こちらもTwitterで掲載したssです。
「リンさま、たまにはリボンば変えてみたらどげんな?」
鬼頭家の女中、おツルはそう言って矢根羽模様が紅白で描かれた矢絣模様のリボンをリンに見せた。
「このリボン私はあまり…」
好きじゃないといいかけて、はっ!とするリン。
あまりと言ったところからみるみるおツルの顔が残念でならないといった風に落胆したものになったからである。
「つ、つけてみようかしら…お願いするわ」
「では」
艶やかな黒髪にそっとおツルがリボンをつける。リンはその最中どきどきしていたが、悟られないよう黙っていた。
「まあ!リンさま!!ばりお似合いばい!!見てください」
いつもより一つ高い声で嬉しげに言うおツルが
姿見までリンを連れて行く。そうして言われるまま手鏡を片手に姿見で自分の後ろ姿を見てみると
「悪くは、ないわね」
(思ったよりいいじゃない。矢絣模様のリボン)
リンは少し顔を赤らめながらそう言って、何度も姿見に写る自分とリボンを見くらべていた。
翌日 学校
「おはよう!花塚さん」
「おはよう野々目さん!」
学校の教室で野々目と姫子がいつものように挨拶をする。そこへさっとリンが割り込んだ。
「おはようございます」
「あ、リンおはよう」
「おはようございます鬼頭さん…あれ?」
「どうしたの?花塚さん」
「鬼頭さんもしかして、リボン新しいのに変えましたか?」
「もちろ…えっ!?」
思わず答えかけたリンだが、すぐに気づかれたことに動揺してしまい。
「いえこれは、ちょっと気分を変えてみたくて」
「えっリンいつもと違うリボンしてきたの?見せて見せて!」
「だからこれはっ!」
新しいリボンに興味深々の野々目にますます動揺したリンは耳まで真っ赤にして誤魔化そうとする。
「あ!あそこに千鳥が」
「えっ!千鳥」
野々目が窓の外を指差して大袈裟に言うと、思わずその方向をリンは見てしまう。すると、矢絣模様のリボンがちらりと見えた。
「わあ!素敵なリボンですね鬼頭さん。柄リボン」
「ほんとだ!矢の模様が描いてある。いつもと違うねぇ」
「フン!野々目や花塚さんと違って私は田舎臭くないの、だから当然よ。お洒落には人一倍気を使っているの」
いつもの威勢の良い言い方で開き直ったものの恥ずかしさと照れで一杯になるリン。
「いいなあ私も柄リボンつけてみたいです。お母様がもっていらっしゃるかしら…」
「花塚さんも似合いそうだね柄リボン」
「ちょっと聞いてるの?2人とも」
「聞いてます。でもあまりにもお似合いだったのでふふふっ」
朗らかに姫子が笑うと野々目も釣られて笑い、はじめはツンツンしていたリンも最後には微かに笑っていた。
終わり
羨望と秘密のあと
大正時代は女の子はリボンをつけるのが流行したということで人気ある柄はどれだろうと調べた所矢絣模様だとわかり、リンが矢絣模様のリボンをしてきたらという話にしてみました。
取り巻きの姿と会話は割愛していますご了承ください。