ロボトミとラオルの世界に転生しました!割とマジで勘弁してくれ!! 作:ライドウ
女神となった最初の聖女と共に永遠の平和を享受したと言われている。
~聖女『アンジェリク』ルート(バットエンド)~
こんな風にいくつかのエンドルートが存在します。
今回のルートはバットエンドですが、見方によればメリーバットエンドです。
ちなみに聖女『アンジェリク』は女神を護る聖女騎士兼女神の寵愛をげふんげふん。(行こう。ここもじき、百合の原産地に沈む...)
しかしすべてを見届けた管理人『X』とアンジェリクがTT2プロトコルを発動させ、11日目まで巻き戻しました。
「っ...はぁ、はぁ...」
ベットから飛び起き、体中から吹き出す冷や汗をパジャマの裾でふき取る。
荒い自分の呼吸と、ズキズキと痛む頭が...先ほどまで見ていた夢を忘れさせる。
(なにを、見ていた?)
記憶があやふやとなり、何もかもを思い出せない。
しかし、その夢の中の私は、何か喜んでいた。
誰かの隣に立って、その誰かを守り、その誰かに愛されていた。
乱れる髪、重なり合う私たち...そして、幸福感。
(エヴァ君以外の、だれかにこの、身体を?)
「うっ...」
喉の奥からこみ上げてくるものを感じ、咄嗟にトイレに駆け込み...胃液だけを吐き出した。
(気持ち悪い...)
トイレに何度も何度も胃液を吐き出す。
そのたびに、夢の記憶が薄れ...消えてゆく。
それが、私にとって救いにはなるのだが...心の奥に罪悪感が溜まっていく。
(エヴァ...くんに......あい、たく...ない?)
ふと、自分の心の奥から聞こえてきた悲鳴を聞いてしまう。
エヴァ君のことを頭に思い浮かべると...その時の声と思うものがフラッシュバックする
『みゆ...き...』
力無く、私に寄りかかり...耳元でささやかれた弱々しいエヴァ君の声、その声で紡がれた私の名前。落ち着いてきた私の頭が、冷静にわずかにかすれる記憶を分析し始める。
(あの日、いや...あの時、私は”O-03-530に洞察作業”をしようと収容室に向かって、扉を開いた。)
そこまでは覚えている。
そこから、そのアブノーマリティの収容室に入ってからの記憶がない。
(記憶操作...いや、
どんなアブノーマリティだったのかさえ思い出せなかったが、記憶がないということはそう言う事なのだろうか。
それとも私が、自分自身を守るために思い出さないようにしている?つまり、私が...施設崩壊のきっかけとなった?
そして...
(エヴァ君を...殺して、顔も知らない何かに愛されることを、喜んだ?)
トイレの床に座り込み、天井を眺める。
頭が痛い、吐き出したはずなのにまだ気持ち悪さがある、この心に突き刺さる罪悪感と、心の奥底にある虚しさは何なんだ。
(私が、わたしが愛しているのは...エヴァ君だけ。)
ギュッと、手を握り込み胸元に当てて落ち着きを取り戻す。
エヴァ君の顔を思い出し、記憶を掘り起こす。
でも、でもそのたびに...
『みゆ...き...』
あの、弱々しい声が聞こえるのはどうしてだろう。
~~~~~~
あの後、何とか落ち着きと冷静さを取り戻し...更衣室に入る。
私の他に、エミリアちゃん、ティファニーちゃん、ステファンちゃんにサリーちゃんまでもが青白い顔でげっそりとしていた。
「お、おはよう...みんな」
「あ、アンジェリクせんぱ...先輩も、顔真っ青ですね...」
「......」
「気持ち悪い...休みたい...」
「うー...あー......自棄酒なんてしてないんだけどなぁ...」
倒れそうな身体に鞭を打ち、私専用のロッカーの前に立ち、スーツを掛ける。
そして支給されたE.G.O.を手に取る。
「あれ...新しくなってる?」
支給された恋愛のE.G.O.は今まで使っていたものではなく、新品同然のスーツにライフル。しかも、茨の桂冠がかけられていた場所には、随分と綺麗なベールがかけられている。
「......どういうことなの?」
とりあえず、新品の恋愛のE.G.O.を着て、ライフルを持ち...ギフトをテキパキと身に着けていく、最後に...そのベールを手に取り、頭に被せる。
「とくに、なにもない?」
むしろ、何やら温かな感触と共に...自身の体の動きが少しだけよくなったような気がする。
「ほら、みんな...体調が悪いのは私もだから頑張ろう。」
「「「「っ!?......はーい」」」」
心なしか、私の顔を見た全員の顔が、さらに青白くなったような気がするが...気のせいだろう。
~~~~~~
場所:教育チーム メインルーム
~~~~~~
「あー...ひまだなぁ。」
今日来たアブノーマリティに対して、私には何の指示も飛んでこない。
ただ、メインルームで待機するようにという指示と、時折脱走する
「ふぅ...ようやく全情報が開示で来た」
私の隣に、ドカリとエヴァ君が座り込む。
その手に持つ端末には、今日来たと思わしきアブノーマリティの情報が記載されている。
「...『価値のない小娘』?これが、今回のアブノーマリティなの?」
「ああ、とんでもねぇ奴さ。特定のギフトをしている連中の精神を塗り替えて、自分の傀儡にする。下手すりゃ
「...何その面倒くさすぎる能力。」
私がそういうと、エヴァ君の悲しそうな視線が私の目を見ていた。
しかしすぐに、逸らされポンポンと頭をなでられる。
「ま、どうやらアンジェリクは担当から外されてるからいいさ。あのキチガイと話をするよりかは」
「キチガイって...そこまでひどいアブノーマリティなの?」
「少なくともクリストファーがふざけない程度には」
「それはひどい。」
~~~~~~
業務が終了した。
私は今日一日、教育チームのメインルームでダラダラと過ごすだけだった。
『価値のない少女』の情報開示を終えたエヴァ君と、思う存分イチャイチャしたのだが...心は晴れない。
「ねえ、エヴァ君」
「なんだ?ミユキ」
今私たちは、私の部屋で、私のベットの上で身を寄せ合い抱き合っている。
私は一度彼から離れ、彼の目を見つめる。
そして、ノイズが走っている光景がフラッシュバックし...あの声が聞こえてくる。
『みゆ...き...』
「っ...」
「どうかしたのか?ミユキ...顔色が悪いぞ」
「ん...ごめん、ちょっとね」
また少しだけ罪悪感が募る。
顔を逸らした私を、不安そうにエヴァ君は見つめている。
「もしかして、『覚えてる』のか?」
「っ!?」
彼の言葉に、弾かれるように顔を戻す。
彼の顔は、少しだけ寂しそうで...とても後悔に満ちた表情に染まっていた。
それを見て確信する。私は『価値のない少女』に何かをされ...エヴァ君たちを殺したのだと。
「...所々だけど、たまにノイズみたいに...でも一番は、エヴァ君が私の名前を弱々しく言う場面」
「そう...か、中途半端に残ってるのは分からんが。覚えてるなら...大体察しがついてるだろ?」
「......」
「そう、ミユキは『価値のない少女』に操られ、俺たちを全員殺した。それに間違いはない。」
彼の真剣な言葉が、真面目な目が、私を射抜き、震えさせる。
私は...私はこの手で、みんなを殺して...そして『価値のない少女』を守り、『価値のない少女』に愛し愛された。
考えただけで、体中に身の毛がよだった。震える身体を自ら抱きしめ、認めたくない真実から現実逃避しようと、頭がパニックを起こし始める。
しかし、私の唇に...エヴァ君の唇が重なった。
「落ち着け、もう巻き戻って...終わったことだ。」
「...でもっ、でもっ!!わたし、わたしは...あなたを」
「裏切った、なんて思ってはいないさ。ただ...許せないのは、止められなかった俺自身とミユキを操った『価値のない少女』だけだ」
悔しそうに、目を背ける。
「だから、俺は...アイツに『抑圧作業』をするときに思わず言ったよ。【このクソガキが、テメェは聖女なんかじゃねぇ】って。そしたら、奴さん、自ら耳をふさいで、俺の言葉を聞きいれやしない。『神の言葉は絶対、私は間違ってない』と喚いて理解した。アレは、話をする価値すらねぇ何かに妄信して脳死している厄介なやつてな」
「......じゃあ、私は」
「...いや、ミユキは俺の全て。居るだけで価値がある。」
どさりと、彼に押し倒されベットに押し付けられる。
私を除く彼の目が、随分と黒く濁っている。すこしだけ、恐怖を感じるけれど...どことなくうれしがってる自分がいる。
そしてタイミングを見計らったかのように、端末に通知が来る。
「...どうやら運がいいらしい。明日は『管理人が賞味期限切れのプリンを食べて下痢を起こしたのため休日』とのことだ。」
「えぇ...それ、どうなの...きゃっ」
どさりと、彼の体が私の体に覆いかぶさる。
「なあ、俺は...ミユキを塗りつぶしたい。他の誰のものでもない、俺の、俺だけのものにしたい。だめか?」
濁った眼のまま、捨てられた子犬のような顔をし私を見下ろすエヴァ君。
きっと、彼も怖いのだろう。だけど、私を失いたくなくて...それぐらい私を愛していて...
なんだか、とっても...かわいいなぁっ。
「うん、いいよっ...私を、貴方の...エヴァの色に染め上げて?私に、【私はエヴァのモノ】って教えて?」
「っ...ああ、ミユキ...好きだ。」
「私も...大好きっ...んっ。」
えっ、いい雰囲気なのにここまでにするとか鬼か!?ですって?
では、この二人の実況でお送りしましょう。
管理人『X』「あっ、そっそんなことを!?というかそんなところも!?」(ぽんこつ化)
アンジェラ「...こ、こんなことは、私も予想外です!?」(ぽんこつAI化)
管理人『X』「な、なんて......うぉっ!?えっっっっっっっっ(語尾力消失)」
アンジェラ「あっ、あぁっ...な、なんてハレンチな!いいぞ、もっとやれ!!(これでも、最高の人工知能AIです)」
管理人『X』の手によってアンジェラさんは、少しだけ精神が人間よりになってます。しかも、管理人『X』が手を加えたせいで、何やらおかしな言動が目立つようになっております。台本は破り捨てたそうです。しかし、管理人『X』以外の存在の前では元のアンジェラさんです。
さて、ここでクソ聖女...ゲフン『価値のない少女』の情報を開示します。
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O-03-530
『価値のない少女』
危険度:HE(なお詐欺である)
E-Boxes:16
攻撃タイプ:PALE 2-4
施設が壊滅する恐れあり
職員が即死する恐れあり
職員がアブノーマリティ化する恐れあり
特殊能力:『
特定のギフト(懺悔、十二使徒のアレ)を装備した職員(性別問わず)が入室すると、問答無用でクリフォトカウンターが0になり、入室した職員を
上機嫌:10-16
普通:5-10
不機嫌:0-5
クリフォトカウンター:5
非脱走オブジェクト
管理方法
その1
『価値のない少女』のクリフォトカウンターは、自身の効果以外では減少しない。
また、『価値のない少女』はクリフォト暴走を起こさない。
その2
『価値のない少女』の作業が上機嫌で終了すると、確定でクリフォトカウンターは1減少した。また、その職員がその日のうちに『たった一つの罪と何百もの善』もしくは『白夜』の作業を終えていると、さらに1減少した。
その3
『価値のない少女』の作業を普通で終了すると、普通の確率でクリフォトカウンターが減少した。またこの際、その2の追加効果は発動しない。
その4
『価値のない少女』の作業を不機嫌で終了すると、高確率でクリフォトカウンターが1回復した。
その5
『価値のない少女』の特殊効果で、
その6
愛着、本能、洞察、抑圧の順で好む。
愛着作業の場合、作業レベルに関わらず最高の反応を示します。
本能作業の場合、高レベルになるほど高い反応を示します。
洞察作業の場合、レベルに関わらず普通の反応を示します。
抑圧作業の場合、作業レベルに関わらず最低の反応を示します。
由来
彼女はもともと、裏路地に細々と暮らすか弱い女の子でしたが、『神』と呼ばれる存在の声を聞き、当時のその裏路地を支配していた存在を滅ぼしました。
その時の姿から『聖女』と呼ばれ誰からも尊敬されるようになりましたが、ある時彼女は、神のお告げと称し仲間たちに『圧政』を敷くようになりました。
そしてやがて、彼女の元仲間たちは、彼女をとらえ、大胆に火刑に処すことにより、その裏路地を支配していた存在に許しを請いました。が、誰一人赦されず殲滅され、彼女はその時のまま、今も仲間たちの怨念の炎に焼かれ続けています。
そして、今の彼女は人間不信に陥っており...話す価値すらありません。
「それでも私は、神のお言葉を...『敬虔なる信徒の娘よ。我が言葉を、汝が隣人に伝えたまへ。』を実行します。」
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E.G.O.
(今回はチート性能ですので賛否両論ありますが、ご容赦ください)
救国(槍と盾の複合型E.G.O.)
ランク:ALEPH
PALE 4-6
攻撃速度:普通
射程:中
(一個限定、ビナーの研究をとっても個数は増加しない)
装着条件:レベルⅤ以上、一度でも
特殊能力:相手に最大弱点となる攻撃を与え、ダメージを与えることに成功すると同フロアのエージェントのHPとSPを大きく回復させた。
5回に一度、盾を掲げ鎮圧対象のアブノーマリティの攻撃属性に対するシールドを発生させシールドが張られた職員の攻撃速度を+30し、盾を掲げている15秒間は装備者に与えられたすべてのダメージを無効化する。
救国(防護服型E.G.O.)
ランク:ALEPH
RED×0.5
WHITE×0.5
BLACK×1.0
PALE×0.7
装着条件:レベルⅤ以上、一度でも
特殊能力:『価値のない少女』が施設内に存在する場合、装備者が死亡した場合、一度だけHPとSPを完全に回復させ死亡を無かったことにする。(どんな死亡条件でも)
(一個限定、ビナーの研究をとっても個数は増加しない)
ギフト
救国
美しいベール(もしくはヴェール)。
そのベールは、『価値のない少女』が夢見た幸せな結婚式のベールであり、また彼女が神から送られ、仲間たちに送ったベールである。男性でも問題なく装備できる。
装着箇所:頭部1
装備効果:全ステータス+5
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というわけで、『価値のない少女』でした。
装備効果が優秀だが、管理が面倒くさい。しかも防護服の方の効果は収容していないと発動しないという。しかし、一人いれば安心安全の鉄壁職員を作れるアブノーマリティです。
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