孫悟飯は五つ子姉妹の家庭教師をするそうです【本編完結】 作:Miurand
ゴテンクスとピッコロを吸収して無茶苦茶強くなった魔人ブウを圧倒していたセル……否、セル・ネオだったが、そこに老界王神から命をもらって生き返った悟空が参戦!ところが、しばらくは魔人ブウとセルの対決が続いた。魔人ブウが弱体化して形成逆転かと思いきや、ここで異変が起きた。
なんと、セルは自らの願望を叶えるために悟飯を魔人ブウに吸収させようとしてきたのだ。いち早く気づいた悟空は2人に知らせた。3人は全力で抵抗したが、セルが魔人ブウの援護、悟空を妨害することによって、悟飯だけでなく五つ子及び風太郎と融合した零奈諸共取り込んでしまった。こうして史上最強の魔人が誕生しセルと対決することになった。悟空はこの状態に絶望しかけたが、閻魔大王の機転によって一時的に蘇ったベジータが戦場に来たことによって、一途の光が見え始めたのだった…………。
ベジータ「………デタラメな気が2つもいやがる……。一体どうなっているんだ?」
悟空「ああ。それについては後で話すとして、占いババは早くあの世に逃げた方がいい。」
占いババ「わ、分かった!では頼んだぞ!!」
占いババがいなくなったことを確認した悟空は、一息ついて現状をベジータに説明した。
魔人ブウは悟天とトランクスにピッコロ、パワーアップした悟飯に五つ子達を吸収し、更にはセルがあの世のセルと融合したという推測も含めて話す。
ベジータ「セルの野朗……。余計なことをしやがって………」
悟空「でも、流石ベジータの細胞を持ってるだけはあるよな。敵に塩を送るなんて、あの時のベジータまんまじゃねえか!」
ベジータ「…………」
悟空「ちょ!悪い悪い!そんなつもりじゃなかったんだ…………」
仕切り直して……。
悟空「……ベジータ。何も言わずにこれを右耳に付けてくれ」
そう言うと、悟空はいつの間にか取り返したポタラをベジータに手渡そうとする。
ベジータ「……?何故だ?それを付けて何の意味がある?」
悟空「こいつをつけると、オラとおめぇで合体することができる。もし合体できれば、あそこにいるブウやセルを超えることができるかもしれねぇ…!」
ベジータ「断る」
悟空「なっ……!!!」
あのベジータのことだから、すぐに承諾してくれないだろうとは思ったものの、即答で拒絶されるとは思ってもいなかった。
悟空「な、なんでだよ…!!地球がどうなっちまってもいいのか!!?」
ベジータ「下らん。俺は既に死んだ身だ。もう地球のことなどどうでもいい」
悟空「馬鹿なこと言ってんじゃねえ!!今オラとおめぇが合体しなきゃ、みんなを生き返らせることもできなくなるんだぞ…!!!!」
ベジータ「みんな…?まさか、ブルマも……?」
悟空「そうだよ!!ブルマは魔人ブウにチョコにされて食われちまった!!!!」
ベジータ「……!!!」
この事実を突きつけられたことによってベジータの心が少し揺らぐが、ベジータの決意は固かった。
ベジータ「それでも、貴様と合体などせん!!それをするくらいなら一人で戦って存在ごと消滅した方がマシだ!!それに貴様は気に食わん!あの時俺は全力で戦えと言った!!貴様は超サイヤ人3に変身できるのにも関わらず!!それに変身しなかった!!!」
あの時とは、ベジータがバビディの術にかかって自制心を失った時のことだった。悟空とベジータは超サイヤ人2に変身して戦い、そのダメージが魔人ブウを復活させる元凶となってしまったのだ。その時に悟空は超サイヤ人3になれたはずなのに、ベジータ相手にそれをしなかった。そのことにベジータは腹を立てていたのだ。
ベジータは互いの修行の成果をぶつけ合いたかった。ベジータが唯一自身と戦えるライバルとして認めた悟空に、手加減されたことが気に食わなかったのだ。
悟空「あの変身はまだ慣れていなかったんだ…!それに時間が限られていたあの時に使っちまったら、オラは一瞬であの世に帰らなきゃいけなくなっちまってたんだ……!!そんな制限なんかなかったら、オラは全力でおめぇとやり合ったさ!!!」
これは悟空の本心だった。できることなら加減などしたくなかったが、あの時は時間制限もあったためそれが敵わなかったのだ。
ベジータ「言い訳などどうでもいい。とにかく貴様とは合体しない」
悟空「なんで分かってくれねえんだよ!!!おめぇの妻を魔人ブウが殺したんだぞ!!?悔しくねえのか!!!それにおめぇの息子は魔人ブウに吸収された!!!!しかもセルのせいでもあるんだぞ!!?助けてえって思わねえのか!!!!」
ベジータ「くっ………!だ、だが俺は……!!!」
ここまで言ってもベジータは悟空と合体することを承諾しなかった。
悟空「…………ベジータ…!!!一人で戦って勝ちてえ気持ちはオラにもよく分かる…!!だけどな、今はそんなことに拘ってる場合じゃねえんだ!!ここでオラとおめぇが合体しなけりゃ、ブウが勝つにしろセルが勝つにしろ、地球を元に戻せずに終わりだ…!!!」
ベジータ「……もしセルが勝てば地球を破壊することなどしないだろう!?」
悟空「確かにな……。だが、吸収されたトランクスに構うことなく魔人ブウを殺すだろうな………」
ベジータ「………!!!」
悟空「オラとおめぇが合体すれば、トランクスを助けるチャンスを作り出せるかもしれねえんだ……!!頼む!!!」
ベジータ「…………貴様は本当に……!分かった!!さっさとそのポタラとやらを寄越せ!!!」
悟空「ベジータ…!おめぇ最高だよ!!」
悟空の必死の説得によってベジータはようやく承諾した。それを聞いた悟空は密かに笑みを浮かべながらベジータにポタラを手渡す。
ベジータ「それで?これを右耳につければいいんだな?」
悟空「ああ。言い忘れていたけど、ポタラで合体した場合は二度と元に戻れねえらしいからな」
ベジータ「…………なに?」
その忠告を聞き終わる前に、既にベジータは右耳にポタラを付け終えていた。
ベジータ「貴様……!!付け終えてからそんな大事なことを言うやつがあるかッッ!!!!!」
悟空「仕方ねえだろ!!どっちにしろ選択肢なんかなかったんだからよ!!」
ベジータ「貴様!さてはわざと……!!!?」
悟空「うおっ!!!?」
二人が身につけたポタラが強く光り、お互いの体が引かれ合った。二人は引っ張られてぶつかると、そこから強烈な光が発生した。
クルクルクル……!!
スタッ!!!
「よっしゃああッッ!!!」
山吹色の道義をベースに、青いジャケットのようなものを着た戦士が姿を表した。両耳にはベジータと悟空がそれぞれ身につけていたポタラがあり、髪型はベジータに近いものとなっていた。
「…………本当に一瞬で合体できたな。確かにこいつは凄いぜ……」
合体戦士は自分の体を確かめるように至る部位を動かす。運動機能に異常がないことを確認すると、次は何やら考え込むような仕草をする。
「名前は……ベジータとカカロットでベジットと言ったところかな…?それにしても、これは想像以上だな……」
その戦士は自分のことを『ベジット』と名付けた後は、自分の強さを確かめるように殴る動作、蹴る動作を高速で繰り返していた。
ベジット「………しかし、相手がいなければピンと来ないものだな…。丁度いい。纏めて相手してやるぜ」
一方で、悟空とベジータが合体する前、セルと魔人ブウは……。
セル「………ウォーミングアップはこれくらいにして、そろそろ本気で行こうじゃないか。お互いにな……」
ブウ「いいだろう!!」
カァァッ!!!!
魔人ブウは即座に高出力の気弾をセルに向けて放った。魔人ブウはこの時は加減などしていなかった。が……。
セル「………」
バシンッ!!!
ブウ「!!?」
セルは表情を変えずにその攻撃を弾いた。
セル「双方の認識に食い違いがあったか…?ウォーミングアップは終わりだと言ったはずだが、伝わっていなかったかな?」
ブウ「ふ、ふん…!弾いたくらいで得意げになるなよ!!!」
魔人ブウは超スピードを活かしてセルに蹴りを食らわそうと足を突き出した。
セル「……!!」
しかし、セルはその蹴りを直前スレスレで避けると、右腕思いっきり振って魔人ブウの頬に拳を突き当てた。
ブウ「な、なに………!!?」
セル「どうした?本気でかかってこい」
ブウ「おりゃあ!!!」
ドゴォォオオッッ!!!!
ブウ「ぐっ……!!!!」
魔人ブウは再びセルに攻撃を試みようとしたが、膝打ちを食らって鼻血を出してしまう。
セル「おやおや……。貴様にも血というものが存在したのだな……。これは失礼した」
一方で、言葉では謝罪しているが、表情から見て謝る気が全くないことが伺えるセルに、魔人ブウは怒りを感じ始めていた。
ブウ「殺してやるッ!!!」
セル「単細胞が………」
懲りずに蹴りを食らわそうとするブウの足を掴み、そのまま回転しながら地面に向けて投げ飛ばした。更に気弾の雨を降らせて追い討ちをかける。
セル「………出てこい!!この程度で終わってもらっては私の真価を発揮できないではないか!!」
その言葉の直後に魔人ブウは姿を再び表した。先程のように怒りに満ちた顔ではなく、勝ち誇ったような顔で……。
ブウ「これでも食らえ!!!」
ブゥウウウウンッッ!!!!!
魔人ブウは五月フォームの得意技である星型気円斬をセルに向けて放った。
セル「気円斬の亜種か……?なら……」
セルも右手を広げて円盤状の気弾……。気円斬を生み出した。こちらは文字通り円型の気功で、どんなものでも切り裂くことができるのだ。
セル「本物の気円斬というものを見せてやろう!!!」
セルも気円斬を放った。二つの気円斬がぶつかって火花を散らす。
ズバッッ!!!!
ブウ「…………なっ…!!?」
だが、星型気円斬は本家気円斬を前にして敗北した。そのままセルが放った気円斬は魔人ブウに向かって突き進んで行くが、柔らかい体を活かして回避した。
ブウ「お、おのれぇ……!!!!」
魔人ブウは頭や体の穴から大量の湯気を噴き出させ、自身の姿を覆い隠した。
ブウ「ふはははっ!!!これで俺の姿を見ることはできまい!!!!」
セル「…………馬鹿め……」
セルがそう呟くと、自身の体が光り始めた。その光はどんどん強くなり、やがて気を大量に含んだオーラへと変化していく………。
セル「爆裂魔波ッッ!!!!!」
ドグォォオオオオオオオオオオオオオオオンッッ!!!!!!
相手が見えないなら、周囲を巻き込んで爆発させればいいだけのこと。これで近くにいたであろう魔人ブウはただでは済まないだろう。実際………。
ブウ「ぐぬぬぬっ………!!!!」
少し経つと、全身がボロボロになった魔人ブウの姿が露わになった。
セル「ちょっと派手にやり過ぎてしまったかな?まあ、わざわざあんなことをせんでも貴様の気で追跡すれば攻撃することはできたのだが……。それでは貴様の頭の悪さが露見してしまうかと思って配慮してやった」
セルは配慮してやったというが、それをわざわざ本人に向けて言うあたり性格が最高に悪い。はなから配慮する気などないのだ。
セル「……おっと。これは本人に向けて言うべきではなかったな……」
ブウ「うがぁああッッ!!!!!」
魔人ブウは怒りの雄叫びを上げると、すぐさま自分の体の傷を癒した。それと同時に口からお化けのようなものを吐き出した。
ブウ「さあゴースト達よ!!あいつの体に触れてくるがいいッ!!!」
魔人ブウの指示で幽霊達がセルに向かって直進してくる。
セル「…………」
しかし、セルは何もしなかった。応戦するわけでもなく、避けようとするわけでもなく、防御しようとするわけでもなかった。本当にただそこにいただけだったのだ。
ブウ「馬鹿め!!死ねぇええええ!!!!」
ドグォォオオオオオオオオオンッッ!!!!
幽霊達がセルの体に触れることに成功して次々と大爆発を引き起こして行く。その光景を見届けた魔人ブウは子供のようにはしゃいで喜んでいた。
ブウ「いえーいッッ!!!ザマァ見ろ!!!!いつまでも慢心して余裕をぶっこいているからだ!!バーカッッ!!!!!!」
ブォオオオオオオオオッ!!!!!
ブウ「!!!!?」
しかし、セルは強風を発生させて煙を強引に退かした。その時に現れたセルの姿は………。
セル「………少しは効いたぞ」
……ところどころ傷があったとはいえ、殆ど傷と呼べるほどのものでもなかった。
ブウ「ば、馬鹿な……!!!そんなはずじゃ………!!!」
セル「ん?どうした?今までこの私に全く攻撃が通用しなかったのに、やっと攻撃が通用したのだぞ?笑えよ、魔人ブウ」
ブウ「そ、そんなはずは…!!!俺は二人も取り込んだんだぞ……!!!こんなことがあってたまるか……!!」
セル「……………呆れた」
ブウ「………!!!!」
セルが放った一言は、魔人ブウにとっては聞き捨てならない言葉だった。
セル「せっかく私が貴様のパワーアップに協力してやったと言うのにこの程度だったとは……。結局私は私自身の真価を確認することができなかった……。最強の魔人……?聞いて呆れる」
ブウ「だ、黙れ……!!黙れぇええええッッ!!!!!!」
………そこに、もう一人の合体戦士が姿を表した。
ベジット「おーおー?派手にやってるじゃねえか。ここら一帯の地形そのものが変わっていやがる………」
ブウ「き、貴様は………!!?」
セル「…………なるほど。孫悟空とベジータが合体してゴジータと言ったところかな?」
ベジット「違うな……。ベジータとカカロットでベジットだ。よーく覚えておけ」
セル「ベジットか……。なるほど。スマートな名前で実に覚えやすい………」
セルの目には最早ベジットしか映っていなかった。魔人ブウは自分と張り合えないと分かると、最早興味はベジットに移っていた。
ベジット「おいおいセル。なんだその目は?俺は魔人ブウとやる為に合体したんだが……?」
セル「……超サイヤ人にならずともそれほどの気を持つ貴様なら後でいくらでもできるだろう?それに、私がわざわざ孫悟空にポタラを返したのだからな。その見返りとして、私と戦ってもらおうか?」
ベジット「………どうやら魔人ブウでも貴様は手に余ったらしいな…。そこまで言うなら、お前の暇潰しに付き合ってやるよ……」
ボォオオオオッ!!!!!
当初の目的をすっかり忘れ、超サイヤ人に変身してセルと戦う気満々になったベジット。両者は互いに構えて戦闘準備に入った。
ブウ「ど、どういうことだ……!!この俺は眼中にないというのか…!!?俺は最強の魔人なのだぞ……!!こんなことが、あってたまるか………!!!最強は俺だァアアアアアアッッ!!!!!!」
超ベジット「うるせえ。邪魔するな」
セル「あっちで一人寂しく遊んでいろ」
ドンッッッ!!!!!
ブウ「ぐおっ……!!!!」
セルとベジットは仲良く気合で魔人ブウを戦場から追放した。魔人ブウの姿が見えなくなると同時に、互いの目線を元に戻した。
セル「さて………。では始めようか」
超ベジット「そうこなくっちゃな……。悟飯達を無理矢理吸収させた借りは返させてもらうぜ?」
こうして、互いに自分の強さを確かめたい者同士の、融合戦士同士の戦いの幕が開いた。
ドカッッ!!!!!
セル「ぬおっ……!!!」
まずはベジットのパンチがセルの頬を叩きつけた。しかしその直後にセルも同じように反撃をする。
すると今度はベジットが足を使ってセルを転倒させようとするが、セルは舞空術を使って浮かび上がった。
超ベジット「ふっ…!やるじゃないか」
セル「貴様もな………」
シュン‼︎
シュン‼︎
ドゴォォオオッッ!!!!
超ベジット「ぐおっ……!!!!」
セル「ふおっ……!!!?」
互いに瞬間移動をして近づき、互いの拳が互いの顔を叩きつけた。二人は即座に後退して距離を取ると……。
超ベジット「だっ!!!」
カァァッ!!!!
セル「はぁッッ!!!!」
カァァッ!!!!
今度は気弾の撃ち合いが始まった。気弾同士がぶつかったり、ベジットが避けたり、逆にセルが避けたりする。
超ベジット「いいもんやるぞ!!」
そう言うとベジットは一振りで大量の気弾を放つ。
セル「下らん!!」
ドォォオオオッッ!!!!
すると、セルは手を振りながら魔光砲を放ち、ベジットが放った気弾を相殺する。
シュン‼︎
超ベジット「ちっ……!!!」
煙の中から現れたベジットは、そのままの勢いでセルに蹴りをお見舞いしようとするが、セルも単純ではない。直前に避けてセルもまた蹴りをお見舞いしようとする。
フォン…
セル「なに?」
だが、セルが蹴りを入れたベジットは残像だった。
超ベジット「っしゃあッッ!!!」
そしてベジットは背後からエルボーを食らわそうとするが、セルも残像を使って回避した。
二人は一旦息を整えることにし、適当な位置に着地した。
超ベジット「流石だなセル…。もう一人の自分と合体しただけでここまで強くなるとはな………」
セル「それは貴様とて同じだろう?たった一人としか合体していないのに、どこぞの誰かとは大違いだ。動きや技のキレが根本的に違う………」
超ベジット「そりゃあ当然さ。俺達がどれだけ戦ってきたと思っていやがる?」
二人とも純粋に戦いを楽しんでいるようだった。単体の時では味わえないハイレベルな戦いを、それも自分と互角の力を持つ者と行っている為、純粋に戦いを好む者にとっては最高の状況だった。
超ベジット「………それじゃあ」
セル「そろそろ本番と行こうか………」
ゴゴゴゴゴゴゴゴッ……!!!!
その言葉を皮切りに第二ラウンド……。否、二人の本当の戦いが幕を開ける。今までの戦いはただのウォーミングアップだ。二人ともまだ全力を出していない状態での戦闘だった。
超ベジット「はぁぁああああああ……!!!!!」
セル「かぁあああああああ…!!!!!!!」
二人とも気を高めていく。気を高めていけばいくほど大地と空気が強く揺れる。だが二人ともそれを気にすることなく気を高め続けていく……。
超ベジット「だぁああああああああッッ!!!!!!」
セル「ぶらぁああああああえあッッ!!!!!!」
ドォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッ!!!!!!
ほぼ同じタイミングで二人のオーラが変化した。ベジットもセルもただの金色のオーラではなく、スパークを纏ったオーラに変化していた。ベジットは元々超サイヤ人に変身したことによって逆立っていた髪が、超サイヤ人2に変身したことによって更に逆立った。
超2ベジット「おいおい。これじゃあすぐに決着がつきそうにねえな………」
セル「貴様もここまで気を高められるとは………。これは期待以上だな……」
一方で、二人の気を遠くから感じ取っていた魔人ブウは………。
ブウ「あ、あいつら……!!俺を馬鹿にしているのか……!!?見せつけているつもりか……!!!?馬鹿にしやがって…!!!虚仮にしやがって……!!!!俺は最強の魔人だぞッッ!!!舐められたまま終わってたまるか……!!!」
ここまで感情が昂りまくっていた魔人ブウだったが、一周回って冷静になった。今の自分の状況を整理することにしたようだ。
今魔人ブウが取り込んでいるのは、悟天とトランクス、ピッコロ、悟飯、零奈である。特に零奈は五つ子と融合したことによって多彩な技を使用することができる。これをどうにかして活かせないかと試行錯誤をする。
………だが、別にそいつらの能力に頼る必要もなかった。元から魔人ブウに備わっている能力を上手く使えば奴らを出し抜けるのではないか…?魔人ブウはそう考えた。
ブウ「………最強の魔人としては姑息な手はあまり使いたくないが、やむを得ん……。このまま奴らに敗北するよりはよっぽどマシだ…!!!」
そう言うと、魔人ブウはゆっくりと二人がいる方向に向かって飛び始めた。
ドゴォォオオンッッ!!!!!
超2ベジット「ちっ……。やるじゃねえか」
セル「貴様こそな………」
あれからしばらく戦い続けていた二人だったが、その実力はほぼ互角と言っても差し支えがなかった。拳がぶつかり合うだけでその辺の地形が一気に変わってしまう。一般人ならば近づくだけでも死んでしまう可能性があるほどだった。
セル「……界王拳を使おうと思ったが、片割れが孫悟空の貴様も使えるとなると、無駄だな……」
超2ベジット「だろうな……。お互い条件はほぼ同じというわけだ……」
シュン‼︎
ブウ「キャンディになれ!!!」
ビビビッ!!!!!
セル「ぶらっ!!?」
超2ベジット「うわっ!!?」
魔人ブウはセルとベジットの瞬間移動合戦を目撃して瞬間移動の使い方も学習していた。その為、二人が戦いに夢中になっている隙に二人ともお菓子にしてしまえばいいと考えたのだ。
ブウ「よ、よし…!!やったぞ!!これで俺を超える者は誰もいなくなった!!今度こそ俺が宇宙最強だッッ!!!!」
魔人ブウは誰もいない荒野のど真ん中で盛大に爆笑する。余程自分より強い者達を排除できたことが嬉しかったのだろう。
ドカッッ!!!!!
ブウ「!!!?」
しかし、高笑いをする魔人ブウに鋭い衝撃が走った。
ブウ「ぐがっ………!!!!」
なんと、飴玉がブウの腹に食い込んでいるではないか。これは一体どういうことなのだろうか?
「ほう?どうやら貴様と俺の間に実力差がありすぎて、飴玉にされても行動可能なようだな」
しかもその飴玉は喋ることも可能とまできた。
「ならば私もか…。確かに殆ど自由に動くことができるようだな………」
そして、もう一つの飴玉も魔人ブウの目で追うのも難しいほどのスピードで行動を始めた。
ブウ「ふ、ふははははっ!!!動けるからなんだ!!捕らえて食ってしまえばいい!!!」
魔人ブウは一つの飴玉を必要に追いかけるが、飴玉はあまりにもすばしっこい。その為捕まえることができずにいると……。
「よっと!!!!」
ズバッ!!!!
ブウ「……!!!!!」
飴玉が魔人ブウの口の中に入ったかと思いきや、喉を貫通してツノを切断して脱出した。
「おっとすまんすまん。あまりにも惨めなもんで食べられてやろうかと思ったが、勢いのあまり貫通したみたいだな」
魔人ブウ「ぐぐぐっ……!!!」
「……なるほどな。私は飴玉になろうおも完璧な生物だというわけか……」
「どうする魔人ブウ?お前の相手は宇宙1強い飴玉と宇宙で2番目に強い飴玉だぜ?」
「おい……。まさかとは思うが、宇宙で2番目とは、この私のことを言っているんじゃないだろうな?」
何やら言い争いが始まりそうな二つの飴玉だったが、魔人ブウは飴玉状態の方が都合が悪いと判断して二人を元に戻した。
超2ベジット「おっと…!もうお終いか?」
セル「無駄な足掻きだったな………」
ブウ「(ど、どういうことだ…!?二人も吸収したのにコイツらに勝てないなんて……!!!こうなったら、どちらかを取り込むしかない……!!!)」
魔人ブウは片方でも吸収しない限り、どちらかに勝つことはできないと判断し、吸収の準備をする。幸いにも、先程の飴玉状態のベジット(と思われる者)に引き裂かれたツノが存在し、それを有効活用することにした。
セル「どうした?かかって来ないのか?」
ブウ「……まずは貴様らで決着をつけるがいい。俺が相手してやるのはその後の話だ」
セル「相手してやるだと?どうやら、己の立場も理解できてないようだな?」
超2ベジット「だが、ここはどちらが宇宙1かはっきりさせておきたいところだな」
セル「………それも一理あるか。では、続きを始めようか…………」
セルとベジットはお互いを睨み合って再び戦闘態勢に入った。これで魔人に対して注がれる注意はほぼなくなったも同然。魔人ブウはこのチャンスを逃さまいと、ゆっくりとツノを変形させてスライム状にし、セルかベジットのどちらかを取り込もうと企む。
ブウ「(………ここはやはりベジットというやつにするか……。あのセル・ネオというやつにはどれほどの屈辱を与えられたことか……!!)」
魔人ブウはセルを痛めつけるために、ターゲットをベジットに絞った様子だ。一方で、魔人ブウの手助けでもするかのようなタイミングで、ベジットは着地する。セルもそれに合わせて着地した。
超2ベジット「………セル」
セル「……なんだ?」
超2ベジット「俺は貴様と決着をつけたい。だが……」
セル「………魔人ブウが何かを企んでいる………とでも言いたいのかな?」
超2ベジット「ほう?気付いていたのか……」
セル「どうせ私かお前を取り込む気だろう。確かにそれも面白そうだが、今の私とお前の実力はほぼ互角と見た…。となれば、どちらかが奴に取り込まれれば、残された方は終わりだ」
超2ベジット「だろうな………」
二人とも魔人ブウに対して警戒を解いてるかと思いきやそんなことはなかったようだ。ベジットの前身であるベジータと、融合前のセルは魔人ブウに殺されたのだ。その記憶も保持している為、魔人ブウは侮れない存在だということをよく知っている。
セル「ならば、私と貴様で戦闘を開始するフリをして奴を始末するとしよう。その後は心置きなく宇宙最強を決めるゲームを開催することができる……」
超2ベジット「そいつは名案だ。そうさせてもらうぜ………」
ブウ「(よし…。互いに出方を伺って身動きもしない……!ゆっくり近づけ…!ゆっくり……!!)」
魔人ブウはスライム状の一部をゆっくりとベジットに近づけていく。二人ともその存在に気づいていることも知らずにじわじわと近づいていく。
シュン‼︎
セル「残念だが、私は貴様を侮っているわけではない」
ブウ「な、なに……!!?」
ベジットとセルは不意に魔人ブウの目の前まで瞬間移動してきた。しかもどちらも気功波の準備をしていた。
超2ベジット「そういうことだ。残念だったな、魔人ブウ」
ブウ「ま、待て……!!!!」
セル「波ァアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!!!」
魔人ブウが何かを言い終える前に、セルの両手からかめはめ波が放たれだ…………。
ドスッ……!!!!!!
セル「ぬおっ…………!!!!!」
超2ベジット「………悪いな。セル」
………と思われていたのだが、ベジットの右手から伸びている気製のソード、『ベジットソード』がセルの頭を貫いた。
超2ベジット「確か、貴様の場合は頭の核を潰せば殺すことができるんだったよな?」
なんと、不意打ちを受けたのは魔人ブウではなく、セルだった…………。
最近プライベートが忙しくなってきて中々更新する時間が取れなくてすみません。そろそろ魔人ブウも終わりが近づいて来そうです。
何気に忘れ去られている可能性があるので一応解説しておくと、ベジータは何気に原作より強くなってます。そして並行世界のセルも原作より強い上に融合し、ベジータも似たような感じなので、ベジットもまた原作より強くなってます。しかも超2状態になってるので余計ですね。その為、魔人ブウが悟飯と零奈を纏めて吸収してもベジット&セル・ネオには敵いませんでした。これで納得していただければ幸いです。はてさて、次回はどうなりますことやら(ストック的に)
……五等分の花嫁要素は何処へ……?