ロボトミとラオルの世界に転生しました!割とマジで勘弁してくれ!!   作:ライドウ

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簡潔に言います。
ネタ半分シリアス半分です。
視点はそれぞれの視点に切り替わります。
では、どうぞ。


おまけ4 もしもアンジェリク大好き三人衆が『自問自答のお茶会』を使ったら。

 

=====

エヴァの場合

=====

 

…『自問自答のお茶会』のドアを閉めて、置いてある椅子を引いて座る。

アンジェリク(ミユキ)がしていた報告の通りに、優雅ながらに気持ちが落ち着く音楽がどこからか聞こえ出し…俺の目の前には、俺が好きな飲み物と菓子が置かれた。

そして、俺に対面する椅子が引かれそこに座るのは…()()()()()()()だった。

 

「よう、俺。」

「ああ、初めまして。か、それとも久しぶりか…。」

「会話すること自体は初めてだ。」

「そうだな、そしてこうしてお互いを見ることも。」

 

自分自身との対話、確かにこれは自分の心にため込んだストレスを吐き出すのにはちょうどいいだろう。

それこそ、アンジェリク(ミユキ)のように思いつめた様子のやつならなおさらだ。

 

「俺らが話すことはあるのか?」

「…特にないな。俺達には過去があり、またアンジェリク(ミユキ)が描き出した未来があった。」

「ああ、だが俺たちはまたここにいる。この日の届かない地下何万メートルもの発電施設にだ。」

「でもこれは、アンジェリク(ミユキ)の物語。アンジェリク(ミユキ)の過去はすでに混ざり合った。」

「……だからこそ、俺たちが守ってやらなきゃならねぇ。」

 

置かれた飲み物を口に含むと、まんま小さい頃にはまっていた炭酸飲料の味だ。

だがそれは今はどうでもいい、俺の過去はもう過ぎたこと…変えられないなら受け入れて少しでも前に進み、そしてアンジェリク(ミユキ)のために剣を握る。ただそれだけだ。

…でも

 

「高望みするなら、アンジェリク(ミユキ)と普通に出会って普通に恋愛して、普通に結婚して…そして普通に生きてみたかったな。」

「…そうだな。だがそれは」

「ああ、アンジェリク(ミユキ)は普通から最も遠い存在。俺が普通だったのなら、アンジェリク(ミユキ)を守れるはずがねぇ。」

「やるべきことは、この異常の中でしかできないこと。」

「そして俺たちは、その以上の中でも最強であること。」

 

「「俺たちのやるべきことは異常の中でアンジェリクとミユキを幸せにすること」」

 

「…これ以上、話すこともないだろう?」

「ああ、俺たちのやるべきことは変わらない。ただ剣を取り、アンジェリク(ミユキ)を守るだけだ。」

 

話はそれで終わり、音楽も飲み物も菓子も消える。

そして、対面座席に座っていた俺も目をつむって消えていった。

 

「俺はアンジェリク(ミユキ)を愛する。そう決めただけだ。」

 

 

=====

クリストファーの場合

=====

 

管理人『X』からの指示があり俺はエヴァの後に、『自問自答のお茶会』を使うことになった。

入ってみれば、そこにあるのは俺から見てみれば質素なテーブルとイスだった。

…ミユキのレポートによれば、椅子に座るだけでいいとのことだが…果たしてどうなんだろうな。

そう思いつつ、俺は椅子を引いて座る。すると、レトロチックでありながら落ち着きを与えるオーケストラが流れだし、質素だったテーブルの上にはシルクのテーブルクロスが引かれ、仏式の高級料理が続々と並べられる。

そして、俺とちょうど対面になる位置にある椅子に、俺と同じ『暁』のE.G.O.を纏った俺…いや、”私”が座った。

 

「ちっ、しけた面しやがって。」

「おっと、私の本性はずいぶんと野蛮な言葉を使うようになったようだ。」

「高飛車ぶってんじゃねぇよ。結局のところこれは自問自答、てめぇは俺で俺はてめぇなんだろ?」

「ああ、このアブノーマリティはそういった性質を持つツール型アブノーマリティ。座った人物の心をコピーし全く同じ人物を仮想的に作り上げ、自問自答をさせる。ただそれだけのアブノーマリティのようだ。」

「れーせーな判断ご苦労さん。んーで、この俺に何を自問自答させるって?」

「さあ、正直私も話題を何も考えていなかった。」

「…おい、それでも冷静な俺なのかよ。」

 

私は、外側にあるナイフとフォークを手に取り目の前に置かれていたオードブルに口をつける。

そういえば、朝飯を食ってないんだった。俺もフルコースの作法に従い外側のナイフとフォークを手に取りオードブルを口に運ぶ。

 

「…旨いな。」

「ええ、とても美味しいです。」

 

巣で三ツ星だった詐欺レストランで出されたオードブルよりとても美味しいそれは、食えば食うほどにただでさえイラついていた気分と空腹をやわらげつつ、また食欲をそそる味わいである。

しかも物足りないと感じると、別のオードブルが即座に現れる。

 

「いいねぇ、フルコースはどうしても量が足りねぇんだ。」

「あぁ、それは理解できます。どうしても足りないって時ありますものね。」

「なんだよ、高飛車な俺でもそう感じんのか?」

「高飛車も何も私は貴方でしょうが。」

「へへっ、そうだったか。」

 

しばらくオードブルを食べていると、いつの間にかスープが運び込まれており白く暖かな湯気が目立っている。

しかもチビッとした量のスープではなく、大きな深皿にドンとコンソメタイプが注ぎ込まれていて…それでいて、気品を失わないような盛り方である。

 

「…もしかしたら、私たちはこういう食事を望んでいたのかもしれませんね。」

「あぁ?どういうことだ?」

「ある程度のルールに縛られつつ、暖かな料理を食べ…そして自分を見直す時間が。」

「……あぁ。」

 

そういわれて納得する。ここに来る前も、ここに来た後も、そしてミユキがここにきている今も、ガッチガチのルールに縛られ…調味料でごまかされた飯を食べ、自分のことなんて考えてもいなかった。

コンソメスープの入った深皿を手に取り音をたてないように飲む。…L社の社員食堂のような何も入っていない調味料でごまかしたスープの味ではなく、ゴロゴロとした具材が入っており暖かで家庭的な味わいが、荒んでいたはずの俺の心を少しだけ癒してくれる。

 

「…しかし、私たちが求めているのは、平和や未来ではない。」

「俺たちが求めているのは、ミユキと…俺たちにはない過去。」

「はい、私たちの過去はなく…思い出そうにも思い出せない。」

 

スープを飲み干すと魚料理が運ばれてくる。

それを口に運びつつ、俺自身との会話を続ける。

 

「しかし、カギを握るのはミユキと」

「…『始点獣』、そして『暁』。」

 

その二つとも俺が手にした過去を手にするためのカギ。

 

「私たちの目的はただ一つ。」

「ミユキを手に入れ、過去を作り出すこと。」

「ですが今は休息の時です。今はこの料理を楽しむことにしましょう。」

「……いくら鋭利な武器でも、砥がねばなまくらとなる。か…」

「ええ、今は武器を研ぐときであり…私たちは今は耐える時なのです。

 

 

 すべては、来るべき時のために。」

 

…俺は、その言葉を聞きつつ魚料理に舌鼓を打つのであった。

 

=====

マックスの場合

=====

 

アブノーマリティへの管理作業も終盤に差し掛かったころ、俺に『T-09-192』の指令命令が飛んできた。

いくら、アブノーマリティが嫌いでも今は管理人『X』の指示に従わなければならない。走る虫唾を無視しながら、『T-09-192』の収容室へと入る。

そこにあるのは、他ツール型アブノーマリティとも似ても似つかぬ普通の長机と椅子。これは本当にアブノーマリティなのかと警戒していると、どこからともなく音楽が流れだし、椅子が俺に座るのを待つかのように引かれた。なるほど、うまく擬態しているがそういうアブノーマリティなのか。

だが、アブノーマリティといえど破壊することはこのクソみたいな会社のルールに反し俺は”退社”させられてしまうため、武器に手をかけずに大人しくひかれた椅子に座る。レポートでは何かしらが出現するみたいだが…俺の場合は何も出現せず、そのまま俺の反対側の椅子に、俺が座り込んだ。

 

「…まさか、このアブノーマリティは名前の通りに自問自答するだけなのか?」

「アンジェリクのレポートを見ただろう。このアブノーマリティはそういうアブノーマリティだ。だが、俺たちのアブノーマリティ嫌いを理解してか話し合いだけらしいがな。」

 

腹立たしいが、クラシックの音楽は心を落ち着けさせるものであり…八つ当たりするにも気分が乗らない。そのため、大人しくこのアブノーマリティを使い続けることにした。

 

「それで、何を話すんだ?俺は今更、アブノーマリティどもを好きになる気はサラサラねぇぞ。」

「それは俺もだ。どうして、人間を簡単に殺すような奴らを好きになる必要がある。」

「さすがは俺自身ってか?考え方まで俺なのかよ。」

「当たり前だろう。このアブノーマリティのレポートを忘れたのか?」

アイツ(ミユキ)が書いたレポートなんざ信じねぇよ、俺が信じるのはアンジェリクだけだ。」

 

対面の俺の言葉にそう吐き捨て、思い浮かんだ顔に腹を立てる。

確かにアイツ(ミユキ)は俺たちの過去を作った。しかし、俺たちはエヴァやクリストファーのように大切にするわけではなく、チェスのポーンのように簡単に捨て駒にされる扱いだ。

そんなアイツ(ミユキ)に敬意だなんだと、俺と同じ感情を持つあの二人を見ると反吐が出る。

 

「どうしてあの二人はアイツ(ミユキ)なんかに惚れてんのやら。」

「さあな、どうせ俺たちにはわからない感情さ。そんなことを考えるだけ無駄だ。」

「そうだな、今俺たちが考えるべきことは…」

アイツ(ミユキ)の排除方法。だろ?」

 

さすがは自分自身、俺の考えていることは手に取るようにわかるみたいだ。

 

「俺たちはアイツ(ミユキ)を排除し、アンジェリクと共に永遠にこの場所で生きる。」

「たとえそれが、クソのようなアブノーマリティどもと関わることになろうともな。」

「だってそうだろう?俺たちが求めているのは、この安定した今だ。」

「過去にとらわれる必要もねぇ、だからと言ってお先真っ暗な未来に歩いていく必要もねぇ。」

「ただここで永遠に生きるだけで万々歳だ。」

 

俺たちは邪悪な笑い声と共に『T-09-192』をバンバンと叩く。

 

「これが俺たちに与えられた設定だもんなぁっ!!」

「あぁ、俺たちは過去や未来ではなく今を求める。そう設定したのはアイツ(ミユキ)だ、その設定に殺されるんだ。本人も願ったりかなったりだろうよ。」

 

ひとしきり笑いこけると、音楽は止まり…俺は透け始める。

 

「じゃあな俺、二度とこねぇよ。」

「ああそうだな。二度と会うことはないな。」

 

それだけ言い、俺は『T-09-192』の収容室から出て行った。

 





多少長くなりましたが…まさか読み飛ばしはしてませんよね?
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