孫悟飯は五つ子姉妹の家庭教師をするそうです【本編完結】   作:Miurand

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 前回のあらすじ…。
 天下一武道会が開催され、悟天とトランクスの試合を見て、悟飯が戦っている姿を見たことがあっても、やはり驚いてしまった。少年の部はトランクスの勝利で幕を閉じた。
 大人の部では、クリリンはあっさり勝ち、ピッコロは『シン』という少年を相手にすることになっていたのだが、なんと棄権してしまった。
 ビーデルはスポポビッチと試合をすることになったのだが、このスポポビッチは極悪非道なやつであった。ビーデルを必要以上に痛みつけ、ビーデルを殺す勢いであったが、ヤムーが止めたことによってなんとかなった。
 この行いに四葉は怒り、ヤムーに対して何故もっと早く止めなかったのかと言ったら、関係ない。止めた理由は時間の無駄だからと言った。その言葉に四葉はキレ、本気でヤムーを打ち倒したのだった……。



第76話 悲劇

ベジータの身に異変が起きる少し前に時を戻そう……。四葉達が天下一武道会でバトルロワイヤル形式で戦っていた時………。

 

ダーブラ「カァッ!!!」

 

超悟飯「はっ!!!」

 

ドゴォォオオッッ!!!!!

 

ダーブラ「ぐおおっ……!!!」

 

ピッコロとクリリンは、暗黒魔界の王ダーブラの唾によって石にされてしまった。2人を元に戻すべく、ダーブラを倒しにバビディの宇宙船に潜入していた。

 

バビディはこれまでプイプイとヤコンという邪悪な刺客を仕向けてきたが、ベジータ、悟空があっさりと倒してしまった。そして今、悟飯はダーブラと戦っている真っ最中であった。ダーブラは8年前に現れたセルと同等の力とされていたが、今の悟飯ならダーブラを倒すのは余裕ではないにしろ、可能な範囲であった。

 

ダーブラ「ば、馬鹿な…!!この俺が…!俺は暗黒魔界の王だぞ…!!」

 

超悟飯「知るか。そろそろ決着をつけさせてもらうぞ…!!」

 

ダーブラ「ちっ…!!」ピッ‼︎

 

超悟飯「!?」

 

ダーブラは魔術を使用して悟飯の視界を一時的に奪うと、悟飯に不意打ちをする為に剣を出現させ、それを悟飯に向けて振る。

 

ガンッ…!!!!

 

ダーブラ「なっ!!!?」

 

悟飯は目を瞑りつつも剣をしっかりと受け止めた。

 

超悟飯「しゃあッ!!!!」

 

バキッ!!!!

 

そして、悟飯は剣をあっさりと折ってしまう。

 

ダーブラ「く、くそ……!!」

 

『何してんだよダーブラ!早くそいつらを殺しちゃってよ!!』

 

ダーブラ「しょ、少々お待ちくださいバビディ様…!!!」

 

ベジータ「あの野朗…!何をグズグズしてやがる…!!!」

 

悟空「ベジータ。そう焦らなくてもそろそろ決着がつきそうだぞ?」

 

ベジータ「黙れ!俺は早くこんなお遊びを終わらせたいんだ…!!貴様は今日が過ぎたら二度とここには来れなくなる!そうなる前に、貴様と決着をつけたいんだ!!!」

 

ダーブラ「…………ほう」

 

ベジータは中々つかない決着に対してイラついていた。

 

ダーブラ「(バビディ様。いい発見をしましたぞ。場所を宇宙船に戻してください)」

 

『なに?どういうことだ?』

 

ダーブラ「(いい人材を発見致しました。あとは奴らに仲間割れをさせましょう)」

 

『へえ?あの中に正義の為に来たわけじゃないやつがいるってこと?まあいいや、パッパラパー!!』

 

バビディは魔術を使用して、一時的にダーブラの住む暗黒魔界をバトルフィールドとしていたが、解除して元の宇宙船に戻した。

 

超悟飯「……!!?なんだ!?」

 

ダーブラ「戦いは終わりだ。もう俺が戦う必要はない」

 

超悟飯「逃げるのか!?」

 

ダーブラ「違うな。そうではない。いい人材が見つかったから俺が出る必要がなくなったのだ」

 

ダーブラはそう言うと、隣の部屋に移動して扉が閉まった。

 

超悟飯「見つかった………?」

 

悟空「どういうことだ……?」

 

界王神「……!!ま、まさか…!!」

 

 

 

ダーブラ「如何ですか?バビディ様」

 

バビディ「へぇ!こいつは確かに凄い邪心だねぇ…!これなら十分こっち側に引き込めるよ。よくやったねダーブラ」

 

ダーブラ「お褒めに授かり光栄です」

 

バビディ「それじゃあ始めようか。はぁぁあああ………!!!」

 

バビディは邪心や欲などの心を利用して戦士を集めてきた。邪心が強ければ強いほどバビディの手下として洗脳しやすいのだ。元々は極悪人だったベジータは、今でこそ丸くなったとはいえ、邪心は悟空達に比べて大きかった。

 

ベジータ「……!!ぐぉぉお……!!」

 

界王神「やっぱり!!ベジータさん!何も考えないで下さい!!奴らはあなたの邪心を利用しています!!」

 

悟空「まさか…!バビディの魔術ってやつか!!」

 

界王神「はい!!恐らく!!!」

 

超悟飯「べ、ベジータさん!!そんな奴に操られないで下さい!!」

 

ベジータ「うるせえ、黙れ……!!」

 

ベジータは頭を抑えながら苦しむような素振りを見せる。ベジータの邪心を利用してバビディの洗脳魔術が確実に侵食していた。

 

 

 

バビディ「よーし、もうこっちのものだよ〜。あとは限界以上に力を引き出してあげるよ」

 

ベジータ「ぬぉおおおおおッッ!!!」

 

ボォオオオオッ!!!!!

 

超悟飯「なっ……!!!」

 

 

ベジータは苦しみながら超サイヤ人に変身する。そして、超サイヤ人に変身完了すると、先程の出来事が嘘のように静かになった…。しかし………。

 

超ベジータ「はぁ……………はぁ………」

 

超悟飯「……!!!」

 

悟空「しまった……!!」

 

ベジータの額には『M』の文字がくっきりと刻印されていた。これは、ベジータがバビディの支配下に置かれてしまったという証である。

 

超悟飯「そ、そんな……!!」

 

 

『それじゃあいいところに場所を移してあげるよ。パッパラパー!!』

 

こうして、ベジータは突然凶悪になった………否、戻ってしまったのだ。自制心をなくしたベジータは、天下一武道会の試合を観戦しに来た観客を容赦なく大量虐殺をしてしまったのだ。

 

 

 

 

悟空「ぐっ…………」

 

悟空は先程のベジータの行いを思い出して苦虫を噛み潰したような険しい表情をした後に、覚悟を決めたかのように超サイヤ人に変身した。

 

界王神「いけません悟空さん!!これではバビディ達の思うつぼですよ!!」

 

超悟空「ベジータ。おめぇはオラと戦う為に敢えてバビディに支配されて自制心をなくした……。違うか?」

 

界王神「それ、本当ですか!?」

 

超ベジータ「こうでもせんと貴様は俺と戦わん。たった1日で貴様は二度とこの世からはいなくなってしまうからな」

 

界王神「そ、そんなことで…!!たったそれだけのことでこんな馬鹿なことを…!!?」

 

超ベジータ「馬鹿なことだと!!!?俺にとってはそれが全てだ!!魔人ブウのことなどどうでもいい!!!」

 

ベジータは、長年のライバルである悟空と決着をつけたかった。セルゲームの時に悟空が死に、もう2度と悟空と戦えないことを知ったベジータは、一時的にトレーニングをやめてしまったほどにショックだった。だが、ここでようやく悟空が帰ってくることを知った。ベジータは再び悟空と戦えることを喜んだ。だが、そんな大事な日に邪魔が入ったのだ。

 

超ベジータ「こいつは…!こいつは俺を超えやがった!!同じサイヤ人でありながら…!!この俺を抜いたんだ!!!圧倒的な力を誇っていた王子であるこの俺に!!

 

こいつに命を助けられたこともあった…!許せるもんか…!!絶対に…!!!」

 

超悟空「…………」

 

悟空はベジータの心の叫びを聞き終えると、何かを決心した顔つきになった。

 

超悟空「バビディ!!オラはベジータと戦うことにした!!場所を移せ!!!」

 

界王神「お待ちなさい!!どうしても戦うと言うのなら、この私を倒してからにしなさい!!」

 

超悟空「…………」ポワッ

 

界王神「……!!」

 

界王神にそう言われて止められるも、悟空は手に気を集中させて気功波を生成する。その様子を見た界王神は、悟空とベジータが戦うことは避けられないのだと悟った。

 

界王神「………でしたら、私達はバビディ達のところに行きましょう………」

 

悟飯「えっ……?でも、扉は閉じてますし、それに衝撃を加えたら………」

 

界王神「どうせこのお二人が戦ってフルパワーで魔人ブウが復活してしまうくらいなら、不完全な形で復活してしまった方がマシですよ………」

 

悟飯「……分かりました」

 

悟飯は下に向かう宇宙船のドアを破壊しようとした時、扉が開かれた。

 

悟飯「……?なんで…?」

 

界王神「恐らく宇宙船を壊されたくないのでしょう。奴らもブウをフルパワーで復活させたいでしょうからね……」

 

悟飯「………お父さん。せっかく今日だけ戻って来れるのに、こんなことになってしまって残念です………」

 

超悟空「………」

 

悟空は無言で、しかし笑顔で悟飯の言葉を聞くと、行けと首を振って促した。悟飯と界王神は、罠だと分かっていたものの、他に選択肢はなかった為そのまま下に降りて行った。

 

超悟空「頼んだぞ、悟飯………」

 

超ベジータ「さあ行くぞカカロット!!殺してやる!!!!」

 

超悟空「待てベジータ!!ここでやるのは危険だ!!ブルマ達が巻き込まれて死んじまってもいいのか!!!?」

 

超ベジータ「ぐっ……!!黙れ!!今の俺はブルマの妻、トランクスの父親のベジータではない!!誇り高き戦闘民族サイヤ人の王子、ベジータ様に戻ったんだッッ!!!!!」

 

ベジータは一瞬躊躇う表情をしたが、すぐに雄叫びをあげながらそう訴えると、ブルマ達のいる方向に手を向ける。

 

超ベジータ「カカロット…!そんなにあいつらが邪魔なら、俺が消してやる!!」

 

超悟空「馬鹿…!!やめろベジータ!!!!」

 

超ベジータ「死ねぇえええッッ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

フータロー君が目を覚さない…!なんでこんなことになっちゃったの…?あの人のせいだ……!あの人があんなことをしなかったら……!!!!

 

『へえ…。君、ベジータのことが憎いんだね?』

 

だ、誰!?私の脳内に直接!?

 

『もしも僕に全て任せてくれるなら、君の力を引き出してあげるよ?』

 

私の力を引き出す……?どういうこと?

 

『君の妹みたいに力を得ることができるんだよ?そうすれば、あの憎きベジータも倒せるかもよ?』

 

……待って。何か怪しい……。いきなり脳内に話しかけてきて、そんな虫のいい話があるのだろうか……?四葉は必死に修行をしたからあれほどの力を得たらしい。それを一瞬にして引き出せるとは思えない。私も嘘をつくことがあるからよく分かる。今私に話しかけてきている人は何かしら企んでいる……。

 

『ちょっとショックだな〜……。君の脳内に直接話しかけられるってことは、君の思考も読み取れるんだよ?』

 

し、しまった…!

 

『もう。まあ君が断ろうと僕の手下になってもらうけどね。ちょっと人手不足で困ってるんだ』

 

何者かがそう言うと、私の脳内にある映像が流れる………。

 

 

 

 

『嘘……だよな?』

 

『嘘じゃないよ……』

 

 

あれ……?これ、三玖に変装してフータロー君に告白した時のだ……。でもこれがどうしたっていうの………?

 

 

 

 

『三玖を止めるため、私は嘘を演じ続ける……!』

 

えっ?何この記憶……?この光景は修学旅行……?三玖に変装して……。えっ?私、こんなことした覚えないよ……?確か蛙と入れ替わって大変なことに…………。

 

『これは君がしたかもしれないこと。つまり、並行世界で起きているかもしれない可能性の話だよ?分かるかい?君はフータローって奴に恋焦がれている。そしてそいつ以外は何もいらない。君はそんな欲望を持っているんだよ』

 

フータロー君以外は必要ない…?そんなはずない…!!確かにフータロー君のことは大好きだけど、姉妹のみんなも大事なの…!!

 

『ふーん?これを見てもそんなことが言えるのかな?』

 

そして謎の人物は私の脳内に直接映像を送り込んでくる………。えっ?なに、この光景…………?

 

『よーく見てごらん?これが君の本来の姿さ』

 

映像に映し出されているのは、私自身。だけど、なんか私とは違う気がする。私はこんな歪んだ笑顔なんてしたことない。なんなら演技でもこんな顔はしたことがない……。一体何の記憶なの……?

 

『はぁ……♡私の大好きなだーいすきなフータロー君♪邪魔者はみーんな私が片付けてあげるからね?フータロー君を傷付けるようなやつは、1人残らず殺してやるんだから』

 

…………えっ?顔も声も間違いなく私…。でも、私はこんなこと言わない!

 

『いい加減認めなよ。あなたは私。私はあなたなんだよ?あなたはフータロー君が傷ついた時、あのおじさんに殺意を抱いたよね?その感情の正体こそ私……。フータロー君を傷付けられてしまった為に生まれてしまった中野一花なの』

 

『うへへへ!これでもう君は僕の手下だね。いい働きを期待するよ?』

 

えっ…?嘘、何するの…!?やめ………

 

 

 

 

 

 

ドゴォオオッ!!!

 

超ベジータ「…………?」

 

ベジータは何者かの蹴りを頬に受けて、数歩後退りをした。

 

超ベジータ「………貴様、何のつもりだ?」

 

「…………」

 

悟空「…!!おめぇ……!!いつ気を………、!!!!」

 

悟空はその『少女』の気を感じ取ってあることに気付いてしまった。

 

悟空「おめぇ…!!まさか……!!!」

 

一花「……………」

 

ベジータの前には一花が立っていた。ベジータに蹴りをいれた者の正体は一花だった。しかし、一花は気を扱えないはずである。四葉でさえも悟飯に稽古をつけてもらって扱えるようになったのだ。

 

 

 

二乃「えっ……?な、なんで一花が……?」

 

四葉「ど、どうしちゃったの一花……?それに、この邪悪な気配………!!」

 

 

 

 

一花「……フータロー君を傷つける奴は許さない…!!許さない…!!!!許さない……!!!!!

 

悟空「まさか、おめぇもバビディの術に……!!!!」

 

 

 

 

 

バビディ「よしよし。なんとか保険も作り出すことができたぞ」

 

ダーブラ「バビディ様。何故あんな小娘を…?」

 

バビディ「天下一武道会ってやつを覗いていたんだけどさ、その時にこいつの姉妹が素の強さでヤムーを圧倒していたから使えるかと思ったんだよ。ベジータは言うことを聞かないし、何よりコイツはこれから界王神と共に来る地球人にとって大切な存在だそうだ。ダーブラじゃあの地球人に勝てるか怪しいからね」

 

ダーブラ「も、申し訳ありません……」

 

なんと、バビディは一花を魔術で洗脳してしまったのだ。一花がバビディの魔術にやられるほどに邪心が強かったのだろうか……?

 

………しかし、これは偶然によって引き起こされたものだった。ベジータが暴れたことによって、風太郎が傷付いてしまった。それによって、一花はベジータに対して殺意に近い黒い感情を抱いてしまったのだ。そこにあと1人くらい手下を確保したいバビディの目に入ってしまったというわけだ。

 

そして、バビディが邪心を引き出そうとすればするほど、一花という少女には心の奥底に闇が存在していることが分かった。未来の五月の世界では、一花はライバルである姉妹達を出し抜く為に三玖に変装をして、三玖を競争から脱落させようとしていた。この行動は独占欲の強さの証であり、姉妹よりも風太郎を選んだ瞬間だった。この世界の一花はライバルというライバルが現れなかった為、闇が表に出ることはなかったし、本人がそれに気付くこともなかった。

 

………だが、バビディによってその闇の部分を引き出され、自覚させた後に円滑に洗脳してしまったのだ。

 

しかも、一花は悟飯に対して有効である。バビディは悟飯は一花を傷付けられないことを、一花の記憶を読み取ることによって把握した。先程の戦いでダーブラは悟飯相手に何度も不覚を取っていた為、相当都合が良かったのだ。

 

 

 

一花「フータロー君を傷つける奴は許さない……!!私の邪魔をするやつは、許さない!!!!」

 

超ベジータ「雑魚は引っ込んでいろ」

 

前髪で隠れてしまっているが、額にくっきりとM字が刻印された一花に、同じく額にMの字を持つベジータが睨み合う。

 

『あ、ちょっとちょっと!イチカ…だっけ?そいつは味方だよ!お前はこっちに来るんだ!』

 

バビディは魔術を利用して一花に命令する。洗脳を受けた一花はバビディの駒になる。

 

一花「…………あなたも、フータロー君と私の邪魔をするんだ……?」

 

『なっ……!!まさかこいつも…!!も、もう一度言うよイチカ!!早く僕のところに来るんだ!場所は分かっているはずだよ!』

 

一花「待っててねフータロー君。邪魔な奴らを一掃するから。邪魔者がいなくなったら、2人で………」

 

ベジータはバビディの指示によって苦しむ動作をしていたが、一花にはその様子が全く見られなかった。

 

『こ、こいつ…!!よく分からないけど、フータローってやつへの愛が大き過ぎて心を支配しきれなかったのか…!!なんてやつだよ…!!これ最早ヤンデレってやつだよ……!!!もういいや、パッパラパー!!!』

 

シュン‼︎

 

一花「……!?」

 

バビディは魔術を使用して、悟空とベジータのバトルフィールドを移したことによって、ベジータと悟空はボロボロになった武舞台から姿を消した。

 

超バーダック「……あの王子…。正気じゃなかったな……。くそ…!!」

 

ドシューンッッ!!!

 

バーダックは先程のベジータの様子を見て思うところがあったのか、試合を放棄して飛び立ってしまった。これによって一応サタンの勝利が確定したのだが、先程の騒動が原因で観客は殆ど残っていなかった。

 

一花「あれ?いなくなっちゃった……?まあいいか…………」

 

一花は対象がいなくなったため、これで大人しくなるはずだが………。

 

一花「…………さて」

 

 

シュン‼︎

 

 

一花は五つ子の前に高速移動をする。

 

四葉「い、一花…!!」

 

二乃「あんた、いつの間にそんな術を…!!」

 

一花「ねえ、四葉。四葉はフータロー君を独占したい?」

 

四葉「………な、何を言ってるの?」

 

一花「私ね、バビディって魔道士に洗脳魔術をかけられちゃったみたいなんだ」

 

四葉「ええ!!!?」

 

三玖「う、嘘……!!!!」

 

ヤムチャ「な、なんだって…!!!」

 

亀仙人「だから気が邪悪なものに…!!」

 

一花「でも、私のフータロー君に対する思いは支配しきれなかったみたい」

 

四葉「えっと、つまり……?」

 

一花「……私はね、フータロー君と幸せに暮らしたいんだ。フータロー君の怪我を治したら、フータロー君を連れて……」

 

四葉「ちょ、ちょっと待って一花…!」

 

一花「何?四葉も邪魔するの?あいつみたいに………」

 

四葉「上杉さんと暮らすって……。上杉さんの意思は?」

 

一花「大丈夫。フータロー君ならきっと分かってくれるよ。だって私のパートナーだもん」

 

今の一花からは正気を感じなかった。それを無意識に感じ取った四葉は警戒をしている。

 

一花「四葉もフータロー君が好きなんでしょ?でもさ、悪いけど私に譲ってくれないかな?」

 

幸いなことに、風太郎は意識を失っていたので今の言葉を聞いていなかった。だが、今の一花の言葉を聞いて驚いている者が数名いる。

 

四葉「………多分だけど、上杉さんは今の一花にはついて行かないと思う」

 

一花「そう?じゃあ力づくで連れて行くよ」

 

勇也「お、おい!待ってくれ!せめて風太郎の怪我を治してからじゃないと!」

 

一花「関係ない。フータロー君の面倒は私が見るよ。お金も、食事も、私の身も心も、フータロー君が望む物なら私が何でもあげる。フータロー君のお世話だってする。ううん。私がしたいの。だから、フータロー君をちょうだい?」

 

バビディに完全に支配されなかったが、自制心を完全に失ってしまったようである。魔術によって風太郎に対する想い、独占欲が溢れ出してしまい、一花自身も制御ができなくなってしまっている。

 

四葉「それはダメ!!!」

 

一花「なんで?」

 

四葉「今の一花を見たら、上杉さんはきっと………」

 

一花「そう。邪魔をするんだ?やっぱ四葉は邪魔者なんだね」

 

四葉「………えっ?」

 

先程まで笑顔だった一花が突然真顔になった。

 

 

ドゴォォオオッッ!!!!!

 

 

四葉「ぐあっ…!!!一花……!!!」

 

サタン「ひぃ!!だ、大丈夫か!!?」

 

一花の攻撃を受けて四葉は武舞台に叩きつけられた。四葉は一花が攻撃してくるとは思いもしなかったので、受け身を取ることもできなかった。

 

二乃「ちょっと一花!!何してんのよ!?」

 

一花「何って?邪魔者を消そうとしているだけだけど?」

 

二乃「邪魔者って……!!あんた…!!自分が何を言ったのか分かってんの!?四葉は私達の大事な家族なのよ!!?」

 

一花「だから何?四葉は私の妹だからフータロー君を譲れって?冗談じゃないよ」

 

二乃「そこまで言ってないわよ!!」

 

五月「い、一花!!こんなことはもうやめて下さい!!お母さんが何て言うか………!!!」

 

一花「うるさいなぁ…。結局、みんなは私の味方なの?それとも、四葉の味方なの?」

 

三玖「一花…!元の優しい一花に戻ってよ!!こんなの、私達の知ってる一花じゃない!!!」

 

一花「三玖の知ってる私がどういうものか知らないけど、私は私だよ?もしフータロー君との生活を邪魔をするなら、私は相手が姉妹だろうと関係ない。私の邪魔をする姉妹なんて姉妹じゃないよ」

 

二乃「あ、あんた…!!!!!それじゃあ、今までの生活はなんだったのよ!私達、どんな時も5人で頑張ってきたじゃない…!!!一花は私達を引っ張ってくれたでしょ!!!?」

 

二乃は泣きながら一花にそう訴えた。

 

一花「……………」

 

二乃の言葉に、流石に一花も思い直したのだろうか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

一花「だから?

 

二乃「…………えっ?」

 

一花「だから何?昔は協力し合っていても、今邪魔をするなら『敵』以外の何者でもないでしょ?」

 

だが、一花は思い直す素振りすら見せなかった。一花は冷たく二乃に言い放つと、二乃に手を向ける。

 

一花「あっ、そうだ。二乃の料理は美味しかったよ。今までありがとね」

 

一花は手に気を集中させて気功波を生み出すと、それを二乃の顔面に向ける。これが放たれれば、気を扱えない二乃は一瞬にして吹き飛んでしまうだろう。

 

一花は何の躊躇もなく気功波を放とうとしたその時である………。

 

 

ドカッッ…!!!!!

 

一花「……!!!!?」

 

ヤムチャ「悪いなお嬢ちゃん。目の前でみすみす殺人犯を作るわけにはいかないんだ」

 

ヤムチャが一花の攻撃を阻止した。

 

一花「何?あなたも私の邪魔をするの?そんなにフータロー君との関係を歓迎しない?」

 

ヤムチャ「そうは言ってないさ。だけど君が正気に戻った時、君の手で姉妹に手をかけてしまったことを知れば、きっと君は悲しむだろう?」

 

一花「何を言ってるの?意味が分からないんだけど」

 

ヤムチャは一花の説得を試みるも、当の本人は聞く耳を持たない。そのままヤムチャに複数の拳撃が放たれたが、ヤムチャはそれらを器用に避ける。いくら戦士を引退したとしても、ヤムチャとて超人である。一花相手に不覚を取るほど落ちぶれてはいない。

 

ヤムチャ「(困ったな。俺がこの子の気を引くことはできるが、どうすれば元に戻せるんだ……?)」

 

ヤムチャは一花の攻撃を避けながら思考するが、なかなかいい案が思い浮かばなかった。

 

一花「いい加減にしてよ…!!」

 

一花は攻撃が当たらないことにイラつき始めたのか、近接戦から遠距離戦に切り替える。両手に気を集中させて、小規模の気功波を生成し、それをマシンガンの如くヤムチャに向けて連射をする。

 

ヤムチャ「くっ…!こうなったら二刀流だ…!!!」

 

ヤムチャは自身の専用技である操気弾を2つ生み出して、一花から放たれた気功波を次々と爆破していく。器用に操作される操気弾を見て、一花は一瞬怯んだ。

 

ヤムチャ「おい!!みんなは今のうちに避難しろ!!俺は取り敢えずこの子を食い止める!!」

 

ヤムチャが避難を促すと、勇也は風太郎を抱え、チチが零奈を抱えて避難を始める。

 

一花「逃すと思う?」

 

一花は気功波をまた躊躇なく放つが、ヤムチャがこれを弾くことによってみんなは無事だった。

 

一花「…………なんちゃって」

 

ヤムチャ「……?」

 

 

グサッ……!!!!!

 

ヤムチャ「な、なに…………がはっ…!!!」

 

 

なんと、ヤムチャが一花の気弾を弾いた途端、球型の気弾が突如鋭利な形に変化して、ヤムチャの肩を貫いた。

 

ヤムチャ「そ、そんなの……!ありかよ……!!!!」

 

一花「だって正攻法じゃ勝てないもん。悔しいけど。それじゃあ、バイバーイ」

 

一花は不敵な笑みを浮かべてフルパワーの気功波を放った。その光はヤムチャに向かって容赦なく突き進んで行く。

 

バシン……!!!!

 

一花「……!」

 

しかし、それは18号によって一花の方へと弾き飛ばされ、爆発した。

 

18号「ったく。小娘が調子に乗ってんじゃないよ。マーロンを傷付けようとしたこと、後悔させてやるよ」

 

 

ガンッ……!!!!

 

一花「……!!!」

 

一花は爆発を利用して18号の目を欺いて不意打ちをしようとしたが、18号には通用しなかった。

 

18号「悪いね。私には通用しないよ」

 

18号は一花の眼前に移動し、エネルギー砲を目の前で浴びせようとする。

 

四葉「待ってください!!!!!」

 

18号「…………なんだい?」

 

一花「四葉…………」

 

四葉「一花は、私に任せてくれませんか?」

 

18号「あんた、分かってんのかい?こいつはあんたよりも強いかもよ?はっきり言うと、この場にいる奴らだと私じゃないと手に負えないよ?」

 

四葉「それでも…!一花は私の家族です…!どうか私に任せてくれませんか!」

 

18号「あんたね……」

 

四葉「あなたは娘さんを守ってあげて下さい!!」

 

18号「……ちっ。分かったよ。死ぬんじゃないよ」

 

18号はマーロンの側に移動すると、マーロンを連れて観客席を後にした。ヤムチャは深い傷を負ったものの、自力で浮いて外に避難をした。

 

 

一花「………四葉。どういうつもり?」

 

四葉「……一花。私達ってさ、口喧嘩はしたことあるけど、殴り合いの喧嘩をしたことはないよね」

 

一花「ああ……。確かにしたことないかもね〜…」

 

四葉「………なら、今しようよ」

 

一花「えっ?」

 

四葉「殴り合いの()()

 

四葉は戦いとしてではなく、()()として一花と戦うことにした。そうすれば()()()()()()()()()()()()()()()()。そう信じての言葉だった………。

 

一花「ふーん…?そっかぁ……。フータロー君を懸けて勝負しようってこと?いいじゃん。やろうよ、喧嘩」

 

四葉の提案に、一花は快く承諾した。

 

一花「私は負けないし、負けてあげないよ?」

 

四葉「…………」

 

四葉はその言葉を聞くと、無言のまま戦闘態勢に入る。一花も同様に戦闘態勢に入り、2人の間に緊張感が走る。

 

四葉「(私はこれまで何度も一花に助けられた。お母さんが死んだ時、一花自身も辛いはずなのに、私達を導いてくれた。私が転校する時も、一緒についてきてくれたけど、あれも一花の提案なんでしょ……?長女で優しい一花に私は何度も助けられた…………)」

 

四葉はこれまでのことを思い出し、一花は本来ならいい人物であることを再確認した。

 

四葉「(一花が風太郎君と一緒になりたいって気持ちは本物だと思う。でも姉妹が邪魔者だなんて、それは一花の本心じゃない。もしそれが本心なら、私達の為に色々やってくれるはずがないもん)」

 

そして、四葉の顔は戦士の顔と言っても差し支えのないくらいに、覚悟の決まった顔に変化する。

 

四葉「(きっと一花は魔法のせいでおかしくなっているんだ…!だから今度は私が一花を助ける番だ…!!!)」

 

四葉は心の中でそう叫ぶと、互いの拳がぶつかり合う音が響き始めた………。

 

 

 

 

 

 

 

一方で、観客席にいた一向は、再びジェットフライヤーの中に入っていた。

 

二乃「一花…!!なんで…!!!どうしてよ!!!」

 

三玖「四葉に一花…。大丈夫かな……」

 

五月「二乃、四葉を信じましょう……。四葉が一花を元に戻して帰ってきてくれますよ………」

 

五月はそうは言いつつも、顔は険しいものであった。

 

ブルマ「ベジータ……。どうして……」

 

そして、ブルマはベジータが何故あんな残虐な行為に及んだのか理解できずにいた。

 

ヤムチャ「多分、魔道士ってやつの仕業だろうな……。そいつの魔術はあの子みたいに人を邪悪な者に変えちまうんだろう…………」

 

亀仙人「となると、悟空達は厄介な者を相手にしているわけじゃな……」

 

ヤムチャはチチに手当してもらった為、大事には至っていない。本来なら素人の手当では不十分であるが、気で出血を抑えている状態だ。

 

チチ「悟飯も四葉さも一花さも大丈夫だか……。悟空さも悟天ちゃんもどこかに行っちまうし………」

 

ブルマ「トランクスもあれっきり帰ってこないし…………」

 

亀仙人「………よし。ドラゴンボールを集めよう」

 

ブルマ「えっ?なんでよ?」

 

亀仙人「さっきので人が死んでしまったじゃろう?その人達を生き返らせねばならん………」

 

ヤムチャ「それもそうですね…。ブルマ、レーダーはあるか?」

 

ブルマ「レーダーはうちにあるわ」

 

ヤムチャ「よし、まずは取りに行くぞ」

 

風太郎「いっつつ……。あれ?ここは………」

 

らいは「お兄ちゃん!?」

 

勇也「風太郎!?大丈夫か!?俺が分かるか!!!?」

 

風太郎「ああ、分かったから揺らすな。吐きそう………」

 

風太郎は頭を打って出血していたが、意識を取り戻したところを見ると大したことはなかったそうだ。

 

三玖「良かった………」

 

風太郎「あっ、そうだ!みんなは…!!」

 

五月「大丈夫です。私達は無事です」

 

風太郎「そうか……。って、四葉と一花はどうした……?」

 

亀仙人「………あの子達は………」

 

亀仙人が分かりやすく説明すると、風太郎は急に焦り出した。

 

風太郎「おい嘘だろ!!?一花が操られて………、四葉が一花を止める為に………!!!?」

 

ヤムチャ「俺もこの怪我がなければ……。仙豆は持ってたりしないよな?」

 

亀仙人「うむ…。恐らく悟空が持っておるだろう………」

 

ヤムチャ「畜生……!!情けねぇぜ、俺…!!!」

 

ビーデル「待って!!」

 

ジェットフライヤーが発進するという時に、ビーデルがジェットフライヤーに乗り込んできた。

 

チチ「おめぇは確か………」

 

ビーデル「さっきの話、聞かせてもらったわ。よく分からないけど天下一武道会が大変なことになってるみたいね。私もできることなら協力するわ」

 

チチ「おめぇ……。いい奴だったんだな………」

 

ビーデル「……私は何をすればいいの?」

 

こうして、五つ子達+Z戦士達に加え、ビーデルもドラゴンボール集めに協力することになった。

 

悟空とベジータが対決している中、四葉と一花による史上最強の姉妹喧嘩が起ころうとしている……。そして、悟飯と界王神は魔人ブウの復活を阻止する為にバビディ達と台頭する。

 

バビディによって壊されそうになる姉妹の絆を、四葉が守ろうと立ち上がったが、四葉は姉妹の絆を守り切ることはできるのであろうか………?

 




 はい。一花推しの方々申し訳ありません。一花が闇落ちしてしまいました(by闇落ちさせた張本人)。修学旅行では闇落ちしないと言ってましたが、あくまで修学旅行での話です。でもこれは全てバビディって奴のせいなんです。一花は悪くありません。バビディの術の効果が一花にとっては強すぎた為にこんな邪悪な感じになってしまいました。
 ちなみにここでこだわったポイントは、一花(闇一花)がとにかく風太郎に対する執着がすごいこと。バビディの術で欲望、独占欲が全開になっています。そして悪の存在になってしまったので、姉妹だろうと邪魔する場合は躊躇なく殺します。そしてブウ編では活躍がなかったヤムチャが活躍したことですね。ただヤムチャは相手が女の子ということもあり、本気を出せなかった上に、殺る気マンマンの一花に不意打ち気味の攻撃でダウンしてしまいました。

 次回はシスターズウォー(物理)になります。作者の趣味趣向が結構反映されている気がします。次回を見たら作者がどんなシチュが好みなのか分かるかもね(オイ)

………最近クオリティ落ちていないか不安です。なんせ見直せる時間がなかなかないのでね………。

 ちょっと補足。一花と互角の戦士の場合はあの不意打ちの攻撃によって胸を貫かれてましたが、ヤムチャはZ戦士としての経験や実力差が生きて急所を外すことができたって解釈していただけると助かります。
 ちなみに一花がバビディの術にかかった理由、バビディが一花を選んだ理由は本編通りです。ただしあの闇一花はオリジナルである一花を元にバビディがパパッと作った都合のいい人格と解釈してください。ただし風太郎への愛のせいで都合のいい部下にはなりませんでしたが……。
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