孫悟飯は五つ子姉妹の家庭教師をするそうです【本編完結】 作:Miurand
魔人ブウと戦っていた悟空だったが、体力の消耗が激しい為に撤退。その後数分間はちびっ子二人にフュージョンを教え込むこととなった。そしてそのちびっ子達はしばらくするとフュージョンに成功するが、2回失敗して3回目にしてようやく成功。しかし調子に乗って魔人ブウには敗北。4回目は超サイヤ人でフュージョンするも、直前で切れて失敗した。そんな中、魔人ブウから悪の魔人ブウが出現し、今までの無邪気な魔人ブウは吸収されてしまった。
一方で、一命を取り留めた悟飯は界王神界で修行をしていたところ、15代前の界王神が出てきた。そして色々あってそのご先祖様の力で潜在能力を引き出せてもらえることとなったが、計25時間かかるとのこと。果たして、悟飯は間に合うのか……?
ピッコロ「なんてことだ……!!」
クリリン「ど、どうしたんだ?」
ピッコロ「魔人ブウが無邪気な方と悪い方に分裂したが、悪い方に取り込まれてしまった」
クリリン「えっ……?それって………」
ピッコロ「魔人ブウが更に凶悪な存在となった…………。しかも前よりも強くなっている」
クリリン「そ、そんな……!!!」
今の状況でも絶望に近い状態だというのに、追い討ちをかけるような知らせが入ったことによってクリリンの顔は更に青くなる。
ピッコロ「……正直、超サイヤ人のゴテンクスでも勝てるかどうか…………」
クリリン「ま、まあなんとかなるだろ!あの歳で超サイヤ人になれたちびっ子達なら…!というか、なんとかならないと地球はお終いだ…………」
ピッコロ「ああ………(頼むぞ二人とも………)」
ピッコロとクリリンはちびっ子二人に命運を託すことにしたが………。
ピッコロ「………!!!」
クリリン「な、なあ?物凄い気がこっちに近づいて来てないか?」
ピッコロ「しまった…!!今度の魔人ブウは気を認識できるぞ!!!!!!」
ピッコロが大声でみんなに知らせるが時すでに遅し。太っていたはずの魔人ブウは戦い向けの体に変化した姿でピッコロの目の前に現れた。
ブウ「………出せ」
ピッコロ「な、なに?」
ブウ「出せぇええええええええええええええええッッッ!!!!!!!」
グゴゴゴゴゴゴッ!!!!!!
ピッコロ「ぐっ……!!なんて気だ…!!!」
魔人ブウは大声でそう叫ぶ。叫ぶだけで天界の地面を揺らした。その異常事態に何事かと、神殿の中にいた者達がゾロゾロと出てくる。
ピッコロ「な、なんだ?何を出せと言うんだ?」
ブウ「あの面白い奴が言っていた。数日後に強いやつが現れるってな。ここにいることは分かっている。早く俺と戦うやつを出せ」
どうやら変異しても記憶は引き継いでいたようで、魔人ブウは強い相手を要求する。だが、その相手とはゴテンクスのことであり、肝心の本人は精神と時の部屋で修行中だ。なんとタイミングの悪い時に来るのだろうか。
ピッコロ「ま、待て!そいつは今疲れを癒すために寝ているんだ!お前もどうせなら万全な状態の相手と戦いたいだろう!?」
ブウ「俺は待つのが嫌いだ。さっさと起こせ」
ピッコロ「(くそ…!なんとか時間を………そうだ…!!)」
「出せぇええええええええええええええええッッッ!!!!!!!」
「「「きゃああああッッ!!?」」」
「「うわぁああ!!!?」」
先程まで寝ていた一花、二乃、三玖の3人と、昼寝をしていた悟天とトランクスが大きな叫び声と揺れによって目を覚ました。寝ぼけた頭をフル回転させながら現状を確認しようと窓のそばまで歩くと、そこには見慣れないピンク色の生物がいた。その特徴的なツノで魔人ブウだとすぐに気がついた。
一花「痩せてる……?」
二乃「あ、あいつは……!!!」
三玖「悟飯の、仇…!!!!」
トランクス「あれ?あんな姿だったっけ?」
悟天「随分変わっちゃったね?」
ピッコロと魔人ブウが会話をしているのは遠目でも理解できたが、声のボリュームがボリュームなので聞き取ることができなかった。しかし、次の一言は声が大きかったため聞き取ることができたのだが、その内容が……。
ピッコロ「そ、そうだ!!!まだ下界に地球人が沢山残っているだろう!?まずはそいつらを全滅させてからでもいいんじゃないか!!?確か地球人を全滅させると言っただろう!!!?」
一花「なっ………!!!!!」
二乃「なに、ほざいてんの………?」
三玖「聞き間違い………?」
ピッコロの予想外の言動に、3人は目を丸くするしかなかった。
五月「そ、そんなことさせてはいけません!!!」
五月は先程のピッコロの発言を聞いて抗議をしようとするも、ヤムチャに止められた。
五月「な、何をするんです!!?」
ヤムチャ「嬢ちゃんには受け止めきれないかもしれないが、こうでもして時間を稼がないとゴテンクスが魔人ブウに勝てないかもしれない…。そうなれば、ドラゴンボールも消滅して地球は蘇らずにそのままだ……。だから、仕方ないんだ………」
四葉「し、しかし……!!!」
ブウ「…………」
ピッコロの指摘でやりたいことを思い出した魔人ブウは、天界の端で下を見下ろしながらゆっくりと歩く。一周したところで魔人ブウは立ち止まった。
ブウ「………!!」
ピッコロ「なっ……!!!」
突如としてブウが空に向けて手を挙げると、その手から無数の光が下に向かっていく。その光は次第に地上に近づき、残っている人間を次々と貫いていく。………ごく一部の人間を除いて、地球人は一瞬にして殲滅されてしまった。
ピッコロ「こ、こんな一瞬で…!!!」
ブウ「さあ、地球人は全滅した。早く強いやつ出せ」
ピッコロ「ま、待ってくれ…!せめてこの砂が全て落ちるまでは…!!」
ピッコロは大きな砂時計を出してブウに待つように要求するが、相変わらずブウは待つ気がないようだ。
ピッコロ「おい!あそこにいるMr.サタンの娘も待ってほしいと言ってるぞ!!」
ブウ「何!?」
ブウはツノを伸ばしてビーデルの匂いを確認し、サタンと似ていることを確認すると、その場に座り込んで待つことにした。
ピッコロ「……よし。これで少しは時間を稼げる」
なんとか時間稼ぎに成功したピッコロは、悟天とトランクスを精神と時の部屋で修行させるために起こしに行った。しかし、先程のブウの叫び声によって既に目覚めていた。
チチ「………」
その直後にチチが、魔人ブウの元にズンズンと歩いていく。
四葉「えっ、な、なにを……!!?」
パチンッッ!!!!
思いっきりブウの頬にビンタをした。
四葉「なっ………!!!!!」
ピッコロ「馬鹿…!!!!!」
チチ「おめぇが悟飯ちゃんを殺しただな…!!よくも……!!!よくも……!!!!!」
ブウ「……たまごになっちゃえ」
チチ「えっ?」
そう呟いた瞬間、ブウのツノからビームが放たれると、チチは一瞬にして卵になってしまった。卵になったチチは地面に落ちて………。
ブウ「………」
グシャ‼︎
………呆気なく潰された。
一花「………!!!!」
二乃「うそ………!!!」
三玖「あ、あぁあぁ……!!!」
悟天「お、お母さん……!!!!お母さぁああああんッッ!!!!」
ピッコロ「お、おい待て!!」
今にもブウに飛びかかりそうになった悟天を抑えながらピッコロはこう続ける。
ピッコロ「お前の母親も後でドラゴンボールで生き返ることができる!今お前が魔人ブウに挑めば間違いなく殺される!そうすればみんな殺されてお終いだ…!!」
悟天「で、でも……!!」
ピッコロ「悔しかったら修行をして、フュージョンを完全に自分達のものにするんだ…!!その時に思いっきり魔人ブウをボコボコにしてやればいい…!!だから今は堪えろ…!!!!」
悟天「………わ、分かった……」
まだどこか納得していない様子ではあったものの、今の自分では敵わないことは既に分かっていたので大人しくなった。ピッコロはそのまま二人を精神と時の部屋に連れていった……。
二乃「あ、あいつ……!!また…!!!」
一花「どうにかしたくても、私達じゃどうにもならない…………」
三玖「く、悔しい……」
しばらくすると、ブウは突然立ち上がった。それに気付いたピッコロはブウの元に駆け寄る。
ブウ「俺、もう待てない。早く強いやつ出せ」
ピッコロ「待ってくれ…!まだ砂が全部落ちていないだろう!?」
ブウ「もう待つの嫌だ!!早く出せ!!!!」
ピッコロ「くっ……(こうなったら仕方ない……)分かった。ついて来い」
その言葉にブウはやっとかと言わんばかりに頬が緩んだ。クリリン達はブウ達を尾行するが、二乃達は追いかけることをしなかった。
二乃「………悟天君達が倒してくれるわよね………」
三玖「…………うん。でも、できることなら自分の手で倒したい」
一花「いくらなんでもそれは無理だよ。私達じゃ………」
四葉「私でも絶対に無理だよ……」
五月「あの……。一つ提案があるのですが、悟天君とトランクス君がやったように、私達もフュージョンをすることはできないのでしょうか?」
四葉「あ〜……。気はともかく、体格はみんな同じだもんね」
一花「でもあの技も結局は本人達の力量が関係してくるんでしょ?私達じゃ魔人ブウを倒すまでにはならないんじゃないかな…?」
五月「そうですか………」
そんな話をしている時……。
ドグォォオオオオオオオオン!!!
突然爆発音が聞こえた。
四葉「な、何が……!!?」
その音が聞こえた位置に全員で駆けつけると、部屋の一部が崩れ落ちているのが確認できた。
五月「えっ……?」
四葉「これは、どういうことですか…?」
クリリン「………あれは精神と時の部屋って言ってな…。こっちの世界とは時間の流れ方が違うんだ。つまり異世界ってことだな。あそこにあった扉はその世界とこの世界を繋ぐ唯一の出入口だったんだ……。これが破壊されたということは、ゴテンクスが魔人ブウに負けたということだ…………」
クリリンが懇切丁寧に説明したため、五つ子達でもすぐに状況を理解することができた。しかし………。
らいは「えっ………?じゃあ、悟天君は………?」
クリリン「すまんが、ドラゴンボールで生き返らせるしか…………」
ブルマ「と、トランクスは……!?」
ヤムチャ「………トランクスもピッコロも今頃…………」
ブルマ「そ、そんな………………」
ブルマは夫だけでなく息子も喪った現実を叩きつけられ、絶望のあまり膝を崩して倒れ込む。いくらドラゴンボールで蘇生可能だとはいえ、精神的ショックがあまりにも大きかった。
五月「うそ…………!!」
二乃「そ、そんな……………」
一同がくらい雰囲気に包まれる。本来ならここで何もせずにゆっくりしたいところだが…………。
「ウァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!!!!!!!!!!!」
謎の大声に全員が耳を塞いだ。と同時に気を認識できる者にはある異変を感じ取ることができた。
四葉「……!!この気は…!!」
クリリン「ゴテンクスもピッコロも生きてるぞ…!!だけど……!!!」
ヤムチャ「魔人ブウも生きてやがる!?」
ビーデル「ど、どういうことなの!?あの扉は唯一の出入口なんじゃないの!?」
ヤムチャ「そのはずなんだが……」
あまりにも異常な状況に、一同は外に出て確認をする。気を感じ取ることができることから、魔人ブウにゴテンクス、ピッコロもこちらの世界に戻ってきているはずであるが………。
クリリン「だ、誰もいない………」
ビーデル「あれ……?ピッコロさんとゴテンクス君の気がなくなった…?」
ヤムチャ「どうなってるんだ……?」
混乱している一同だが、悩む時間など与えられないようだ。
クリリン「な、なんだ…?あの細いの…?」
ヤムチャ「お、おい…!!あれって…!!!」
その細長いのは複雑に絡まっていたが、体制を立て直して真っ直ぐピンと伸びる。そして細長いのがどんどん膨らみ……。
ブウ「…………」
魔人ブウへと変貌した。
クリリン「そ、そんな…!!!」
ブウ「俺もう我慢できない…。何にしようかな………。チョコに決めた!!」
クリリン「………18号。俺があいつの気を引くから、その隙に………」
18号は何を言いかけたが、クリリンが魔人ブウに向かって勇敢に立ち向かおうとする姿を見て、何も言わずに走って逃げる。その後に続くようにビーデルとブルマも逃げる。
四葉「ま、まずい……!!」
その光景を少し離れたところから見ていた四葉は、後から追いかけてきた一花達を止める。
四葉「ダメ!!魔人ブウが戻ってきた!!」
風太郎「なに……!!?」
一花「嘘でしょ……!?」
ビビビッ!!!!
四葉「………!!!」
四葉はそっと顔を覗かせて様子を伺うと、クリリンがチョコにされたようだった。
四葉「あ、あぁあぁ……!!!」
そして魔人ブウはなんの躊躇もなくそのチョコを食べ始める。
四葉「に、逃げなきゃ……!!私達も食べられちゃう……!!!」
風太郎「待て…!!逃げたところですぐに追いつかれるんじゃないか……!?」
ビビビッ!!!!
18号「きゃあッ!!!!!」
逃げていた18号も魔人ブウのお菓子光線によって、抱えていたマーロンと共にチョコに変貌させられた。魔人ブウは魔法を使ってそのチョコを浮かして口に運んだ。
二乃「う、嘘………!!」
勇也「ら、らいは……!!」
らいは「こ、怖いよ……!!」
零奈「…………」
みんなが慌てて軽くパニックになっている中で、零奈だけが比較的冷静な顔をしていた。
零奈「…………皆さんにお話があります……」
ビビビッ!!!!
ビーデル「きゃあっ!!!!!」
18号とマーロンの次はビーデルが餌食となった。
亀仙人「くっ…!!こうなったら最終手段じゃ……!!!」
最早魔人ブウは誰にも止められないと判断した亀仙人は、懐から小さな瓶のようなものを取り出した。
亀仙人「魔封波ッ!!!!!!」
亀仙人の両手から緑色の渦巻きが魔人ブウに向けて伸びていく。かつてピッコロ大魔王を封印しようとした時に使った技で、成功すれば魔人ブウを封印することができる。
ブウ「………!!」キッ‼︎
魔人ブウが気合を少し込めるだけで魔封波を相殺した。こればかりは相手があまりにも上手すぎたのだ。
亀仙人「む、無念……」
ブウ「死ぬ前にチョコになれ!!」
亀仙人が魔封波の反動で息絶える前にお菓子光線がヒットして、魔人ブウの口の中に溶けた。
殆どの者が逃げ、一部が抵抗したが、みんなチョコに変えられてしまった。魔人ブウという怪物には誰も対抗することができなかったのだ。残るは五つ子とその母親の零奈、上杉一家のみである。
ブウ「さーて、あと9個もチョコを食べることができるな……」
シュン‼︎
勇也「………!!!!」
らいは「あっ……!!!!!」
魔人ブウは気の察知能力を駆使して、自分から一番遠ざかっていた二人の気を見つけたので、そちらに高速移動してきた。
ブウ「チョコになれ」
ビビビッ!!!!
風太郎「らいはッ!!!!親父ッ!!!!!!」
らいはと勇也も今まで食べられてきた者達のように抵抗することもできずにチョコに変えられてしまった。そして手慣れた動作で口に運んでしばらく噛んだ後に飲み込んだ。
風太郎「く……そ……!!!テメェ…!!!!!!」
ブウ「お前もチョコになれ」
ビビビッ!!!!
風太郎「ぐぁああぁああっ!!!!!」
風太郎にもお菓子光線が直撃してチョコに変貌してしまった。魔人ブウはもう一度チョコの味と感触を楽しもうと手に取って口を大きく開けた。
ドゴォォオオッッ!!!!!!
ブウ「ぶぇ……ッ!!!!!!」
突如、頭部に凄まじい衝撃が加えられた。魔人ブウはチョコを手放して思わず頭を抑えてしまう。
ブウ「痛い……!!!誰だッ!!!!?俺をぶったのはッ!!!!」
……ストッ
その少女の手の中にチョコは収まった。
一花「よかった……。フータロー君だけでもなんとか間に合った」
なんとその少女の正体は一花だった。一花が魔人ブウに痛みを感じさせるほどの威力で頭を殴ったとでも言うのだろうか………?
ブウ「お前…!!さっきまで雑魚だったはず……!!なんで急にそんな力を……!!!!!」
一花「うん?そんなの簡単なことだよ。私達は五つ子で、得意なことは見事にバラけている。でも、5人揃えば無敵だということ……。それを思い出しただけだよ」
一花はなんてことないと言った様子で答えるが、言っている意味を理解できなかった魔人ブウは青筋を立てながら一花に突っ込む。
ズガッ…!!!!!
ブウ「ぐはっ……!!!!!!」
しかし、魔人ブウが攻撃する直前で一花の正拳突きが魔人ブウの腹部に突き刺さった。
一花「あれれ〜?もしかして、思ったよりも強くない…?」
ブウ「……!!!!!」
その一言にキレた魔人ブウは口からエネルギー砲を放出した。それになす術もなく飲み込まれた一花を見て、魔人ブウは口角を上げた。
「ざんね〜ん♪」
グサッ…!!!!!!
ブウ「かはっ……!!!!!!」
先程まで一花の形をしていたものが、突然鋭利な針のようなものに形を変えて魔人ブウの体を突き刺した。
一花「そっちはただの囮だよ〜。まんまと騙されたね〜」
一花は魔人ブウを揶揄うように笑いながらそう言う。
一花「たあッ!!!!!」
ドカッッ!!!!!
ブウ「ぐぅ……!!!!!」
魔人ブウは一花の攻撃を受け止めることも避けることもできずに威力に従って落下する。
一花「……!!」
そんな魔人ブウを一花は舞空術で全速力で追う。猛スピードで魔人ブウを追い越して……。
ブウ「だあッ!!!!」
一花「……!!!」
かなり接近したところで魔人ブウが腹部に突き刺さっていた針を抜いて一花に向かって投げた。流石にこの近距離では避けることはできない……。
一花「三玖…!!!」
『うん!!』
ピュン‼︎
ブウ「……!!!!?」
三玖「盾ッ!!!」
カンッ‼︎
一花が少し光り出したと思いきや、その姿を突然三玖に変貌させた。彼女達は五つ子であるから、容姿は非常に似たものになっているが、そうではない。一花は三玖の姿になったのではなく、三玖本人に変身したのだ。
そして、三玖の右手から気で生成された盾が出現し、針の投撃を防いだ。
ブウ「な、なんだお前……!!?」
ブウは今まで見たことのないタイプの敵に遭遇して狼狽えていた。変身するにしてもここまで一瞬でそれを遂げる者は誰一人としていなかったからだ。そもそも変身する予兆という予兆が殆どなかった。
三玖「…………」
三玖は魔人ブウの問いを無視すると、今度は気で生成した弓のようなものを右手で取る。
ブウ「………?」
そして左手に矢のようなものを生成し、弓にセットする。左手で弓を掴み、右手で弦を引く………。
ブウ「……!!!」
魔人ブウはどんな攻撃をしてくる気なのかをようやく察した。しかし気づくのが少し遅かった。
三玖「はっ!!!!」
三玖が弦から手を離すと、引っ張られて戻ろうとしていた弦が一気に元の位置に戻る。それと同時に気で生成された矢が押し出され、超速で魔人ブウに向かって突き進む。
ドスッ…!!!!!!
ブウ「ぐぁああッ!!!!!」
あまりの速さに魔人ブウはなす術もなく貫通を許してしまう。その矢の勢いのまま、魔人ブウは下界の地面まで叩き落とされた。
三玖「…………ふぅ」
追いかけてきた三玖は適当な位置に着地し、一息ついた。
何故彼女達が魔人ブウ相手にこれほど優勢に戦えているのか。その原因は数分前にあった………。
話があると言って零奈は五つ子を引き留めた。
一花「話って何?手短にお願い!」
二乃「早くしないと私達もチョコにされて食べられちゃうわ!!」
零奈「………みなさんは、私が……いえ、私の体が初めてこの世界に現れた時のことを覚えていますか?」
三玖「えっ?う、うん……」
四葉「その時は確か、未来の五月やドクターゲロ…?っていう科学者が中にいた時の話だよね……?」
一花「あの時は大変だったよ……。四人もお母さんに吸収されちゃったんだもん………」
二乃「………あっ」
一花の言葉を聞いて、二乃は思い出したような声をあげると同時に何かを察したようだった。
零奈「再び一つになりましょう。でなければ私達は食べられてお終いです」
四葉「えええ!!!?でも勝てるのかな!!?今よりはマシになるかもしれないけど!!」
五月「…………あの時はみんな嫌々吸収されてしまいました…。でも、今回は違います。みんなが魔人ブウを……!孫君の仇を打つために一つになろうとしている……。私達の心は最早一つになっていると言っていいでしょう」
零奈「それに、四葉はあの時に比べてとても強くなっています…。ですから、あの時よりも強化できるかもしれません……。あなた達が良ければ………」
一花「………そうだね。このまま何もできずに死んじゃうより……」
二乃「少しでもハー君の仇を打てる可能性があるなら……!!」
三玖「悟飯の仇を打てるなら……!!」
四葉「再び平和が訪れるなら…!!」
五月「私達に迷いはありません!!」
零奈「………大きくなりましたね…。皆さん、私の体に触れてください。どこでも構いません」
一花「行くよみんな。覚悟はいい?」
二乃「当たり前でしょ?」
三玖「今更何を言ってるの?」
四葉「正直言うと怖いけど、みんなと一緒なら平気!」
五月「そうです…。私達一人一人は100点満点中20点しかないかもしれませんが、5人揃えば100点満点……。つまり、無敵だということです…!!いえ、本物のお母さんもいるので限界突破ですよ!!」
零奈「………では、行きますよ!!!」
「「「「「うん!!!」」」」」
零奈「はぁぁああああ……!!!!!」
すっかり戦士の顔になった5人が光と化して零奈の体の中に入っていった。すると零奈自身の体が光り出して変化した。
一花「………あれ?あの時は未来の五月ちゃんだったけど、今度は私なんだ?」
あの時は心も時代もバラバラだったし、異物も入っていた為に本領を発揮することがなかった人造人間零奈完全体。
その人造人間は、巨大な悪に立ち向かう為に再び爆誕した。今度は異物もなく、五つ子の年齢も統一されており、心も1つになっていた。それは無理矢理取り込む吸収ではなく、融合と表現するに相応しい状況だった。
一花「この力……!!これなら…!!」
こうして、人造人間零奈の真の完全体が初めて完成したのだ………。
悟空「こ、こいつはすげえぞ…!!」
界王神「まさか6人で融合するとは…!!」
一方で、界王神界では、界王神が用意した水晶玉で地球の様子を見ていたところであった。その為、ブルマ達がチョコにされたところもしっかり見ていた。このまま五つ子もチョコにされて食べられると思っていた悟空達は、大幅パワーアップして現れた一花達に度肝を抜かされていた。
悟空「(まさかここまで強くなるとは思わなかった……。せいぜいここで修行する前の悟飯程度までだと思ってたぞ………)」
悟飯は悟空達のリアクションを先程から気になっていたが、老界王神によるパワーアップの儀がまだ終わっていないため、そちらに集中するしかなかった。
悟空「……もしかしたら、こいつらが魔人ブウを倒しちまうかも………」
界王神「それは厳しいかと…。魔人ブウの底力はまだまだこんなものではないはずです………」
悟空「でも、チビ達が負けちまったかもしれねえとなると、地球を守れるのは五つ子の娘っ子達だけなんだ。賭けるしかねぇ……!!」
なんと、零奈と五つ子で再び融合し、今の魔人ブウに引けを取らないパワーを手に入れた人造人間零奈………。ひょっとすると、彼女達が本当にみんなの仇を取ってくれるのかもしれないが、果たして………?
すみません。丁度いいところで区切る為に今回は短めです。皆さん五つ子がチョコにされることを予想されている方が多かったですが、結構前からこの展開は考えていました。とは言っても、人造人間零奈編終了後の話なんですけどね()
前の完全体零奈はここまで強くありませんでしたが、その理由として、まず五つ子を強引に吸収したからです。五つ子の意思に反して無理矢理力を使っているような状況だったので、前回は精々超2程度でした。次に、五つ子の年齢が統一されていることです。人造人間零奈は違う時代の他の五つ子を吸収することは想定されてなかったためですね。そして最後に不純物がいたからです。これはDr.ゲロの意思を持ったコンピュータのことを指します。要は完全体モドキだったわけです。今回登場したのが本来の完全体というわけです。
てなわけで、五つ子にも十分活躍する機会があったわけなのですよ。ここからしばらくは原作にはない展開が続くものと思われます。
人造人間完全体(真)のスペック:
タイプ一花:悪い言い方をすれば、狡賢い手が得意。普通の戦士が扱わないようなトリッキーな技の扱いを得意とする。相手を騙すような技を出すのも得意。
タイプ三玖:肉弾戦は不得意だが、飛び道具ならお手のもの。弓や銃、刀を模倣した気の塊で戦う。相手に気付かれずに隠密行動することを得意とする。
今回出てきた形態のみを載せています。二乃、四葉、五月と更なる詳細データに関しては次回以降掲載します。そしてストックが潰えるww(あと少しで85話できるんですけどね)