだろう。そして雑談をしていると、自分達の番が来た。

 

クリリン「18号!ちゃんと加減しろよ!!」

 

18号「分かってるって」

 

18号が出てくると、周りの選手(特に男)の視線を釘付けにした。あんな華奢で美人な女性が出場するとなれば、それは目立つのも必然というものだろう。18号は面倒くさそうにパンチマシンを殴ると……。

 

「な、774!!!?」

 

通常ではあり得ない数値を叩き出してしまったため、係員を含めて心底驚かれている。Mr.サタンでさえ139を超えた数値を出したことはないのだ。一般人からしたらそれは驚かれるに決まっている。

 

クリリン「じゅ、18号!!」

 

流石に18号もまずいと思ったのか、今度は慎重にパンチをする。

 

「に、203点……」

 

続いてクリリンが……。

 

「ひゃ、192点……」

 

続いて悟空が……。

 

「ひゃ、186点………」

 

続いてピッコロ……。

 

「に、210点…………」

 

次々にMr.サタンをあっさりと越える数値を出てくる出てくる……。係員は故障かと点検を始めようとしたが……。

 

ベジータ「退いてろ」

 

 

ドグォォオオオオオオオン!!!

 

 

なんと、ベジータがパンチマシンを破壊してしまった。パンチマシンは吹き飛んで粉砕されてしまった。これを見て自信を無くした選手が大量にいたとか………。

 

悟飯「あちゃ〜……。ベジータさん何やってるの………」

 

四葉「私達の番が遠のいちゃいましたね………」

 

ビーデル「あれ、悟飯君の仲間達よね?何者なの、あなた達…?」

 

悟飯「ははは………。そこは聞かないでほしいかな………」

 

しばらくして新たなパンチマシンが用意された。すると係員が試しにパンチをしてみると50という数値が出てきた。それを何回か繰り返して新しく用意された機器は壊れていないことが確認されると、すぐに予選が再開された。

 

悟飯「四葉さん…!頑張ってね!」

 

四葉「はーい!お任せを!!」

 

「えっ?なんだ?今回美少女多くない?」

 

「さっきの203点を出した女の人並みに可愛いぞおい」

 

「見た感じビーデルさんと同い年かな?」

 

四葉は誰もが認める美少女である。そんな美少女がこんかむさ苦しい大会に出ているということで、注目を集めている。当の四葉は気にすることなくパンチマシンに殴り込む。

 

四葉「せーのッ!!!」

 

カカーン‼︎

 

パンチマシンの計測終了を知らせるベルが鳴り、係員が確認すると……。

 

「よ、428点ッ!?また故障か!?」

 

四葉「あっ…………」

 

ビーデル「うっそ……。あんたも…?」

 

まさかの点数で自己紹介をしてくるスタイル。というのは冗談で、恐らく加減をミスってしまったのだろう。

 

四葉「も、もう一回やりますね!」

 

四葉は一般人時代の感覚を思い出し、それよりも強い力を込めてパンチをすることにした。すると………。

 

「158…?ま、まあこれくらいなら……?」

 

一応加減はできたらしいが、それでもMr.サタンの数値を越えてきている。

 

悟飯「よーし、次は僕だな………」

 

悟飯はこれまでの高校生活での教訓を活かす時が来た。高校1年生の頃は、加減がよく分からずにやらかしまくっていたものだが、2年も一般人に混じって生活すれば流石に覚えるというもの。悟飯はある程度加減してパンチを決める……。

 

「に、258点です」

 

悟飯「あれ!?」

 

しかし、悟飯は度重なる戦闘でその強さが増していた。そのことを考慮せずに殴った為にこの様である。

 

ちなみにもう一度殴ったら140という数値が出た。いい感じに加減ができてはいるのだが、それでもMr.サタンの数値を越えていた。ちなみにビーデルの数値は139点と、Mr.サタンの最高記録に並んだ。

 

この結果ならば当然悟飯達は全員予選を突破した。さて、天下一武道会は一体どんな戦いを披露してくれるのだろうか……?

 




 一応再掲です。原作と丸被りする部分は基本的にカットするか、地の文メインでサラッと流すイメージです。台詞が少々変わる場合もあるのでご留意を。現段階では77話まで書き溜めができているのですが、ここで注意点を……。今回のブウ編は残酷な描写タグの効果が存分に発揮されると思って下さい。文字だけとはいえ、結構シリアスになると思います。下手したら原作よりもシリアスになるんじゃないかな……?
 ちなみに、書き溜めができているからといって一気に投稿することはないと思います。というのも、もうすぐ忙しくなって書く時間を確保できなくなる可能性が高いんですよね。と言っても2週間程度だとは思うんですがね。安定供給をする為に敢えて今までのペースを保ったまま投稿させていただきます。ご了承下さい。
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