孫悟飯は五つ子姉妹の家庭教師をするそうです【本編完結】   作:Miurand

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 前回のあらすじ
 零奈と融合した五つ子は、それぞれの特色を活かしながら魔人ブウと互角以上に戦っていたところ、何かしらの方法で精神と時の部屋の空間から脱出したゴテンクスとピッコロが現れた。そこからはゴテンクスとの共闘になったのだが……



第86話 帰ってきた家庭教師

『持てる力の全て……?』

『どういうことか説明しなさいよ!』

 

『ああ……それはな……………』

 

 

 

 

 

 

 

 

ピッコロ「おい。どうした?」

 

ピュン‼︎

 

五月「いえ、中の姉妹達とちょっと作戦会議をしていたところです」

 

四葉スタイルから五月スタイルに変身し、ゴテンクスの元に向かうかと思いきや………。

 

五月「はっ!」ビビビッ

 

ピッコロ「なっ……!!?」

 

アホ毛から放ったビームを岩山に当てたかと思えば、大量の食べ物が生み出された。

 

ピッコロ「アホかッ!!!こんな時に呑気に食事している場合かッ!!!!」

 

五月「こういう状況だからこそです!!」

 

『腹が減っては戦はできぬって言うしね』

 

 

"まずは五月に変身してありったけの食い物を食え。そうしてまずはお前達のスタミナを全快させる。なんなら限界突破させたいくらいだ"

 

 

五月のこの行動は、風太郎の作戦のうちの1つであった。

 

ピッコロ「……!!(こいつが食べ物を食う度に気が増大していく…!!なんて特性を持ち合わせていやがる!!)」

 

短時間で食べ物を飲み物のようにかきこんだ五月は、今度はスタイル一花に変身する。

 

一花「よし!行きますか!!」ドシューン‼︎

 

ピッコロ「あっ、おい待て!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ブウ「ぶぁあああッッッ!!!!」

 

ズォオオオオオオオオオオオッ!!!!

 

超3ゴテンクス「ギャアアアアアアアアアッッッ!!!!?」

 

場所はゴテンクス達のいるところに移って、とある街。魔人ブウの口から放たれた気功波によって街は壊滅した。ところがゴテンクスは身体中に擦り傷は作っているものの、無事であった。

 

超3ゴテンクス「こんにゃろう…!!お返しッッッ!!!!!!」

 

ズォオオオオオオオオオオオッ!!!!

 

ブウ「ぶわぁああああッッッ!!!!」

 

ゴテンクスもやられたものと同じようにして魔人ブウに仕返しをする。ボロボロになった魔人ブウに追い討ちをかけるように殴り込む。

 

超3ゴテンクス「よーし!そろそろ決めちゃうぜ!!!ギッタンギッタンのケチョンケチョンのボコボコにしてやるぜッッ!!!」

 

ゴテンクスが気を両手に集中させ始めるが、魔人ブウは再生する気配がなかった。ゴテンクスはこのチャンスを利用するべく全力のかめはめ波を放とうとする。

 

 

 

ポンッ

 

ゴテンクス「あ、あれ……?」

 

情けない音と共にゴテンクスの超サイヤ人状態が解けてしまった。いくらフュージョンして強くなったとはいえ、超サイヤ人3による気の消費は尋常ではないため、30分の中でもごく僅かな時間しか変身することの出来ない形態だったのだ。

 

ゴテンクス「あ、ありゃりゃ〜……どうしましょ…………」

 

ブウ「…………」

 

この隙に魔人ブウは再生をして体を無傷にする。そしてゴテンクスに少しずつ近付いていく……。

 

ゴテンクス「わわわっ!!!待て待て!!!!!こっちくるな!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

ザクッ!!

 

ブウ「ぐっ!!!?」

 

突如地面から針のようなものが生え出てきて、その針が魔人ブウの両足を固定するように突き刺した。

 

ゴテンクス「な、なんだ!!?」

 

一花「やっほー!私だよ!」

 

ゴテンクス「お姉ちゃん達!!?」

 

一花「それじゃ、次は三玖だよね?フータロー君!」

 

『ああ。そうだ!』

 

ピュン‼︎

 

三玖「……よし!」

 

三玖の掛け声と共に手を振り上げ、空中に大量の手槍型の気弾を用意した三玖は………。

 

三玖「突撃ッ!!!!」

 

普段は出さないような大声で合図をすると、手槍型の気弾が一人でに魔人ブウに向かって動き始める。

 

ブウ「こんなの簡単に避け……!!?」

 

三玖「一花の針は少し特殊なんだよ…!強力な気を持つ人ほど気の力で磁石みたいに張り付くの。だから膨大な気を持っているあなたは逆に抜けづらくなってるの!」

 

ブウ「な、なにぃ!!!?」

 

ザザザッ!!!!

 

ブウ「ぐわぁッッッ!!!!!」

 

降りかかる手槍になす術もなく突き刺されていく魔人ブウ。しかし三玖は手を緩めなかった。

 

"一花と三玖で魔人ブウを固定できる技をしかけろ。固定できるなら地上でも空中でも構わないが、地上の方が望ましいな"

 

無論この行動も風太郎の作戦のうちの一つだった。

 

三玖「……よし、四葉お願い!」

 

ピュン‼︎

 

四葉「ラジャー!!四葉リボン!!」

 

ガシッ!

 

ブウ「!?!?」

 

今度は四葉に変身すると、お得意のリボン型の気を使って魔人ブウを拘束する。ここまでしつこく固定する理由としては、魔人ブウが体の一部を使って逃亡する可能性があるので、それを防ぐための処置でもあった。

 

四葉「とうッ!!!」

 

ドンッッッ!!!!!!

 

今度は両足を利用して全力で地面を蹴る。するとその地面は大規模な地割れを起こすがそんなことは気にしている場合ではない。四葉のスピードを駆使して大気圏、その先の宇宙空間にまで飛び出した。

 

四葉「最後は二乃だよね!」

 

ピュン‼︎

 

二乃「任せなさい!!!」

 

ボォオオオオッ!!!!!!!!

 

二乃「はぁぁぁぁああああ……!!!!」

 

どうやらこれで作戦の最終段階らしい。二乃に変身すると気を溜め続ける。

 

 

"四葉のリボン術で魔人ブウの分身を阻止しろ。その上で四葉のスピードを利用して宇宙空間まで飛べ。その後二乃に変身して気を溜めろ。あとは気を全開にして魔人ブウに突っ込め!重力も上乗せして魔人ブウにぶつけろ!出し惜しみは絶対にするな!!"

 

 

 

二乃「……出し惜しみなんてするはずがないわ……!!愛する人の仇相手なんかにねッ!!!!」

 

ドシューンッッッ!!!!!

 

二乃が魔人ブウ目掛けて発進する。大気圏に突入すると自分の周りが炎で包まれるが、これごと魔人ブウにぶつけてやるといった様子で二乃は更に加速する。

 

 

 

 

 

 

ピッコロ「あいつら、どこに行ったんだ…?」

 

悟天「なんか分からないけど、魔人ブウを縛ったら空に行っちゃったよ?」

 

ピッコロ「なに?」

 

トランクス「何がしたいのかな…?」

 

ピッコロ「(空…?拘束……。まさか…!!)」

 

ピッコロ「お前ら!!早くここを離れろ!!」

 

悟天「えっ?」

 

トランクス「なんでだよ〜!」

 

ピッコロ「ちっ!」

 

言うことを聞きそうにないと判断したピッコロは、トランクスと悟天を掴んでその場を後にする。

 

悟天「ちょ、ちょっとピッコロさん!」

 

トランクス「離せよ!!!魔人ブウを放っておくのか!!?」

 

ピッコロ「あいつらの足を引っ張るな!とんでもないことを起こすつもりだ!」

 

「「えっ?」」

 

 

トランクスと悟天が不意に空を見上げた時、赤く光る……否、燃え盛るものが物凄いスピードで落ちてくるのが確認できた。

 

悟天「ま、まさか…?」

 

トランクス「あれが姉ちゃん達ってことはないよな……?」

 

 

 

 

 

 

 

二乃「はぁああああああああッッッ!!!!!!!!!

 

そのまさかだった。

 

ブウ「うわぁああッ!!!!やめろぉおおおおおッッッ!!!!!」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!!

 

超スピードで落ちてきた二乃を、魔人ブウは超能力を使って一時的に堰き止めた。

 

二乃「無駄よ…!!!大人しく…!!!滅びなさいッッッ!!!!!」

 

バキッ…!!!

 

ガラスが割れるような音がした…。それと同時に二乃が再び突き進み……。

 

 

 

 

 

 

 

 

ドグォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンンンンッッッッッッ!!!!!!!!!!!

 

 

トランクス「うわぁあああああッッッ!!!!」

 

悟天「わ〜!!!?」

 

ピッコロ「頭のネジが外れているんじゃないか…!!!?」

 

二乃はその勢いのまま魔人ブウに衝突し、その周辺は一瞬にして爆発して史上最大規模のクレーターと化した。

 

トランクス「ひぇ〜………!!こっわっ……!!!」

 

悟天「地球がなくなるかと思った………」

 

魔人ブウに向かって突進した二乃は、まるで地球に落ちてくる隕石のようであった。

 

スタッ

 

二乃「はぁ………!はぁ……………!さ、流石にやったわよね………?」

 

少しすると、悟天達のすぐそばに二乃が戻ってきた。

 

悟天「に、二乃さん!?」

 

トランクス「あれでよく無事だったな!自爆したのかと思ったよ!!」

 

二乃「まあ、ちょっとそれに近いかもしれないわね……………」

 

ピッコロ「よくあんな無茶苦茶な作戦を思いついたな……」

 

二乃「ええ。これで魔人ブウを倒せていなかったら、今の私達では倒せないってことになるわ……………」

 

二乃は先程の攻撃で気を大量に消費してしまったためか、息を切らしていた。

 

 

 

 

シュウ~

 

 

二乃「………!!!」

 

ピッコロ「ま、まさか………!!!」

 

ポンッ!!!

 

ブウ「……………」

 

なんと、あれほど過激な攻撃を仕掛けたというのに、魔人ブウは煙から再生してきたではないか………!!

 

悟天「う、嘘だ……!!」

 

トランクス「あんなデタラメな攻撃でも倒せないなんて………!!」

 

二乃「そ、そんな…………!!」

 

ブウ「今のは死ぬかと思った……。チビ達のせいで油断した…………」

 

二乃「…………ねえ、もう一度フュージョンできるかしら?」

 

ピッコロ「ダメだ。フュージョンが解除されてから再びフュージョンするには1時間必要だ。そして二人のフュージョンが解けたのはついさっきだ……」

 

二乃「…………なら、五月!」

 

ピュン‼︎

 

五月「お任せを!!」

 

ピンチかと思いきや、五つ子達には五月がいた。五月スタイルの時に食べ物を食べればスタミナが回復するというチートスキルを所持しているのだが。

 

ガシッ!

 

五月「あっ!!離して……!!!」

 

ブウ「ホントはあいつが来るまで待とうかと思ったけど、お前は今のうちに始末する!」

 

ドカッッ!!!!!

 

五月「かはっ…………!!!」

 

魔人ブウら五月のアホ毛を掴んで食べ物を生み出すのを阻止した。その直後に拳を腹部に叩きつけ、五月が咳き込む。

 

五月「ごほっ!ごほっ……!!!」

 

ドゴッッッ!!!!!

 

五月「ぎゃ……!!!!!」

 

ドカッッ!!!!!!

 

五月「や、やめ……!!!」

 

バキッ!!!!!!

 

五月「あがっ…………!!!!」

 

スタミナ切れして力を出せない五月を相手に容赦なく次々と攻撃する魔人ブウ。ピッコロと悟天達は手助けをしようとするも、相手が相手なので介入できずにいた。しかし、魔人ブウが攻撃すればするほど五月の怪我が増えていく。五月が死ねば融合している姉妹に零奈、風太郎も死ぬことになる。

 

だから、五月は死ぬわけにはいかない。しかし何もできない絶望的な状況だった。

 

ブウ「むんっ!!!!」

 

ドンッッッ

 

五月「ぎっ……!!!!!」

 

殴りつけるのは飽きたのか、今度は五月の頭を掴んで地面に叩きつける。

 

五月「こ、この……!!!」

 

ブウ「黙れぇ!!!」

 

ドゴォォオオッッッ!!!!!

 

反撃しようとした五月を殴り飛ばした魔人ブウは、追い討ちをかけるように飛び蹴りを決め、五月は近くの岩山に叩きつけられた。

 

ブウ「はぁぁああ……!!!」

 

そして魔人ブウは三玖がしたように、銃を模倣した気弾を生成して、その銃口を五月に向けた。

 

ブウ「自分達で生み出した技で死ねぇえええええ!!!!!」

 

ドドドドドドッ!!!!!!!!

 

叩きつけられて動かなくなった五月に容赦なく銃弾の雨が降り注ぐ。岩山も巻き込まれて連鎖的に爆発を引き起こした。

 

 

トランクス「あ、あぁ………!!!」

 

悟天「い、五月さぁあああんッ!!!!」

 

ピッコロ「な、なんてやつだ…!あんな特殊な技も真似ることができるというのか……!!?」

 

魔人ブウが攻撃をやめてしばらく経つと煙は晴れて五月の姿は確認できたが、身体中が傷だらけになってピクリとも動かなくなってしまった。

 

悟天「や、やだぁああッッ!!!五月さんまで死なないでよッッッ!!!!」

 

ピッコロ「大丈夫だ…!気は微かに残っている…!!!」

 

悟天「く、そ……!!許さないぞぉおおおおッッ!!!!」

 

ボォオオオオッ!!!!

 

五月がやられた怒りで超サイヤ人に変身した悟天は無鉄砲に魔人ブウに突撃を仕掛けるが……。

 

ブウ「ほいっ!!!」

 

ドゴォォオオッッッ!!!!!

 

敢えてスレスレで避けた魔人ブウにメテオスレッジを食らわせられ、地面に叩きつけられた。

 

トランクス「馬鹿悟天…!!フュージョンもしてないのに勝てるわけないだろ!!」

 

ブウ「………」

 

超悟天「く、くそ…!!」

 

ピッコロ「くそ…!!この際だ!!やれるだけやってから死んでやる!!」

 

ピッコロは半ばヤケクソ気味になって悟天を庇うように魔人ブウに向かって突き進む。

 

ドカッッ!!!!!

 

ピッコロ「ごふぁ…!!!」

 

ブウ「お前が俺に勝てるわけないだろう!!」

 

しかし、途中でブウに強烈な一撃を与えられたことによって腹部を抑えて後退りする。

 

ブウ「さーて、どうしようかな?」

 

超悟天「あ、あぁ……!!!」

 

急に冷静になった悟天は、現在の状況を把握してしまった。あと1時間はフュージョンすることができない上に、唯一魔人ブウに対抗しうる五月達は戦闘不能。そしてその怪物が目の前にいた。

 

悟天はまだ8歳という若さだが、死を覚悟して涙しそうになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴォォオオッッッ!!!!!

 

ブウ「ぬっ!!!!」

 

超悟天「わっ…!!!」

 

トランクス「お、お姉ちゃん…!?」

 

二乃「はぁ………!はぁ…………!!」

 

二乃フォームになって再び魔人ブウに立ち向かう人造人間零奈完全体がそこにはいた。

 

超悟天「な、なんで……!!どうして…!!」

 

ブウ「お前、まだ生きていたか…。でも全然痛くないぞ?さっきの攻撃でパワーを使い果たしてしまったようだな?」

 

二乃「くっ……!!」

 

ブウの指摘は二乃にとっては図星だった。痛いところを疲れて苦い顔をしている。

 

ピッコロ「馬鹿…!!意識を取り戻したなら食べ物を食べてスタミナを回復させれば良かっただろう!!!?」

 

二乃「うっさい!!そんなこと分かってるわよ!!でも、私達よりも小さい子が傷付いてるのに放っておけって言うの!!!?」

 

考えるよりも先に行動してしまう二乃にとって、ピンチになっている子供を見逃すことなど到底無理な話である。状況によってはナイスな判断になっていたかもしれないが、今回ばかりは賢い判断とは言えなかった。

 

ブウ「まあいい。まだ死んでないなら、じっくり嬲ってじわじわと殺してやる!!」

 

シュン‼︎

 

ドカッッ!!!!

 

二乃「くっ……!!!やっ!!!」

 

魔人ブウの攻撃を堪えて反撃を試みる二乃だが、体を捻じ曲げて回避された上に更なる追い討ちを食らう。

 

二乃「かはっ……!!!」

 

ブウ「どうした!?そんなものか?」

 

自分と互角の力を持つ相手が電池切れだということに気づいた魔人ブウは、それはそれは楽しそうに相手を蹴る、殴る、気弾を当てるなどして痛ぶり尽くす。

 

二乃「くっ……!!」

 

ピュン‼︎

 

四葉「リボン!!」

 

四葉フォームに変身してリボン型の気でブウを拘束して一旦離れる。

 

四葉「よし!今のうちに………」

 

ブウ「ふへ…!!」

 

ギューンッ!!

 

しかし、拘束されたのはあくまでも胴体のみ。ブウは首を超スピードで伸ばして四葉に頭突きを食らわせた。

 

四葉「がっ……!!!!」

 

ブウ「させるかッッ!!!」

 

四葉は魔人ブウの隙を作って回復を試みるが、魔人ブウに隙はなかった。頭突きをみぞおちに食らわせたことによって四葉はしばらく身動き不能となってしまう。

 

ガッ!!

 

しかし、そんな無抵抗な四葉に魔人ブウは強力な蹴りを入れて倒す。そして無防備になった腹部を踏みつける。

 

四葉「ぎゃぁ……!!!!や、やめ……!!!!」

 

ブウ「いい顔だ…!その顔をもっと見せろ……!!!」

 

トランクス「く、くそ……!!このままじゃ姉ちゃんたちが……!!」

 

悟天「トランクス君!フュージョンを試そうよ!」

 

トランクス「えっ!?まだ1時間経ってないからできないだろ!!」

 

悟天「でも、このままじゃ…!!!」

 

悟天は涙を浮かべながらトランクスに訴えた。これ以上身近な存在を失いたくないのだ。トランクスはその意図を汲み取る。

 

トランクス「わ、分かったよ…!ダメでもともとやってみるぞ!!」

 

悟天「うん!!」

 

 

 

 

ピッコロ「………!!!!」

 

ブウ「………!!!!!」

 

直後、ピッコロと魔人ブウが不意に空を見上げる。

 

ピッコロ「な、なんだこの気は!?とてつもなく大きい!!!!何者だ…!!!!」

 

ブウ「(きたか………!!!!)」

 

その莫大な気の持ち主が超速でこちらに接近していた。今まで感じたことのない気を察知して焦るピッコロ。しかし、その気の持ち主の姿が見え始めた。その者は山吹色の道着を着ていた。

 

ピッコロ「ご、悟空だ!!!」

 

悟天「…………違うよ!兄ちゃんだ!!」

 

トランクス「えっ?」

 

ピッコロ「な、なんだと!?」

 

「その足を退けろ」

 

ブウ「……!!!!」

 

さっきまで飛んでいたと思われていたその気の持ち主、孫悟飯は一瞬でブウの前に移動し……。

 

悟飯「聞こえなかったか?退けろッッッ!!!!!!!」

 

ブォオオオオオオオオッ!!!!!!!!!!

 

ブウ「ぐぅううううッッッ……!!!!」

 

気合だけで魔人ブウを大きく後退させた。

 

悟天「やっぱり兄ちゃんだ!!生きていたんだ!!」

 

四葉「そ、そんさん……?」

 

悟飯「やあみんな。よくここまで頑張ってくれたね……。あとは僕に任せて」

 

ピュン‼︎

 

二乃「な、なんで……?死んだんじゃなかったの………?」

 

居ても立ってもいられずに二乃が勝手に変身し、悟飯に問いかける。

 

悟飯「危機一髪のところで界王神様に助けてもらったんだ………」

 

二乃「ば、馬鹿ぁ…!!!本当に死んだと思ったんだからぁ……!!!!」

 

悟飯「あ〜…!!ご、ごめん……」

 

二乃は立ち上がってボロボロの体で悟飯の体をポカポカと叩く。そんな二乃の頭を悟飯は優しく撫でる。

 

ピュン‼︎

 

三玖「良かった……!本当に良かった……!!!」

 

悟飯「三玖さん………。本当にごめん…。心配させちゃって……」

 

三玖に変身すると、今度はギュッと強く抱きしめる。

 

悟飯「………って、なんで四葉さんが二乃さんになったり三玖さんになったりしてるの!!?」

 

三玖「あっ、それはね………」

 

ピュン‼︎

 

一花「この前未来の悟飯君と五月ちゃんが来た時があったじゃん?あの時みたいに私達は一つになったの!」

 

悟飯「そ、そういうことか………」

 

ピュン‼︎

 

五月「ふ、ふわぁあああん!!孫君!!!!」

 

悟飯「わわわッ!!!!!」

 

五月に変身すると、顔を擦り付けるような動作をして悟飯に泣きついた。

 

悟飯「本当にごめん……。心配させちゃって…………」

 

五月「本当ですよ、馬鹿…………」

 

悟飯「…………さあ、離れてて」

 

五月「………えっ?」

 

涙目になりながら顔を上げる五月だったが、悟飯の真剣な顔を見て指示に従うことにした。

 

五月「………孫君なら倒してくれるって信じてますから………」

 

悟飯「うん。任せて」

 

悟飯は静かな笑顔で五月にそう語りかけた。そんな悟飯にときめく五月と他2名だが、その場を離れて悟天達のいるところに戻った。

 

ピタッ

 

先程吹き飛ばされた魔人ブウがこちらに戻ってきた。悟飯は魔人ブウを睨みつけながらこう問う。

 

悟飯「他のみんなはどうした……?」

 

悟天「ここにいる人以外はみんな食べられちゃったんだよ!!」

 

悟飯「な、なに!?お母さんやデンデもか!?」

 

悟天「そうだよ!!」

 

悟飯「(な、なんてことだ…!!頼みの綱のデンデまで……!?)」

 

ドラゴンボールでみんなを生き返らせることができない可能性が出てきて、一瞬焦ってしまう悟飯だが、微かにデンデの気を感じ取ることができて余裕を取り戻した。

 

ブウ「………!そうだ!思い出したぞ!お前は前の俺にぶっ飛ばされたやつだ!!今更何の用だ?まさか俺を倒すつもりか?」

 

ブウは挑発的な言動で悟飯に話しかけるが、悟飯は余裕の笑みを崩さないまま、こう返答する。

 

悟飯「違う。貴様を殺す為にここに来たんだ」

 

ブウ「!?ふへへへへへ!!!!お前が俺を!?笑わせるな!!!前の俺にぶっ飛ばされたお前がどうやって俺を殺すんだ?」

 

ピッコロ「(そ、そうだ……。確かに悟飯は強くなったようだが、それでも魔人ブウに勝てるほどでは……。しかし、一体何をしてあそこまで……?)」

 

ピッコロは気の種類そのものが変わった悟飯に対していくつか聞きたいことがあった。そもそも今の悟飯は今までの悟飯ではない。15代前の界王神の能力によって、自分の潜在能力を限界以上に引き出し、気を究極まで極めた状態でここにやってきたのだ。魔人ブウに勝てるほどではないのは、まだ彼が気を解放していないからだ。気を解放すれば魔人ブウを圧倒するほどの力を感じることになるだろう。

 

そんな悟飯は最早ただの孫悟飯ではない。究極の存在、究極(アルティメット)とでも言った方がいいだろう。

 

究極悟飯「……はぁあああああッッ!!!!!!」

 

ブォオオオオオオオオッ!!!!!

 

悟飯が気を解放した瞬間、その膨大な戦闘力に圧倒されて魔人ブウでさえも黙り込んでしまった。

 

ピッコロ「す、超サイヤ人にも変身していないのに、なんて気だ……!!!」

 

五月「す、すごい…………」

 

悟天「さっすが兄ちゃんだ!!」

 

トランクス「これ、ひょっとすると超ゴテンクスよりも強いんじゃ……?」

 

 

ブウ「そ、それがどうした!!」

 

究極悟飯「…………」

 

魔人ブウの問いを無視して、悟飯は表情を変えずに詰め寄る。

 

ブウ「うっ……!!!うぅ…!!!」

 

目の前に自分を圧倒的に超えているかもしれない敵と出会い、魔人ブウはかなり動揺しているようだった。それと同時に悟飯という存在そのものに怒りを感じ始めたようで、威嚇をしているが、悟飯は全く動じない。

 

究極悟飯「どうした?来ないのか…?なら、こっちから行かせてもらうぞ?」

 

 

ドカッッッ!!!!!!!!

 

 

ブウ「うあっ………」

 

 

悟飯とブウの様子を見ていたピッコロ達にとっては本当に一瞬の出来事だった。先程まで魔人ブウの前にただ立っていただけの悟飯が、瞬きをする間に魔人ブウの腹部に蹴りを入れていたのだ。その威力が膨大だったためか、ブウは口から紫色の血と思われる体液をもらすが、すぐに拭き取る。

 

ドゴォォオオッッッ!!!!!

 

しかし、その動作をしている間に、悟飯の強力な蹴りが炸裂して、ブウは何歩か後退りする。

 

ブウ「うガァアアッッッ!!!!」

 

魔人ブウは怒りに任せて、何の捻りもない拳撃を繰り出すが、悟飯は冷静に対処する。左手でブウの攻撃を受け止め、足を使って顎に攻撃する。それによって怯んでいる隙に再度腹部に強烈な一撃を加えると、魔人ブウは腹部を抑えて苦しんでいた。

 

究極悟飯「…………」

 

その様子を悟飯はじっくりと眺めていた。相手を痛ぶって楽しんでいるわけではなく、敵の動きを観察しているようにも見えた。

 

ブウ「うがぁああッッ!!ぶっ飛ばしてやる!!ぶっ飛ばしてやるぞぉおッッッ!!!!」

 

究極悟飯「ふん、やれるものならやってみろ」

 

戦っている二人の様子は対照的だった。ブウは先程から悟飯に一方的にやられている為か、段々と熱くなってきていたが、悟飯は依然として真顔のままだ。

 

ズガガガガッ!!!

 

魔人ブウが連続して繰り出す拳、足を軽く受け止めた。ブウが腕を振り払って攻撃しようとすると、悟飯はブウの後側に飛んだ後にすぐに接近する。

 

究極悟飯「おりゃああッッッ!!!!」

 

ドゴォォオオッッッ!!!!!

 

ブウ「ウゴッ……!!!?」

 

魔人ブウは顔に悟飯の跳び膝蹴りを受け、そのまま尻から転倒し、地面を削りながら吹き飛ばされる。

 

スタッ

しかし、悟飯はすぐに魔人ブウに近づき、いつでも追撃できるように準備していた。

 

ピッコロ「(し、信じられん…!!あれほどの短期間でどうやってここまでのパワーアップを成し遂げたというのか……!!?)」

 

究極悟飯「はぁああああッッッ!!!!!」

 

悟飯の成長の凄まじさに感心するのはいいが、なんと悟飯は魔人ブウをこちらに投げ飛ばしてきた。

 

悟天「うわわ!!?」

 

トランクス「逃げろ!!」

 

ピッコロ達はなんとか反応して避ける。悟飯は投げ飛ばした魔人ブウを追いかけるが、途中で魔人ブウが静止して口から気功波を吐き出した。

 

バシンッッ!!!

 

しかし、その強力な一撃も悟飯は最も容易く弾き飛ばした。

 

ブウ「うがァアアッッッ!!!!」

 

怒った魔人ブウは体を丸めて悟飯に突進してくる。

 

究極悟飯「ぐぐっ……!!」

 

悟飯はそのまま魔人ブウに押し出されて岩山にのめり込んでしまうが、少しすると岩山の上を突き破って魔人ブウが吹き飛んでいった。その後を超速で悟飯が追いかけ、追い越すと魔人ブウを叩きつけて地面に落とす。

 

しかし、魔人ブウは直前で体制を整えて地面に着地した。1度は魔人ブウに敗北した悟飯。そのはずが、当時よりパワーアップしたブウを圧倒していた。

 

ブウ「……!!?」

 

魔人ブウは悟飯を目視で確認しようと辺りを見回すが、見つけることができなかった。

 

究極悟飯「こっちだ」

 

ブウ「……!!!!」

 

声が聞こえた方を振り返ると、確かにそこには悟飯がいた。

 

 

"ウスノロ"

 

 

以前までの悟飯ならそう言っていたかもしれない。つい先日までは魔人ブウにはとてもではないが勝てる力など持ち合わせていなかった。だが、今はその相手に圧倒的に優位に立っている。

 

しかし、今の悟飯は違う。明確に守りたい人がまだ残っているし、守りたかった人も生き返らせることもできる。それを認識していた悟飯は、いくら余裕とは言っても遊ぶような真似はしなかった。故に………。

 

 

ズォオオオオオオオッッッ!!!!!!

 

 

至近距離で魔人ブウに向けて気功波を放った。それによって魔人ブウの体は消滅したように見えるが……。

 

 

五月「た、倒しました…………」

 

ピッコロ「す、すごいぞ…!!!」

 

悟天「やった〜!!!兄ちゃんが勝った!!」

 

トランクス「よっ!流石悟飯さん!!」

 

究極悟飯「………いや、まだだ」

 

ピッコロ「なに?」

 

悟飯の言う通り、煙が不自然に集まるとすぐに体を形成し、魔人ブウの姿になった。

 

ブウ「ぐぬぬぬぬ…………」

 

五月「ま、また……!!」

 

悟天「しぶといやつ……!!!」

 

トランクス「でも今の悟飯さんなら楽勝だろ!!」

 

 

 

 

ブウ「………やっぱりお前だったか」

 

究極悟飯「なに?」

 

ブウ「俺はゴテンクスっていうチビ達と戦っている時から貴様の存在は感じていた。遥か遠くに俺を超えるかもしれないほどの気があることは分かった………」

 

究極悟飯「……(あの時か)」

 

悟飯が潜在能力解放の儀を終え、試しに究極の力を開放した時の話だ。あまりの力に悟空も含めて皆が驚いていたのだが、それはまた別の話だ。

 

ブウ「俺は俺より強い奴を許さない…!お前を許さない…!!」

 

究極悟飯「なるほどな。実際に試してみたら本当に上だったと…。だが、俺も貴様を許さない。お母さんやみんなを殺し、友達を傷つけたお前をな……!!!」

 

悟飯はここで魔人ブウのを仕留める為に気を最大限まで解放しようとした。しかし、その時………。

 

ドォォオオオッッッ!!!!

 

ブウ「へへへっ…!!楽しみだなぁ…!!」

 

究極悟飯「………!!」

 

魔人ブウの気が不自然に膨らみ続けることを確認した悟飯は、すぐにその場を去る。

 

ガシッ!

 

五月「ふぇ!?」

 

完全に体力を使い切っていた五月を掴みつつ、悟飯はこう続ける。

 

究極悟飯「みんな!魔人ブウは自爆する気だ!!早く離れて!!!」

 

ピッコロ「なにッ!!!?」

 

悟天「ええ!!!?」

 

トランクス「に、逃げろ!!!」

 

皆それぞれが今出せる全力を使ってその場を後にした。少しすると……。

 

 

ドグォォオオオオオオオオオオオオオオオンッッッ!!!!!!

 

大爆発が発生し、ギリギリ被弾を免れた悟飯達にも熱と衝撃は伝わった。

 

 

ピッコロ「た、助かった………」

 

トランクス「ひぇ〜……!!」

 

五月「こ、怖かったです………」

 

取り敢えず爆発の被害を免れた悟飯達は適当な場所を探し、そこに着地した。

 

ピッコロ「………魔人ブウは死んだのか?」

 

究極悟飯「いいえ。奴はまだ生きています」

 

トランクス「ええ!!?」

 

悟天「あ、あんなに大爆発したのに…!!?」

 

究極悟飯「考えてみろ。魔人ブウは本気を出せば地球を粉々にできるほどの威力を出せるはずだ。そうすれば僕達を巻き込んで心中することも容易い。でもそれをしなかった…………」

 

ピッコロ「………何か企んでいるとでもいうのか……?」

 

究極悟飯「恐らく。詳しいことは分かりませんけどね………」

 

一時はピンチになった戦士達だったが、大幅にパワーアップした悟飯の帰還によってなんとか一命を取り留めることができた。魔人ブウは何故かワザと加減をして自爆技を仕掛けたようだが、何か企んでいるのだろうか……?

 




 いつも月曜と木曜で投稿日を固定していたんですけど、遂に崩れましたね……。実を言うと一昨日まで旅行していた関係で書く時間がありませんでした。ということで許してちょんまげ。

 今回の悟飯はとにかく舐めプを排除したつもりです。最初のは魔人ブウの手の内を探る戦闘ですね。この悟飯は未来悟飯にも釘を刺されていますし、何より守りたいと思える人の数が多いのも大きいですかね。

 ちなみに、今回の究極悟飯ですが、原作よりも戦闘力が上がっていたりします。これは悟飯が覚醒前の段階で原作よりも強くなっていることが主な要因です。

 うん、疲れた。次回分全く書けてない()。それではまた。
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