「戸籍だの学校だのどうすんべ…って」
我が賢弟、豊の鶴の一声で今日やることの指針を大雑把に決めることになった。
まず医者に行く。行ってDNAとか鑑定してもらって俺が俺であることを証明してもらうのだ。
俺は俺であり続けることは出来るのだろうか。
次に戸籍関係のあれこれ。肉体的には女なのでこればかりはどうしようもない。おtimtimないし胸に大質量付いてるしどう見ても男には見えないからね…嗚呼さようならマイサン…。
そして学校関係。制服とかだ。ぶっちゃけ今使ってる男性用でいいんじゃないかと母ちゃんに具申したが、
「あんたのその大質量は学ランごときで防護できる代物じゃあないのよ…ないのよ…」
と、なんかものすごく悔しそうな顔で言われた。
「…じゃ、大雑把ではあるけど方針は決まったな?親父、お袋…」
「おう、そうだな豊…。じゃあ薫、病院…行こうか…」
「そうね。どうしてこうなったかとかも現代医学なら解明できるでしょ」
「もうなんでもいいから元の体に戻れるかどうか知りたいよ。戻れるならさっさと戻りたいというか身体中違和感まみれで…胸とか股座とか…」
「そんな凄いのか?違和感…」
「豊おめえ今までそこにあったものとなかったものが突然できてるんだぞ。今まで重量を感じることのなかったところが重いんだぞ?あと何よりどれよりこの股間の喪失感よ…想像してみろ。朝起きてなんか上半身重いしなんか大事なものが無くなったみたいな不愉快な気分をよう」
…。
準備を整え、病院へ向かう間、こんな感じの会話を続けていた。
普段ならこんなに親と会話しなかった。会話が続かなかった。
普段は親と会話とかちょっと恥ずかしいしぃとか考えていた。
思春期男子なら分かるだろうアレだ。
でも今日は会話が続いた。
続けないと頭がどうにかなりそうだった。
両親と弟を心配させまいと平然を保っていたが内心気が触れそうだった。
考えても見ろ。
つい昨日の眠る直前まで男だったのだ。
身長は2m、体重は130kgもあった。
それなのに、目が覚めたら…これだ。
肉体から鋼は失われ、持ち合わせなかった繊細さを得た。
気が動転したのだろう。語彙が加速した代わりに思考が若干幼稚になった気がする。
力を失ったであろう肉体に精神性が引っ張られるのも時間の問題かもしれない。そうなれば男としての竹中島 薫はある意味では“死”を迎えるだろう。
言わば知恵、言わば勇気、言わば力。
例えるならばこの3つ…言わばトライ○ォースのようなものをうしなったのだ。
鍛えた肉体に宿った力を。
その力があってこそ使えた格闘技術の知識を。
そして、いかなる事態にも動じぬと思っていた勇気を。
たった一つの、人類史上稀に見るであろう事態に奪われた。
こんなのいやや。
もうこの際オッペェ着いたままでいいからቻンቻン返して。ポジションないから落ち着かないの。
いやオッペェいらんわ重すぎるし下着代わりのタオル結んだやつ(母ちゃん作)キツいし何より先端がタオルに擦れて変な感じが凄まじいし…ひゃんっ…。
神様許して女の子になっちゃう…もう体はなっとるわ。
そうして車に揺られることおよそ1時間程だろうか。
病院に着いた。
そこからは早かった。
DNAの採取を行い、全身の検査、臓器の増減の有無などを調べたのだ。当然だがDNAの検査結果は後日知らされることに。
というかなんでこんなにあっさりスマートにやってくれるのか甚だ疑問だ。
そのことを父ちゃんに聞くと、親父はこう返してきた。
「ここはな、父ちゃんの友達の弟が経営してんだ。事情を話したら興味を持ったらしくてな、ここで色々とやってくれることになった」
「なんだその謎人脈」
「この人アホでバカなのに妙にいろんな人が寄ってくるのよ」
「いやしかしなんだな…兄貴のやつ…」
「うん…」
「ええ」
「やっぱりどう見ても女になってんだなぁ…」
「自分でも姿見のでかい鏡で改めて見たらなんかエロゲにでも出てきそうって感じしたわ…自分だけど…」
病院着のその上からでも分かるそこらのセクシー女優くらいなら裸足で逃げ出すスタイル。
ドーン、シュッ、ボンッである。そのバストはとても豊満である。
しかも背がでかい。改めて見ても180cmはある。巨女か?
心音を聞くアレの時に自分で腹を見たが、腹筋少し割れてた。
これあれか?さては男子共が鼻の下ビローンするやつか?
つーか入院してるであろうおっさん達の視線が胸に集中しているのがよく分かる。視線に敏感になるというのはこの事か。(悟り)
なんなのマイNewボディ?俺に魔性の女にでもなれと?クラスの小僧共を狂わせるムーブでもすればいいの?
…
「では竹中島さん、結果は来週までに分かりますので」
「分かりました。よろしくお願いします」
「いやしかし…本当に男性だったんですか?医者を頼って来た患者を疑うこと等本当はしたくないのですが…とても信じ難い」
「いや本当に自分でもなんでこんなんなっちゃったやら今後どうすればいいやらでして…」
「まあ、貴女の言っていることが確かなら貴女は間違いなく私の友人たる竹中島 主水の息子…だったんでしょう。そこは貴女が主張する限りそれを自分で疑うことはいけませんよ」
「有難うございます。あ、あと今回の診断書を後で頂くことは出来ますか?学校に事情を説明する時に診断書とかあった方がいいかもしれないので」
「分かりました。用意しておきますね」
「助かります」
実際証明書の類は重要。古事記にもそう書かれている。
というか馬鹿正直に『朝起きたら女になってましたのでちょっと状況整理のため休みます』とか言った所で『お前小学生でももっとまともな嘘つくぞ。…それかなんか悩みあったら先生でも親御さんでもいいから話しなさい』と心配されるのが関の山だろう。
しかしDNA型などの一致、つまり本人確認できるものが用意出来ればきっと話を聞いてくれる…!
いつ戻るか、或いはもう戻れないのかは分からないがどちらにしても学生である以上学校には行かねばならない。
そのための準備を、覚悟の準備をしておかなければいけない。
第2話…投稿完了です…。
対戦ありがとうございました。
長さについては短く読めるおつまみ作品という方向性で作成致します。
Tips〜竹中島家一同〜
父 竹中島
大手商社で役職持ちのサラリーマン。老け顔。
竹中島家の大黒柱である。
背が高いが長男よりは若干低い。
名前の由来は必殺シリーズより中村 主水から。
母 竹中島 幸江 age 48(旧姓名 江田島 幸江)
元自衛隊員。背は普通。
たまに20代半ばに見られる。
父より遥かに強い。胸無族。
名前の由来はSILEN:NTより河辺 幸江から。
旧姓の由来は魁!男塾より男塾塾長江田島平八から。
長男 竹中島
主人公。朝起きたら女になってた。
2mの身長と130kgの体重を誇る正しく巨漢だった。
名前の由来はグラップラー刃牙より花山 薫。
次男 竹中島
主人公の弟。186cmの身長を誇る。
実は家族の中で1番冷静…な振りをしている。
名前の由来は魁!クロマティ高校より竹野内 豊。