幼馴染が怖いですが、どうしたらいいですか?   作:始まりの0

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幼馴染との出会い リリカ編

 百喰一族の中核とも言える桃喰の家に産まれた双子の女の子達。

 

 そして、先にこの世に産まれたのはリリカであったが賽の目が選んだのは妹だった。故に綺羅莉の名は妹へと与えられた。

 

 その日からリリカは、妹として生きる事を強いられ、与えられたのは己を消す為の仮面(ペルソナ)だった。

 

 リリカは、見るもの、聞くもの、触れるもの、感じるもの、経験するもの全てを綺羅莉を通して行わなければならなかった。そうする事で()()()と成ることを強いられた。

 

 幼かった彼女はそれに従い、綺羅莉の半身として生きていた。だがある出会いがその生活を変えた。

 

 7歳の頃、父の客人をもてなす為に姉妹揃って呼ばれ、そこで出会ったのは同い年の男の子だった。

 

 その男の子と遊ぶ様に言われ相手をしていた。何故仮面を着けてるかなど、聞かれてたのである程度答えていた。

 

 年相応の言動しかしない男の子に退屈を感じていた、どうやら綺羅莉の方もそう感じている様だ。何故なら自分がそう感じているからだ。

 

 そして綺羅莉がある事を提案した。綺羅莉とリリカを見分けろと言うものだ。

 

 一族の誰も、両親でさえも見分けがつかないのに、目の前の少年に出来る訳がないと考えていた。しかしその考えは一蹴された。

 

「こっちが綺羅莉ちゃんで、こっちがリリカちゃんだよね」

 

 その男の子は確信を持ってそう答えた。始めは偶々かと思い、何度か繰り返したものの、男の子は外す事はなかった。

 

 リリカと綺羅莉は不思議に思い、男の子に理由を聞くが、男の子は分かるから分かると言う曖昧な答えだったものの、男の子に興味を持った。その男の子こそ、翔である。

 

 それから月に数回、翔と会い、遊んでいた。そんな時、折角遊ぶなら仮面を外し、遊ぶ事になった。

 

 それはリリカをリリカとして扱うと言う事だ。それは一族の決まりに反するものの、両親はそれを望んでいた故に、限定された場所でのみリリカは仮面を外し、綺羅莉と翔と過ごしていた。

 

 時が経ち、姉妹は少女へと成長していた。その頃から翔と会う回数も減っていた。理由は簡単だ、翔は翔で友達と遊んだり、習い事等で時間が取れなくなったからだ。

 

 そんな頃だ、時折感じる胸の痛みと不安が生じ始めた。

 

 どうやらその痛みは綺羅莉も感じている様だ、今までになかった事で母に相談してみた所、母は喜んだ。

 

『いい、良く聞きなさい? それは恋よ!』

 

 恋と言う物は本などで聞いた事はあった、しかし自分達が恋をするなど思っていなかった。

 

『翔君の事を考えると顔が熱くなったり、他の子と仲良くしてるの想像すると良い思いしないでしょう?』

 

 母の言う事は全て当て嵌まっていた。だがこれは自分の感情なのか、綺羅莉の感情なのか分からなくて混乱していた。そんなリリカを見て母は言った。

 

『リリカ……貴女には辛い思いをさせてごめんなさい。でも翔君ならきっと……貴女を貴女として幸せにしてくれる。親である私にその力はなかった……本当にごめんなさい』

 

 その時の母の悲しそう顔は今でも彼女の頭から離れないでいた。

 

 中学に上がる前に、綺羅莉は百喰の当主となれるだけの力を得た。しかし両親はそれを反対し、せめて中学くらいは普通の学生として過ごして欲しいと願った。綺羅莉はそれを了承し、代わりに翔と同じ学校へ通うことを願った。その願いは受け入れられ、翔と同じ学校に通う事になった。

 

 

 ーこれでやっと翔と同じ学校に通えるのは夢の様だ。

 

 なんだ、綺羅莉、顔がにやけてる? しっ仕方ないだろう、毎日、翔と会えるんだ。お前だって嬉しい筈だ。

 

 それはそうと、綺羅莉、この間の女子生徒についてだが流石にやり過ぎではないか? たっ確かに翔は取られたくないが……まぁ、引っ越しだけなら穏便に済ました方か。

 

 しかし、例のアレは本当にやるつもりか? 学園丸々を自分の物にすると……いや、愚問だったな。やると言えば必ずやるものな。それまでに色々と用意しないと……私もやる気だと? 

 

 だって……翔と一緒にいる為だし……きっ綺羅莉だってその為だろう? 

 

 分かってる……だがあまりやり過ぎはなしだ、翔に嫌われたくない。

 

 翔は……私に光を与えてくれた。綺羅莉の分身()で終わる筈だったリリカ()を、救い上げてくれた。私はリリカ()でいいと認めてくれた。

 

 私にとって彼は光、ユイイツノ光……ダレニモワタスツモリハナイ、カレハワタシタチノモノダ。カレヲウバウモノガイルナラゼッタイニユルサナイー

 

 少女の瞳は妹と同じ様に青く輝き続ける。その光には見た者を恐怖させる狂気が宿っていた。

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