孫悟飯は五つ子姉妹の家庭教師をするそうです【本編完結】   作:Miurand

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 前回のあらすじ
 老界王神の施しによって、大幅にパワーアップして返ってきた悟飯は、フュージョンが切れた上に体力切れでピンチになっている人造人間零奈完全体(五つ子と風太郎)の元に現れた。

 彼は単純な戦闘力だけでなく、精神面でも大いに成長していた。間違いなく魔人ブウを追い詰めていたが、ブウは何かを企んでいるらしい……。



第87話 ブウの悪知恵

悟飯達を巻き込んで自爆した魔人ブウだが、どうやら生きているらしい。しかし、しばらく待ってみてもブウが出てくる様子はなかった。

 

究極悟飯「……なにを企んでいるのかは分からないが、しばらく出てくる気配がないな………」

 

トランクス「まあ、もし生きてたってへっちゃらだぜ!あんな野朗なんか悟飯さん一人でも十分だし、フュージョンして超ゴテンクスになれば楽勝だもんな!」

 

悟天「うん!」

 

はしゃいでいるトランクスと悟天を笑顔で横目に見ながら、数歩前に出る。ピッコロもその意図を察して同じように前に出た。

 

ピッコロ「聞かせろ悟飯。どうやってそこまで極めた」

 

究極悟飯「……簡潔に話すと、15代前の界王神様の能力のお陰です。自分に眠る潜在能力を限界以上に引き出してくれたんです」

 

ピッコロ「界王神様のご先祖が…?」

 

究極悟飯「それよりピッコロさん。ドラゴンレーダーは誰が?」

 

ピッコロ「それは俺が持っているが………」

 

究極悟飯「……?どうしたんです?」

 

五月「実を言うと、そのデンデさんも魔人ブウにお菓子にされてしまって……」

 

苦い顔をして言葉を詰まらせたピッコロの代わりに、卵焼き付きカレーライスを頬張る五月が答えた。

 

究極悟飯「ああ…。それなら大丈夫ですよ。デンデなら生きています」

 

ピッコロ「なに?そんなはずは……」

 

究極悟飯「よーく気を探って見てください。気を微かに感じるでしょう?」

 

悟飯に指摘され、もう一度辺りの気を探ってみる。するとピッコロは確かにデンデの気を確認できた。

 

ピッコロ「ほ、本当だ!!デンデだけでも生きていたのか!!」

 

悟天「うん!僕も見つけた!」

 

トランクス「あっちの方角だよな!」

 

五月「………確かに、微かに気を感じます」

 

他の3人もデンデの存在を認識できたようだ。

 

究極悟飯「さあ、今のうちにデンデを助けましょう!いつまたブウが現れるか分かりませんからね」

 

その言葉を合図に、5人はその場を飛び立ってデンデの元へと向かうべく、舞空術を使用した。

 

究極悟飯「………ところで、五月さん」

 

五月「はい?」

 

究極悟飯「…………そのカレー、どこで用意してきたの?」

 

ピッコロ「実を言うと、そいつも魔人ブウのようにアホ毛から出るビームで物を食べ物に変える能力を持っている。しかも食べ物を食べれば体力も回復するおまけ付きだ」

 

究極悟飯「ええ!?なにそれ!?」

 

五月「これでいつお腹が空いても大丈夫ですね!」

 

究極悟飯「うん。確かに今のうちに沢山食べてもらった方がいいかもしれないね。また魔人ブウが現れた時は徹底抗戦をしかけるぞ…!」

 

 

そうして、五月は食べ物を食べながらデンデの元に向かっている時……。

 

究極悟飯「………うん?」

 

五月「あ、あれは……?」

 

ピッコロ「なんだ?人か?」

 

究極悟飯「はい。あれは…………」

 

 

 

 

 

 

サタン「ビールが飲みたい……。水でもいい………」

 

 

 

 

 

五月「あれは、Mr.サタンでは!?」

 

トランクス「ええ!?まだ生きていたのか!?しぶとい奴だなぁ…」

 

五月「えぇ…………」

 

サタンは特に何か悪いことをしたわけでもないのにこの言われ様に、五月は少々気の毒に思った。

 

トランクス「あんな奴は放っておこうぜ」

 

ピッコロ「いや、あいつも連れて行ってやろう。奴も根は善人なんだ。あいつはあいつなりに地球を救おうとしたんだ」

 

ピッコロの一声でサタンも救出することが決まり、ピッコロはサタンを、悟天は近くにいた犬を拾うことにした。

 

ピッコロに掴まれた直後はバタバタと抵抗していたサタンだったが、自分に危害が加えられないと分かると大人しくなった。そして冷静になって周りを見渡すと……

 

サタン「お、お前は………」

 

武道大会の時、ビーデルに変な物を食べさせ、致命傷から回復させた人物、悟飯がいた。

 

究極悟飯「こんにちは!」

 

サタン「こ、こんにちは………」

 

悟飯はなんてことないように挨拶するが、平然と空を飛びながらそれをする悟飯に困惑しながらも挨拶を返すことを忘れないMr.サタン。それはさておき……。

 

ピッコロ「しかし、何故デンデだけ助かったんだ…?時間はたっぷりあったはずなのに………」

 

五月「はむ…。それに関しては、私達がすぐに挑んだからだと思います。だから奇跡的にその人だけが助かったのかと………」

 

ピッコロ「なるほど……。それならば納得だが………」

 

究極悟飯「あれ?お父さんがピッコロさん達はブウが出てきてから割とすぐに出てきたって言ってましたけど………」

 

ピッコロ「……そ、そうか…!なんてことだ…!俺は逆上して勘違いしていたんだ…!次元の穴が空いた時間を考慮しても数十秒しかタイムラグはなかった…!おまけにそこの食いしん坊が戦っていたお陰で、逃げたデンデを探して殺す隙などなかったのだ…!!」

 

ピッコロは一人でに納得するが、その拍子にサタンを持つ手を離してしまい落下するが、トランクスが持ち直したことでなんとか助かったサタン。

 

トランクス「無茶するなぁ…。ピッコロさん………」

 

サタン「ど、どーも………」

 

「おーーい!!」

 

そこに、トランクスに向けて手を振るデンデの姿が現れた。

 

トランクス「神様だ!!」

 

そしてトランクスは喜んだ拍子にピッコロと同じようにして手を離してしまう。

 

サタン「あっ、やば…。今度こそ死んだ…………」

 

 

 

 

 

 

ガシッ!!

 

サタン「!!!?」

 

四葉「す、すみません!!大丈夫でしたか!?」

 

ここでお人好しな四葉が表に出てくることによって、サタンはなんとか地面への激突を免れることはできた……。ちなみに、五月が沢山カレーやカツ丼などを食べたお陰で、零奈完全体は準備万端である。

 

サタン「あ、ありがと…………」

 

デンデの話によると、ポポが下界に向けて放り投げてくれたらしい。その為デンデだけは助かることができたようだった。ピッコロはそんなミスターポポの行動を賞賛していた。

 

サタン「な、なんだ…?あの顔色の悪いガキは……?」

 

トランクス「こら!失礼だろ!神様だぞ!神様!!」

 

サタン「ええ!?なんだって!?あれが!!?」

 

ピッコロはデンデのビジュアルで神だということに驚いている様子だった。

 

四葉「……お気持ちお察しします」

 

みんなが普通にデンデに接している中、ただ一人サタンに理解を示す者がいた。

 

 

 

 

そして、しばらく雑談していると……。

 

サタン「そういえば、ビーデルはどこに行ったんだ?お前と一瞬に飛んで行ったはずだが…………」

 

四葉「!!!」

 

究極悟飯「あっ………それは…………」

 

ピッコロ「………ビーデルも魔人ブウに殺された………」

 

サタン「…………えっ?び、ビーデルが…?ブウに……?そ、そんなはずは…!!あのブウが私の娘を殺すなど…!!」

 

ピッコロ「あのブウはお前の知るブウではなくなってしまった……。奴はただの破壊獣へとなれ果てたのだ……」

 

サタン「そ、そんな……!!おいお前…!!どうしてビーデルを守ってやらなかった!!お前がいながらどうして!!」

 

究極悟飯「………すみません」

 

悟天「大丈夫だよおじさん!ビーデルさんも生き返れるから!」

 

サタン「……!?それ、本当か!?本当なんだろうな!!?嘘じゃないだろうな!!!」

 

サタンは悟天を振り回しながら詰め寄るが、あくまでも悟天は嘘ではないと言う。実際ドラゴンボールさえあればビーデルも生き返ることは可能だ。

 

究極悟飯「………!!!!」

 

四葉「!?」

 

ピッコロ「うおっ!!!?」

 

しかし、そこに一つの巨大な気が接近してくるのを確認できた。その正体は言うまでもなく……。

 

トランクス「ま、魔人ブウだ…!!!」

 

サタン「何!!ブウだと!?」

 

ピッコロ「ま、まさかあいつ、もう戦うつもりなのか!?たった1時間ほどで一体何が変わったというのだ!!?」

 

そう。魔人ブウの気を探ってみれば分かるのだが、殆ど変化はない。新しい技でも編み出したのか?それとも、これも作戦のうちなのだろうか……?

 

魔人ブウの姿を目視で確認した悟飯は立ち上がって今度こそ倒すと意気込む。

 

究極悟飯「みんなは巻き添えを食わないように気をつけて!!」

 

四葉「待って下さい!私もお手伝いします!!」

 

究極悟飯「ダメだ!僕一人だけでもいい!!」

 

四葉「お願いします…!!学校のお友達も…!お爺ちゃんも……!!お父さんも…!!みんな殺されたんです…!!!せめてトドメだけでも……!!!」

 

究極悟飯「………分かった。だけど絶対に油断はしちゃダメだよ?」

 

悟飯は四葉の覚悟を聞き取り、付いてくることを了承し、悟飯と共に四葉は魔人ブウの元に向かった。少し離れた岩山にまで移動し、そこで着地をして待機する。

 

四葉「…………一体、何が変わったんでしょうか……?」

 

究極悟飯「分からない…。だけど、何かするつもりなのは確かだ……」

 

ブウ「ふへへ………」

 

そして、再び悟飯の前に着地した。サタンは魔人ブウに話しかけようと試みるも、魔人ブウからの返答は一切なかった。本当に変わってしまったことを知ったサタンはどこか悲しげであった。

 

究極悟飯「…………」

 

四葉「…………」

 

悟飯とブウはしばらく睨み合っていた。しかし、悟飯は魔人ブウがどのように変わったのかまるで検討もつかなかった。

 

トランクス「ハッタリじゃないの?どうせ悟飯さんと戦ったらまたすぐに逃げ出すって!!」

 

四葉「あわわ…!!」

 

そんな風に煽ればまた魔人ブウが感情的になってしまうと危惧していた四葉だったが、何故か魔人ブウはその言葉を聞いて不敵な笑みを浮かべていた。それに対して違和感を覚えた。

 

ブウ「おいチビ達!!出てこい!!!俺はお前達と戦いたいッ!!!」

 

究極悟飯「!?」

 

予想外の言動にみんなが驚く。だが….

 

究極悟飯「勘違いするな!貴様の相手はこの俺達だ!!!」

 

ブウ「はははっ!まずはチビ達と決着をつける!その後にお前達と戦ってやる!!」

 

四葉「ど、どうしてそんなことを…?う、上杉さん!」

 

『分からん……。しかもチビ達にフュージョンさせるということだろ…?無駄に敵を増やすように仕向けるのは合理的とはとても言えん。俺にも何を考えているのかさっぱりだ』

 

現在、零奈完全体の頭脳を担当する風太郎だが、そんな風太郎でも魔人ブウのこの行為には理解し兼ねているようで、全く見当がつかないようだ。

 

究極悟飯「どういうつもりだ!?貴様はこの俺を倒したいんじゃなかったのか!?」

 

ブウ「どうしたチビ達!!出てこい!!俺とやるのが怖いのか?さっきまでの威勢はどうした!?」

 

「「なに!!?」」

 

あからさまな挑発行為だが、悟天とトランクスはその言葉に反応してしまう。

 

トランクス「お前全然分かってないな?さっきも元に戻らなきゃ俺達の完全勝利だったんだぜ!!」

 

ブウ「へえ?そうだったかな?その割にはビビっているみたいだったがな…?」

 

「「なんだとぉ!!!」」

 

魔人ブウはちびっ子二人を更に煽って二人を戦場に駆り出そうとしている。悟飯はその意図がまるで分からなかった。

 

悟天「よーし!馬鹿な奴だ!今度こそ僕達でやっちゃおうよ!!」

 

トランクス「おう!あんな奴に舐められるわけには行かねえもんな!!」

 

ピッコロ「ま、待て!!何か変だぞ!!」

 

トランクス「へん!考えすぎだよピッコロさん!!あんな馬鹿なやつに作戦なんて考えられる頭脳なんてないよ!!」

 

悟天「そうだよ!!」

 

二人は魔人ブウの手のひらで踊らされているとも知らず、悟飯と四葉の前に出てくる。

 

トランクス「よーし!もうフュージョンできるぜ!!」

 

究極悟飯「ダメだ!!奴は俺達で倒す!!お前達は黙ってみていろ!!」

 

四葉「あれは何かを企んでいる顔です…!その企みが分かるまでは、どうか抑えてくれませんか?」

 

悟飯はあくまでも厳しく、四葉は比較的柔らかく二人に引くように言うが、悟天達は引かなかった。

 

悟天「兄ちゃんは知らないんだよ!フュージョンした僕達の強さを!!」

 

トランクス「お姉ちゃん達は見てただろ?超ゴテンクスの凄さをさ!!」

 

四葉「それは、確かに見てましたけど………」

 

トランクス「ならいいじゃねえか!!」

 

悟天「今度はいきなり超サイヤ人3だ!!」

 

そして、二人は今度も完璧にフュージョンのポーズを決め、融合する……。

 

 

 

ボォオオオオッ!!!

 

超3ゴテンクス「ジャジャジャジャーン!!正義の死神スーパーゴテンクスだ!!!」

 

究極悟飯「ほお……」

 

確かにこの強さなら魔人ブウ相手でも倒せるだろうと考える悟飯。一瞬任せてもいいかと考えるが……。

 

究極悟飯「待て。これは遊びじゃないんだ。いいから黙って見てろ。どうしても戦いたいというなら、俺と一緒に戦え!」

 

超3ゴテンクス「まあまあ、ここは俺にご指名みたいだから任せてくれよ!一回騙されたと思ってさ!!」

 

ピュン‼︎

 

三玖「………」

 

今度は三玖フォームに変身し、悟飯をジッと見つめている。

 

究極悟飯「……?どうしたの?」

 

三玖「ううん。ちょっとRPGみたいだなって思っただけ」

 

究極悟飯「あ、rpg……?」

 

三玖「そっか。悟飯はゲームやらないんだっけ?ターン制のゲームで、敵を倒すと経験値が手に入るんだよ。経験値を多く手に入れるとレベルアップして強くなれるんだ。だから、もしこれがRPGならあの魔人ブウの考えも納得が行くんだけど、経験値の概念がない現実で一体何がしたいのか分からないなって思って……」

 

『あんたこんな時に何考えてるのよ!?!?』

『三玖!?今は遊びじゃないんですよ!?』

 

内部にいる二乃や五月から突っ込みを受けたが、これが三玖の感じたこと。悟飯と風太郎はそんな三玖の考えをヒントにもう一度魔人ブウの目的を推察してみることにした。

 

究極悟飯「(つまり、僕を倒すためにゴテンクスを倒して強くなろうと…?でもこの世界はゲームじゃない…。仮にゴテンクスを倒したからと言って急激に強くなるわけじゃない)」

 

『(ましてや、自分と互角以上の敵を増やすだけで得はない。それは魔人ブウ自身も分かっているはず。にも関わらずわざわざあの二人を挑発してフュージョンさせた………)』

 

悟飯と風太郎もゴテンクスが出現することによって、魔人ブウにとってメリットが存在することまでは推察できた。しかしそのメリットの詳細に辿り着くことができていない。

 

 

 

ワンワンワン‼︎

 

三玖「………?」

 

ゴテンクスが発するオーラと風の音しか聞こえない中、三玖はもう一つの音の存在に気づいた。先程からサタンが抱えている子犬が吠えているのだ。それも何かを睨みつけるようにして。

 

三玖「………何かを威嚇してる?」

 

究極悟飯「えっ…?」

 

三玖「あっ……その、あの子犬ちゃんがさっきからずっと吠えているのが気になって」

 

究極悟飯「子犬が……?」

 

三玖「さっきからずっと威嚇しているような………」

 

究極悟飯「それは魔人ブウに対してじゃないのかい?」

 

三玖「そ、そう言われるとそう思える…………」

 

だが、三玖の着眼点は素晴らしかった。悟飯は再び魔人ブウに警戒の視線を向けるが、三玖はそのまま犬の方を見ていた。すると犬はサタンの腕から抜け出した。このまま魔人ブウの前にまで出てくるのかと思ったが、もっと手前で止まった。

 

「わんわんわん!!!」

 

犬は魔人ブウではなく、ゴテンクスの方を睨みつけていた。いや、正確にはもっと下の方だった。三玖もその犬に合わせるように地面に目を向ける……。

 

三玖「……!!あのピンク色……!!」

 

ピンクの半液体のようなものが、少しずつ地面を這いずってゴテンクスに近づいていることを確認できた。サタンは三玖よりも早めに気づいたようだったが、何が起きているのか分からずに固まっていた。

 

三玖「魔人ブウの思惑が分かった……!!」

 

究極悟飯「えっ?!」

 

 

 

 

超3ゴテンクス「よーし!行くぜ!!」

 

ゴテンクスがとうとう戦闘を開始しようとしたその時………。

 

 

 

 

 

 

 

ドグォォオオオオオオオオオンッ!!!!!

 

超3ゴテンクス「うわぁああ!?!!?」

 

ゴテンクスとすぐ後ろそれぞれの位置に、三玖がいつの間にか放った矢が爆発するように突き刺さった。

 

超3ゴテンクス「チョ!!これお姉ちゃんの技でしょ!!?いくら俺を止めたいからってこれはないんじゃない!!!?」

 

三玖「いいから、見てみて」

 

超3ゴテンクス「ああ!!?何をだよ!!!!………えっ?」

 

ゴテンクスはそれぞれ矢が突き刺さったところを見ると、謎のピンク色の物体が矢に突き刺さされていた。

 

三玖「はっ……!!!」

 

ドグォォオオオオオオオオオン!!!!!

 

三玖は手で合図して矢を爆発させると、その物体は跡形もなく消し飛んだ。

 

ブウ「き、貴様ァ……!!!!!」

 

究極悟飯「み、三玖さん?一体魔人ブウの作戦って……?」

 

三玖「作戦としては源義経の逆落としと似たようなものかな」

 

逆落としとは、源氏の義経が平氏との戦いである一ノ谷合戦にて、急坂を馬で駆け降りて奇襲するというとんでも戦法のことを言う。つまり一言で言えば不意打ちというやつだ。

 

三玖「魔人ブウは自分自身に気を引いて、その塊でゴテンクスに奇襲を仕掛けようとしていたんだよ!!」

 

『………いや、本当にそれだけか?』

 

三玖「えっ……?」

 

『ただの奇襲でも効果はたかが知れているぞ?そんなことをしても悟飯はおろかゴテンクスにも勝てるとは思えん』

 

三玖「た、確かに………」

 

名推理を叩き出したと思っていた三玖だったが、どうやらその推理は外れてきたようで、手で顔を抑えて縮こまっていた。

 

究極悟飯「い、いや!でもその奇襲に気づけただけでも三玖さんはすごいよ!」

 

ブウ「…………ふっ!ふふふっ…!!」

 

超3ゴテンクス「なんだ?何がおかしいんだよ!!」

 

ブウ「………確かに、ある意味奇襲かも知れないな…」

 

究極悟飯「ある意味……?」

 

「うおっ!!!」

 

三玖「!!?」

 

突然悲鳴のような声が聞こえたため、後ろを振り向いた悟飯達。そこには、ゴテンクスのすぐ後ろにまで迫っていたものに似たピンク色の物質が、ピッコロに纏わりついていることが確認できた。

 

三玖「えっ……?どういうこと……?」

 

ブウ「倒す為の奇襲じゃない!!」

 

魔人ブウが手を動かすと、ピッコロを捉えた塊がブウに向かって進む。

 

究極悟飯「ま、まさか……!!」

 

ブウ「そして………」

 

魔人ブウはピッコロをこちらに引き込むのと同時並行で何かのポーズをする。両手に気を集中させていることは分かるのだが、ただ何をするつもりなのかまでは分からない。

 

ブウ「魔封波ッ!!!!

 

超3ゴテンクス「う、うわぁああ!!!!!」

 

ゴテンクスは魔人ブウの両手から出た緑色のオーラのようなものに包まれ、それに捕らえられたことによって身動き不能となり、じわじわと魔人ブウに引き寄らされて行く。

 

究極悟飯「ま、まずい……!!!」

 

スポンっ!と呆気ない音が響くと同時にゴテンクスが魔人ブウの体内に取り込まれる。その直後にピッコロを捉えたブウの体の破片が本体に戻り、ピッコロをも取り込む。

 

三玖「そ、そんな……!!!」

 

三玖はゴテンクスに迫る体の一部は気づくことができたが、自分より後ろにいたピッコロの方にまでは気が回らなかった。悟飯と風太郎も何か企みがあるとしたら、ゴテンクスに関係するものと睨んでいたので、こちらは完全に不意をつかれた形となった。

 

究極悟飯「こ、この野朗………!!!」

 

悟飯は悔しそうにするが手遅れだった。魔人ブウはゴテンクスとピッコロの吸収を完了し、姿も変えた。以前よりも体格が更に良くなり、鼻が高くなった上に触覚のようなツノも太くなっていた。更に今まで上半身は裸だったのだが、今回からはゴテンクスが身につけていた、あのゴツゴツした服を身につけていた。

 

ブウ「どうかな悟飯君。この瞬間に、後にも先にも生まれないであろう最強の魔人の誕生だ」

 

究極悟飯「き、汚いぞてめぇ…!!2人も取りこんじまうなんてよ…!!」

 

ブウ「お前のせいだぞ。お前は絶対に最強であるはずの私より強くなった。遥か遠くにお前の存在を感じた時からこの作戦は既に始まっていた」

 

三玖「そ、そんなに早い段階で…!?」

 

ブウ「もしかしたら私より強いかも知れない。そこで考えたのだ。その時戦っていたスーパーゴテンクスとかいうチビを吸収すれば、どんな奴が現れたって最強の王座は揺るがない。だが、そのちびのパワーは時間制限付きのようでな。もし吸収する瞬間に戻られては困るから、次の機会に見送ったのさ」

 

三玖「そ、そんな………!!」

 

『そういうことか…!頭悪いのかと思ったが、実は良かったのか……!!』

 

悟飯は魔人ブウの作戦を聞いてしてやられたという意味を込めて舌打ちをする。

 

究極悟飯「そういうことか……。だが、そうペラペラ喋っている割には頭の悪さは変わってないようだな?最強になりたければこの俺を吸収すれば良かっただろう?」

 

ブウ「何も分かってないな。敵もいないのに最強になって何の意味がある?前の私が言ったはずだ。お前を許さないとな」

 

究極悟飯「……!!」

 

三玖「だとしても、何で私達を吸収しなかったの…?その方が手取り早かったはず……!!」

 

ブウ「確かに、貴様を吸収した方が都合は良さそうだ。パワーはこの超ゴテンクスよりも若干上回っている上に、多彩な技を使用できる。だが、前の私は貴様も許すことができなかった。だからチビ達ではなく、貴様は殺そうとしたのだ」

 

悟飯が駆けつける前の出来事のことである。フュージョンが解けた悟天やトランクスはすぐに殺せたのにも関わらず、そっちではなくしつこく五つ子に拘った理由は、単に回復を阻止したかったからというものだけでなく、許すこともできなかったのだ。

 

三玖「な、なるほど………」

 

ブウ「特にあのショートヘアの強気な女。あいつは特に許せん。だから、最強の力を持ってお前たちを仲良く宇宙の散に変えてやろう」

 

究極悟飯「そういうことか…。納得」

 

ブウ「さて、勝負を急がせてもらうぞ。ゴテンクスとやらは時間制限付きなのでな」

 

究極悟飯「貴様にしては冷静な判断だ…。ピッコロさんを吸収したのは正解だったようだな…………」

 

その言葉を最後に両者は互いに互いを睨みつけていた。三玖は戦闘が始まることを察知して戦闘態勢に入るも……。

 

究極悟飯「待って。まずは俺だけにやらせてくれ。三玖さんは万が一俺がピンチになったら援護してくれればいい」

 

三玖「…………分かった」

 

悟飯の言うことを聞いて三玖は少し離れたところ、デンデとサタンが巻き添えを食らわないように近くで待機しておくことにした。

 

究極悟飯「はっ!!!!」

 

ブウ「……!!!!」

 

動き出したのはほとんど同時。お互いに引かなかった。

 

究極悟飯「っらぁ!!」

 

ドカッッ!!!!!

 

まずは悟飯のエルボーがブウの顎にヒットする。しかしその直後にブウのパンチが悟飯の頬を殴る。

 

しばらく高速戦闘を継続していた。その速度は三玖達零奈完全体でも目で追うのがやっとな程。

 

三玖「す、凄い……!!」

 

先程までの悟飯も本気を出していたわけではなかったのだ。相手の手の内を知る為に敢えて手加減をしていた。だからこそ、三玖達は悟飯も自分達と互角程度の強さだと思っていた。しかし実際には悟飯の方がよっぽど強かったのだ。

 

だが、そんな悟飯を相手に全く引く姿勢を見せない魔人ブウに、三玖は焦燥感を抱いていた。

 

三玖「悟飯なら、大丈夫だよね……?」

 

 

究極悟飯「ウラァ!!」

 

ドゴォォオオッ!!!!

 

ブウ「ふんっ!!」

 

ドカッッ!!!!

 

悟飯の蹴りがブウの顔面に当たった直後にブウの拳が悟飯の頬に当たる。すかさず悟飯はブウの腹部に反撃する。

 

それによって少し飛ばされた魔人ブウの片足を掴み……。

 

究極悟飯「ありゃぁあッ!!!!」

 

ドガガガガガガッッ!!!!!!

 

地面に向けてブウを容赦なく投げ飛ばすと、地面を抉りながらブウは地中に練り込み、穴を掘り続けながら吹き飛ばされていく。

 

究極悟飯「……!」

 

悟飯は追撃する為にそんなブウを追いかけるが、ブウが吹き飛んでいった方向から気功波が飛んでくるのが見えたので、それを回避する。

 

ブウ「はぁあああッッ!!!」

 

究極悟飯「……おりゃあッッ!!!」

 

魔人ブウがこちらに足を向けながら接近しているのが見えたので、自分も反撃するべく同じようにして魔人ブウに接近する。

 

 

ドゴォォオオッッ!!!!

 

 

ブウ「ぐぅぅッ……!!!!」

 

究極悟飯「ぐぉぉっ…!!!」

 

両者の足が両者の頬に当たり、互いに吹き飛ばされるが、すぐに体制を整えて着地した。

 

究極悟飯「…………」

 

ブウ「………お前、まだ実力を隠しているな?この俺を相手に探りを入れているのか……?」

 

究極悟飯「……くっ…、流石ここがピッコロさんだ。全てお見通しってわけか………」

 

悟飯は自分の頭を指差しながら笑うが、その表情に少しずつ余裕がなくなってきていた。

 

究極悟飯「……なら、本気出すか…!」

 

ブウ「来い」

 

ゴテンクスとピッコロ吸収してしまった魔人ブウ。遥かにパワーアップしたのは確かなようで、強くなった悟飯と互角に戦っていた。しかし、悟飯も魔人ブウもまだまだ余裕な様子だ。二人が隠している実力に差はないのか?もしあるとして、一体どちらが勝っているのだろうか……?

 




 タイトルはほぼアニメのやつですね。今回は魔封波も取り入れてみました。というのも、以前亀仙人が魔人ブウに向けて魔封波を放ったことがあるんですよね。わざわざあのシーンを入れたのは実を言うとこの為だったりします。

 この辺は結構原作とそこまで相違はありませんが、この後から大分差異が生じてくるかと思うので、楽しみにしていただけたら幸いです。ちなみに評価バーが赤になっていたのでビックリしました。まさか自分が書いた作品でここまで行くとは思っていませんでした。初期の初期は叩かれたこともあったけど、応援に応えて折れずに続けてよかったなぁと思ってます。

 なんか後書き短いので少しおまけでも入れましょうかね。ということで……



一花のぼやきコーナー!

どうも皆さん。現在女優として大活躍中の中野一花です!ここではメタな話も出てくるけど気にしないでね!

さて、私が愚痴りたいことについてなんだけど、私の扱い酷くない?みんな良く見てみてよ!原作では私が暴走しちゃって三玖を傷付けるくらいだったけどさ、修学旅行編とか魔人ブウ編とか見た!?何あれ!?そんなに私の悪評を広めたいのかな!?修学旅行編では原作よりも私が酷い目にあってるし、魔人ブウ編なんかは原作よりも酷いしえぐい闇堕ちしていない!?この台本作った人私にどれだけ恨みがあるのかな!?全世界の一花推しから恨み買ってるよねこれ?しかも後書きか前書きで『一花は闇堕ちしません』って言ってたよね?一花推しの人を上げて落としてるし、これって歴とした詐欺じゃないかな!?これはお詫びとしてこの作品では私がフータロー君に選ばれるように結末を操作してもらわないとね!!………ん?DMが届いたね…。どれどれ……?

『どうも。この度はご意見を寄せていただきありがとうございます。愚痴の返信ですが、別にあなただけが酷い目にあってるわけではありませんよ。未来の五月ちゃんなんか肉親を1人残らず殺された上に闇堕ちさせられましたからね』

一花「あー…。確かに未来の五月ちゃんに比べたら大分マシかもしれない…………。あれ?でもそれはあくまでパラレルワールドの話だよね……?」

その後、24時間待っても返信は来なかった……。





って、原作の一花がこの作品を読んだらこんなことを叫びそうだなーっていう妄想。ただそれだけです、はい。ちなみに私は一花も好きですよ。決して嫌いではありません。
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