幼馴染が怖いですが、どうしたらいいですか?   作:始まりの0

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主人公、入院します

 前回のあらすじ

 

 綺羅莉もリリカも居らず、1人で家でゆっくりとしようとしていた翔。だが突如、夢子がやって来て食事を作って貰う事に(拒否権? あると思いますか?)。

 

 色々あって夢子に押し倒され、性的に襲われそうになった翔であったが、体調が悪くなり気を失ってしまう! 

 

 翌日、目を覚ました翔だったが現実は非情なもので、目覚めた彼の目に映ったのは明らかに怒っている綺羅莉、リリカ、それに対し優越感に満ちた顔で自分を抱き抱えている夢子だった。

 

 

 

 

 

 〜翔の部屋〜

 

(えっ、何この状況?)

 

 

「「「…………」」」

 

 沈黙が続く中、翔が少し動こうとするが夢子に引き戻され、彼女の胸に埋まる形となった。

 

「あんっ……翔さん駄目ですよ」

 

 

「えっ、ちょ……(駄目だ、まだ体に力が入らない)」

 

 

 ーバギッ ピシッー

 

 翔が音のした方向を見てみる、リリカは握っていたドアノブは折れ、綺羅莉は持っているスマートフォンにはヒビが入っていた。

 

「きっ……むぐっ!? ん~~~!」

 

 何かを言おうとしたが、口を塞がれてしまう。

 

「翔、早く起きたらどうかしら?」

 

 

「それともその女の胸が居心地がいいのか?」

 

 綺羅莉とリリカは真顔でそう言うと冷たい視線を翔に向けた。

 

「むぐぅ〜〜! ん~~~! (そういう訳ではない! というか見れば起きれない理由分かるだろ!)」

 

 

「貴方なら抜けられるでしょ。それをしないのはしたくないからじゃないかしら? (バギッ)」

 

 綺羅莉がそう言いながらスマホを圧し折った。

 

「むぅ〜〜! (それが出来るならしてる!)」

 

 

「ならっ何故抜けない?」

 

 リリカはドアノブを投げ捨てそう言い投げ捨てた。罪のないドアノブがまた1つ消えてしまったのである。

 

 何故か分からないが、言葉が通じている。多分「愛」だろう。

 

「ん~~~! (ドアノブー!)」

 

 

「ドアノブなんてどうでも……ん?」

 

 リリカはやっと翔の異変に気付いたらしく、彼の顔に触れた。

 

「あつっ……翔、もしかして体調が悪いのか?」

 

 

「そうなの?」

 

 リリカの言葉に驚く綺羅莉。

 

「貴方が体調悪いなんて何年振りかしら……って本当に熱いわね」

 

 

「蛇喰夢子……説明して貰おうか」

 

 綺羅莉とリリカは夢子に説明を求めた。

 

 夢子はそれに答え、昨日の出来事を話す。因みに話し始める前に翔は解放されていた。

 

 そして、熱を測ってみると39.8℃。かなりの高熱である。

 

 それが分かった、3人の行動は早かった。

 

 綺羅莉は直ぐに自分の家の者達にも連絡を取り、病院へ行ける様に手配した。

 

 リリカは万が一の事も考えて、着替え等の用意を済ませる。

 

 夢子は翔に水分補給をさせ、汗を拭き、着替えさせた。着替えの際に一瞬、肉食獣の様な目をさせていたが、病人相手なので直ぐに冷静となった夢子だった。

 

 此処まで5分である。

 

「車の後はヘリ? いや歩いて「「「病人は黙って従いなさい!」」」……はぃ」

 

 体調が悪いのもあり、彼女達に逆らえず大人しく従っている翔。

 

 

 

 

 

 ー病院ー

 

「病院に連れてきてくれたのは感謝するけどさ。お前等、学園は?」

 

 

「「「そんなのより、貴方の方が大切よ」」」

 

 それを聞いて少し顔を赤くする翔、どうやら照れている様だ。

 

「いや……駄目だろ。と言うか何で此処に連れてきた?」

 

 翔が此処と言うのは叔母である希愛晶が経営する病院だった。

 

「あらっ、我が甥は私では不満なのかしら?」

 

 

「不満とかじゃないけど……態々、此処まで来る必要は……」

 

 確かにこの病院は自宅からかなり離れており、近くの病院の方が良かったのではと考える翔。

 

「私が1番信頼できる病院は、希愛晶お姉さんの所だもの」

 

 

「あらっ嬉しい……ほらっ口を開けなさい……喉が腫れてる。色々検査したけど、全て陰性。恐らく風邪だろうけど…………この際、他も検査しておきましょう」

 

 希愛晶が一通りの診察を終えると、そう言った。

 

「薬飲んで寝てれば治るって」

 

 

「風邪は万病の元です。医者である私がそう決めたんですから、従いなさい」

 

 

「おば……希愛晶姉、了解です、従います」

 

 希愛晶に睨まれ、大人しく従う翔。

 

「貴女達は帰りなさい。翔は家で預かるわ……数日で治るでしょうから安心なさい」

 

 綺羅莉達は少し考えると大人しく従い帰って行った。

 

「ふぅ……」

 

 

「それにしても貴方が体調を崩すなんて珍しいわね。健康面だけは愚弟譲りなのに」

 

 

「親父と違ってメンタルは繊細なんだよ。最近は色々とあって疲れたんだよ」

 

 

「美少女に囲まれて疲れるとは何事です」

 

 希愛晶の言葉に「相手がヤバい奴らなんだが?」と思うのだが、自分にも責任があるので何も言えない翔。そしてここである事を思い出す。

 

「そういや、俺の家を夢子に教えたの希愛晶姉だろ! 何を勝手に教えてるんだよ!」

 

 

「私は恋する乙女を応援しただけですよ……っ……くすっ」

 

 真面目な顔をして言う希愛晶、しかし彼女達に囲まれ慌てる翔を想像し吹き出しそうになっている。絶対確信犯である。

 

「全く…………まぁ、いずれ知られてただろうけど……はぁ」

 

 ため息を吐きながらベッドに横たわる翔。

 

「取りあえず、今はゆっくり休みなさい。愚弟達には」

 

 

「バカ親父は今頃エジプトで探検中で、連絡しても無駄だよ。母さんはその付き添い」

 

 それを聞いて頭を押さえる希愛晶。

 

「全くあの愚弟は……また椿ちゃんを振り回して、子を置いていくなんて」

 

 翔の父・辰彦は幼い頃から自由奔放で周りを巻き込む事が多く、大人になってもそれは直らず、翔の母・椿がその尻拭いをすることが多かった。

 

 それ故に翔が小さい頃から椿も辰彦に着いていく事が多くなった。椿自身はそれを嫌だとは思っていないが、姉である希愛晶は子供を置いて行かなければならない状況にする弟が許せなかった。

 

「昔からだから今更気にしないよ」

 

 

「貴方はもっと親に甘えるべきよ、もっと我が儘を言ってもいいの」

 

 

「あの親父に甘えろと? 息子を売るような奴に」

 

 

「売る?」

 

 希愛晶は首を傾げた。どうやら希愛晶は綺羅莉達に借金の代わりに婚姻する事を知らされてなかったらしい。

 

 なので翔は1から丁寧に説明した。

 

「そう……分かったわ、貴方はゆっくり休んでなさい」

 

 希愛晶はそう言うと出ていった。

 

「ふぅ……寝よ」

 

 翔は、まだ熱が出ている為、布団を被り眠りについた。

 

「あっそうだ……これと、あれと、送信っと」

 

 スマホで何かを操作すると、今度こそ眠りについた。

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