ロボトミとラオルの世界に転生しました!割とマジで勘弁してくれ!!   作:ライドウ

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それは、自分自身と対話するための場所です。



今回は、オリジナルのツール型アブノーマリティです。
この文章で何かを察した方、まだだステイステイ!


ここまで読んでくれている読者にお願いです。
もし、このアブノーマリティとこのアブノーマリティの管理番号がかぶっている場合は教えてください。お願いします。


22日目(2体目)

 

『審判鳥』の作業が収容し、収容室を出ると矢継ぎ早に私に次のアブノーマリティの《使用指示》が飛んでくる。そのツール型アブノーマリティの管理番号は『T-09-192』…見覚えのない管理番号なので、おそらく原作のゲームに出てこない新しいアブノーマリティだろう。正直、少しだけ休ませてほしいけど、指示が出てしまった以上、私が使用するしかない。

 

意を決して、『審判鳥』の収容室の隣へ向かい、そのドアをくぐる。

 

~~~~~

『T-09-192』の収容室

~~~~~

 

…その収容室に入ると、まず目についたのは長机と机だ。

アンティークな机で、特に何の変哲のないちょっと高そうな机、そして柔らかそうなクッションが敷かれた椅子。

近づくと、その長机の上にはティーセットが出現し、どこからともなく穏やかな音楽が聞こえてくる。

そして、椅子が引かれ私が座るのを待つかのように動かなくなる。

 

(椅子に、座るのかな?)

 

警戒しつつ座ると、モフっとした感触とともに優しく椅子が戻される。

しばらく、座っていると…長机の反対側に『私』が座った。

 

「こんにちは、私。」

「…あなたは、ワタ…シ?」

 

私と対面する『私』、私と全く同じE.G.O.全く同じ容姿を持った存在が、私の反対側に座っている。

 

「…あなたは、本当に私なの?」

「ええ…私はあなた、あなたは私。アンジェリクであり…カゲロウ ミユキ。いえ、貴女の体の本来の持ち主っていえば、わかるかしら?」

「…なるほど。」

 

つまり、彼女自身は私…カゲロウ ミユキの側面ではなく、アンジェリクとしての側面が形になったのだろう。

でもどうして?

 

「…どうやら、このツール型アブノーマリティのおかげみたい。私が存在できるのは、このツールを使っている間よ。」

「そういうツール型アブノーマリティなのね。」

 

私が納得すると、ワタシ…アンジェリクが机の上に出現していた紅茶に口をつける。

一瞬、心配するがアンジェリクは何ともない。

 

「死にはしないわよ。このツール型アブノーマリティは、どうやら自分自身と会話することができるアブノーマリティだから。」

「つまり、自問自答するためのアブノーマリティ?」

「そうとらえたほうが早いわね。」

 

アンジェリクがコトリとティーカップを置き、私を見据える。

私も、彼女の目をじっと見る。まるでそこに鏡があるかのように、彼女は確かにそこに存在している。

しかし、彼女の言った通り彼女はこのアブノーマリティを使っている間しか存在できないのであろう。

 

「いろいろ、話しましょう?」

「…そうね、私たち知らなことばかりだもの。」

 

でも、私と彼女は…クスリと笑いあいこれまでのことを話し合い始めた。

 

~~~~~~

 

話は長くなって、自分自身ということで私の過去やアンジェリクの過去を互いに言い合った。

それでも、互いの過去を否定することはなく私たちは互いに認め合っていた。

しかも、その間の話で分かったことは多々あった。

まず、普段…(ミユキ)が体を動かして、考えている間でも、ワタシ(アンジェリク)の意識は目覚めているし、私に干渉しない思考もできる。

でもそれは、幽霊と似た状態のようで物には触れられないし誰にも気づかれないことはない。アブノーマリティ相手でも気づかれたことはないという。

そして、私が経験したことは私に反映されても、霊体状態のアンジェリクが経験したことは私には反映されない。しかし私が経験したことは、アンジェリクにも反映されるようだ。

……そう、アンジェリクは私が覚えていない記憶を持っている。それを聞いた時、私は絶望しかけたけれど…それでも私は前に進む決意をしたのだ。すぐに思考を切り替えて彼女の話を聞いた。

そして、私たちは一つの共通認識を持っていた。

 

「「私たちは、絶対に生き残らないといけない」」

 

私たちが生きているこの運命は複雑怪奇で不安定なもので、歩いていくべき未来は先の見えない暗闇ばかりでどんな未来を選んでも苦しい道しかないこと。

私の罪は確かに消えるだろう、アンジェリクの絶望もいつかはなくなるのだろう。しかし、その先の道を歩くためには私たちだけでは歩いてはいけないということだ。

……つまり、私たちは自分たちの意志で未来の案内人を選ぶ必要であるのだ。

 

「…未来の案内人は、またそのうち考えましょう?」

「ええ、今は生き残ることを優先しなきゃね。」

 

アンジェリクがそう締めくくると、穏やかな音楽が終わり机の上のティーセットも片付けられていく。

それと同時に…アンジェリクの体が透けていく。

 

「…どうやら、時間みたい。」

「アンジェリク…私は……」

 

私がそう言うと、アンジェリクは消えかけの体で私に近づき手に取る。

 

「何も、何も言わなくていい。私は貴女で、貴女は私。貴女の感情も痛みも…全部貴女であり、私のものよ。」

「…っ」

 

私を立ち上がらせ、アンジェリクはそっと抱きしめてくれる。

エヴァ君とは違った、暖かな抱擁は…懐かしさと一緒に、涙がこぼれだす。

 

「私、貴女から体を奪ったのに…貴女は受け入れてくれるの?」

「…ミユキ、私はね。貴女に一切、怒っていないわ。ううん、むしろ感謝してる。」

「でも、貴女はそれで!」

「だからこそ、だよ。」

 

アンジェリクは、優しい言葉で私をあやしてくれる。

 

「いつも、あのいつ死ぬかわからない場所にいる。けれど、貴女は諦めない。」

「それは、それが私の罪だから!死んでいったあの子たちのためにも、私は私に課せられた罪を―――」

「―――きっと、あの人たちは許しているよ?」

「…えっ?」

「…貴女は、確かにあの人たちを利用した。けれども、あの人たちは本当にあなたを恨んでいた?」

「……ぁっ。」

 

そういえば、あの時『たった一つの罪と何百もの善』の作業のときにあわれたあの子たちは、私を恨んでいなかった。

むしろ、私に生きるように願っていた。私は、生きることで、存在しないあの子たちの恨みをはらせると思い込んでいたんだ。

…どうして、どうしてそれをわすれていたんだろう。

 

「…あの人たちは、貴女に願いを託した。貴女に生きてほしいという願いを。それは確かに、貴女に対する罪であり罰であり、また祈りだったはずだよ?」

「わたし、わたしは……」

「大丈夫、大丈夫よ。間違えたのなら、なおせばいい。貴女はまだ、それができる。」

 

頭をなでられて、私がふさぎ込んでいたものが決壊する。

命の危険にさらされて、怖かった。怖いものを見たとき、泣きたかった。

もっとエヴァ君に愛されたい、もっとエヴァ君を愛したい。

いろいろな感情が噴き出し、最終的には泣き出してしまう。

 

「ほら、貴女はまだやり直せる。まだ、貴女は死んでいないわ。」

「ヒッグ…エグッ……アンジェリク、私…私は…っ!」

「えぇ、エヴァ君と幸せになりたい。でしょ?」

「うん……うんっ!」

「大丈夫、私もまったく同じ考えだよ。むしろ、私もエヴァ君以外お断りだわ。」

「…クリストファーやマックスもいるのに?」

「あの二人は、私と貴女、どっちかしか選んでないわ。二人分愛せない男はお断りよ!」

「クスッ……そう、だね!」

 

だんだんと消えていくアンジェリク、でもこれがお別れではない。

彼女はいつでも私の隣にいるし、私は彼女と一緒にいる。

 

「ねえ、私の力を借りたいときはいつでも言って?二人だけの合言葉とか作ってみたりして。」

「…それ、いいね。」

「合言葉は、そうね……『本当の私たちへ(トゥザ・リアー・アス)』とかどうかしら」

「うん、私も賛成!」

 

ついに彼女の姿は見えなくなる。だけど、今も少しだけ声が聞こえる。

 

「貴女は私、」

「私は貴女。」

 

「「愛する人は、ただ一人(エヴァ君)だけ。」」

 

その言葉を最後に、アンジェリクは完全に見えなくなり、声も聞こえなくなる。

だけども、見えなくても分かる。彼女は、今でも私の近くにいる。

…微笑んで立ち上がり、『T-09-192』の長机に触れる。

 

「…ありがとう。」

 

私がそうつぶやくと、私の手の近くにカモミールとスズランが植わった植木鉢が現れる。

…花言葉に詳しくない私でも、その二つの花言葉だけは覚えていた。

『逆境に耐える』、そして『再び幸せが訪れる』。その植木鉢を手に取り、収容室から出る。

 

「……長かったな。」

 

収容室から出ると、エヴァ君が待っていた。

どうして?と思うと、タブレットを見せてくれる。そこには

[職員『エヴァ』は、職員『アンジェリク』を迎えに行くこと。]と書かれていた。

 

「うん、ちょっとだけ長く使っちゃった。」

「いや、いい……それに、雰囲気が変わった。見つめ直せたんだろ?」

 

ポンと頭に手を置かれて、優しくなでられる。

彼の黄昏色の瞳が、優しい視線を私に向けて、慈しんでいる。

それが、少しだけ恥ずかしくて…でも、とてもうれしい。

 

「あぁー、その笑顔…かわいいなくそっ。」

 

どうやら自然と笑っていたらしい。

エヴァ君が顔を赤くして目線をそらした。

 

「ふふっ、行こう。エヴァ君!」

「……あぁ。」

 

私は、エヴァ君の手を取りメインルームへと戻り始める。

この気持ちも、この思いも…私たちのもの。

 

そして、私たちの未来への案内人は…エヴァ君以外、考えられない。

 

(「大好き、エヴァ君。」)

 

「…?おう。」

 

 





さあさあ、純愛度が高まってきました。
純愛思想も目を輝かせて見ています!

~~~~~

『T-09-192』
自問自答のお茶会

危険度:TETH
使用タイプ:時間経過型

30秒使用
記憶:この机は、とある老職人が作り出したテーブルとイスです。
使い方:職員”アンジェリク”が使用すると、徐々にSPが減少した。

1分使用
記憶:老職人はこのテーブルとイスにとある願いを込めました。
使い方:SPが減った割合により、ステータスが上昇していた。

2分使用
記憶:その願いとは、自分自身との対話。自分の気持ちに整理をつけるために話し合いがしたかったのです。
使い方:ステータスの上昇は、翌日になっても消えなかった。

3分使用
記憶:しかし、このテーブルとイスを作り上げたとき老職人はなくなりました。
使い方:ステータス上昇は、最大限界値を無視し、限界値を拡張した。

4分使用
記憶:-
使い方:しかし、限界値の拡張は+10までが限度だった。

このアブノーマリティは

  • 安全である(使える)
  • 注意するべきだ。(普通)
  • 危険な存在だ。(使えない)
  • チートだチート!!
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