ロボトミとラオルの世界に転生しました!割とマジで勘弁してくれ!!   作:ライドウ

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偲ぶ死者が多いほど、その植木鉢は多くその花を咲かせる。


今回はオールエヴァ君視点。
ティリアがどうしたいかが分かります。
それ以上に、エヴァ君の覚醒回なので長くなります。

エヴァ君だからね、仕方ないね!


24日目(2体目)

 

「ダーリン♡」

 

…ティリアがべたべたと俺にくっついてくる。

だが、割とこいつが俺に対して本気の恋心を抱いていないというのはよくわかっている。

多分だが、こいつはアンジェリクが嫉妬している姿を見たいのだろう。

 

「いい加減に離れろ、そんなことしても意味ないだろうが。」

「えぇ~、何のことぉ~?(黙ってて、私はアンジェリク先輩が嫉妬してるところを見たいんだからさぁ♡)」

「そのアンジェリクなら、どっかの応援に行っちまったぞ。」

「えっ……ちぇっ、無駄にべたべた触っちゃった。うぇ~…」

「はぁ…」

 

まあ、そうだろうとは思っていた。

こいつが、本気で俺を好いているのであれば今日の朝、俺は(性的に)食われていたはずだ。

だがこいつは、(アンジェリク(ミユキ)には嘘をついていたが)何もしていない。わざわざ、アンジェリク(ミユキ)が起きた瞬間を見計らって俺に乱れた姿で乗りかかってきたのだ。

 

「それで?」

「……。」

アンジェリク(ミユキ)はお前を見たのか?」

「…黙ってろ雑魚が。」

 

殺気を俺に向けてくるティリア。事実だからこそ、俺に殺気を向けてきているのだろう。

 

「そんなにアンジェリク(ミユキ)に見てもらいたいのか?後輩じゃなくて仲間として。」

「黙っていろと言った。」

「哀れなことだな。」

「…アタシを怒らせて、本当に死にたいのか?」

 

ティリアが俺の発言に腹を立てて装備している『恋愛』の銃口を俺の額に押し付ける。

だが、突き付けているライフルは細かく震えており…ティリアの表情もどこか悲しさを感じさせる表情である。

 

「…悪いが、アンジェリク(ミユキ)は俺の恋人だ。あきらめろ。」

「そうやって、いい気になっていていいのか?いつか、アタシだけじゃなく、クリストファーやマックスに出し抜かされても知らねぇぞ。」

「それがどうした、アンジェリク(ミユキ)をクリストファーとマックスが出し抜く…はっ、どっちか片方しか見ていないテメェらにやれるもんならやってみろよ。」

「アタシは、アンジェリク先輩もミユキさんもみて―――」

「テメェじゃあ、相手にすらならねぇんだよガキ、」

「っ…」

 

甘えたことを言うティリアに俺の殺気と共に『ジャスティティア』を首元に突き付けてやる。

…それだけで、『恋愛』のライフルを下ろして『ジャスティティア』におびえるティリア。

……やはり、ティリアはダメだ。若すぎる。

 

「…ティリア、お前には経験が足りない。お前自身としての経験がな。」

「……ふざけるな、私が本気を出せばお前なんて」

「そうやって、特別な力に甘えて…アンジェリク(ミユキ)が喜ぶと思ってんのか?」

「………」

 

[職員『エヴァ』は、『O-09-152』を使用する。]

 

ストンと、ティリアの戦意が無くなったところで、俺に管理人から指示が飛んでくる。

見たことのない番号だ…どうやら、あのループに出るような奴でもなく、アンジェリク(ミユキ)ですら知らないアブノーマリティだろう。

 

「あとは自分で考えろ。」

「…そんなの、わかってる。」

 

ティリアにそれだけ言い、とっととアブノーマリティの作業へと…向かおうと思ったのだが。

あの姿、ティリアが頭を抱えて考え事をしている姿が…どうにも俺の知っている後輩の姿にかぶってしまう。

 

「……悩んで、何もわかんなかったら。俺に相談しろ」

「…は?」

「……俺はティリアの先輩だ。相談になら乗ってやる。」

 

…何を言ってるんだろうな、俺は。

エージェント待機室から退出し、メインルームを出る。

 

~~~~~

『O-09-152』収容室

~~~~~

 

何も植わっていない植木鉢が、収容室にぽつんと置いてある。

周りには誰かが手入れした後なのだろうか…土のついたスコップと水の入ったジョウロが投げ捨てられている。その植木鉢に近寄れば、植木鉢から一輪の『彼岸花』が芽吹き、咲いた。

また一歩近づけば、10本の彼岸花が…また一歩近づけば、植木鉢ごと彼岸花がドンドン増えていく。

気が付けば俺は、彼岸花の花畑の中心にいたのだ。

 

「…どういうことだ?」

 

膝をついて、その彼岸花に触れようとしたとき…

 

(先輩、フレンダがまた二日酔いみたいですよ?)

「っ、ヘッケラン!!」

 

とっさに手を伸ばすが…そこにあったのは収容室の壁。

…別の花に触れようとすれば”ミッシェル”が吐きそうになっている光景が…別の花は”ヘンゼル”、また別の花は”グレゴリー”、そのまた別の花は”ジョシュア”。その次の花は”ジョシュア”、その次の花も”ジョシュア”、また次の花も、別の花も…隣の花もすべて”ジョシュア”。

 

「って、ほとんどジョシュアじゃねぇか!またお前かッ!!」

※特別翻訳(出番がないので、無理やりヤリマシタ。後悔はn―――(グレゴリーに殴られて消えるジョシュア))

 

何なんだアイツ!いい加減グレゴリーにボコボコされちまえ!!(※エヴァ君が言っているのはエヴァ君が初期職員時代にいた二人のことであってチャレンジモードのグレゴリーとジョシュアではありません)

息を切らせながらその花から離れると、一輪だけ…やけに気になる彼岸花があった。

…どうせまたジョシュアのやつなんだろ?グレゴリー、頼むからスタンバって―――

 

(エヴァー!何してるのー??)

「ッ…ガブリエラ!!」

 

……いや、そうだったな。

 

「君は、もう居ないんだったよね。」

 

()が弱かったから守れなかった、幼馴染で…大好きだった人。

俺がこの手で初めて犯した殺人、そして…()が死んだあの日。

 

「…今、俺は幸せだ。キミを裏切るかもしれない、それでも…君は許してくれるか?」

 

そっと、その彼岸花に手を触れる。

 

(私が死んでも、いい人を見つけてね?私は、エヴァのことは大好きだけど。いつまでもウジウジしてるエヴァは嫌いだから!)

「……あぁ。」

 

…彼岸花を通して思い出す。

ガブリエラは、現実的な女性だった。サッパリとした性格で…強くて、きれいで。

俺に……()に、初恋を教えてくれた。そんな人だった。

 

「…ガブリエラ、俺は行くよ。」

 

俺は、持っていた目標を…『アンジェリク(ミユキ)と共に生きる』という目標を変える。

俺の、俺のやるべきことは『アンジェリク(ミユキ)に普通をプレゼントして、幸せに生きる事』だ。

 

 

「俺は、過去にとらわれない(クリストファーを否定する)今のままでいいとは思わない(マックスを否定する)。俺は、暗くとも恐ろしくても…未来を歩んでいく(愛した人と共に行く)。」

 

 

もう、迷う必要もないだろう。

 

 





【O-09-152】
 『死者を偲ぶ花々』

使用タイプ:回数

1回目
記録:種すら植わっていない土が入った植木鉢。
使い方:使用すると白ダメージ(使用した職員の耐性によって増減)「5~7」が発生し、施設全体のランダムなアブノーマリティのクリフォトカウンターが回復した。

3回目
記憶:使用者によって咲く花が増える。
使い方:1日の使用回数(1日最大5回まで)が増えると、クリフォトカウンターの回復の確率が低下した。

5回使用
記憶:その花に触れると、過去に死別した親しい相手の記憶を思い起こす。
使い方:1日の使用回数を突破するとランダムなアブノーマリティのクリフォトカウンターが減少した。

7回使用
記憶:職員はその記憶に対して涙する。
使い方:―


由来

偲ぶ死者が多いほど、その植木鉢は多くその花を咲かせる。
死者を忘れてしまえば、本当に死んでしまうだろう。
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