孫悟飯は五つ子姉妹の家庭教師をするそうです【本編完結】   作:Miurand

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 前回のあらすじ

 なんとかセルを倒したベジットは、次に魔人ブウを撃破するかと思いきや、なんと自ら吸収されに行った。その理由は中にいる悟飯達を吸収する為であり、バリアを張ることによって魔人ブウに取り込まれることを防いだ。そして何故か悟空とベジータに分離してしまった。不思議ではあったが、悟空達は悟飯達を救出し、脱出することに成功。

 ところが、変身した魔人ブウには理性という概念がなく、不意に地球を破壊しようとした。そこで目を覚ましたバーダックと遅れて駆けつけてきた天津飯が時間稼ぎをし、悟空達はなんとか避難することはできたものの、尊い犠牲が生まれてしまった………。



第92話 最終決戦、開幕

シュン‼︎

 

超ベジータ「ま、間に合ったのか……」

 

サタン「えっ……?どこ、ここ…?」

 

キビト神の瞬間移動能力によって界王神界に避難してきた悟空達…。デンデや風太郎は一安心する素振りを見せるが……。

 

超悟空「………あいつが、オラの父ちゃん……」

 

悟空だけが浮かない顔をしていた。

 

超ベジータ「どうしたカカロット。しけた面してるじゃねえか」

 

超悟空「いや、まさかあのバーダックってやつがオラの父ちゃんだとは思いもしなくてよ……………」

 

超ベジータ「………そんなことはどうでもいい。これからどうするんだ?地球のドラゴンボールは消滅してしまったぞ?」

 

キビト神「ドラゴンボール…?一体なんなのですかそれは……?」

 

超悟空「ああ、それはな………」

 

悟空がキビト神に対して丁寧に説明する。するとキビト神は大いに喜ぶ。

 

キビト神「なるほど!それなら地球も死んだ人達も元通りですね!」

 

老界王神「アホタレ!そんなものそう易々と使っていい代物じゃないわい!!」

 

ここで15代前の界王神が口を挟む。話の内容を要約すると、あれはナメック星人にのみ許されたチート技のようなもので、他の民族が使うことは許されないとのことだ。

 

超悟空「今はそんなこと気にしてる場合じゃねえって!ほら!さっきも約束しただろ?生のちちを触らせてやっからさ!!そこに免じて許してくれよ!」

 

風太郎「はっ?あんた何約束してんだ?」

 

当然の疑問である。この疑問に悟空は老界王神に聞こえないように小声でこう答える。

 

超悟空「だってよ、こうでもしねえと悟飯のパワーアップさせてもらえそうになかったんだぞ……。そう、仕方なかったってやつだよ」

 

老界王神「こらお前さん。聞こえとるぞ」

 

だがそんな対策も老界王神を前には無意味だった。

 

超ベジータ「………待て?生の乳を触らせてやるだと?一体誰のだ……?」

 

超悟空「え?えっと……。それは………」

 

超ベジータ「おい、まさかとは思うが……。ブルマのことじゃないだろうな?」

 

超悟空「えっ?何で分かったんだベジータ?」

 

その一言にベジータは一気に顔を真っ赤にして悟空に怒鳴る。

 

超ベジータ「馬鹿者ッ!!!勝手に人の妻を出すな!!!自分の妻を出せばいいだろ!!チチの乳を差し出せばいいだろうがッッ!!!!」

 

超悟空「だ、ダメだ!チチはもうぴちぴちじゃねえからよ!!」

 

超ベジータ「若さを求めるなら、あのよく似た五人組の小娘はどうだ?」

 

超悟空「いや、最初はオラもそうしようと思ったんだけど、悟飯の奴が絶対にダメだって言うからよ………」

 

風太郎「当たり前だろうがッッッ!!あんた何考えてんだ!!?あんなセクハラジジイに俺の生徒を差し出せって言うのか!!?」

 

老界王神「こら!ワシを誰だと思ってるんじゃ!!最近の若者は口の聞き方がなってないの……」

 

風太郎「知らねえよ!!とにかく俺は絶対に容認しねえからな!!(そんなこと許可したらマルオさんやあの爺さんになんて言われるか……!!!)」

 

そんな馬鹿げた会話をしている最中、サタンが現実と夢の区別もつかずに崖から飛んでそのまま落ちたのはまた別のお話。

 

キビト神「……!!た、大変です!!魔人ブウがそろそろ再生します!!」

 

超ベジータ「何!?惑星の爆発で吹き飛ばなかったのか!!?」

 

超悟空「くそぉ…!!そのまま放っておいたら周りの星が次々と破壊されちまう……!!!」

 

悟空達が何か策がないかと唸っているのに見かねて、老界王神がこんな提案をする。

 

老界王神「……界王神界は滅多なことがない限りは壊れたりはせん。それくらいには丈夫に作られておる」

 

超悟空「……?何が言いたいんだ…?」

 

老界王神「ここなら派手に暴れても問題ないということじゃよ」

 

老界王神のその一言で悟空はその意図を完全に理解した。

 

超悟空「分かった…。界王神様達はどこかに避難しててくれ。その後オラとベジータは魔人ブウを引き寄せる」

 

キビト神「ひ、引き寄せるってどうやって……?」

 

超悟空「あの魔人ブウが気を感じる事ができるなら、オラ達が全力で気を高めれば気づくはずだ………」

 

キビト神「………分かりました。その前にこれを!!」

 

そう言ってキビト神はポタラを渡そうとするが、悟空は断った。

 

超悟空「確かに合体すれば一瞬で倒せるだろうさ。でも、どうせなら一人で戦って決着をつけてえ………」

 

超ベジータ「よく言った。それでこそ戦闘民族サイヤ人だ」

 

ポタラを受け取る気がないことを確信した界王神二人組は、呆れつつもとデンデと共にキビト特有の能力の瞬間移動でどこかの惑星に避難する。それを確認した悟空は気を高めようとするが………。

 

超悟空「待て。なんでおめぇが残ってんだ……?」

 

風太郎「………俺はこの戦いを最後まで見届けたいんだ……。らいはや親父を殺した奴が滅びるのをこの目で見るまで俺はここから離れるつもりはない」

 

超悟空「おめぇ、死ぬかもしれねえぞ?」

 

風太郎「あんたらが負けたら、それは宇宙の終わり……だろ?」

 

超悟空「……こりゃあ責任重大だな…。な、ベジータ?」

 

超ベジータ「ふん」

 

風太郎の意思が固い事を確信した悟空は気を徐々に高めていく。その姿を見たベジータも同じようにして気を高めていく。すると界王神界は徐々に振動し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

シュン‼︎

 

ブウ「ウギャギャォオオ!!!!!

 

すると、すぐに魔人ブウが悟空達の目の前に現れた。

 

超悟空「えっ!!?何でこんなに早く!!?」

 

超ベジータ「恐らく界王神の野郎の瞬間移動を見て真似たんだろうな………」

 

超悟空「なるほどな………」

 

魔人ブウが目の前に現れたことによって、2人が戦闘態勢になるものだと風太郎は確信していた。しかし……。

 

「「最初はグー!!ジャンケンポン!!あいこでしょ!!あいこで……」」

 

風太郎「………………はっ??」

 

なんと、じゃんけんを始めた。風太郎は何故じゃんけんをしているのか問うと……。

 

超ベジータ「どっちが魔人ブウと戦うのか決めてるんだ!!」

 

風太郎「はぁ!!?二人で戦うんじゃないのかよ!!?」

 

超悟空「やっぱり一人の力で倒してえんだ。大丈夫だ…!魔人ブウはオラが倒してやる!」

 

二人の戦闘バカに対して頭痛を感じる風太郎だか、細かいことは気にしないことにしておく。自分はスタミナ切れでどうすることもできない。この人達だけが頼りだ。ならばその人達に任せようと考えた。

 

超悟空「よっしゃー!!オラの勝ち!!」

 

超ベジータ「チッ…。仕方ない。超サイヤ人3の力とやらを見せてもらおう」

 

超悟空「いいのかベジータ?おめぇのの出番がなくなっちまうぞ?」

 

ジャンケンで勝ってはしゃいでいた悟空だったが、急に静かになって真剣な顔になる。そして恐らくベジータにだろうか……?次にこう語った…。

 

超悟空「…………今だからこそ言うが、ブウがデブの時に超サイヤ人3で倒す事ができた」

 

風太郎「はっ…?ふざけんなよ!!あの時倒してくれれば、地球のみんなや、親父やらいはは助かったかもしれねえんだそ!!!」

 

超悟空「そいつはすまないと思ってる。でもあの時のオラは死人だった。生きている若い奴らになんとかしてほしかったんだ…。本来ならあの時オラはいない存在だったんだ………」

 

風太郎の言い分も理解できるが、悟空の言い分も一理はあった。悟空は根からの善人だから偶々1日だけこの世に戻れる権利を得られたが、それでも悟空は死人だった。本来なら地球がピンチになっても悟空は介入できない存在。今後自分が二度と戻って来れなくなった時も、『悟空がいれば大丈夫だ』という考えを払拭してほしいという思いがあったのかもしれない……。

 

超悟空「だから、すまねぇ…。みんなが死んじまったのもオラのせいだ……」

 

風太郎「…………」

 

悟空の説明に一時的に感情的になっていた風太郎だったが、最後まで聞いて納得したのか、すっかり黙り込んでしまった。

 

超悟空「………あれ?ベジータ?」

 

しかし、ベジータは悟空の話も聞かずに遠くの岩山に移動してしまった。

 

超悟空「ああ!ベジータの野朗聞いてねえや………。えっ?」

 

ベジータが全く話を聞く気がないことを悟った悟空は魔人ブウとの戦闘に移ろうとするが、魔人ブウの方を見てはポカンとしてしまう。何故なら……。

 

ブウ「…………zzzz」

 

…………これから死闘が始まろうとしているのに、呑気に寝ているからだ。

 

超悟空「んにゃろう…!!オラは眼中にねえってことか…!!」

 

魔人ブウの態度に少し怒りを感じた悟空は徐々に気を高めていく。超サイヤ人2を介さずにいきなり超サイヤ人3に変身しようとしているため、いつもより揺れが一層激しいものとなっていた。段々と髪が後ろ向きに伸び、眉毛が薄くなっていき、オーラにスパークが纏われ始める。

 

ベジータ「ついに始まるぞ……。宇宙の命運を懸けた最後の戦いが……!」

 

 

 

 

超悟空「はぁああああああッッ!!!」

 

ドォォオオオオオオオオッッッ!!!

 

ブウ「……!!!」

 

悟空が超サイヤ人3になったことによって気も大幅に膨れ上がった。流石の魔人ブウもこの膨大な気を目の前に目を覚ましたようだ。

 

ブウ「ほーっ!!!」

 

魔人ブウは叫びながらゴリラが敵を威嚇するように自身の胸を叩く。

 

超3悟空「やっとやる気になったみてえだな………」

 

ブウ「ウギャギャアアアアッッ!!!!

 

魔人ブウが考えもなしに悟空に向けて突進してくる。だが、悟空は瞬間移動して魔人ブウのツノを掴み、それを使って魔人ブウを振り回す。

 

ブウ「ぎゃぎゃあああああッッ!!!」

 

超3悟空「オラァアアッッ!!!!」

 

悟空は何周か振り回すと、手を離して投げ飛ばした。ところが魔人ブウはキビト神がしたものと同一の瞬間移動を使って悟空の目の前に現れ、悟空の頬を殴った。

 

超3悟空「ぐっ…!!!はっ!!!」

 

ドカッッ!!!!!

 

だが超サイヤ人3になった悟空もただやられて黙るはずもない。魔人ブウにされたように悟空も仕返しする。

 

ドゴォォオオッッッ!!!

 

ドカッッ!!!!

 

今度は魔人ブウに蹴りを食らわされるが、悟空はエルボーでやり返す。更には魔人ブウが足を伸ばして地面から蹴りを食らわせようとするが、悟空は器用に避ける。

 

ブウ「ブァアアアアッッ!!!!」

 

ズォオオオオオオオッッッ!!!!

 

超3悟空「おっと……!!!」

 

魔人ブウはかめはめ波を放ったが、悟空はギリギリで避けて……。

 

超3悟空「波ァアアァアアァアアッッッ!!!!!!」

 

ズォオオオオオオオッッッ!!!!

 

超3悟空「ばっきゃろう!!こっちは本場のかめはめ波だもんね!!!」

 

かめはめ波を打ち返した。こちらは魔人ブウに見事ヒットして体が大破していたが、またすぐに再生してしまう。

 

ガジッ!!

 

超3悟空「イタタタッッ!!!」

 

ガジッ!!

 

ブウ「ギャアアア!!!!」

 

魔人ブウに腕を噛まれたら、悟空は魔人ブウの頭を齧り返したり……。殴られては蹴り殴り、蹴られては殴り蹴りを繰り返していた。今の魔人ブウと悟空は殆ど互角の状態だった。

 

ベジータ「……流石だぜ、カカロット。俺はあのデブの魔人ブウですら手も足も出なかったというのに、お前は互角に戦っている…………」

 

ここで魔人ブウと悟空の戦いをただ眺めていたベジータが口を開き、誰かに聞かせるわけでもなく語り始めた。

 

ベジータ「……なんとなく分かった気がする…。なぜ天才であるはずの俺がお前に敵わないのか…。それは守りたいものがあるからだと思っていた。守りたいという強い心が得体のしれない力を生み出しているのだと………」

 

確かに、悟空が戦う時は何かを守る時のことが多い。例えばラディッツの時は幼い息子を守るため……。自分達が襲来した時は地球を守るため……。ナメック星でフリーザと対峙した時も仲間を守るためだった……。

 

ベジータ「確かにそれもあるかもしれないが、それは今の俺も同じことだ…。俺は、俺の思い通りにするために…、楽しみのために…、敵を殺すために…。そしてプライドのために戦ってきた…」

 

そう。ベジータが悟空と会うまでは己の欲だけのために戦っていた。サイヤ人は戦って相手を殺すのが当たり前だった。そして悟空と出会った後は悟空を超えるために己を鍛えていた。

 

ベジータ「だが、あいつは違う…。勝つために戦うんじゃない。絶対負けないために、限界を極め続け戦うんだ…!だから、相手の生命を断つことに拘りはしない………。あいつはついにこの俺を殺しはしなかった。まるで、今の俺がほんの少しだけ人の心を持つようになるのが分かっていたかのように…。頭にくるぜ…!戦いが大好きでやさしいサイヤ人なんてよ…!!」

 

悟空は、悟飯のように何かを守るためだけに戦うのではない。悟空は戦いが好きだ。戦いそのものが好きだから、相手を殺すことには拘らない。だからベジータも殺さなかった。当時はクリリンのように殺そうとするのが正しかったのかもしれない。だが、結果的にはベジータもピッコロのように柔らかくなり、人の心を持ち始めた。その証拠として、ブルマやトランクスを守る為に自爆したのだ。

 

悟空は他のサイヤ人と同じように戦闘が大好きである。だが、他のサイヤ人と決定的に違うのはその優しさだった。優しいのに戦いそのものが大好きとは一見矛盾しているように聞こえる。だが、悟空は戦いそのものが好きなのであって、相手を傷つけることを好んでいるわけではないのだ。ここが悟空の他のサイヤ人とは決定的に違うところだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「がんばれカカロット…!お前がナンバーワンだ…!!」

 

ベジータは、この時初めて悟空のことを"下級戦士"としてではなく、自分と対等……いや、それ以上の"ライバル"として認めた決定的瞬間だった……。もうベジータは悟空に対して悪意は持ち合わせていない。彼の中では、殺すべき宿敵から、超えるべきライバルに変わったのだ。

 

 

 

 

超3悟空「ちくしょう…!このままじゃこっちがスタミナ切れになっちまう…!」

 

しばらく戦闘が続いたが、全くの互角の戦闘に加え、魔人ブウには脅威的な再生能力が備わっていたため、戦況は平行線を辿っていた。しかも敢えてゆっくり再生して遊んでいた。

 

超ベジータ「………どうした?もう終わりか?」

 

その様子に見かねたベジータが悟空に話しかけてくる。

 

超3悟空「えっ?もう交代の時間か!?もう少しやらせてくれよベジータ!!」

 

超ベジータ「始めから交代する気のないくせによく言うぜ…。カカロット。気を最大限まで溜めればいけるか?」

 

超3悟空「えっ…?あ、ああ……。1分間時間を稼げればなんとかなると思うけど………」

 

超ベジータ「1分だな……?分かった」

 

ボォオオオオッ!!!!

 

ベジータはそう言うと超サイヤ人2に変身した。悟空はその意味を察したようで……。

 

超3悟空「べ、ベジータ…!!おめぇまさか……!!」

 

超2ベジータ「1分程度、この俺が稼いでやる。貴様は気を溜めるのに集中しろ!!」

 

超3悟空「……サンキューベジータ!でも死人はもう一度死ぬと魂ごと消滅しちまうぞ……。だから、死ぬなよ?」

 

超2ベジータ「……余計なお世話だ」

 

悟空はベジータを信頼し、その場に留まって気を溜め続けることにした。

 

超2ベジータ「………この俺様が相手だぜ、魔人ブウ……!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………なんだここは?僕は確か魔人ブウに吸収されて、その後………。見覚えのある景色だ……?確か、ここは……。

 

 

 

 

悟飯は目を覚ました。現状を確認するために立ち上がって辺りを見回す。寝起きでなかなか頭が回らない中、なんとかよく知る人物を目撃し、そちらに向かって歩いていく。

 

風太郎「ご、悟飯……!?目が覚めたのか!?」

 

悟飯「う、うん……。ここって界王神界だよね……?地球はどうなったの…?」

 

風太郎「…………」

 

悟飯の質問に風太郎は顔を曇らせた。しかし隠してもバレると思ったのか、口を開いたその時……。

 

 

 

 

 

 

ドグォォオオオオオオオオオン!!!

 

超2ベジータ「グワァアア…!!!」

 

ブウ「ギャギャギャアアア!!!」

 

 

 

悟飯「べ、ベジータさん!!?それにあれは魔人ブウ!!?」

 

風太郎「………地球は魔人ブウに破壊された……。魔人ブウに取り込まれてたお前達とサタンってやつと神様だけはなんとか連れて来られたが、他は………」

 

悟飯「じゃ、じゃあ…!!みんなは…!!!?」

 

風太郎「あいつらのことなら心配ない。今もまだ俺と融合中だ」

 

悟飯「えっ……?どういうこと?」

 

風太郎は悟飯に五つ子達と融合してしまった経緯を説明した。

 

悟飯「………なるほど……。じゃあ6人とも無事なんだね?」

 

風太郎「その認識で間違っちゃいない………」

 

悟飯「……よし、僕は魔人ブウを倒しに行ってくるよ。上杉君はそこで待ってて」

 

風太郎「いや、待て。まずは気を高めてみろ」

 

悟飯「えっ…?う、うん………」

 

悟飯は風太郎の指示通りに気を高めていった。だが………。

 

悟飯「………あ、あれ……?思ったように気が…………!!」

 

風太郎「……魔人ブウに吸収された奴は体力が激しく消耗されているらしい…。今のお前じゃ足手まといになるだけだ……」

 

悟飯「そ、そんな…………」

 

風太郎「俺の場合、五月さえ意識を取り戻してくれればどうにかなると思うんだが…………」

 

なんと、悟飯は超サイヤ人にさえなることが難しい状態だった。それだけ体力が消耗している状態だったのだ。

 

悟飯「そ、そうだ…!!デンデに回復させてもらえば……!!」

 

風太郎「神様はこの戦いの巻き添えをくらうのを防ぐ為に他のところに避難した」

 

悟飯のアイデアも虚しく、いい案が全くない状態となった。

 

風太郎「そ、そうか……!!どうせなら俺も回復させてもらってから避難して貰えば良かった…!!くそ……!!!」

 

そう言って風太郎は後悔するが、過ぎたことは仕方ない。

 

超2ベジータ「ぐぉおおお……!!!」

 

悟飯「くそ……!!!やっぱりこのままベジータさんを見殺しにするわけにはいかない…!!!」

 

ボォオオオオッ!!!!

 

悟飯は思い通りに気を高めることはできないとはいえ、超サイヤ人には変身することが可能だった。

 

超悟飯「ベジータさんを離せぇえええええッッ!!!!!」

 

風太郎「あの馬鹿……!!!」

 

ドシューンッ!!!

 

悟飯は目の前でベジータが殺されかけている光景を見逃すことはできなかった。悟飯は比較的感情的になってしまう側面があるため、何かに耐えるということがどうも苦手だ。風太郎は仕方なく悟飯に加勢する形で飛び立つ。

 

超悟飯「だりゃあッッッ!!!!」

 

シュバッ‼︎

 

悟飯が放った拳は体を捻って回避された。

 

 

ドカッッ!!!!

 

超悟飯「ぐはっ……!!!!」

 

そしてエルボーで地面に叩きつけられた。魔人ブウはベジータに飽きたのか、そちらには見向きもせずに今度は悟飯を必要以上に攻撃する。

 

シュルル‼︎

 

風太郎「オラっ…!!!離しやがれ……!!!!」

 

風太郎は四葉の技であるリボンの拘束術で魔人ブウの身動きを封じようと試みる。実際一時的に魔人ブウの動きが止まった為、効果があるかのように見えたが………。

 

ギューンッッ!!!

 

風太郎「!!??」

 

手を複雑に伸ばした後に風太郎の頬に拳を当てた。グニャグニャと曲がっている腕から放たれる拳はそこまで痛くなさそうに見えるが、実際はそんなことは全くない。素早い上にしっかりと重い一撃を繰り出すことができるのだ。

 

風太郎「化け物かよ……!!五月さえ目を覚ましてくれれば……!!!」

 

 

 

 

 

 

ドドドドドドドドッッッ!!!!

 

超悟飯「はぁあああああッッッ!!!!!!」

 

すかさず追撃をしようとした魔人ブウ相手に悟飯は気弾を連射して対抗する。それを見た風太郎も悟飯と同じようにして魔人ブウに攻撃を仕掛けるが………。

 

ガジッ…!!!

 

超悟飯「なっ……!!!」

 

風太郎「くそ……うおおあ!!?」

 

 

煙の中から伸びてきた2本の腕が二人を捕らえるとほぼ同時に持ち上げられ……。

 

 

ダァアアアアアンッッッ!!!!!

 

 

風太郎「ぐぁ……!!!」

 

超悟飯「ぎゃ……!!!!!」

 

反対側の地面に強く打ち付けられた。

 

サタン「ブウ!!!弱い者いじめはよさんか!!!!」

 

ブウ「………イ?」

 

一方的になぶっていた魔人ブウを止めたのは、意外にもサタンだった。

 

サタン「黙って見ていたら好き勝手しおって!!このミスター・サタン様が相手してやる!!」

 

ブウ「イヒヒ」

 

魔人ブウの興味は悟飯達からサタンに移ったようだ。魔人ブウは地面を蹴って一瞬でサタンの目の前まで来る。

 

サタン「や、やっぱし夢でも怖い…!!」

 

あのサタンが勇気を出したかと思えば、どうやらまだ夢と勘違いしていたようだ。サタンはやはり怖くなって一瞬で土下座をする。そして、何故かサタンはギリギリで魔人ブウの蹴りを回避した。

 

超3悟空「見直したぞサタン…!!」

 

だが、サタンが攻撃を回避できたのはしっかりとした理由があった。

 

ブウ「グァアアッッッ!!!!

 

魔人ブウはサタンを攻撃しようとしても、頭を抑えて悶絶していた。まるでサタンを攻撃したいが、攻撃したくないと言ったような様子である。

 

サタン「も、もしかして、俺の気迫に押されたのか……?」

 

だが、愉快な思考の持ち主の(あるいは夢と勘違いしてるからか)サタンは自分の気迫に圧倒されていると勘違いしているが、それは事実無根である。

 

サタン「わーっはっはっはっ!!どうした魔人ブウ!!この俺様が怖いのか!!?今泣いて謝ったって許してやらないからな!!!」

 

ブウ「……!!!」

 

だが、先程はまで苦しんでいた魔人ブウは突然苦しむのをやめた。モムモムと何かを噛むような仕草をしてしばらくすると、何かを吐き出した。

 

 

 

ボンッ!!!

 

超3悟空「!!!!?」

 

ベジータ「あ、あれは……!!!」

 

なんと、一番最初の魔人ブウが今のブウから吐き出されたのである。

 

超3悟空「そ、そうか……!!サタンのやつとあのブウは仲が良かった…!それでサタンを攻撃できなかったのか……!!!」

 

ブウ「イヒヒ……!!!」

 

だが、この状況は最悪だった。サタンと仲のいいブウと分裂したということは、今の魔人ブウはサタンを攻撃することに拒絶反応わや示すことはないということ………。

 

ドカッッ!!!!

 

サタン「あ〜…!!!夢でも痛いよぉおお…!!!!」

 

魔人ブウの拳撃を受けた痛みに悶絶してしまったサタン。だが、自分の身を考えてその場から素早く離れて挑発するが、流石に勝てそうにないと分かったのか……。

 

サタン「ま、まあ…!今回は見逃してやろうかな〜?私もちょっと言い過ぎちゃったかもしれないし?」

 

ブウ「ギャハハ!!!!」

 

サタン「うわぁああ!!!!」

 

当然、魔人ブウはサタンを見逃すことなどあるはずもなく、再び拳撃がサタンに………。

 

 

ズガァアアアッッ!!!

 

 

ブウ「!!!?ッッ」

 

………届かなかった。何者かが放った気弾が地面を削りながら魔人ブウに向かって突き進んでいたが、ブウは直前になって気づいたので避けた。そして気弾が飛んできた方向を向くと………。

 

「………サタンをいじめるな。お前嫌いだ……!!」

 

なんと、一番最初の魔人ブウ……。ブウ(善)がいち早く意識を取り戻してサタンを守ったのだ。

 

サタン「ぶ、ブウ!!!目を覚ましたのか!!!!」

 

心配するようなサタンの声にブウ(善)は笑顔で答えた。だが、その顔はすぐに引き締まった。

 

ブウ(純粋)「キィィイイ…!!!」

 

自分の娯楽の邪魔をされたからか、魔人ブウ(純粋)はブウ(善)に向かって突進する。ブウ(善)もまた同じように突進するが、途中で足を伸ばした魔人ブウに蹴られて後退する。

 

ズガァアアア……!!!

 

ブウ(善)「ぶぅ!!!」

 

ドカッッ!!!!!

 

だが、ブウ(善)は手でスピードを殺して地面から跳び、魔人ブウに頭突きを食らわせた。

 

ガジッ!

 

ブウ(善)「!!?」

 

だが、今度は手を伸ばした魔人ブウにツノの部分を掴まれ、大きく半円を描くように振り回された後に地面に叩きつけられた。

 

ブウ(善)「ほぅ…!!!」

 

カァァッ!!!!

 

だが、ブウ(善)はダメージを気にすることなく魔人ブウに向けて気弾を放った。

 

 

バァアアッ!!!

 

ブウ(純粋)「!!!?」

 

その気弾は見事に魔人ブウの左半身を消し飛ばしたが、その驚異的な再生能力でまたすぐに元に戻った。

 

ブウ(純粋)「ウギャギャォオオオッ!!!!

 

グォオオオオッッッ!!!!

 

そして、魔人ブウは自ら突進してブウ(善)に突っ込むと、ブウ(善)の頭を消し飛ばした。

 

サタン「ぶ、ブウ!!」

 

その光景を見たサタンは心配する声をあげるが………。

 

ポンっ!!

 

ブウ(善)「………」

 

こっちのブウもまた驚異的な再生能力を持ち合わせていたため、何の問題もなく再生した。それを見てサタンは安堵する。ある意味、超サイヤ人3の悟空よりも頼りになる味方が増えたことによって勝機が増したかに見えたが………。

 

ブウ(善)「………困った。ちょっと勝てない」

 

そんなブウ(善)の頼りない声が静かに響く………。

 

ベジータ「………どうやら最悪のゲームになっちまったようだぜ………」

 




 今回は途中で悟飯と風太郎が少し参戦する以外は概ね原作通りになりましたね。でもここは描写を省きたくないと思いました。特にベジータのナンバーワン発言。ここは外しちゃダメでしょ。しかし想定よりも早く展開が進んだので、そろそろ魔人ブウ編も終わりそう。下手すると次回で終わりなのではないか…?もしそうなら丁度20話で締め括られるということになりますね。魔人ブウ編だけ破格級に長いけど、漫画だと6,7巻?分もあるから当然と言えば当然なのかもしれないですね。割と省いた気がするんだけど、その代わりオリジナル展開もあったので、どっこいどっこいですかね。

 ちなみに結構前に、この作品の本編に置いてのバトル展開は魔人ブウ編が最後的なことを言った気がしますが、多分それ嘘になりますw。それが判明するのは次回になると思いますけどね。理由としては悟飯がしっかり主人公する物語を書きたいということです。ので、魔人ブウ編で悟飯に花を持たせるなら最後のバトルになるし、原作のように悟空がメインになるようなら最後ではなくなる……と言った感じです。

 では、次回もお楽しみに……。
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