シンボリルドルフに逆らえないトレーナー君の話   作:くまも

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生徒会最後の日【1】

トレセン学園におけるタイムスケジュールというものはおおよそ決まっている。

起床、朝練、朝食、午前授業、昼食、午後授業、トレーニング、夕食、夜練、就寝のルーチンだ。

 

もっとも、たとえば私は午前授業か午後授業あるいはその両方を生徒会の業務にあてたりもしているし、トレーニング内容についても個々の生徒ごとにメニューが異なるため多少時間にバラつきは出るのだが。とはいっても、ほぼ全ての生徒がこの流れに沿って学園生活を送っていることは事実である。

 

ホールの壁に嵌められた時計の針をさりげなく確認する。現在時刻は夜の8時。だいたいの生徒が夕食を済ませており、あとは夜練をするか寮に戻るかといった時間帯。

そのためこのカフェテリア前の廊下にも、今や人の通りは殆ど無かった。もっとも、あえてそういうタイミングを狙ったのだから当然といえば当然ではあるが。

 

「なぁ、君…………ちょっといいかな?」

 

食堂から抜け、廊下を向かってくる一人の生徒に声をかける。なるべく距離がある状態から声をかけ、まるでお互い夕食後に偶然ここで出会ったように装ってみたつもりだった。

 

 

 

 

「え………えっ!?はい、え、えと……シンボリルドルフ会長さん……ど、どんなご用でしょうか……?」

 

「………そう畏まらなくていい。君に頼みたいことがあってね。たまたまその顔を見つけたので声をかけさせてもらったんだ。少し時間をもらってもいいかな?」

 

「そ、そうですか………はい、私はその、大丈夫です」

 

「そうか、ありがとう。なるべく手短に終わらせるようにしよう」

 

「え、お、終わらせるって………!!?あの、もしかして私なにかやってしまいましたか!?それで、中央除籍からの地方差し戻しとか………」

 

「いや、そういうわけではないんだ。むしろ君はよくやっているよ。最近はトレーナーや学園の教職員の中でも、君の名前がたびたび上がるようになったと聞いている。是非ともこの調子で励んで欲しい」

 

「あ、ありがとうございます………」

 

 

…………駄目か。

 

全く緊張が解けていないどころか、あたかも口に銃でも咥えさせられたかのような窮途末路とした表情で私を見上げている。

誰がどう見ても、和やかに話し合いのできる雰囲気ではないだろう。むしろ大人が幼い子供を叱りつけている絵面に近い。

 

「ふむ…………」

 

思えば昼間に別の娘に声をかけた時もそうだった。

ただ、その時は相手の周りに友人とみられる生徒も多く、他にも周囲には多数のウマ娘がいたので無駄にざわめいた空気になってしまったという事情もあった。

なので今回はその反対で、周りに誰も人がいない状況で声をかけてみたのだが、ものの見事に全く同じ反応である。

 

誰一人いないというのがかえって不味かったのだろうか?よくよく考えてみれば、自分一人しかいない場所で、あまり関わりの無い人物から声をかけられたら誰だって警戒してしまうはずだ。人が多すぎるのは問題だが、逆に全くいないのもよろしくないのではないか。

焦るあまり、少々思考が極端になってしまっていたか………反省せねば。

 

 

 

「あ、あの………会長さん?それで、ご用件とは一体……?」

 

「ん?ああ、すまない。最近少し疲れ気味でね………ぼうっとしていたよ」

 

「そうですか………その、私なんかがこんなこと言うのは生意気かもしれませんけれど………無理はなさらないで下さいね?最近の会長さん、なんだか凄く大変そうですから」

 

「ああ、ありがとう。生意気だなんてとんでもない。こうして労ってもらえるだけでも、日々の疲れが洗い流される気分だからね」

 

話しかけておきながら呆けている私の姿を見かねたのか、おずおずといった様子で目の前の少女に気遣われてしまう。

 

バ鹿が、なにをやっているんだ私は!!

 

彼女が怯えているというのは分かりきっていたことだろう。ならば今やるべきことはその緊張を解してやるか、それが無理ならさっさと要件だけ伝えて話を切り上げてやるのが筋であり、ましてやこちらから呼び止めておきながら喋らず突っ立っているなんて言語道断だ。

 

仮にも頭を下げる立場でありながら、相手を困惑させるどころかいらぬ気遣いまでさせてしまうとは、およそ生徒会長としてあるまじき失態ではないか。

 

「さて、単刀直入に言わせてもらうが………ベルノライト。君に、我が生徒会の副会長を任せたい。多忙な身であるのは重々承知しているが、どうか受けてもらえないだろうか」

 

「…………え、私が……ですか?でも私はトレーナーでして、この学園で直接レースを走っているわけでは」

 

「競技ウマ娘であるか否かは生徒会役員としての要件ではない。ここ中央トレセン学園所属の生徒であればそれでいいんだ。君は養成課程こそ修了しているが未だに生徒としての籍は残っているから、入会する資格は十分にある」

 

「でも私、あまりそういう運営側のお仕事はやったことがなくて………会長さんの足を引っ張ってしまうような……」

 

「いや………新人とはいえトレーナーとして活動を許されている時点で、君の処理能力については確実に保障されているだろう。それに実家はスポーツ用品店で、君もまたその分野に精通しているそうじゃないか。加えてトニビアンカやオベイユアマスターからも、外国語が非常に堪能だったと聞いているよ」

 

「え、えぇ……はい。それはそうですけど……」

 

「私自身、君のそういった能力については高く評価しているつもりだ。なに、いきなり重い仕事を押し付けるようなことはしない。あくまで渉外の部分で私の補佐をしてもらいたいだけさ。どうだろうベルノライト、引き受けてもらえないかな」

 

「会長さん直々に声をかけて頂けたのは嬉しいですけど、やっぱり無名の私には少し荷が重いといいますか………」

 

「最終的な責任は私が持つし、いざとなれば手助けだって出来るだろう。もともと私一人で回しているわけだからね。その程度は雑作もない」

 

「そ、そうでしたね。会長さん一人だけで生徒会の全てを……それは忙しいはずですよね……」

 

「勿論無理強いをするつもりはない。気が進まないなら断ってもらっても構わないし、それによって君が今後なんらかの不利益を被ることもないと約束する。………ただ、私とて誰にでも誘いをかけているわけじゃない。他ならぬ君だからこそ声をかけたんだ。君にその気があるなら、どうか私を助けてはくれないだろうか。この通りだ」

 

腰を折り、深く頭を下げる。

その瞬間、ベルノライトが息を呑んだのが分かった。慌てふためいた様子で私の肩を揺さぶり、無理やり頭を上げさせてくる。

 

「こ、こんなところで私に頭なんて下げるのは止めて下さい!!誰が見てるかも分からないんですよ!!ただでさえ、会長さんは有名人なんですから」

 

「それでベルノライト………私の用件は以上なわけだが。返事を聞かせてもらってもよろしいかな?」

 

「そうですね……会長さんの言うことを否定するわけではありませんが、やっぱり学園の代表である以上、実績と人望を兼ね備えた生徒の方が相応しいように思います。それこそ――――」

 

 

「――――トレーナー、まだこんな所にいたのか。探したぞ」

 

ベルノライトがなにか言いかけた瞬間、廊下を挟んで向かいにある玄関から一人の芦毛のウマ娘が顔を覗かせる。

脇にある階段が壁になるせいで、誰かと話していることに気付かなかったのだろう。声をかけてきた直後、私の姿を認めた瞬間ぎょっとしたように目を見開いた。

 

「マーチさん」

 

「済まない、フジマサマーチ………君のトレーナーと少しばかりお話をしていてね。ちょうど終わった所だ」

 

「えっ………」

 

振り返ったベルノライトの背中をそっと押してやる。

フジマサマーチの顔を見て少し冷静になった。こちらが言うだけ言ったままその場で返事を求めるのは酷だろう。いくら補佐とはいえ、これまでのタイムスケジュールが変わる以上は担当とも直接話し合う機会を設けるべきだった。

 

本当に、つくづく自分から余裕が無くなってきていることを自覚する。以前の私なら、こうして事を焦って強引に物事を進めるようなことはしなかった。やはり疲労が蓄積しているのかもしれないが、所詮それはただの言い訳だ。

 

「………いいのですか、会長?見たところまだ話の途中かと思いますが。私に聞かれると都合が悪いものなら、とりあえず外で待機していても……」

 

「いや、本当にもう終わったところだよ。感恩戴徳、私が伝えたかったことは全て言わせてもらえたからね。もうじき夜も更けるだろう……君たちも夜の練習に励むなり、寮に戻って身を休めるなりするといい」

 

「………はい、分かりました。ごめんねマーチさん、待たせちゃって。じゃあ、行こうか………それではお先に失礼します。おやすみなさい、会長」

 

「ああ、おやすみ。色よい返事を期待しているよ」

 

二人は深々と私に一礼したあと、肩を並べて足早に玄関から立ち去っていった。

すっかり垂れ込んだ夜の帷の中へ、彼女達の姿が溶けて無くなっていく。その背中の様子からして、きっと私はまた振られてしまったのだろう。

 

とはいえ、くよくよしている暇はない。

勧誘だけが私の仕事ではないのだ。今日一日スカウトに時間を使ったぶん、デスクに積まれた仕事が残ったままなのだから。

 

肩が重い………心なしか、腹の中に張るような違和感もある。

 

ここ最近、ずっと目頭にこびりついている鈍い痛みを指で押さえながら、私は生徒会室へと踵を返した。

 

 

 

 

 

 

 

「なるほどね。そうやって片っ端から声をかけ続けた挙げ句に、皆して断られちゃったわけか」

 

「………片っ端からというわけではないさ。私とて、しっかり一人一人の能力を見定めた上で声をかけている」

 

「ふーん」

 

どうでもいいような生返事を投げつけながら、アタシは応接間のテーブルに積み上げられた書類にさらさらと筆を走らせる。

 

一人一人の能力を見定めて、という彼女の言葉が嘘でないことはよく知っている。嘘ではないというか、文字通りそのままの意味だ。

全校生徒2000人に加えて、トレーナー養成課程や研究課程、警備課程等々を含めた全ての生徒を対象にルドルフは調べをつけていた………らしい。単純なレースでの成果や知名度だけでなく、学業における成績や得意分野について、学園に保管されたデータから周辺人物までもあたって分析を行ったそうだ。

その中でめぼしいと思った生徒のうち、何十人かにあたってきたようだが………見事に玉砕したんだと。

 

「なぁ、シービー。いったい私のなにがいけなかったんだろうな」

 

「顔と普段の振る舞いでしょ。だって愛嬌がないもん」

 

愛嬌がないというより、怖い。

 

自分がどういったウマ娘なのかをちゃんと理解出来ているのだろうか。恐らく、これまで圧倒的な格上という存在に出会った経験がないから分からないのだろう。

立場を越えて仲良くしよう、打ち解けようなんていうのは普段からの交流あってこその言葉だ。

これまで遥か遠い雲の上にいた筈の存在に、いきなり懐に潜り込んでこられたら誰だって怖じ気づくだろう。

 

ナチュラルに傲慢というか、強者視点というか……。

間違いなく人望はあるのだが、それは親愛ではなく畏敬や崇拝といった類いのものであることを分かって欲しい。

対等だと思っているのはキミだけだよ、ルドルフ。

 

「そもそもベルノライトってたしか、中央にきたばかりの頃にルドルフに脅しをかけられた子なんだよね?オグリからそう聞いてるよ」

 

「脅したつもりはなかったのだが……本人が言っているのならそうだったのかもしれない……」

 

「かもじゃなくてそうだったんだよ。なのにそんな相手にさ、いきなり腹心やれって言われて頭を下げられたら誰だって竦むでしょ」

 

「むぅ………ちゃんと理由も添えたのだが。しっかり学園の生徒全員を調べた上で選んだことを伝えた方がよかったのだろうか」

 

「絶対にやめときなよ、それ。ドン引きされるだけだから」

 

そんな超人にいきなり右腕になってくれと誘われたところで、はい喜んでと尻尾を振ってついてくる者がいるのだろうか。

いるならいるで面白そうだから是非見てみたいとは思うけども。

 

なんにしても、今日の成果は0なわけで。

このままではラチがあかない。

 

「はぁ………」

 

こうなるならルドルフについていった方が良かったかな。いっそのこと、アタシ一人で勧誘をかけた方がまだマシだったかもしれない。

これで明日もまた、彼女が書類仕事に手をつけられなくなることが確定してしまったわけだ。それをこちらが肩代わりすることも。

いや………やっぱり、明日こそアタシが足を運ぶことにしよう。

 

細々とした数値に目を通し、あらかた間違いがないと認めたところで判子を押す。

昔さんざんやらされた仕事とはいえ、やはり一向に好きになれない。半ば騙すような形で会長職を押し付けてきた先代への怒りが再びムラムラと湧き出してくる。

もっとも、アタシが今やらされているのは次代の尻拭いなわけだけど。

 

「それにしても、君が事務処理を手伝ってくれるとは思わなかったな。感謝するよシービー」

 

「本当は遊びにきただけのつもりだったんだけどね。だけど放っておいたらルドルフはともかく、トレーナーが死んじゃうでしょ?今ですらあの調子だし………お気に入りの二人がバテちゃうとアタシも悲しいからね」

 

机越しに対面のヒトガタに目を向ける。

 

アタシよりもさらに盛りだくさんと積み上げられた書類の束を掻き分けながら、生気を失った目でパソコンのキーボードを叩くトレーナー。つい先程まで「うん」と「いいや」は言えていたのだが、とうとうなにも喋らなくなってしまった。

アタシがここに来たのはだいたい5時間ほど前のこと。それまでの間はずっと、トレーナーが一人で生徒会の業務を回していたのだ。

いや、今日だけではない。少なくともここ数週間はずっと、彼が副会長のよう立ち回りをこなしている。それもトレーナーとしての業務と平行しながら。

はっきり言って、もういつ倒れてもおかしくはない。

 

これがルドルフのサボりの結果ならまだ現状改善の余地はあったが、基本的にルドルフとトレーナーの二人三脚でコレなのだ。

それを見かねたルドルフが今日丸1日スカウトに部屋を空けたことで、かえってトレーナーの負担が倍増したわけだけど。それでなんの成果も上げられなかったのだから救いようがない。

 

そもそもルドルフ一人で回しているのが異常だし、それを一応は籍が抜けたアタシとそもそも生徒ですらないトレーナーが補佐しているのもやっぱり異常だ。

組織として大変よろしくない。

 

 

「……これは思っていたより遥かに危機的状況なんじゃないのかな。ルドルフ」

 

「…………分かっているよシービー。最低でも3人は欲しかったのだが、私の不手際の結果だな………ふぁ……」

 

とうとう堪えきれず欠伸を漏らしてしまうルドルフ。ここ数日で、明確に彼女にも疲れが見え出している。

今はまだ大丈夫だが、そのうちレースにも影響がでるかもしれない。止めるべきトレーナーはご覧の有り様だ。

 

そもそも、どうストップをかけるというのか………無理やり止めてしまえば、その瞬間生徒会の全機能も停止するわけで。そうなればいずれにしてもレースどころの話じゃなくなる。

実際それが分かっていたからこそ、ルドルフはトレーナーからの休息要請にも頑として従わなかったのだ。トレーナーとしても自身に権限のない生徒会の存亡に関わる事案であり、尚且つルドルフ自身がしっかりトレーニングもこなしているともなれば打てる手はない。

結果として、こうして自主的にその仕事の一部を肩代わりするやり方に落ち着いた。

 

しかし………かといって、このまま放っておけば二人が倒れてしまうのも時間の問題だろう。そうしたらやはり生徒会は機能しなくなり、レースを含めた学園の運営そのものに甚大な被害が生じることになる。

 

以上のことを総合的に考えるなら、やはり無理やりにでも二人を止めた方が良いのではないだろうか。

生徒会の機能不全が避けられないのなら、せめて学園の顔である皇帝まで潰れるという最悪の事態だけは回避するべきだ。

 

 

 

「不味いね………」

 

 

 

 

既に生徒会の崩壊を前提として事態が動いてしまっている。

恐らくトレセン学園生徒会の発足以来、最大の窮地に立たされているのだと今更ながらに気がついた。

 

ルドルフには自分一人で物事を抱え込んでしまう悪癖がある……が、それを看過してきたのはアタシ達だ。

 

彼女とはそれなりに親しい関係を築いてきたつもりだが、結局はアタシも大多数の生徒たちと同様『皇帝シンボリルドルフ』への神聖視が抜けきっていなかったらしい。

学園の生徒の代表として強力な権限と膨大な職務を抱える生徒会………それを一人で回すなんて本来不可能なこと。それでも心のどこかで彼女ならそれが出来ると思ってしまった。そして事実、一時的にとはいえルドルフはそれを成し遂げた………成し遂げてしまった。

そうして現実から目を逸らし続けてきた結果、溜まりに溜まったツケがいよいよ牙を向こうとしている。

 

いくらシンボリルドルフといえど、不可能なことは本当に出来やしないのだ。

たとえどれだけ超人的で、皆から神のように崇め奉られていようと………彼女は超人でもなければ神でもない。

 

そんな当たり前なことぐらい、もっと早くに弁えておくべきだったのに。

 

 

 

「ルドルフ!!!!!」

 

 

トレーナーの怒声が生徒会室に響き渡る。

あまりにも久し振りに聞いたようなその声に、反射的に顔を振り上げた。

 

見上げた先にトレーナーの姿はない。

慌ててて周囲を見渡すと、彼はスマホを片手に生徒会長のデスクに突っ伏したまま動かないルドルフの顔を覗き込んでいた。

 

隙間から見える彼女の顔は、まるで眠っているように穏やかで。

しかしまるで死人のようなその顔色と、いくら揺らしても近くで大声をたてても一向に目を覚まさない様子から、たんに寝落ちしたわけではないのだと分かる。

 

「ルドルフ………」

 

救急車を呼ぶトレーナーを押し退けて彼女の元へと駆け寄り、その脈を測る。

………とりあえず異常はない。止まっているわけでも、極端に不規則な動きを示しているわけでもなかった。

その事実に一先ず胸を撫で下ろし、アタシはウマホを取り出して電話帳を立ち上げる。

 

「シービー、救急車なら呼んだぞ!!」

 

「分かってる!!その後の話だよトレーナー………それでも生徒会を守りたいなら、もうなりふり構っていられないでしょ」

 

生徒会経験者の最古参はアタシだ。

 

しかしそれはあくまで生徒の中ではの話。トレセン学園生徒会そのものは、アタシがここに入学するずっと昔からある。いくら過去の人物とはいえ、仮にも会長を勤めた者なら事務仕事ぐらいはこなせるだろう。

 

気紛れな彼女達がこの事態の打開に手を貸してくれることを祈りながら、震える指で呼び出しをかけた。

 

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