孫悟飯は五つ子姉妹の家庭教師をするそうです【本編完結】 作:Miurand
バビディの魔法によって暴走した一花はなんとか風太郎の元に辿り着いた。四葉が戻ってこないことに違和感を感じた風太郎は一花に問い詰めると、あっさりと自分がしたことを自白した。実際に死体を見せられたことによって風太郎は壊れかけるも、そこに四葉が現れたが、一花と風太郎以外には認識できなかったようだ。風太郎は四葉の力を借り、最後は死闘を繰り広げたとは思えないようなトドメを刺して一花を正気に戻すことに成功したのだった……。
一花「私、四葉を…!殺しちゃった…!妹を殺しちゃった……!!!!」
風太郎「殺したのはお前じゃない…!!邪悪な魔道士ってやつのせいなんだ…!お前のせいじゃないんだ…!!!」
一花「でも…!!でも………」
風太郎「いいんだ一花。四葉は怒っていなかった………」
一花「そんなはずないよ…!!」
風太郎「いや、お前ははっきりと言ったんだろう?四葉を殺したくないって。それがお前の本心だった……。でもそれを踏み躙ったのは魔道士ってやつだ。憎むべき相手はそいつだ………」
亀仙人「………こりゃたまげたわい…!まさか本当に正気に戻すとは…!!」
ヤムチャ「今だから正直に言うが、俺は一旦殺してからじゃないと正気には戻せないと決め込んでいた…………」
ビーデル「キスで元に戻すなんて……。ロマンチック……………」
風太郎の思いがけない行動によって呪縛が解けて正気に戻った一花。しかし、彼女の記憶は未だに残っており、四葉をその手で殺したことも鮮明に覚えているのだ………。
一花「なんで…?なんでフータロー君は私を助けたの…?私が憎くないの…?」
風太郎「ああ。あれは一花を名乗る別人がやったことだ。決してお前のせいじゃない」
一花「………フータロー君はそう思ってくれても、他のみんなは………」
ダキッ!!!
一花「!!?」
二乃、三玖、五月の3人が一花に飛び込んできた。
一花「えっ……?」
二乃「良かった…!!やっと元に戻ってくれたのね…!!本当に良かった…!!!」
五月「一花ぁ…!!!!」
三玖「一花…!!元に戻ったんだ…!!良かった……!!良かった…!!!」
3人とも一花を恨んでいる様子はなかった。寧ろ一花の帰還を泣くほど喜んでいるように見える。
一花「み、みんな……?なんで……?」
二乃「なんでって…!!一花も大事な家族なのよ…!!心配して当たり前じゃない!!」
一花「私は心配されるような人間じなないッ!!!だって、私はこの手で四葉を……!!!!」
三玖「それは悪い奴が一花の体を利用して好き勝手しただけだよ!だから一花は、悪くないんだよ……!!!」
五月「悪いのは魔道士です…!!一花は悪くありません!!」
一花「み、みんな……みんなぁ…!!」
4人はお互いに抱き合って泣き合う。そこにはいつも一緒にいたはずの四葉の姿はなかった。しかし、4人の姉妹は確かに感情を、痛みを分けあった。
風太郎「…………良かった……」
その様子を見て風太郎は微笑むが、すぐに暗い顔に戻る。一花を戻すことはできたが、尊い犠牲が生まれてしまった……。風太郎と4人の姉妹にとって、母親である零奈にとっても大切な存在である、中野四葉という存在……。
風太郎「……!!そうだ…!!四葉!!」
風太郎は辺りを見回して四葉を探す。半透明になってしまった彼女だが、風太郎は彼女を認識することができた。だから風太郎は四葉を探す。
『風太郎君……』
風太郎「……!!」
上から四葉の声が聞こえたので、顔を上げると、女神のように優しく微笑んでいる彼女の姿があった。
風太郎「四葉…!お前もあいつらのところに行ってやれ!」
『それはできないよ…。もう私は戻らなきゃいけないから………』
風太郎「戻るって、どこにだよ…?
『ううん。あの世にだよ………』
風太郎「な、なんで……!!お前は本当に死んだってことか…?なら、どうして俺に力を貸すことができた…!?」
『それはあの世の偉い人にお願いしたからなんだよ…?だから今回は特別。最後に風太郎君と話す時間のおまけまでもらっちゃったんだ……』
風太郎「その喋り方………!まさかお前が……!!!」
6年前にあった思い出の子の正体に勘づいた風太郎を見て、四葉は太陽のような明るい笑顔を見せながらどんどん浮上していく。
風太郎「ま、待て…!!待ってくれ!!!」
『風太郎君。6年前に君に出会って約束をしたけれど、私はその約束を守れなかったよ。ごめんね……。でも、君はちゃんと守ってたよね……。勉強して、頭がよくなってた……。君は本当にすごいよ』
風太郎「待ってくれ…!約束を守れていなかったのは俺の方だ…!俺はお前らに出会うまでは碌に人に必要とされるような人間じゃなかった…!!だがお前は違うだろ…!!その馬鹿みたいな優しさからお前を必要とする人間は大勢いた…!!だから謝るのは俺の方だ…!!」
『……君が家庭教師になってくれて本当に良かった。短い人生だったけど、君と出会えたから私は楽しかったよ?』
風太郎「そんなことを言うな…!お前はまだまだこれから……!!!」
『上杉さん………風太郎君……』
四葉は既に消えかけていたが、最後にこう伝える……。
『君に出会えて、本当によかった…!!!』
涙を流しつつも、太陽のような笑顔で揚々と答えた彼女は、そのまま姿を消してしまった…………。
風太郎「待ってくれ…!俺の前からいなくならないでくれ…!!俺にはお前が必要なんだ………!!!頼む…!!頼むよぉッ!!!」
風太郎は人に弱みを見せるようなことは滅多になかった。強いて言うなら、二乃と五月が家出をした際に現れた"零奈"に対して弱みを見せたくらいだ。それでも涙を見せるようなことはしなかった。しかし、今回は違かった。
風太郎「うぁあああぁあああぁあああああああぁああッッ!!!!!!!!!!」
行き場のない悲しみをひたすら床にぶつけた。四葉が離れたことによって風太郎の力は常人レベルに戻った。その為、地面を殴れば殴るほど自分の手が傷つくだけだった。それでも風太郎は殴るのをやめなかった。
勇也「風太郎…!!」
その様子に見かねた勇也が止めに入る。
風太郎「なんだよ、親父…」
勇也「……男だってな、泣いていい時もあるし、泣かなきゃいけない時だってあるんだ……。今は精一杯泣け……」
風太郎「くっ……!うっ……!!!うぁああぁあああぁ………!!!」
今まで我慢していたのだろう。風太郎の目からは大粒の涙が何滴も、何十滴も溢れ落ちる。勇也はそんな風太郎の頭を撫でてやりながら慰める。
らいは「お兄ちゃん…………」
らいはは泣く兄をただ眺めることしかできなかった…………。
ヤムチャ「…………なあ。四葉ってお嬢ちゃんもドラゴンボールで生き返られるんだが、今それを伝えるべきかな……?」
チチ「ど、どうだかな…?今はやめた方が………」
ブルマ「ちょっと、今はね…………」
亀仙人「……しかし、こうして見ると、本来なら一度死んだ者は蘇らないのが普通じゃ……。もしかすると、わしらは人の死というものを軽く見るようになってしまったのかもしれんの……」
ヤムチャ「…………」
ドラゴンボールは、寿命や病気で死んだ者でない限りは蘇生することが可能である。彼らにとってはそれが当たり前のことと化してたり、人が死んでもそこまで悲しむようなことはなかった。ところが、風太郎を始めとする彼らの反応を見て、それは特別なことだということを思い知らされた。
一方で、場所は変わってあの世では……。
四葉「ありがとうございました、界王様………」
界王「これくらいはお安い御用じゃ」
四葉は界王の力を使って風太郎に自身の力を貸し与えていたのだ。半透明の四葉が現れたのも、界王の力が原因だったりする。それに一花を元に戻す方法を教えてくれたのも界王だ。何故四葉がいきなり界王のところにいるかというと、魔人ブウ絡みの件ということで特別処置だそうだ。界王の命令とあらば閻魔大王も従うしかなかった。
界王「あの……。お前さんにはちょっと言いにくいんじゃが………」
四葉「はい?」
界王「あのシリアスな雰囲気の後で言うのは申し訳ないんじゃが、お前さんは生き返れる」
四葉「…………ほぇ?」
とんでもない事実に四葉は大きく目を見開き、リボンをピンと伸ばして驚愕する。
界王「地球にはドラゴンボールというものがあってな?それを7つ集めればどんな願いも3つ叶えられる。それは死者を蘇らせることも可能なんじゃ」
四葉「うええええええッッ!!!!?それ本当ですかッッ!!!?」
界王「ああ、本当じゃ。決して慰めなどではないぞ?」
四葉「やったぁああああッッ!!!!またみんなと一緒に暮らせるんだ…!!」
界王「…………ただし」
四葉「………?」
界王は思い詰めたような顔をしてこう告げる。
界王「生き返ったとしても、魔人ブウに再び殺されるかもしれんがな………」
クリリンは、悟飯やベジータが死んでしまったことをチチ達にどういう風に説明しようかと考えていた時、ピッコロが全速力で戻ってきた。
クリリン「お、おい!?どうした!?」
ピッコロ「魔人ブウはまだ生きていた!!!」
クリリン「えっ?!嘘だろッッ!!!?」
ピッコロ「取り敢えず俺達は神殿に避難するぞ!!あそこなら余程のことがない限りは安全だ!!」
ピッコロとクリリンは魔人ブウに気づかれる前に神殿に到着した。
その頃、ベジータの不意打ちによって気絶した悟空はやっと目を覚まし、現状の確認をしていた。
悟空「……ベジータの気も感じねえ…。謎の気に、セルと悟飯の気も…。みんな魔人ブウにやられちまったのか…?」
ポケットの仙豆がなくなっていることを把握した悟空は、ベジータが一人で魔人ブウと戦いに行ったのかと簡単に推測する。
悟空「………ピッコロとクリリンは無事みたいだな……」
シュン‼︎
クリリン「悟空!?」
ピッコロ「お前、生きてたのか!?」
ピッコロとクリリンの気の位置を特定して悟空は瞬間移動をして天界に移動する。
悟空「ああ…。なんとかな」
デンデ「その怪我治します!」
服と怪我を治してもらった悟空は、ピッコロとクリリンからベジータとブウの戦いの行く末を聞いた。
悟空「そっか……。セルと悟飯が全力で戦っても勝てねえ…。ベジータが捨て身の攻撃をしても勝てなかったのか……」
ピッコロ「あいつは人生で初めて人を守るために戦ったんだ。あの時のあいつは、確かに誇り高きサイヤ人の王子だった…………」
クリリン「そこで、俺達はドラゴンボールを集めて生き返らせようと思うんだ」
悟空「………いや。今ドラゴンボールを使わない方がいい。悟飯とセルが協力しても勝てなかったのに、生き返らせてもまた殺されるだけだ………」
ピッコロ「むぅ……。確かに…………」
クリリン「でも、先にドラゴンボールを集めといた方がいいんじゃないか?」
悟空「そうだな………」
悟空が立ち上がった時、空が急に暗くなった。この現象は、ドラゴンボールを7つ集めた時に現れる神龍が召喚された証拠である。
悟空「なに…!!?なんで……!!!」
デンデ「もしかして…!天下一武道会でベジータさんが沢山の人を殺したじゃないですか!ブルマさん達がその人達を生き返らせようとしているのかも…!」
悟空「そいつはやべぇ…!今使っちまったら後一年使えねんだぞ…!!」
悟空は必死にブルマ達の気を探し、見つけたらすぐに瞬間移動をした。その少し前、カプセルコーポレーション前では………。
風太郎「えっ…?四葉が、生き返る…?」
二乃「ど、どういうこと……?」
ブルマ「この世にはドラゴンボールっていう便利なものがあるのよ。7個集めると大抵の願いは3つ叶えてくれるのよ。寿命を迎えて死んだ人や、病気で死んだ人を除けば生き返らせることは可能よ!」
五月「……!!ああッ!!以前孫君に聞きました!!それで一度死んだはずの孫君のお父様が生き返ったって!!」
二乃「はぁ!?なんでそんな重要なことをもっと早く言わなかったのよ!?」
五月「四葉が死んで一花もおかしくなっていたから動揺していたんです!!」
風太郎「……あっ(そういえば、確か修学旅行の時も悟飯が言ってたっけ……死んだ人も生き返らせることができるのか…!?)」
三玖「でも良かった…!!これで四葉は戻ってきてくれる…!!」
一花「ほ、本当に……?四葉は、戻ってくるの……?」
ヤムチャ「ああ。だから安心しな!お嬢ちゃん!」
ブルマ「それじゃ、そうと決まれば神龍を呼び出すわよ〜!!」
亀仙人「久々じゃの……」
ブルマはカプセルを投げてドラゴンボールが収納されている箱を取り出し、そこからドラゴンボールを取り出して7個地面に置く。すると7つのドラゴンボールが同時に光出す。この状態であの合言葉を言えば、高層ビルの高さを超える大きさの龍が参上するというわけだ。
ブルマ「いでよ神龍っ!!そして願いを叶えたまえ〜!!!!」
合言葉を唱えた途端、7つのドラゴンボールが強く発光する。その光から……。
神龍『グォオオオオオオッ!!!!!!』
大きな龍の頭が出現したかと思いきや、蛇のような長い胴体が現れ、少々複雑な動きをした後に、ようやく神龍の動きが止まった。
五月「ひ、ひぇえええ!!!!!」
あまりの迫力に、五月は肝試しの時とは比較にならない程驚き、尻餅をついてしまっている。
一花「うわ…!これCGじゃないんだよね…?デッカ……!!!」
二乃「ほ、本当にこいつ願いを叶えてくれるの!?私達に襲いかかってきたりしない!!?」
三玖「だ、大丈夫…!多分見た目が怖いだけだと思う…!!多分………」
らいは「大きい…!龍って本当にいたんだ〜!!」
勇也「こりゃあ驚いた………」
初めて神龍を見た者の反応はそれぞれ。殆どは神龍のその見た目に恐怖していた。
ブルマ「あ〜……。私達も最初はあんな感じだったっけ?」
ヤムチャ「懐かしいな…。初めて見た時は本当に怖かったぜ………」
懐かしんでいる場合ではない。早くしないと神龍が引っ込んでしまう。
神龍『さあ、願いを言え。どんな願いも3つだけ叶えてやる』
ヤムチャ「どういえばいいんだ?ベジータに殺された人達を生き返らせてくれって言えばいいのか?」
ブルマ「それだと四葉ちゃんは生き返ることができないじゃない?」
ヤムチャ「それもそうか…。面倒だからこうするか……。今日死んだ人達を生き返らせてくれ!あっ、勿論悪人を除いてな!」
神龍『容易い願いだ………』
承諾した神龍は、真っ赤な目を光らせると黙り込む……。
神龍『願いは叶えられた。2つ目の願いを言え』
二乃「願いが叶った…?本当に…?」
二乃は確認をするために振り返る。すると………。
二乃「……!!四葉の怪我が治ってる!!」
「「「「!!!?」」」」
この言葉に4人が反応する。
四葉「う、うーん………。あれ?私……」
二乃「四葉…!!」
三玖「ほ、本当に生き返った!?」
五月「す、すごい………!!」
一花「四葉…!!」
生き返った四葉の姿を確認し、一花が真っ先に四葉の元に走る。
四葉「ふぇ…!!!?」
風太郎「良かった…!本当に、良かった…!!!!」
しかし、先に四葉に抱きついたのは風太郎だった。
四葉「ううう、上杉しゃん!!?なな、何をして……!!!!?」
風太郎に抱きしめられていることを認識した四葉は顔を真っ赤にして風太郎に呼びかけるが、風太郎は『良かった』と言うだけで中々離してくれない。嬉しいような、恥ずかしいような複雑な感情に襲われていた。
一花「四葉ぁッ!!!!」
そんなことはお構いなしに一花は泣きながら四葉に飛びつく。
一花「ごめん…!!ごめんね四葉!!!痛かったでしょ?苦しかったでしょ?私のせいで…!!ごめんね!!!!」
泣きながら四葉に何度も謝罪をするが、四葉は怒ってないよと優しく返答して一花の頭を撫でる。
五月「四葉ぁああ!!!」
三玖「本当に生き返ったんだ!!」
二乃「心配したんだから!!馬鹿ぁあッ!!!!!」
四葉「うわっ!!!?みんな!!!?」
少し遅れて残りの3人が一斉に四葉に飛びつく。
四葉「み、みんな〜!!苦しいよ〜!!!」
そう言いつつも、四葉は涙を流しながらも笑っている。この場に戻ってくれたことを嬉しく思っているのだ。再び大好きな家族や風太郎と共に過ごせると確定して喜びを隠しきれていない。
悟空「しまったぁあ!!間に合わなかった!!!」
ブルマ「孫君!?」
亀仙人「悟空!?どうしたんじゃ!?」
このタイミングで悟空が天界から瞬間移動をしてきた。
悟空「な、なあデンデ!1つ願いを叶えちまったみたいだけど、その場合どうすればいいんだ?」
『そしたら願いはもういいって言ってください!そうすれば4ヶ月後には再びドラゴンボールを使えるようになります!!』
悟空「オーケー!分かった!神龍!!もう願いはいい!!サンキューな!」
神龍『承知した。ではさらばだ〜!!』
神龍の体は突然光となってドラゴンボールに戻る。すると強く光る7つのドラゴンボールは宙に浮き、ある程度の高さまで上がると、7方向に散らばってしまった。
悟空「みんな!詳しいことは後で説明するから、取り敢えずオラの手に掴まってくれ!」
そう言うと、悟空はその場にいた者達を連れて瞬間移動をした……。
二乃「うわっ…!!一瞬で移動しちゃった………」
四葉「ここどこですか……?」
亀仙人「ここは天界と言って、神様が住んでおられるところじゃ」
五月「か、神様ッ!!!?」
勇也「えっ?神様って実在したのか?マジで?」
らいは「へぇ!じゃあ神社のお祈りの効果は本物なんだね!」
亀仙人「(その神様は恐らくまた別人じゃろうがの…………)」
クリリン「おお!全員連れてきたのか!」
18号「クリリン!無事だったのかい?」
クリリン「ああ、俺はな……」
二乃「………あれ?ハー君は?」
クリリン「……!!」ギクッ
天界に呼び集められたはずの一同だが、何人か足りなかった。特に五つ子達にとっては最も関わりのある悟飯が不在であることに違和感を感じた。
三玖「そういえば……」
五月「見当たりませんね……」
四葉「………この辺りにはいないみたいだよ。気が見つからない」
チチ「そういえば悟天ちゃんもどこだか?」
ブルマ「トランクスもいないし……」
クリリン「と、トランクスと悟天は無事です!多分あっちで寝ているんじゃないですかね?」
ブルマ「そう?ならいいんだけど……。そういえばベジータは………」
クリリン「あ、あ〜…………」
悟空「………仕方ねえ。どうせ隠してもバレるんだ。オラが話す」
クリリン「えっ?悟空!?」
悟空は険しい顔つきになると、みんなに……。特に、五つ子や風太郎にとっては激震が走るほどの衝撃的事実を告げる。
悟空「………悟飯とベジータは死んだ。魔人ブウに殺されたんだ」
チチ「ご、悟飯ちゃんが………!!!」
牛魔王「あっ!チチ!?」
受け入れ難い事実にチチは気絶をしてしまい、そんな娘を牛魔王が庇う。
ブルマ「べ、ベジータが……!!そ、そんな………!!!!!」
ブルマは最愛の夫の死を知って涙を流す。終いには大声を出して年甲斐もなく大泣きしてしまう。
二乃「な、何言ってるのよ!!さっきのドラゴンボールってやつで生き返れたんじゃないの!?そうよね!?だって悪人を除いて生き返るんでしょ?現に死んだはずの四葉だって生き返ったんだもの!」
五月「そ、そうですよ!!孫君は生き返っているはずです!!」
悟空「……ん?なんで悟飯が生き返るんだ?『ベジータに殺された人達を生き返らせて』って願ったんじゃねえのか?」
ヤムチャ「面倒だから『今日死んだ人達を悪人を除いて生き返らせて』って願ったぞ?」
デンデに治療されながらヤムチャは簡素に答える。
悟空「そうなんか?それなら確かに悟飯は生き返っているはずだな……」
三玖「な、なんだ……。もう二度と会えないのかと思っちゃった…………」
一花「…………あれ?でも四葉はさっき………」
3人はドラゴンボールで悟飯は蘇生したものだと信じて疑わなかったが、先程の四葉の発言を聞いていた一花は不思議に思う。
四葉「………見つからない。孫さん程の人の気が見つからないはずがない…!」
ピッコロ「………俺が探しても見つからん………」
悟空「ああ。オラも探ってみたが見つからねえ…………」
二乃「な、なんで…?ドラゴンボールは願いを叶えてくれるんでしょ……?」
ヤムチャ「ベジータはともかく悟飯が悪人判定されるとはとてもじゃないが考えにくい……。なら、悟飯はどうして………」
ピッコロ「………もしかすると、宇宙空間に放り出されたのかもしれん……」
悟空「なんだって?」
ピッコロのそんな呟きに悟空が反応した。
ピッコロ「俺はあの時の戦いを見ていた。悟飯は魔人ブウの気弾によって吹き飛ばされていた。その気弾は爆発することなく飛び続けていた…。つまり、悟飯は
悟空「……!!そういうことか…!仮に生き返ったとしても、宇宙空間じゃあ息ができないから……………」
ドラゴンボールで人を生き返らせた場合、死ぬ直前の位置で生き返ることができるのだが、そこが宇宙空間だと再び窒息死してしまうのだ。ピッコロの考えでは、今回の悟飯はそうなってしまったのではないかと考えたのだ。
二乃「…………なに、それ………?嘘よね……?」
悟空「現に悟飯の気が見つからねえんだ。生きてる可能性は低い………」
三玖「そ、そんな……!!そんなぁ…!!!!」
風太郎「四葉が生き返ったと思ったら、今度はお前が死ぬのかよ……!!!くそッ!!!!!」
五月「そ、そんな…!!!嘘です!!!私は認めませんッ!!!あの孫君が死ぬなんて…!!殺されるなんて…!!!そんなこと…!!!!!!!」
悟空「気持ちは分かるけど、そんな騒いでも仕方ねえ…………」
一花「ちょ、ちょっと…!その言い方はいくらなんでも…!!!」
二乃「っ!!!!!あんた!!!!!!」
悟飯の実の父親だというのに、悟飯が死んだと聞かされても悲しむ素振りを見せない悟空に、二乃がズンズンと近づいていく。
二乃「あんたねぇ…!!息子が死んだのよ!!!!?それなのにその態度はなんなの!!!?息子のことをなんとも思ってないわけ!!!!?」
悟空「そんなことはねえさ」
二乃「ならなんでそんな平気な顔をしていられるのよ!!!?それでも父親なの!!!?」
悟空「……………」
二乃が悟空の胸ぐらを掴み、いよいよ殴りかかるところにまできたが、二乃の腕が突然止まった。
悟空「…………息子が死んで、何とも思わねえ父親がいるわけねえ…。…でも、今は悲しんでいる場合じゃねえんだ…。悲しむのは仇を打ってからだ」
本当にごく僅かな一瞬だけだったが、悟空の顔が哀愁漂うものに変化していた。それに気付いた二乃は、そっと悟空の服を離す。
二乃「嘘…!!嘘よっ!!!!私の前からいなくならないって約束してくれたのに!!!!!なんで!!なんでよぉおおおおおおおおッ!!!!!!!!!」
受け入れ難い現実に、二乃は大声で泣き叫ぶ。何度も何度も最愛の人の名前を呼びながら泣き叫ぶ………。
三玖「悟飯…?うそ、だよね………?私、今からそっちに逝くよ…!!悟飯を一人ぼっちにはしないから……!!」
四葉「ま、待って三玖!!早まらないで!!!!」
悲しみのあまりに壊れかけている三玖。そんな彼女を放っておくと何をしでかすか分からないので、四葉が必死に取り押さえる。最早目の焦点が合っていなかった。
五月「わ、私は認めませんッ!孫君は必ず帰って来てくれます…!!私はそう信じてます…!!!!」
五月は悟飯の生存を信じると言うが、目からは涙が溢れ落ちている様子を見るに、考えていることは二乃や三玖と同じのようである。
一花「こんなの………。あんまりだよ………………」
あまりの現状に、ただそれだけしか言うことができない一花。
四葉「なんで、こうなっちゃうのかな…………。少し前まではみんな笑顔だったのに…………」
一花が助かって自分も生き返ったかと思いきや、今度は悟飯が死んだことによって再び絶望に叩き落とされた四葉。
デンデ「……私は神でありながらなんて無力なんでしょう…。私如きが神を名乗るなど…………」
ピッコロ「デンデは気に病む必要はない。お前はドラゴンボールをパワーアップさせた大きな功績がある。お前のお陰で大勢の人間が生き返ることができたんだ」
デンデ「ピッコロさん…………」
零奈「……!!!」
今まで気絶をしていた零奈だったが、ようやく意識を取り戻した。飛び起きて掛け布団を剥ぐと、現状を確認する。辺りを見回してみると、自分にとっては見覚えのない場所だった。隣に悟天とトランクスが寝ている。
零奈「………ここは?…!」
零奈は気を探ると、他のメンバーもいたことを確認し、窓から飛び降りて娘達と合流する。
零奈「…………何があったのですか?」
何故か姉妹の殆どが泣きすぎたせいか瞼が腫れていた。三玖に至ってはさっきからブツブツと独り言を呟いており、四葉の呼びかけに全く応じない状態である。
悟空「……零奈。実はな」
悟空は今まで起こったことを手短に話した。ちなみに、一花が闇落ちをして四葉を殺したこと。その後にドラゴンボールで生き返ったことは伏せている。これは無駄な心配をさせないための悟空なりの配慮だった。
零奈「そんな……。孫君が………。セルやベジータさんが協力しても勝てないのですか?」
悟空「ああ……。魔人ブウはそれくらいに強え。多分オラでも無理だと思う」
クリリン「そ、そんな…!!お前が無理って言うなら一体誰があいつを倒すんだよ!?」
悟空「………オラ1人で無理でも、アレをやればいけるかもしれねえ………」
ピッコロ「……あれ?あれとはなんだ?」
悟空「フュージョンっていうんだ。オラがあの世で教えてもらった技なんだけど、2人であるポーズを取ると合体することができるんだ」
クリリン「な、なんだって!?」
デンデ「悟空さん!それってメタモル星人の技ですよね?」
悟空「おお!よく知ってんなデンデ!」
そして悟空は更に説明を加える。フュージョンによって合体した場合は2人のパワーを足しただけではなく、更に大幅パワーアップをするらしい。ちなみに気や体格が同じくらいでないと合体はできないようだ。
クリリン「なるほど……。でもドラゴンボールは使っちまったから、ベジータや悟飯は無理か…………」
悟空「そうだな…………」
クリリン「そ、そうだ!あの悟空にそっくりなやつはどうだよ?」
悟空「オラに……?ああ、いたなそういえば」
悟空にそっくりな人物というのは、バーダックのことである。実の父親であるから似ていて当然ではある。
ピッコロ「クリリン。お前も見ていただろう?あいつも悟飯達と共にあっさりと魔人ブウにやられる様を」
クリリン「そ、そうだったな……。もしかして最悪な事態ってやつか…?」
クリリンはナイスアイデアを出したと思っていたからなのか、しょんぼりとしてしまう。
そんな時だった。
『やっほー!地球のみんな〜!今日は君達にお話があるんだ〜!』
悟空「……!!この声…!」
ピッコロ「バビディか…!!!」
バビディが魔術を使って悟空達……だけではなく、地球上の全人類に対して話しかけているようである。一体なんの企みがあるのだろうか……?
実は命の大切さに関してはここで伝えるつもりだったんですが、77話時点で伝わってたみたいですね。察しのいい方が多くてビックリしてます。そしてようやく魔人ブウ編の敵という敵はブウだけになったわけですが…。
というか、悟飯の死亡誤報を書いてて思ったのが、ここの三玖はなんかすぐに自○しようとしてて無茶苦茶心配になるなぁ…。書いてる本人が何言ってんのとは思うかもしれないけど。ちなみに原作では悟飯の死をそこまで重く受け止めてない(と思われる)悟空でしたが、ここでは少し父親っぽさと戦士っぽさを合わせて出してみました。個人的にはこんな感じの方がしっくり来たので。流石に息子が死んだ(と思っている)のになんとも思わないわけはないと思うので。
ちなみにカカロットはブウ編までクリアしました。あとはビルス編と復活のフリーザ編と未来編ですかね。無茶苦茶面白いから今度は難易度を上げて2周目に入ろうかな……。ちなみにごときすは四葉、一花、二乃のグッドエンドは見ました。今は三玖ルートを進めてるところです。