孫悟飯は五つ子姉妹の家庭教師をするそうです【本編完結】   作:Miurand

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 前回のあらすじ

 悟空はベジータをなんとか説得してポタラで合体することに成功した。そして宇宙最強クラスの力を持つベジットという戦士が爆誕した。そのベジットの強さは、セル・ネオとほぼ互角であり、悟飯達を吸収した魔人ブウを圧倒するほどだった。

 魔人ブウは二人の隙を見てベジットを吸収し、セルを痛めつけることを思いついたが、二人にはそれが見破られて魔人ブウは消滅……するはずだったが、ベジットがセルの頭を貫いた。



第91話 悪夢の逆変身/戦士の覚悟

セル「き……さ……ま……!!!」

 

超2ベジット「悪いが、俺は貴様を許したわけではないぞ?悟飯達はお前のせいで吸収されたんだ。ベジットという新しい人間になったとはいえ、カカロットとベジータの記憶は残っているんだ。即ち、貴様に対する怒りも多少なりとも残っていたんだよ」

 

ブウ「な、なんだ……!!?」

 

自分はやられると思った矢先、ベジットとセルが仲間割れを始めて困惑している魔人ブウ。正確には仲間割れとは違うが、今の状況を表現するにはその言葉が適切だろう。

 

超2ベジット「よっと……」

 

ベジットはソードを引っ込めると、力が抜けたセルを掴み、無造作に投げた。

 

超2ベジット「だが、貴様と決着をつけたかったのは本音だぜ?万が一何かの間違いで俺が死んじまったらあの世で戦おう」

 

セル「ま、まて………!」

 

超2ベジット「ほらよ!!!!」

 

何かを言いかけるセルを無視してベジットは思いっきり投げる。セルは無抵抗でそのままの勢いで空中に飛ばされていく。そのセルに向けてベジットは右手に力を込めて、技を放つ…。

 

超2ベジット「ビックバンアタックっ!!!!」

 

右手から巨大な球体が高速でセルに向けて突き進んでいく。その進撃を阻むものは何もなかった。

 

セル「…………なんちゃって」

 

ズォオオオオオオオッッッ!!!!

 

超2ベジット「うおっ!!!?」

 

セルは突然気を上昇させてかめはめ波を放ってビックバンアタックごと押し出した。ベジットは咄嗟に避けて回避したが、弾き返されたビックバンアタックが地面に着弾すると、その付近は最早クレーターのみとなってしまう程の大爆発を引き起こした。

 

超2ベジット「あっぶねぇ……!一歩間違えれば地球が木端微塵だった…。それよりなんで………!!」

 

セル「いいことを教えてやろう。私はもう一人の私と融合したことによって体の性質も変化したのだ。今までは1つしかなかった核が複数増殖したのだ。一つ核が潰されても、他の核が残っていればその核ごと再生可能なのだ」

 

超2ベジット「ちっ……。ブウ並みに面倒な再生能力を持ち合わせていやがる………」

 

ベジットは舌打ちしながらそんな感想をこぼした。

 

セル「それにしても、まさか貴様がそんな姑息な手を使ってくるとは思いもしなかったぞ……?この私の強さに恐れ慄いたか?」

 

超2ベジット「寝言は寝てから言え。貴様はそれで限界かもしれないが、俺はまだまだいけるぜ?」

 

セル「………何の冗談だ?界王拳ならば私も使えるが?」

 

超2ベジット「別に界王拳なんて使う必要はないさ。見せてやるよ……!!」

 

半信半疑のセルを納得させるべくベジットは気を急激に高めていく。ただでさえそこにいるだけで地球が悲鳴を上げそうな程の力を持ち合わせているのに、それが更に上がっていく。

 

セルもベジットが気を更に増幅させていくのを感じてハッタリではないことを確信した。

 

セル「…………なん、だと……?」

 

超3ベジット「……やはりな。チビ達にできて俺にできないはずはない……」

 

なんと、ベジットは超サイヤ人2のその先の領域……。超サイヤ人3に変身したのだ。

 

セル「ば、馬鹿な……!!こんなことがあってたまるか……!!!」

 

超3ベジット「どうする?お前がそのままの状態を維持しつつ界王拳4倍を使えば俺と張り合えるが…………」

 

セル「ち、畜生……!!」

 

シュン‼︎

 

超3ベジット「悪いが、貴様を逃すつもりはない」

 

セルの動きから、逃亡する気だと察したベジットはセルの足を掴んだ。

 

セル「は、離せ……!!!」

 

超3ベジット「………その反応を見るに、今の貴様はここまで極めることができていないらしいな………。なら宇宙最強はこの俺様で間違いないようだな………」

 

ベジットは淡々と喋りながらセルを地面に押し付ける。その後に上空に向けて投げ飛ばした。

 

超3ベジット「貴様には最高の技で決めてやるぜ……!!」

 

そう言うと、ベジットは手を合わせて両手に気を集中させる。黄色と空色と白が見事にグラデーションっぽくなっている気功波が生成され、それを更に肥大化させていく………。

 

超3ベジット「ファイナル……!かー…!めー…!!はー…!!!めー…!!!!

 

気を極限までかき集め終えたら、ベジットはその球体を両手から離した。

 

超3ベジット「波ぁああああああああああああああああああああッッッ!!!!!!!!!

 

ズォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!!!

 

ベジータの得意技、ファイナルフラッシュと、悟空の得意技、かめはめ波を組み合わせた『ファイナルかめはめ波』を放った。

 

セル「ちくしょぉおおおおぉォォォォ…………!!!!」

 

ドグォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッッ!!!!!!!!

 

そのファイナルかめはめ波にセルはなす術もなく飲み込まれ、体が少しずつ崩れていくが、体が崩れ終える前に大爆発によってセルの体は消滅しただろう………。

 

 

ピュイン…

 

超ベジット「ふぅ……。流石に超サイヤ人3は俺でも疲れるな……」

 

セルを倒したベジットは超サイヤ人に戻り、魔人ブウのいる場所に戻っていく………。

 

 

 

 

 

超ベジット「よう、待たせたな」

 

ブウ「……(くそ…!まさかこいつがあれほどの力を持つとは……!!だがもう吸収できる奴はいないも同然だ…!なんとかしてコイツを吸収しなければ、俺様が殺される……!!!)」

 

超ベジット「どうした?来ないならこっちから行かせてもらうぜ?」

 

ブウ「(くそ……!一か八かだ…!!)」

 

魔人ブウは体の破片をゆっくりとベジットに近づけていく。ベジットは気付いているが気付かないフリをしてそこに留まる。

 

ブウ「(今だ…!!!!)」

 

体の一部を限界まで近づけた魔人ブウは、一気にベジットを囲むようにして拡大させた。それと同時にベジットにも動きが……。

 

超ベジット「(よし!バリア!)」

 

自身の体の周りに気のバリアを張ることによってブウの吸収を免れようというとする。ベジットはそのままブウの体に包まれて、その体の一部はブウ本体と融合した。

 

ブウ「……?やったのか…!?やったのか!!?奴がいなくなったということは、この俺が宇宙最強ということになったのか……!!!!!うははははははははははッッッ!!!!!!遂にやったぞぉおおおおおおッッッ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

超ベジット「ちっ…。やかましいんだよこんちくしょう……。馬鹿みたいに笑いやがって………」

 

結果としてベジットの作戦は成功した。これで悟飯達の救出が可能となったのだが………

 

ピュン‼︎

 

悟空「!!?」

 

ベジータ「!!」

 

なんと、二度と戻らないはずのベジットが再び悟空とベジータに別れたのだ。

 

悟空「ど、どういうことだ…?界王神のじっちゃんは二度と元に戻れないって言ってたのに………」

 

ベジータ「そんなこと知るか。寧ろこの方が好都合だ」

 

ベジータは吐き捨てるようにそう言うと、右耳についているポタラを取って握り潰してしまった。

 

悟空「ああ!?おめぇ何でポタラを…!!?また外に出た時に必要になるかもしんねぇのに!!」

 

ベジータ「貴様との合体は二度とごめんだな」

 

悟空「しかも、おめぇは死人だからまたあの世に戻らなきゃいけなくなっちまうんだぞ!!!」

 

ベジータ「貴様と合体するよりかはマシだ」

 

ベジータの決意が固い事をなんとなく把握した悟空は、左耳についていたポタラを取って、ベジータがやったように握り潰してしまう。

 

悟空「……どうなっても知らねえからな………」

 

 

 

 

 

そして、悟空とベジータが悟飯達を救出する為にブウの体内を彷徨う少し前のこと………。

 

「…………くそ。なんだよこれ。全く動けねえ………」

 

一人の少年が身動きを取れない状態でそう呟く。その少年の名は上杉風太郎。彼は魔人ブウにチョコにされた後に一花の姿をした零奈完全体に保護され、いつの間にか取り込まれてしまったのだ。本来なら彼の人格が表に出ることはないはずなのだが、魔人ブウに吸収された際に五つ子と零奈は完全に意識を失い、代わりに風太郎の意識が表に出てしまったのだ。

 

風太郎「………静かになっちまったな。だが悟空さん達がここに来ていないということは、少なくとも吸収はされてないはずだ…。殺されてないといいが……」

 

風太郎は零奈完全体と融合していることを利用して自力でブウの吸収による拘束を引きちぎろうとしたが、魔人ブウに吸収された弊害故か、力が殆ど出なかった。

 

風太郎「くそ…。あいつらの記憶を頼りに気を上げようとしてもその気が不足している……。どうすりゃいいんだ……」

 

 

ベジータ「いた…!いたぞカカロット!!」

 

悟空「あり?何でおめぇだけ意識があるんだよ?」

 

そこに、何故か悟空とベジータがやってきた。

 

風太郎「な、何であんた達がここに!?」

 

悟空「へへーんっ!ちょっとした作戦が上手くいってな…!ちょっと待ってろ。すぐ助けてやる」

 

そう言うと、悟空は手からビームを出して風太郎が拘束されている肉片を引きちぎった。引き千切られたと同時に風太郎の力がある程度戻り、後は自力でなんとかできた。

 

風太郎「……よし。ありがとうございます」

 

悟空「気にすんな。後は悟飯達だな」

 

ベジータ「さっさと引きちぎってここを去るぞ。気味が悪い」

 

悟空「ああ、そうだな」

 

後は風太郎にしたように、ベジータはピッコロとトランクスを、悟空は悟天と悟飯を引きちぎって救出した。しかし周りに纏わりついている肉片を取り除くことは難しそうだったので、後で取り除くことにして、悟空は悟天とピッコロを、ベジータはトランクスを、風太郎は悟飯を抱える形となった。

 

ベジータ「それにしても不思議だな。こいつらは未だに意識を取り戻していないのに、何故貴様は目が覚めている?」

 

風太郎「……恐らく、俺だけ意識が別にあるからだろうな。五つ子とその母親の零奈さんは融合した際に意識もほぼ一つになったようだが、俺の存在はイレギュラーだった。だから本来表に出るはずのあいつらだけが意識を失い、結果として俺が引っ張り出されたんだと思う…………」

 

悟空「なるほどな……。だけど随分気を消費しちまってんな。それじゃ魔人ブウと戦う時におめぇに頼るのは難しそうだなぁ………」

 

そんな会話をしていると、ベジータは不意にその会話を途切らせる。二人を呼ぶと同時に指差すと、そこには……。

 

風太郎「こ、こいつは……!!!」

 

悟空「一番最初のブウじゃねえか!!」

 

ベジータ「な、何故このデブがここに……?」

 

風太郎「そ、そうだ…!!こいつを引き剥がせば、更に弱体化するはず…!!」

 

ベジータ「よし。なら引きちぎってしまうか」

 

悟空「待てよ?こいつは確かガリにチョコにされて食われちまったはずだから、ひょっとすると他のやつもいるんじゃねえか?」

 

風太郎「ほ、本当か!?なららいはや親父も……!!!!」

 

風太郎は悟空の発言を聞くと若干元気を取り戻して受け答えするが……。

 

「いや、いない。特別扱いはそいつだけだ」

 

風太郎「!!!?」

 

すると、いつの間にか魔人ブウがいた。何故か魔人ブウの体内に魔人ブウがいるのだ。

 

悟空「な、何でおめぇがここに!!?」

 

ブウ「ここは俺の体の中だぞ?俺の庭みたいなものだ」

 

今の魔人ブウ相手では、悟空とベジータが二人がかりで戦っても厳しい。となれば、零奈完全体のしての力を持っているはずの風太郎が適任なのだが、その風太郎は吸収の弊害故に体力を激しく消耗していた。五月フォームに変身して食べ物を確保できればいいのだが、生憎五月を含めた五つ子及び零奈は完全に意識を失っており、変身は不可能だった。

 

悟空「くそ…!ここはオラに任せろ…!」

 

風太郎「だ、だがあんた達じゃあのブウには…!!」

 

ベジータ「俺達を誰だと思っていやがる?戦闘民族を舐めるなよ…!!」

 

悟空とベジータは超サイヤ人に変身して唐突に現れた魔人ブウと対峙することにした。風太郎も加戦しようかと考えたが、今の状態では逆に足手まといになると考え、大人しく端で待機することにした。

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃………。

 

 

 

 

 

 

 

………?どうやら目が覚めたらしいな。ここはどこだ……?確か俺は、ピンク色の化け物と戦って、見事に敗北して殺されたはずだ……。ならまた閻魔の野郎のところか…?……ったくよ。あんな化け物がいるなんて聞いたことねえぜ…。フリーザなんて目じゃねえぞ……。

 

「おい、大丈夫か?」

 

「………ああ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

膨大な気を感知した天津飯は、餃子を置いてその場に向かう途中だった。彼は悟空の面影を持った者が地面に倒れていることを目視で確認した。近づいて始めて気付いたが、彼は孫悟空ではなかった。とはいえ、見過ごすこともできなかったので、できる限りの応急処置を施してバーダックの目が覚めるのを待っていたのだ。

 

天津飯「大丈夫か?見るからにサイヤ人のようだったが、誰にやられた?」

 

バーダック「………お前は、あの世の鬼ってやつか……?見たことねえ顔だな」

 

天津飯「お前は何か勘違いしているようだが、ここはあの世ではない」

 

バーダック「………なんだと?」

 

天津飯のその言葉を聞いて目を見開いて起き上がった。

 

バーダック「じゃあ、ここは地球なのか…?まだ無事だったのか……?」

 

天津飯「ああ。今さっきまで魔人ブウともう一人の謎の気を持つ者が戦っていた。今はほとんど何も感じないが……」

 

バーダック「………そうか。あのピンク色の化け物はまだ残っていやがったか…」

 

天津飯「お前、魔人ブウと戦ったのか?」

 

バーダック「……その魔人ってのがあのピンク色のデブのことを言っているならそうだ。あいつはデタラメな強さだった……。はっきり言って今の俺じゃ勝てねえ………」

 

バーダックはそう言うと、まだ感じる巨大な気の方へ向かおうと飛び立つ。

 

天津飯「お、おい!!」

 

天津飯もバーダックの後を追うように飛び立つ。

 

天津飯「お前はさっきまで死にかけていたんだぞ?」

 

バーダック「俺は戦闘民族だ。この程度ならどうってことない」

 

天津飯「だ、だが……!!」

 

バーダックはそう言うが、身体中から出血している状態でとても大丈夫という状態ではなかった。だが、それは先程のことで、今は出血が止まっていくらかマシになっているようだった。天津飯はサイヤ人のタフさに感心しながらも、後は何も言わなかった。

 

 

しばらく飛んでいると、二人は魔人ブウが突っ立っている場所に辿り着いた。

 

天津飯「あいつが魔人ブウか……」

 

バーダック「………何?ほんとか?随分変わっちまったじゃねえか……」

 

二人が魔人ブウの姿を確認したと同時に………。

 

ブウ「ぐガァアアアアッッッ!!!!!!

 

魔人ブウが呻き出した。頭を抑えて苦しんでいるようにも見える。

 

天津飯「な、なんだ……!?何が起きている!!?」

 

魔人ブウは定期的に体から湯気を出しながら苦しんでいた。その時……。

 

 

ポンっ!!

 

悟空「よっしゃ!!出られたぞ!!」

 

悟空、ベジータ、風太郎の3人が突然姿を現した。と思いきや……。

 

 

ポンっ!!

 

気絶しているが、悟飯と悟天、トランクス、ピッコロも少し遅れて姿を現した。気絶している者達はそれぞれ一時的に抱えられ、適当な場所に置かれる。

 

ブウ「ガァァアアアア…!!!!」

 

天津飯「そ、孫!!何があったんだ!!!?」

 

悟空「あっ!おめぇ天津飯じゃねえか!!よく生きてたなぁ!!実は……」

 

悟空は魔人ブウの体内にいた時のことを噛み砕いて説明した。その説明を聞いて天津飯は大体の状況を把握した。

 

天津飯「なるほど…。それで悟飯達は気絶しているのか………」

 

悟空「魔人ブウもそろそろ手に負える程度に弱くなるはずなんだが……。ありゃ?おめぇも無事だったんか!!良かったなぁ!!」

 

悟空はバーダックを見るなり、そんな風に軽く話しかける。

 

バーダック「……俺はお前ではない。バーダックだ」

 

悟空「ああ。悪い悪い。バーダックだな?にしても、随分ボロボロだが大丈夫か?」

 

バーダック「気にするな。この程度は擦り傷だ」

 

なんてことないと答えるバーダックだが、悟空は若干心配そうにしていた。するとベジータがサイヤ人だから気にすることはないと言う。

 

 

悟空「………あれ?」

 

天津飯「おい、さっきよりも気が膨れ上がってないか?」

 

しかし、弱体化するはずの魔人ブウは逆に気が膨れ上がっていた。体も更にしっかりしたものになっている。最早筋肉が過剰なレベルである。だが、その状態も長くは続かず、小さくなって子供のような姿に変わってしまった。そこで魔人ブウの変化は終わったので、これでブウの変身は完了したようだ。

 

ベジータ「おいおい。随分小さくなっちまったぜ?」

 

悟空「あれならなんとかなるかもしれねえぞ!」

 

悟空とベジータは思惑通りに事が進みそうになっていてテンションが上がっていた。天津飯にとってはどちらにしろ強敵である為、そんな呑気に考えることはできなかった。そしてバーダックはというと………。

 

バーダック「ぐっ………!!この感覚は……!!!」

 

またしても頭痛に襲われ、未来のビジョンが脳内に浮かんだ………。

 

 

 

 

 

 

 

『やべぇ…!あんなの跳ね返せねえぞ!!?』

 

 

『お、おいカカロット……!!』

 

 

バーダックが見た未来の映像を順に追って説明すると、まずはあの魔人ブウが巨大な気功波を作り出して躊躇なく地面に向けて投げ飛ばした。悟空とベジータは瞬間移動で退避する前に悟飯達を助け出そうとするも、間に合いそうになく、途中でサタンとデンデを掴むとほぼ同時に、界王神とキビトがポタラ合体した、通称『キビト神』が瞬間移動が現れたので、悟空達は何とか逃げることができたが、悟飯達は助からなかった………。

 

その後、魔人ブウと悟空達は別の場所で壮絶な戦いを繰り広げていた……。悟空もベジータも苦戦している様子が伺えた。

 

 

 

 

 

ここまでがバーダックの見た未来である。

 

ブウ「ウギャギャォオオオオオオオオオッッッ!!!!!!

 

小さくなった魔人ブウは言葉にしづらい声で発狂する。その直後に右手を突き出して気功波を打ち出した。その気功波には地球を破壊するのに十分なエネルギーが含まれていた。

 

バーダック「ちっ…!!」

 

予知能力によってある程度ブウの行動を予測することができたバーダックは、スピリッツキャノンを投げてなんとかその気功波の軌道を逸らした。

 

ブウ「……い?」

 

魔人ブウがこちらを見てきた事を確認すると、悟空とベジータは超サイヤ人に変身して魔人ブウの気を引こうとした。だが………。

 

ブウ「イヒヒ……!!!」

 

ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッ…!!!

 

なんと、魔人ブウはそんな二人を無視して更に巨大な気功波を一瞬にして生成してしまった。

 

超悟空「お、おいおい!あんなの跳ね返せねえぞ……!!!」

 

超ベジータ「カカロット!悟飯達を連れて瞬間移動で逃げるぞ!!!」

 

風太郎「こ、ここは俺が……」

 

風太郎は自らの命を犠牲にして時間稼ぎをしようと思ったが、よく考えてみると今の自分は五つ子と零奈と融合している状態だ。もし自分が身を投げれば五つ子や零奈も巻き込まれることになる。風太郎の独断でこの6人を巻き込むわけにもいかなかった。

 

ボォオオオオッ!!

 

超バーダック「………カカロット」

 

そんな絶望的な状況の中、バーダックは超サイヤ人に変身して立ち上がった。

 

超悟空「お、おめぇまさか…!!!」

 

超バーダック「カカロットはお前の息子達も連れて行け」

 

超悟空「ああ!それは勿論そうするけど、おめぇは……?」

 

超バーダック「………なあカカロット。この場で言うのは場違いかもしれねえが言わせてくれ。お前は俺にとって自慢の息子だ」

 

超悟空「………へっ?」

 

悟空はバーダックが言ったことを一部理解できていなかった。バーダックが悟空を息子と言ったこと。ここが引っかかったのだろう。

 

超悟空「む、息子って………」

 

超バーダック「俺は生き返る前はフリーザ軍の兵士として汗や血を流しながら一生懸命働いたもんだ。他のサイヤ人達も殆どはフリーザの命令に従っていた。にも関わらずあいつは惑星ベジータごとサイヤ人を滅ぼしにきやがった」

 

ナメック星の時に初めてベジータに教えられたものとほぼ同じだった。ラディッツやナッパは隕石が原因で消滅したと思い込んでいたが、ベジータだけは真実を知っていた。ベジータが死ぬ前にその事実を告げられたことにより、悟空は自らをサイヤ人として認められるようになったきっかけでもある。

 

超バーダック「俺はそのことを事前に知ったが、みんな信じなかった。俺はフリーザに立ち向かい、惑星ベジータの消滅を阻止しようとしたが、それも無理な話だった。そして俺は死ぬ間際にお前にあるものを託した……」

 

 

 

 

 

 

『カカロット……!!俺の意思を継げ…!!サイヤ人の手で、フリーザを倒してくれ……!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

超バーダック「……冷静に考えれば、ガキの頃に戦闘力が2のクソガキに頼むようなことじゃなかった。でもお前は本当にフリーザを倒してくれた……」

 

バーダックは一通り語り終えると、一息置いてこう続ける。

 

超バーダック「俺は本来なら既に死んでいる身だ。だが色々あってこうして生き返ることができた。そしてお前やお前の息子が立派になったのをこの目で見ることができた………」

 

超ベジータ「ふん。サイヤ人らしからぬ発言だな。誰かに絆されたか?」

 

超バーダック「そういう貴様も噂ほど残忍で冷酷ではなかったがな………」

 

ベジータの横槍にバーダックは軽くツッコんだ。そして………彼は…………

 

超バーダック「カカロット。お前は生きろ」

 

ドシューンッ!!!!

 

彼はそれだけ言うと、魔人ブウが生み出した気功波の方へと飛び立った。

 

超悟空「あいつが、オラの父ちゃん…?」

 

超ベジータ「カカロット!早くしろ!!間に合わなくなっても知らんぞ!!!!」

 

超悟空「あ、ああ…!!!」

 

衝撃的な事実を告げられた悟空だったが、ベジータの一言によって我を取り戻した。

 

ブウ「ウギャギャォオオッッッ!!!!!」

 

魔人ブウは奇声を発しながら巨大な気功波を発射する。何も妨害がなければものの数秒で地球は木っ端微塵だが………。

 

超バーダック「……………」

 

その巨大な光の玉の前に、一人のサイヤ人が立ち塞がった。

 

今の自分の実力ではこの光の球を跳ね返すことも弾くこともできない。それが分かっていながらバーダックはここに来たのだ。

 

超バーダック「…あばよ。カカロット」

 

バーダックは残った力を全て右手に込める。そこから自身の究極奥義であるスピリッツキャノンを生成する。魔人ブウが生み出した気功が次第に接近してくるが、バーダックは限界まで溜め続ける。

 

超バーダック「これで、()()だぁああああああッッッ!!!!!

 

ズォオオオオオオオッッッ!!!!!

 

バーダックは限界まで溜めたスピリッツキャノンを投げると、魔人ブウが生み出した気功波とぶつかった。しかし拮抗する間もなくバーダックのスピリッツキャノンが押される形となった。

 

超バーダック「ググググッ……!!!!」

 

しかし、バーダックは残された力を振り絞って踏ん張り続ける。これによって魔人ブウの進撃を少し遅らせることに成功していた。

 

 

 

 

超悟空「天津飯!オラの手を掴め!!そうすりゃおめぇも助かる!!」

 

天津飯「………俺に構うな」

 

超悟空「な、なんでだよ!!!」

 

天津飯「餃子だけを残すわけにはいかない…。それに、移民に防衛を任せては、原住民として………地球人として示しがつかないだろう?」

 

超悟空「天津飯…………」

 

天津飯「孫!いけ!!」

 

超悟空「……くっ…!!」

 

天津飯は悟空の返事を待たずにバーダックの元に向かった。悟空は必死に気を探すも、魔人ブウの巨大な気が邪魔してそれもできなかった。

 

 

 

 

天津飯「真・気功砲ッッッ!!!!!!

 

ズォオオオオオオオオオオオッッッ!!!!!!

 

バーダックの隣に立った天津飯が、真気功砲を放って手助けする。魔人ブウの進撃が更に遅くなったが、それでも魔人ブウの攻撃を止めることはできない。

 

超バーダック「へっ…。お前、死ぬぜ?」

 

天津飯「俺の仲間をあの世で一人にするわけにはいかないんでな………」

 

超バーダック「そうかよ。勝手にしろ」

 

 

 

 

 

超悟空「ちくしょう…!!気が見つけられねえ…!!どこでもいいから、地球じゃねえところに………!!!!」

 

悟空達は悟飯達を担ぐと、再び飛びながら気を探る。その道中でデンデとサタンも見かけたので、手が空いていた風太郎が真っ先に二人を拾っていく。

 

 

 

シュン‼︎

 

キビト神「悟空さん!!」

 

瞬間移動で現れたキビト神の手を悟空が掴む。風太郎とベジータは既に悟空のどこかしらを掴んでいる状態だった。本来なら悟飯達を救出することなくこの場を去るはずだったが、バーダックと天津飯による捨て身の抵抗によってこの4人を救出することができた。だが………。

 

超悟空「ま、待ってくれ!!まだあっちに………」

 

キビト神「もう間に合いません!!早く!!!」

 

 

 

 

バーダックは横目で悟空が何か躊躇していることを確認すると………。

 

超バーダック「カカロットォオオオオオオッッッ!!!!早くいけぇええええええ!!!!!

 

そう大声で叫んだ。

 

超悟空「くっ……!頼む…!!!」

 

悟空は苦虫を噛むような表情をした後に、界王神に移動するようにお願いした。

 

キビト神「界界ッ……!!!!」

 

 

シュン‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グゴゴゴゴゴゴッ…!!!!!

 

天津飯「ぐわぁあ……!!!!!」

 

超バーダック「うわぁああああッッ!!!!!!」

 

悟空達がいなくなって少しもしないうちに、バーダックと天津飯が完全に押し負けてしまった。それによって二人とも魔人ブウが生み出した巨大な気功波に飲み込まれてしまった。

 

超バーダック「か、か……ろっと……

 

この時、バーダックは所謂走馬灯というものを見ていた。自分が生き返ってから初めての戦闘……。地球では実の孫と会って戦い、そこで初めて超サイヤ人のその先があることを知った。ギネとも再会し、楽しい生活を送れた。

 

似合わない天使のような輪っかを浮かべた悟空がメタルクウラを翻弄するところもしっかりも見ることができた。バーダックは生き返ってからそこまで長い間生きていたわけではない。だが、内容はとても濃かった。今まであの世で過ごしていた分を取り戻したような感覚だった…………。

 

バーダック「元気、でな……

 

 

 

 

 

 

 

 

ドグォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッッ!!!!!!

 

 

 

 

この瞬間を持って、誇り高き戦闘民族サイヤ人であり、悟空の父親であるバーダックは命を落とし、地球は宇宙の塵となって消えたのだった………。

 




 バーダックと天津飯が出てこなかった理由がここで明かされましたね。実を言うとバーダックが時間稼ぎをして悟飯達も救出する展開はずっと前から考えてたんですよ。ここだけは外したくないなぁと思ってました。

 いよいよ魔人ブウ編も終盤になりましたね。ちょっと駆け足気味感は否めませんが、こうでもしないと恐らく変に引き伸びて飽きる人が出てきてしまうと思うんですよね。(私自身もそのうちの一人になると思うw)ですので、もっとゆっくり展開を楽しみたい方には申し訳ないんですけど、サクサクと進める形にしてます。やはり最後の戦闘は悟空に花を持たせるべきでしょうかね。と問いかけるようなことを言ってますが、自分の中では既に展開は決めてるんですけどね。そのままというのも面白くないので微妙に変えると思います。

 魔人ブウ編が終わったら……。この作品もいよいよ最終章に突入かな……?

 セルが死んだかどうかについては……。皆様のご想像にお任せします。
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