ロボトミとラオルの世界に転生しました!割とマジで勘弁してくれ!! 作:ライドウ
追記(2022/11/13)
ここで書いているチャレンジモードとは、リアルで言うRTAのようなものとお考え下さい。
(作者の無知ゆえのミスです)
天井をボーッと眺めていると、ジェイクがやってきてマグカップを渡してくれる。
「マルクト様の到着が遅れてる。多分遅刻だろうな」
「えぇ...遅刻って、上司でしょ?大丈夫なの?」
「問題はないさ、正直俺たちオフィサチームがいること自体が不思議なぐらいだからな。」
ずずず、とネコ模様のマグカップの中身・・・コーヒーを啜るジェイク。
私に渡されたのも同じような模様のカップだ・・・
「安心しろ、それは予備に発注しておいた新品だ。」
「それはどうも」
渡されたコーヒーを飲んでみれば、少しだけ苦い風味が広がる。
普段コーヒーではなくモ〇エナみたいなエナジードリンクしか飲んだことがなかったので、なんというかそれらと似たように目が冴える感覚がする。
ガシャ、ガシャ、ガシャ。
「...どうやら、マルクト様が到着したみたいだ。そろそろ業務が始まるぞ」
「うへぇ、熱いもの飲むの苦手なのに...」
大急ぎで、熱々のコーヒーを飲んで休憩スペースから脱出する。
出てすぐに視界に飛び込んできたのは、メモ帳を持った箱。
...見て一瞬、思考がストップするが...アンジェリクとしての記憶が人間かと認識する。
私の前世の記憶では、このマルクトは人の脳を機械の体にぶち込んだ道徳ガン無視のAIに近いものだ。
まあ、人間の脳みそぶち込んでる時点でバイオコンピューターとかそんな感じに近いかな・・・
というかなんで、アンジェリクとしての記憶はこれをすぐ人間って認識できたんだ?
...いやこの際考えるのはやめておこう、なぜだか今踏み込んだらまずい気がする。
「初めまして、アンジェリク!今日からあなたが所属するコントロールチームのセフィラ、マルクトです!よろしくお願いします!」
「は、はい。よろしくお願いします」
とりあえず、冷静さを取り戻し挨拶を普通にこなす。
アンジェリクの記憶がうるさくないので本当にセーフ判定なんだろう・・・まあ、ライブラリーオブルイナを履修済みだったらどうしてアンジェリクの記憶がアンジェラに危険判定出したのかが分かるからなぁ。
「さて、アンジェリク。そろそろ管理人からの指示が来るはずですから、さっそく作業を始めましょう!」
どうやら呑気に別の事を考えている暇はなさそうだ。
私に渡されたタブレットが振動する。どうやら管理人から指示が来たらしい。
【アンジェリカ、管理番号”O-03-03”に愛着作業をすること】
とのメッセージが表示されている。
「O-03-03の作業室はメインルームから出て左手に向かって突き当りを右に曲がればありますよ!!」
~~~~~~
場所:コントロールチーム メインルーム → 場所:O-03-03たった一つの罪と何百もの善 収容室
~~~~~~
ロボトミーコーポレーション、そしてライブラリーオブルイナ両方において登場するアブノーマリティは、数が多い。
ライブラリーオブルイナ初出のアブノーマリティもいるのだが、その話はその時になってからしよう。
そのアブノーマリティの中でも誰しも最初はこのアブノーマリティを世話することがある。
...それが、O-03-03。”たった一つの罪と何百もの善”。
壊れた黒い十字架が貫通したような頭蓋骨のアブノーマリティ。
それが、私の目の前に...管理人Xに動員されている認知フィルターが適応されていない状態でそこに浮いている。
アンジェリクとしての記憶が、これが何なのかと必死に理解ししようとしているが一切分からずじまいだ。
愛着作業と言えど、何をすればいいのだろう...
『汝に、罪あり。』
しばらく悩んでいると、私の中にそんな声が聞こえてくる。
慌ててあたりを見渡すが、誰もいないただ私の前に立った一つの罪と何百もの善が威嚇的な音を鳴らしているだけだ。
『汝が、罪を告白せよ。』
「罪・・・私の?」
それは、前世の私の罪だろうか、それともアンジェリクとしての罪だろうか。
いや、アンジェリクとしての記憶には罪と思わしいものはない...だとすれば私の罪は...何なのだろうか。
少なくとも現実では罪など犯していない。だとすれば私の罪は・・・
「私は、かつて私を慕う職員たちを犠牲に自らの欲の為に使い捨ての道具のように使いました。」
ロボトミーコーポレーションのチャレンジモードを思い出す。
お気に入りの職員たちのファイルを移動させ、空のファイルを置いておき・・・そこで生成させた職員たちを犠牲にチャレンジモードをクリアしたことがあった。
結果的に、比較的犠牲は少なく手済んだのだが...どうしても犠牲を払う場面が多くあった。
無名の胎児、ホクマー抑圧戦、爪戦、49日ホクマールート
少なくとも、チャレンジでもお気に入りの子達が逝ってしまっていた。
「その時はゲームの世界だからと、考えていました。でも今だと。」
おそらくその時も、この世界はあって、その世界を…私が指揮し死なせたあの子たちにも人生があったのだろう。
それを私の選択で終わらせたのだ。罪悪感が背筋を伝う。
『なれば汝、選ぶ選択はなんぞや。
なれば汝、受け入れるべき罪はなんぞや。』
目の前に見た事のある人間が現れる。
49日ホクマールート、試練処理の絶対エースだった彼。
”グレゴリー”が、私に魔弾のライフルを向けてきた。
「私は生きます。死んで行った彼らの代わりに生きて足掻きます。それが私の選択、私の罪。私が死んだところで、彼らは報われない。ならばこそ、生きることこそ我が罪とする」
たった一つの罪と何百もの善に向けて、そう宣言する。
向けられている魔弾のライフルの引き金には未だに指がかけられている。
『汝が罪の意識、しかと聞き入れたり。』
グレゴリーがライフルをおろしニッコリと笑いかける。
グレゴリーがライフルを下ろすと、
「っ…サラ、ダニエル、エマにジョシュア…」
全員が私が殺した子達だ。
その全員が、私に向けて笑顔を見せてくれている。
『管理人。』
彼らを代表してかグレゴリーが私に声をかけてくる。
『あの時の判断がどう正しいかなんて、もう私たちには分かりません。だから』
『どうか生きて、僕たちの分まで、生きて足掻いてください。』
グレゴリーが頭を下げて、消えてゆく。
『死んだら承知しないんだからね!』
サラが元気に言い放って消えてゆく。
『頑張ってください、管理人。それと、審判鳥が来たらよろしくお願いしますね。』
ちょっとイタズラ気味なセリフを残しダニエルが消えてゆく。
『…少なくとも、管理人の元で働けて光栄でした。せいぜい頑張ってください。』
嫌味たっぷりに言ったあと、エマが消えてゆく。
『頑張ってください。管理人…それとジョシュアバグはまd』
何か変なことを言いかけたジョシュアは再び現れたグレゴリーに殴られて消えていった。
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目を開けると、相変わらずフワフワとたった一つの罪と何百もの善がフワフワと浮いていた。
ふと頭の上に何かがあると思い、触れてみると。
「茨の桂冠…」
ギフトが、そこにあった。
右手に握っていたタブレットを見てみれば、作業完了の文字が。
(ありがとう。私、頑張るから。)
その心意気を持ち、たった一つの罪と何百もの善の収容室から出ていった。
だけど、発電量の問題ですぐに戻ってきたので、ちょっとだけ恥ずかしい思いをしたのであった。
グレゴリー
所属:コントロールチーム
装備:魔弾
アンジェリクの前世のチャレンジモードでの試練処理のエース。
コントロールチームのボーナスを駆使し、施設内を駆け巡り試練という試練を処理していた。
49日ホクマールートにて、代償として死亡。
サラ
所属:情報チーム
装備:レティシア
情報チームに所属していたカワイイ担当。
ランダムにしては随分可愛い姿で生まれ、そのままレティシアを愛用させていた。カワイイ!犬耳完備。
深紅の黎明での不幸が重なり泣いてしまった無名の胎児のルーレットに選ばれた。
ダニエル
所属:福祉チーム
装備:決死の一生
福祉チームの苦労人。
ランクが5になったのにも関わらず、装備が整わず決死の一生を愛用していた。
ホクマー抑圧戦にて、脱走した貪欲の王が偶然目の前に現れそのまま食べられて死亡。
エマ
所属:懲戒チーム
装備:赤の傷跡
戦闘部隊の中でもずば抜けてE.G.Oの扱いが上手かった美しい担当。懲戒チームの紅一点でもあった。
ホクマー抑圧戦にて、大きくて悪いオオカミと相打ちになって死亡。
ジョシュア
所属:抽出チーム
装備:ランプ
実は初期職員と同じ最初期組の1人。
生き残っていれば笑顔に装備が更新されていた。
爪の足止めの為に単騎で戦い、管理人が逃がそうとした途端役目を果たして死亡。