ここまでが0章で1章からは士道くん登場の原作に入る予定です!!
……書きたかったのは1章からの内容なので多分投稿ペース早めに行きます。(バイトやお絵描きから目を逸らしつつ)
ではぜひ本編をどうぞ!!!!
「ウェストコットォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!」
俺がウェストコットに向けて雄叫びの様な声を上げる。
だが奴は平然とした顔でこちらを見ていた。
いやその口は笑っていたというのが正しい。
何がおかしい。俺の仲間を散々殺したお前が、七罪を傷つけたお前が、俺を呪縛で縛り続けてたお前が、何故笑ってられる。
そして笑みを保ちながら俺に向け告げた
「いやなに、本当は君を狙って<ウィッチ>を反転させようと目論んだのだがね、君が"二人"いたためにどっちがどっちだかわらからずに2分の1にかける事にしたのだよ」
「七罪を反転……?俺を狙って……?」
何を言っているのかさっぱりだった。
俺は一人だけだし、七罪はそこで倒れてるじゃないか、どう見ても七罪を狙って殺しにかかってきただろう。
確か反転は精霊が絶望した時に起こる現象の事のはずだ。しかし何故今この瞬間七罪を反転させようとするのか分からなかった。
俺はウェストコットとの噛み合わない会話に戸惑いと怒りを覚えた。
「七罪を反転させるなんて聞いてないぞウェストコット!!!反転させてなんになるんだよ!!!後俺は一人だろ!!!狙うなら俺を狙え!!七罪は関係ないだろ!!」
感情の行き先をウェストコットとエレンに集中させた。もう感情のままに言葉を向けてた。
「_______________バカですねトノマチは<ウィッチ>は私たちが貴方を狙ってる事を誰よりも早く理解して自分の変身能力で貴方に姿を変えた……そんな事もわからないんですか??」
「____________っ!?!?!?」
七罪が守った??俺を??
「あんなに俺に自己犠牲をするなって言ったのにっ………!!!」
七罪は俺に罪から逃げるな。自己犠牲をするな。自分をたいせつにしろと。俺に説教をしたが七罪が自ら俺の為に自己犠牲をするなんて思いたくなかった。
理解ができなかった。いや理解したく無かった。俺が七罪を守ると意気込んだのに逆に守られていた事に対する自分への怒り
それで頭が回らなくなりそうだった。
口では七罪に文句を言っているが俺は七罪に対する不甲斐なさと自己嫌悪で頭がいっぱいだった。
「元の姿に戻ったのは最後の霊力を振り絞ったからだろう。変身能力のせいで作戦は失敗してしまった……反転させる事により霊結晶を抜き取りやすくなるからね……ようやく1つ手に入れられると思ったのに残念だ。」
もう堪忍袋の尾が切れて今すぐにでも殺してやりたい気分だったが、今は俺は随意領域付き顕現装置持っておらず刃向かえばエレンに殺される事は目に見えていたため、自分を落ち着かせた。チャンスを見て七罪を連れ逃げるそれだけを頭に叩き込んでいた。
「だけど目が覚めたとき君が五体不満足だったら_______<ウィッチ>ははどう絶望してくれるかな??」
「__________っ………!!!!」
急にウェストコットからの殺気が驚くほどにました。それを感じた俺は七罪の方により七罪を抱えて逃げようとしたが_________
_________バシュと音が聞こえた
音の方向を見てみると血塗れなエレンの剣と
___________"自分から離れた俺の腕"があった
「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
俺はショックで膝から倒れ込こんだ。断面からかつての仲間が首が落とされた時と同量の血の量が出てた。
俺は這いつくばり痛みにもがき始めた。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
今まで感じた実験の痛みと同じかそれ以上の痛みを脳が刺激する。頭が拒絶反応を起こし消えたはずの腕の感覚がある。その事実だけでもう発狂してしまいそうだった。
「______アイクが五体不満足でもいいというので貴方の手を切り落とされて貰いました。
まぁ貴方の腕なんて顕現装置に掛かれば戻せるので問題ないかと」
それに続くようにウェストコットのクソ野郎は言った
「それに君が傷つけば傷つくほど<ウィッチ>の反転する可能性が高くなる。君と<ウィッチ>は良好な関係を気付けてたから、本当は<ウィッチ>の方が自分の過去を明かすと言う予定で進めていたから君の方が自ら過去を明かすなんて思ってなかったが……君に対する好感度は充分と判断したよ」
「ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!右手がぁぁぁ!!!!!!!」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
もうすでに血で水溜りが自分の周りで作くられていた。自分の腕が取れたという事実にを受け入れたくない自分がいる。
「俺の……!!俺の右腕がぁ……!!」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い。それだけで頭が埋め作られていた。
俺は七罪の方向から逆方向の腕が取れた方向に地べたを回りながら向かっていた。
「痛い……!!!痛いよぉ……!!!」
必死に自分へ痛みをまぎらわすために自分で自分に言葉をかけたそうしないと自分の思考がまとまらない。
「……<ウィッチ>よりも自分の腕の心配ですか、<ウィッチ>に駆け寄らず自分の腕の方向に……やれやれ……貴方は完全に自己中心的ですね反吐が出ます」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
けど____________七罪はこの数倍痛かった。
「__________!!!!エレンすぐにトノマチ・ヒロトを捕らえるんだ!!!!!」
ウェストコットは気づいたようだが、もう遅い。俺がなんの計算もせずにこいつら化け物相手に顕現装置抜きで挑むなんてことしない。
ここは精霊収監用の場所。
精霊収監用の場所という事はつまり"精霊が逃げないためのトラップが揃ってるという事"
俺はその中の一つの"催眠ガス"の場所に腕を取るふりをして近づいてた。
腕が飛んでいった場所が催眠ガスの場所だったのはたまたま運が良かっただけだが
腕が取れた瞬間即座にこのプランを思いつき、実行に移した。
エレンやウェストコットは慢心する性格だという事は付き合い続けてよく理解しているため、腕が取れた絶望に打ちひしがれる演技をする事で完全に騙してやった。
「はっはー!!!!ウェストコット!!!それにババ……エレン・メイザース!!俺の名演技に騙された様だなぁ!!!!俺渾身の催眠ガスを喰らえぇぇぇぇ!!!」
俺は口を自分の血で汚れた服で覆い被さり片腕は飛んでいった為足で勢いをつけ保護用のガラスを破り、催眠ガスを起動させた。
部屋に精霊を眠らすほどの強力な催眠ガスが広まり出す。エレンは切れて俺に襲いかかってきたが、その興奮で呼吸が荒くなりすぐに催眠ガスが回り眠ってしまった。
バタリとエレンの方が倒れる。
ウェストコットの方は冷静にまだ意識を保ち続けているがもう我慢の限界であろう。
「やるじゃないかトノマチ・ヒロト君の演技は完璧だったよ……だけど私の最後の足掻きとして__________<ウィッチ>の頭に埋め込んだ幼少期の記憶を夢の中で再体験できる素敵な顕現装置を起動させる事にしておくよこれで"君"とお揃いだね……いや君のと違ってこれは夢ではなく"脳での再体験"だからお揃いというのはおかしいか」
ウェストコットはボタンのような物を押し、それを押した瞬間_____反対方向にいる血塗れの七罪がうめき声をあげだした。
それ以前にも大量の冷や汗をかいていた七罪だが、ウェストコットがそれをすると同時にもがき苦しむような七罪の姿が俺の視界に入ってくる。
俺と同じ__________と言う事は夢の中で"あの実験"の夢を見続けたのは頭の中に顕現装置を植え付けられたせいだったのか。
ウェストコットの恐怖を植え付け忠誠を誓う様にする為__________いやあいつのイカれたた性癖を考えると俺の絶望した顔が見たいとかそんなとこだろう。
俺は今まで知らされてなかった顕現装置に驚愕すると同時にウェストコットに強い憎しみを抱いた。俺の夢とは違いウェストコットは脳での再体験と言った。という事は七罪は母親に殴られるトラウマをもう一度脳の中で味わってると言うことか_____どこまで俺と七罪を侮辱すれば済むのかと、大声を出しウェストコットを糾弾したかったが、そうすると催眠ガスが入ってしまうため心の内にとどめた。
(ウェストコット…………いつか絶対殺してやる……!!!!!)
「フフフハハハハハ!!!!!!______」
バタリとウェストコットとエレンが催眠ガスによって倒れる。俺はそれを見ると同時に自分の腕に服を破りつくった布で安易な止血をし、七罪の元に駆け寄り七罪を片腕で肩に背負うような形で逃げ出した。
ただ無鉄砲に逃げているだけじゃ七罪が起きた時俺の姿と、自分の過去のトラウマいや"再体験"で反転してしまう可能性がある。
どうすればいいか走りながら考えた。
そして最悪で、最低な俺らしい結論に至ってしまった。
だが七罪を過去から解放するためにはこれしかない。
そう思い込むことで自分の正当化をした。
「_____________俺は七罪の記憶を消す為の顕現装置を使う」
(_________俺の腕の安易な治療、七罪の治療と記憶処理をするには小一時間かかる……それまでにウェストコットが起きないといいんだが………)
移動しながら俺は今治療にどれだけの時間がかかるかの計算。それまでにウェストコットが起きないかの不安があった。
「やめて……ママ………いい子にするから……もう殴らないで…………」
七罪は俺の夢と同じ様に相当な再体験をしているらしい。
尋常じゃないぐらいの冷や汗が出ており、顔には苦痛の表情を浮かべていた。
俺にはどうする事もできない。自分への無力感に唇を噛んだ。七罪は聞こえてないかもだが、俺は七罪に向かって声をかけた。
「大丈夫だ…………俺がついてるお前は絶対に反転なんかさせない。」
そう言うと七罪は少しだけだが安心したような表情を浮かべた。俺は七罪が『私みたいな根暗女に、よくそんな女たらしみたいな台詞吐けるわね』と軽口が聞こえたような気がした_____もちろんそんな事ないのだが。
(緊急用に持ってるこの限定的すぎる顕現装置使うこと結局なかったな……)
俺はある修理に出してない"緊急用の小型顕現装置"を見ながら呑気な事を思っていた。
しかし……あまりにも警備員が少なくないか…と俺は思った。仮にも精霊を保管するための部屋の前だ。普段なら警備員4人体制でロックも厳重なはずなのに"明らかに襲ってください"と言わんばかりのザル警備だった。
そんな事を思っていると_______
『緊急事態発生!!!!緊急事態発生!!!精霊が脱走!!戦闘用顕現装置を扱える職員は速やかに武装をし精霊を捕獲してください!!!!!』
DEM本社の警報が鳴った。
それは当たり前だ、自分の大事な実験材料が逃げ出したんだ、そりゃ血眼になって探そうとするし警報もなる。
やはり警備が少なかったのは気のせいだったのだろうと殿町は思った。
おそらく七罪の体のどこかにGPSか何かがつけられていたのだろう。
すると__________
「いたぞ!!!!精霊と殿町宏人だ!!!」
俺は即座に敵の存在に気づき"ある事"をする。敵にバレない様に素早くその事をした後俺はすぐに"それ"をしまった
顕現装置をつけたDEM社員5人組が俺に向かって俺と七罪を拘束してきたのは反撃出来なかった。
ここで反撃しても数の暴力に負けるため
俺は七罪をその場に優しく置き、大人しく両腕をあげるふりをする。
そして俺は両腕を手錠にかけられ七罪は完全に包囲され動けなくなる
そして奥の方から隊員をを退けて登場する代表者が出てくる。
「殿町宏人!!!貴様………我々を裏切って精霊に味方するとはなんて事だ!!貴様の命はないと思え!!!!」
俺にそう言ってくるのはここの部長に当たる禿げた中年男性……名前なんだっけ確か鈴木??いや高木だった様な……とりあえずここの代表に当たる人だ。
前々から俺が子供なのにウェストコットの補佐にいるのが気に食わないらしく嫌がらせや嫉妬の感情を向けてくる事が多々あったが
精霊に味方すると言う事で俺に完全に殺意と敵意を抱いているが、こいつは戦闘能力が全くないため、部下のCR-ユニットが使える戦闘部隊に完全に身を任せ俺の前に来ている。
「……だが無様だなぁ殿町宏人。いやなに、俺はいつかお前が裏切ると思っていたぞ、その変な髪型、生意気な目、どれをとってもウェストコット様の隣に置くには器が足りないと思っていたのだ」
この鈴木?さん前々からウェストコットに強い憧れを抱いており、『いつかお前かエレンを退けて私が隣に立ってやる』が口癖だった様な気がする。
ウェストコットの隣に立ちたいとかどんな価値観してるんだと俺は思うがここでそれを言ってもしょうがないためぐっと我慢することにする。
「お前もなかなか常軌を逸してるな………こんな小汚いガキの精霊のために、ウェストコット様を裏切るなんて…………精霊ってだけで、心底気持ちが悪いのにその上髪もボサボサ、肌も荒れてて、せめて何かに使うとしても、こんなガキに性欲を発散できる様な胸も身体つきもない、サンドバッグがいいところだろう。<ウィッチ>は胸と身長がでかいと聞いてたから性欲処理ぐらいには使えると思っていたのに」
________________瞬間俺の中で何かの糸がプチンと切れた。
何を言ってるんだこいつは
意味がわからない
七罪の何を知ってるんだ????
お前らの汚い大人のせいで七罪は精霊になると言う選択しか取れなかったんだぞ??
怒りの感情が頭を支配する。隙を見て唯一整備にだなかった"この"顕現装置を使うという選択肢は頭から消えていた。
このクソ野郎を今すぐ殺してやりたい。その気持ちで俺はこの顕現装置を使う事にする。
「ムフフフフ………お前と<ウィッチ>を手に入れた事により私の昇進……お前の座がわた_______」
俺はその瞬間手に持ってた"SI-顕現装置"の電源を切り"切られたはずの"片腕がなくなり手錠が外れた事に驚いている周りの隊員達を押し除け、片腕に"3D顕現装置"で作った拳銃を持ち途中で途切れてる腕の方でこのクソ野郎を固定し拳銃を持った方の腕でこいつの頭に銃を突きつけた。
「____________________おいクソ野郎。お前の七罪への侮辱を取り消せお前みたいなやつを見ると吐き気がするんだよ」
このクソ野郎は俺に縛られている事に夢でも見ている様な顔をしていた。こいつはすごく慌てた口調でこう言った。
「な、何故あの手錠を外せたんだ!!!!あれは精霊でも破れない様な素材出てきてるんだぞ!!!!!!」
たしかにそうかもしれない。
だが俺は手錠は壊していないまだ"片腕に"ついたままだ
「______<ウィッチ>の能力も擬似的に再現しようとした"SI-顕現装置"正式名称"立体映像型顕現装置"の事も知らないなんてお前ほんとにここの職員か?部長の名が聞いて呆れるな」
俺は心底軽蔑した口調でこいつに殺意を向けた。そして目の前で消しゴムぐらいのサイズの顕現装置"SI顕現装置"
「り、SI-顕現装置……????」
こいつは困惑してる様な声で言った。
こいつ……ここで発明された物なのにそんな事も知らないなんて本当にここの部長か???
「立体映像顕現装置は頭に思いついた物を脳の電気信号から読み取り立体映像を映すと"実際に存在する"かの様に扱うことができるって顕現装置だ。まぁ即時に何かを生み出せる3Dプリンタと言った方が近いか。だが立体映像だから好きなタイミングで消せるしその人の好きなタイミングでで新たな物を作れる。」
「そ、そんなデタラメな顕現装置が存在するか!!!!!俺はここで色んな顕現装置を見てきたがその様な顕現装置は存在せん!!!お前のでまかせだ!!!だからこの銃も偽物!!!お前はカスだ!!」
このゴミは動揺と怒りで無茶苦茶な口調になりながら俺に反論をした。
精霊のを任せられる場所の部長だ色んな顕現装置を発明してきたのであろう。
だからこそそんな顕現装置は存在しないと言い切れるのだろう。
「__________たしかにこの顕現装置はお前が使ったところで髪の毛1本すらまともに作れない」
それも事実だ。魔力量がゼロの一般人ましてや普通の顕現装置の使えない様なゴミにこれを渡したところで立体物を生成できるわけがない。
「だが"俺"は?ウェストコットに色々な実験、訓練に付き合わされた人工的な魔術師<ウィザード>の俺は???」
このゴミは自分のわだかまりが取れたかの様に俺に向けて納得した口調で言ってきた。
「ま、魔力量が違うからか!!お、思い出したたしかに私はその顕現装置を見たことがある!!5年前優秀なDEM社員がが揃ってもボールペンすらまともに作れなかったから処分したはずのゴミだ!!!さすがウェストコット様!!魔力量がある人間だとちゃんとしたものが作れるのだな!!!!」
一般的に見たら俺の魔術師<ウィザード>としての力で腕から拳銃まで複雑なものも作れる万能なものと思われても仕方ないのかもしれない。
「それは少しちがうな、俺の最初は髪の毛一本すら作れないゴミ顕現装置だった。_______________だが独自に開発研究を続けて"腕や銃なら簡単に作れる様になった"ってが正しいな」
俺は少し溜めこいつを睨め付ける様に殺意を込めながら言う__________
「その気になれば今すぐ"新たな精霊"を作って今すぐ空間震を作ることも可能な品物だぞ??」
もちろんハッタリだ、これに精霊なんてものを作る力はない。腕一本が限界だ。だが、目の前で腕や拳銃を自由自在作られたこいつや部下達は信じるしかなかった。
このゴミは驚愕と動揺で大量の冷や汗をかき始めた。自分の命が本物の拳銃に突きつけられててやばいという事を実感したのか目に涙を溜め今にも小便を漏らしそうな哀れな中年男性の顔だった。
部下達も動揺伝わり始めたのか七罪に向けられた剣が徐々に解かれ始めていた。
「おいクソ野郎」
惨めすぎるこのゴミは声が震えながら俺の言葉に向けて返事をした。
「な、なんでも言う事を聞きます………だ、だから命だけは許してく、ください……」
哀れで言葉も出なかった。人間は命に危機が迫るとここまで惨めになるのかと俺は呆れていた。
「記ここの部下達に精霊脱出は誤りだったと伝えろそれだけでお前を解放してやる」
本当は、こいつに七罪に向けて土下座ぐらいさせてやろうと思ったが今のこいつにプライドなんてものはないカス野郎だ。土下座させる価値もない。
「あ、ありがとうございます!!!」
そしてこいつはすぐに飼い主に尻尾を振る子犬の様に喜んで振り返り部下達に命令を下す。
「今すぐ準備しろお前達!!!!」
『は、はい!!!!』
たどたどしい返事だったが目の前で空間震が起こるかもという恐怖に部下や部長はそれに従うしかなかった。
____________________そして安心して施設内を彷徨うことのできる様になった俺はすぐに医療用の部屋に七罪を背負い込み入った。
俺は七罪の大きな切り傷や自分の腕の治療をした後ある道具を探すために動きだした。
「七罪………今すぐお前の過去をなかった事にして普通の人間として生活できる様にしてやる……!!」
ここに昔記憶処理をするために"高宮真那"というDEM隊員が入った事を知っている。
だから七罪のトラウマを消すための記憶処理の顕現装置があるはずだ……!!!
俺は血眼になってあらゆる医療用顕現装置を漁りまくった。そしてその顕現装置をやっとの思いで見つけた。それは頭にテープの様なものを5つ特定の場所に貼り付けスイッチを押せば記憶を消せるという非常に簡単なものであった。
俺はすぐに医療用のベットに七罪を乗せ機会を特定の場所に装着出す。
「やったこれで……!!!七罪の記憶を消せる……!!!」
過去を消すという事はトラウマをもう一度体験するこの顕現装置の意味はなくなる。
____________________だが同時にそれは俺との記憶を、いや今まで生きてきた事の全てを七罪から消してしまうというデメリットがあった。
この装置は一部の記憶だけ消すということができずエピソード記憶といわれる記憶が全部消されてしまう。
だが七罪は記憶を消さないと永遠に俺と同じ様な夢で苦しむ姿は見たくない。
「七罪ごめんな、お前の記憶を無断で消しちまう……俺達兄妹みたいだなって言ったけど兄貴は普通妹の記憶消さないよな……けどそれが今ある最善手なんだ……」
脳の中にある顕現装置を取るにはよっぽどの専門的知識がないと無理だ。SI-顕現装置も脳の様な複雑な物を再現しようとなるとや記憶人格の完全再現はできない。
「七罪目が覚めてまた一緒に何かできることがあったら……また一緒に雑談してくれないか……?その時はDEM社員とか精霊とか抜きで……」
俺は七罪に向けて最後の言葉の様にポツリポツリと言い始めた。実際今まで話してきた七罪とこれから話す七罪は別人だから話しても意味ないのだが
するとまだ冷や汗がダラダラと流れてる中。七罪は重い瞼を上げて俺の方向を見た。
この傷の中起きるというのだけで奇跡だ。
俺は驚いた口調で七罪に話しかけた。
「七罪!?!?大丈夫なのか!?!……いや今はゆっくり寝てろ……大丈夫……起きたら全て俺が解決させてやるから……!!!」
そう俺が優しい口調で返すと
七罪は俺に向かって息を荒げながらも少しずつと俺に向かって返事をした。
「聞こえたわよ……あんたがDEMの偉い奴らを私のために倒してくれたり……怒ってくれたりした事………夢の中で……母親に殴られながらもあんたの声が聞こえて『頑張らなきゃ』って『今は耐えなきゃって』ってなれた……あんたのおかげよ……??あんたは私にそんな事思われて気持ち悪いって思うんでしょうけど……」
七罪は細目になり今すぐにも悪夢の世界に戻りそうな意識の中俺に最後の言葉と言わんばかりに声をかけてくれた。
「ハハッ……んな事おもわねぇよ……」
俺はこれから七罪に記憶を消すという血も涙もない行為をするため少し後ろめたく、七罪に曖昧な返事をした。それを悟ったのか七罪は俺に優しい口調で言った。
「わからないけど……あんたは私のためになにかするんでしょ……?それが私に言えない様な行為だったとしても……あんたはそれが今ある最善手だって思ったんだから……私は気にしないわよ……」
「____________________っ」
俺は七罪のその優しい言葉に心がはち切れそうだった。俺のする事は屑な行為だ。だが俺は七罪にDEMや精霊そんな過去の事は忘れて、普通の人間として生きてほしかった。
そして七罪は限界が来たのか俺の瞳を見つめながらそっと悪夢の世界に戻っていった。
七罪が眠りについた後俺は一人少し唇を噛んでいた。
_______だが俺は覚悟を決め七罪の記憶を消すためのボタンを押した。
七罪の顔が苦痛の顔から安らいだ様な顔に変わっていく。幼少期を夢の中で再体験する顕現装置は記憶が消えた事により効果がなくなったらしい。
俺はDEM社内でやるべき事を全てやったため、ウェストコットが起きない間に記憶が消えた七罪を背負いDEM日本支部を去る事にした。
____________________そしてDEMを去りDEM本社前の夜道を一人SI顕現装置で作った腕ときれてない方の腕で七罪を背負いながら俺は歩いていた。
呑気な物と思われるかも知れないが俺には計画がなかった。
七罪をとりあえず連れ出したが、七罪の力をどう封印するか、DEMから七罪を守るためにどうするか、逃げ隠れできるあてがあるわけでもない。
俺は現実逃避をする様に七罪に向けて一人ごとを言っていた。
それが七罪に伝わらないと知りながら_____
「けどあれだな〜思えば七罪と最初に会った時印象お互いに最悪だったよな……」
「だって俺いきなり発狂しだすんだぜ??頭おかしいよな俺もそう思う」
「けどそれから徐々に心をお互いに開いてって、最後には自分の過去も互いに明かして……なんだかあの時は毎日が夢の様だったぜ………」
「けどそれもウェストコットの手のひらの上で俺が反旗を翻すのも奴の思惑通り……俺ってあいつに敷かれた人生しか送ってなくて……」
そう寝ている七罪に対して独り言を言い続けた。それが今の七罪には無意味だと知りながら、俺は喋るのをやめなかった。
やめたら自分を張ってる糸が切れてしまいそうだから、やめてしまえば七罪の記憶を消すという非道な行為の罪悪感で押しつぶされそうになるから。
__________けど耐えきれなかった。
必死に涙だけは流さまいと、七罪に弱い姿を見せたら叱られそうだったから自分を奮い立たせていたが、一滴だけ涙がこぼれてしまった。
「あれおかしいな……たった2週間の仲なのに……俺が一方的な別れ方をしたのになぁ……」
どんだけ自分を強く保とうとしても七罪の前では無意味だと自分で悟った。やはり自分は七罪の前だと子供の様に甘えてしまうと、自分をあの地獄から解放してくれた人は一味違うなと
「やっぱり七罪には敵わねぇな……」
七罪に向け言葉をは放つが返事は帰ってこない。今七罪は完全に意識がなく俺の背中でぐったりしてるからだ。
(気持ちのいい寝顔しやがって……)
俺の背中でおんぶされてる七罪の寝顔みて、とても平和ボケした感想を思った。今は急いで七罪のどこかについているGPSを壊すための機械と、七罪を誰かに預けて、ウェストコットとエレンを足止めしないといけないという危機的状況にあるのに、殿町は七罪とただ2人。疲れ切った妹をおんぶする兄の様な今のこの瞬間が永遠に続けばいいと思った。
(けど七罪は……今俺の記憶はないんだっけ……)
殿町はその事を思い出し胸が締め付けられる様な感覚に襲われた。しかしたかが2週間の仲、これからまた同じように一から思い出を作っていけばいいと考える。
そんなくだらない事を考えていると__________前から"車椅子に乗った老人"とそれを押してるエレンそっくりな女性が奥の方から見えてきた。
(エレンメイザース!?!?!?あいつもう起きやがったのかよ!!!仮にも精霊を眠らす薬だぞ!?!?………けど車椅子で押してる老人はウェストコットじゃない……??)
俺はエレンそっくりな女性に対し警戒を解かないままその場をすぐさま立ち去ろうとした__________
その瞬間老人の顔が俺を見て驚いた様な表情をし、その後すぐに話しかけた。
「……君が背負ってるその少女……<ウィッチ>という精霊だね???」
「_______________っ!!!」
やはりDEMの関係者だったかと殿町は思った。すぐに警戒を上げ随意領域を展開しようとした俺だが__________
「君は……ウェストコットの秘書に当たるエレンメイザースの相方……殿町くんだったかな?私のことは2人から聞いていないか……?私はエリオット・ウッドマン、こっちは秘書のカレン・メイザース……君と同じDEMの裏切り者さ……」
「_______エリオット……ウッドマン……?」
ウェストコットやエレンから聞いたことがあるDEM創設に関わった一人で今はDEMを裏切り、何処かに身を潜めていると……
ウェストコットはウッドマンに対して特段何か言った事はなかったが、エレンはウッドマンに対する愚痴という名の殺人予告を飽きるほど聞かされていた。
なぜその裏切り者がここにいる??まさか自分もウェストコットと同じで精霊の力を手にしようとしてるのか??
山の様に出る疑問が取れなかったが今の台詞でとても引っかかる部分をウッドマンにぶつける。
「……なぜ俺が裏切り者だとわかる。」
俺の警戒に対してウッドマンを名乗る老人は穏やかな口調で、俺を宥める様に言った。
「そう警戒しないでくれ……まぁ裏切り者と見切れたのは、君一人に精霊を任せるわけないだろうDEMが………いやアイザックウェストコットが」
「____________________っ」
痛いところをつかれた。
確かにあの用心棒が俺一人だけににわざわざ苦労した捕らえた精霊を運ぶという重大任務を任せるわけがない。
ウッドマンは俺が精霊を奪い去り、DEM本社から逃げ出したという事を悟ったのだろう。
「…………だからなんなんだ?さっさと言ってくれよ要件を。七罪を奪うのか?それとも俺を捕まえてDEMに復帰か?俺みたいな裏切り者を捕まえて復帰したら、たいそうえらい報酬が貰えるだろうなぁウッドマンさんよ?」
俺は警戒心を解かず七罪を背負ったままウッドマンに考えつく限りでこいつの事を煽った。
こいつも屑に違いないと、裏切った理由もどうせ碌でもない下衆野郎だと。
_______________だが帰ってきた答えは全く別のものだった。
「………君と<ウィッチ>……いや七罪くんを私が所属する組織<ラタトスク>で保護させてほしい」
……何を言ってるんだこいつは。俺と七罪を保護??そんなのDEMと全面戦争をする様なもんじゃないか。精霊の力は手に入れる事ができるかもしれないが、DEMと戦争をするメリットがない。なぜこいつはそんな妄言を言えるのだ……?
「……それをする事でお前に徳はあるのか?何が目的だ……?」
俺は率直な疑問をウッドマンにぶつけた。
あんたの仕様としてることはハイリスクノーリターンな行為だ。
何か裏があるはずだと俺は思い込んだ。
だがしかし______
「徳……メリットか……我々の組織は精霊を保護させる為の組織だからね……強いて言うなら精霊を保護出来る事……かな」
今の俺は七罪を預ける場所もない。今は敵に追われて命も危うい為、藁にもすがる思いでこいつに俺と七罪を託すと一瞬思ってしまった。
だがしかしDEMで騙し騙されて生きてきた俺は、揺らぎそうになっている自分の思考を戻した。
こいつもどうせ精霊の力を求めてるに違いない。俺はウッドマンに今まで綺麗事で俺を騙そうとしてきた事に対する怒りをぶつける。
「ふざけるのも大概にしろ!!!たまたまあった老人がDEMの裏切り者で!!偶々精霊を助ける為に組織を作ってるだ!?!?そんな偶然あるわけないだろ!!!!」
俺は思っている事を全て吐き出した。
そんな偶然あるわけがない。何か絶対裏があるはずだそう思っていると_____
今まで黙っていたエレンメイザースそっくりなカレン?が怒鳴ってきた。
「ふざけるのも大概にするのは貴方です!!エリオットがどんな思いでここにきたのかわからないので______「カレン……やめなさい」
エリオットがそう言うとカレンは渋々怒鳴るのをやめる。なんなんだこいつらは……敵なのか味方なのか未だ俺は判断できずにいた。
そう俺が悩んでいるとエレンを遮った続きを言うかの様にウッドマンが喋り始めた。
「ここにきた理由……か、実はうちの<ラタトスク>に隈がすごい深い情報通がいてね、その人に<ウィッチ>がDEMに捕まった事を教えてもらったんだ。それでDEMに捕まった<ウィッチ>をどうするかと会議が始まったんだけど……うちの腑抜け達は満場一致で助けに行かないDEMに<ウィッチ>は任せるという方針に決まったんだよ」
ウッドマンはここにきた理由を話し始めた。いや助けに行かないだと……?DEMに捕まった精霊がどうなるかわからないのか……?七罪は反転をする実験に巻き込まれていたからたまたま拷問は受けなかったものの普通は<第二の精霊>の様に拷問されるんだぞ……?
本当に精霊を助ける組織なのか???
そう思った矢先、ウッドマンが続きを話し始めた。
「けど、ある赤髪ツインテールの小さな司令官が最後までその意見に反対し続けてたんだ。『絶対助けにきゃ何のためのラタトスクなんですか!!』とか『貴方たちが行かないなら私が単独で助けに行きます‼︎』とかね……流石に単独出撃は止めたが彼女のその言葉にハッとさせせられた私はこうして七罪君を助ける為に周りに秘密でここにいるっていう訳さ……少々時間はかかったがDEMを監視していると今日は"不自然なぐらいに警備が少なくて"罠かも知れないが今日しかないと思ったんだ」
俺はこの目の前の老人の言う事を信じられかった。精霊を助ける?しかも2人でDEM全体相手に……?馬鹿げてる。そんなの出来るわけない。仮に今日警備が少なくて精霊を助けられたとしても、DEMには何千とDEMの隊員いるんだぞ……?そいつ相手にどう戦うと言うんだ。
「無謀すぎるな……大人数ならわかるが2人でここを襲撃だなんて」
「確かに無謀だね……だけども"それ"をやり遂げた少年が目の前にいるじゃないか」
ぐうの音も出なかった。
確かに無謀で、馬鹿で、出来るわけのない、1人でDEMから精霊を取り出す事をやってのけた無鉄砲な少年がいた。……それは俺なのだが
「ここにきた理由はわかってくれたかな……?けど君は裏切り者でDEMから追われる立場にある。ラタトスクならその追われる立場にある殿町くんと七罪くんを保護する事
______いや七罪くんに至ってはその精霊の力を封印できるかもしれない。」
「七罪を_______________封印……???」
その言葉に俺は驚愕をした。
精霊を殺す以外の方法で抑える手段があるのか……??DEMに所属してきて、精霊は殺す事をしないと精霊による空間震は収まることはないと教えられてきたため、精霊を封印することのできると言うことは驚きが隠せない。
「どんな方法をやるんだ……?まさか反転させて霊結晶を抜き取るとか言わないよな」
「違う_____<ラタトスク>で研究した結果"とある"少年に精霊を封印する力があることがわかったんだ。実際に封印された精霊が"一人"ラタトスクのメンバーに入ってる」
成功例もあるってことか……
色々悩んだ末に俺は覚悟を決めてウッドマンに告げた。
「わかった……ウッドマンさん、俺と七罪をあんたの組織に預ける。今のあんたを俺は完全に信用したわけじゃない。だけど七罪が普通の生活を送れるなら、七罪がDEMに追われないのなら俺はあんたに協力する。あんたを信じることにする。__________だからあんたも俺を信じてくれ、俺は七罪の為にウェストコットを裏切ったと、七罪を守るために俺は動いてると。」
心の中の本音をぶつけた。
俺がただ単独でウェストコット率いるDEM集団から七罪を引き離そうとしても無理だと判断した。
俺は非力だ。一人では何もできない。
だから見ず知らずの赤の他人にすら頼る弱者だ、プライドもない、地位も自分の都合で捨てた。
__________だが、それがどうした。
彼女の笑顔を守るためなら。彼女に涙を流してほしくないから。彼女の__________命を守るためなら、俺は何だってする。俺は全世界を敵に回しても彼女を守る。あらゆる罪を背負う。
それが仲間達への償いだと信じて_____
俺は腹を括り今後の方針を決めるためにウッドマンに話そうとすると__________
___________パンッ
__________と大きな音が鳴り何事かと思い俺も振り返ると銃の弾が頬をかすった。何か小さな金属の筒の様な物が落ちる音が夜道に響く中、ウッドマンとカレンの顔に焦りの表情が見える。暗闇の中、撃たれたためまだ敵の数はわからず、俺たち2人を守りながら戦うと言うプランが成功するかどうかに賭けるしかないことに緊張が隠せないのだろう。
俺もDEMの連中が俺の精霊を生み出せると言うハッタリに気づくのは、もうそろそろだと思っていたため、俺はある覚悟を決めた。
「__________ウッドマンさん……ここは俺が囮になる。そのかわり……七罪をよろしく頼む」
俺は背負ってる七罪をウッドマンに託した。ウッドマンは驚きの表情を見せるがすぐに俺の気持ちを悟り俺に向け真剣な顔で問いただしてくる。
「……できるのかい?」
ウッドマンがする質問はシンプルなものだった。できるかできないか、だがそれがこの戦闘における生死を問う重要な問題でもあった。
それを踏まえた上で俺は言う。
「俺は人工的に作られた最強の魔術師様だぜ……?どんな敵が来ようとこの俺のイケメンパワーで蹴散らしてやるぜ」
あえてジョークを混ぜて、少しでもウッドマンの気を楽にさせようと思った。
「ハハッ……頼もしいね……」
その俺の返事に対しウッドマンは少し笑ったが、すぐに真面目なトーンに戻り俺に向かって命令をした。
「_______________なら君に<ラタトスク>最高司令官として"<ラタトスク>所属の君"最初の命令だ__________生きて帰り七罪くんに君の顔を見せる事、命令はそれだけだ行ってこい!!!!」
「__________了解!!」
俺は口元をニヤリと緩め、DEMから奪ってきたCR-ユニットを起動させながらその命令に対して返事をした。
ウッドマンとエレンは俺の返事を聞くとすぐに逃げ出した。
七罪をDEMの魔の手から逃すために。俺の希望を背負いながら。
「さて……」
俺はその背中が見えなくなるのを見守ると
俺は銃を撃ってきた相手に対して言う。
「お前はこう言う3流茶番は苦手だろ?早く出てこいよ"ウェストコット"」
俺がそう告げると闇夜の中からウェストコットが不気味みな笑みを浮かべながら出てくる。
何度見ても吐き気を催す様な顔だし心底気持ち悪い。つばでも吐きかけてやりたいところだ。
だがウェストコットはこっちの気持ちも知らず子供がおもちゃを見つけた時の様なテンションで言った……いやこいつの場合比喩でも何でもなく本当におもちゃを見つけたと言うのが正しいか。
「裏切り者同士みんな仲良くおしゃべり会でもしてたのかい?」
ウェストコットは子供に投げかける様に、俺に話しかけながら距離を詰めてくる。
「……そうだぜウェストコット。おしゃべり会でちょうど今あんたの悪口で盛り上がってたところなのに。あんたがきてできなくなって残念だ。ほんとに空気読めねぇなぁテメェは」
俺はその挑発的な態度にあえて余裕を持ちながら、ウェストコットに対して煽り返す。
どうせどこかに隠れてるエレンに対して警戒をしながら。
「おや、私は昔から場の空気を読むのは人一倍うまいと思っていたのだがね。それは失礼した__________君が警戒してるエレンはまだ眠ってるよ」
「何………?」
俺はその言葉に驚愕した。
こいつはRC-ユニットを持った俺の前に丸腰で現れたのか……?
もちろん銃は持っているがRC-ユニットを持った俺の前ではそれは役に立たない鉄屑だぞ……?なんのために俺の前に……?
「君なら見ただけで"これ"がわかるんじゃないか?」
ウェストコットは胸ポケットからボタンのようなものを取り出した。それは七罪の脳内に入れられた顕現装置の起動装置だ。だがそれはもう__________
「……残念だったなウェストコット。七罪の記憶は消させてもらった、もう七罪が俺のような悪夢に侵される事はない。」
きっぱりと俺はウェストコットに告げた。
それは無意味なおもちゃだと、そんなのが俺に対する脅しになるわけないだろうと
そう告げると
「ほう、記憶を消す事で<ウィッチ>のトラウマを無かった事にするとは______________だが、まさかこの装置の力がそれだけだと本当に思っているとは思ってないだろうトノマチヒロト」
なん……だと?
俺はたしかに七罪の記憶を消した。
だが、装置自体はまだ七罪の頭の中にある。
……それがもう一つの力に関係したなら
「おおよそ君の思ってる通りだよトノマチヒロト。この装置の中には小さな爆弾が入っていてね君や<ウィッチ>が私に反旗を翻した途端__________君と<ウィッチ>の脳は爆発によって死ぬだろうね」
言葉が出なかった。
自分が顕現装置を壊す技術がなかったから、自分が記憶を消すだけで安心だと思っていたから、七罪にウェストコットの首輪をつけてしまった。
それだけで頭がおかしくなりそうだった。
「……でもなんでそもそも俺が反旗を翻した時に俺の頭を爆破しなかったんだ……?お前の目的は七罪を反転させる事だろ……?俺を殺せばそもそも七罪は反転するんじゃねぇか……?お前のやってる事は不可解な点が多すぎるぞウェストコット……!!!!!」
少しでも現実逃避をするため俺はウェストコットを糾弾した。自分の愚かさを理解しながら何かから逃避するように。
「あぁそれはね……__________君にはラタトスクに"DEM側のスパイ"として入ってもらいたかったんだよプラン1は君が私にすんなり捕まって<ウィッチ>が反転する事。プラン2は"君が私に首輪をつけられウッドマンが作る組織にスパイとしてはいる事"なんだよ」
__________何を言ってるんだこいつは
俺がDEM側のラタトスクのスパイ……?そんなのまるで"最初からウッドマンが来る事を前提"として作らないと成立しない作戦じゃないか。
「そんなのデタラメだ!!!それはウッドマンがここに来る前提の計画じゃぁねぇか!!その根拠はどこにある!!あとお前が大事なとこを他人に任せるなんてありえねぇ!!!ましてや裏切り者に!!」
「私ほど他人を信頼する人もいないと思うのだがね……来ると信じてたさ………"<ラタトスク>側に<ウィッチ>が捕まったと流した"のも"君が反旗を翻す時にあえて警備を緩めた"のも全ては"ウッドマンと君を信じてた"からなんだよ?」
「………………………………………………」
狂ってる。
常軌を逸している
何故こんな頭がおかしな計画をそのまま通せたのだ
俺が裏切るのも、ウッドマンがここに来るのも、俺がウッドマンにラタトスクに入るのも全てが計画の内に過ぎなかったって事か……?
「最初から最後までテメェの手の内の中って事かよ………!!!!!!」
ウェストコットは俺の言葉に対し薄く笑みを浮かべながらはっきりと返答をした。
「__________そうだとも。私ほど君とウッドマンを理解してる人もいないだろ?トノマチ・ヒロト、君に<ウィッチ>と言う足枷をつける事によって君を完全にコントロールし、君が精霊を保護し裏切ると言う展開でウッドマンを信頼させる完璧なシナリオじゃないか……?」
__________こいつはイカれている
人の善意とか優しさとかを完全に利用することしか考えてない。いやここまでくると人の親切心を普通の人間より遥かに信頼してるのかもしれない。_________それを利用することしか考えていないが。
「この悪魔が………!!!!」
俺は恨むように親の仇の様に目を睨ませながらウェストコットに対して言い放った。
「褒め言葉として受け取っておくよ。トノマチ・ヒロト」
そう言うと一拍置いてウェストコットは俺の横で嘲笑うような表情しなり発言する。しかも、"前に起こった茶番劇"をそっくりそのまま真似る様に。
「君にDEM創設者として命令する。"精霊の力を封印する存在"のサポートをし、その存在が5つ以上の霊結晶を取り込んだらその霊結晶を奪い去り私に捧げてくれ。健闘を祈るよトノマチ・ヒロト__________もちろん裏切れば<ウィッチ>や君の命はどうなるかわかってるね?」
俺は黙ることしか出来なかった。
この男の底知れなさ、恐ろしさをもう一度体感した。"あの実験"を計画したのはこの男だったんだと。俺に裏切り者、スパイを殺させてきたのはこの男だったんだと。
俺は一人唇噛み締めていた。
自分の愚かさ、無力さをあたる様に、そして俺のせいで七罪を危険に晒してしまったことを後悔しながら。
_______________そして殿町宏人による<ラタトスク>潜入作戦が始まろうとしていた。
その介入がこの先の出来事を大きく変えると知らずに_______________
えー色々言いたいことはありますと思いますが
ごめんなさい………ご都合アイテム登場させてしまって
けど殿町くん雑魚なんです!!ちょっとのご都合ぐらい許して!!!
これ以上は絶対ご都合アイテム登場させないんで(殿町には本編で明らかだった分苦痛と苦悩を与えないとね)
……4期の殿町イケメンすぎない??