IS~錬金術師は鈴と共に~   作:アイリエッタ・ゼロス

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蒼い雫VS錬金術師

 ヴァネッサside

 

「な、何だよあの動きは....」

「オルコットと互角に渡り合っているだと!?」

「バカな! あいつは出来損ないのはず!」

「(好き勝手言ってくれるわね....)」

 ピットで戦いを見ていたブリュンヒルデとその弟、そしてISを生んだ女の妹はリアム君の事を

 好き勝手言っていた。

 

「(彼がどんな努力をしてあそこまで動けるようになったかも知らないくせに....)」

 私はそう思っていたが、何も言わずにリアム君の戦いを記録していた。

 

「(機体は問題なく作動。武器も錬金術にしっかり対応。ここまでは完璧....後は、聖遺物の

 入れ替えだけど....)」

 そう考えていると、リアム君とセシリアちゃんは戦いに熱が入ったのかドンドンとギアを

 上げていき、お互いに笑みを浮かべながら撃ち合いを続けていた。すると....

 

「っ!?」

「何だアレは!?」

「急に地面が盛り上がった!?」

 突然アリーナの地面は盛り上がり、リアム君の前に巨大な壁が造られた。

 

「(錬金術まで使って....本気でやりあう気ね)」

 そう思いながら、私はリアム君の戦いぶりを見ていた。

 

 ~~~~

 セシリアside

 

「(っ、数はリアムさんの方が多いですわね....)」

 私はリアムさんの持つ小銃から放たれる攻撃を回避しながら愛銃であるスターライトmkⅢから

 攻撃を仕掛けていた。だが、私の銃はリアムさんほどの速射性は無いため回避されていた。

 

「(ですが威力は私の方が上....直撃させれば、私に優位が!)」

 そう思い、私は腰の装備からミサイルを一発放った。それと同時に、私は放ったミサイルを

 スターライトで撃ち抜いた。ミサイルは大爆発を起こし、リアムさん視界は砂煙と煙に

 包まれた。そして、煙に包まれたリアムさんの動きは一瞬だが止まった。

 

「(そこっ!)」

 その隙を逃さず、私はリアムさん目掛けてレーザービームを放った。レーザービームは

 そのままリアムさんに直撃するはずだったのだが、突然私の攻撃は何かによって防がれた。

 

「(錬金術....!)」

 防いだのは巨大な土の壁だった。その壁はリアムさんによって造られたものだとすぐに

 理解した。

 

「(やはり一筋縄ではいきませんわね....)」

 そう考えていると、土の壁は崩れてリアムさんの姿が見えた。だが、リアムさんの装備は

 先程と変わっており、小銃がスターライトと同じぐらいの大きさのガトリングガンに

 なっていた。

 

「ガトリングガン!?」

「こいつならどうだ!」

 リアムさんは一切の容赦なく私に向かってガトリングガンを放ってきた。私は一瞬で回避に

 思考を変え、ガトリングガンの弾のほとんどを躱した。

 

「流石だなセシリア。今のをほとんど躱すか」

「私にも候補生としての誇りやプライドはありますので。そう簡単に落とされるわけには

 いきませんわ」

「そうか....なら、なおさら倒しがいがあるってもんだ!」

「その言葉、そっくりお返しさせていただけますわ!」

 そう言って、私はこの戦いで使うつもりが無かったブルー・ティアーズを展開させた。

 

「本当はウォーミングアップのつもりだったのでこれを使うつもりが無かったのですが....

 リアムさんのせいですよ? こんなにも、私の闘志を燃えさせてしまったのは」

「それは悪かった。だが、こっからが本番....そうだよな?」

「えぇ。....では踊っていただきます。私とブルー・ティアーズが奏でる円舞曲(ワルツ)で!」

「踊らせるもんなら踊らせてみろよ!」

 そう言うと、リアムさんはガトリングガンを消し、両手にボウガンを装備した。

 

「その言葉、後悔しないでくださいな!」

 そう言って、私はスターライトの銃口と二機のティアーズの銃口をリアムさんに向けた。

 残りのティアーズはリアムさんの回避方向に向けてそれぞれ銃口を向けた。そして、私は

 スターライトのトリガーを引こうとしたのだが....

 

「秋斗ォォォ!」

 突然リアムさんが出てきた方のピットからISを纏った織斑さんが現れ、突然リアムさんに

 向かって剣を振り下ろそうとした。だが、その攻撃は簡単に避けられ、織斑さんは急に

 何かに吹き飛ばされたように地面に叩き落とされた。

 

「おい、何の真似だテメェ....俺とセシリアの戦いの邪魔するんじゃねぇよ」

 リアムさんはそう言いながら地面に降り、ボウガンを織斑さんに向けていた。私も今の

 横槍には思うことがあったのでティアーズを元に戻して地面に降りた。

 

「何が戦いだ! あんなのただの暴力じゃねぇか! 相手は女子だぞ! いたぶってそんなに

 楽しいのかよ!」

「は....?」

 織斑さんの言葉に、私は思わずそう呟いてしまった。

 

「馬鹿かお前は。これは戦いだ。男も女も関係ない。それに暴力だ? 戦いの中に暴力はあって

 当たり前だ。それに俺がセシリアをいたぶってるってか? あんなのただの

 ウォーミングアップだ。本気でやりあったらもっと激しい戦いになる」

「お前....! 自分がやった事が間違ってると思わないのか!」

「あぁ、全く。この戦いはそもそも同意のもとだ。そうだよなセシリア?」

 リアムさんは私の方を見てそう聞いてきた。

 

「....えぇ。この戦いは同意のもとですわ」

「ほら見ろ。で、俺が間違ってるって? これのどこに俺が間違ってる要素がある?」

「お、お前は銃を使ってただろ! 男だったら剣で戦えよ!」

「銃で戦おうが剣で戦おうが俺の勝手だ。お前に指図される覚えはねぇよ」

「なっ....こ、この卑怯者が! お前なんか臆病で卑怯者で男の風上にも置けない奴だ!」

「っ! さっきから黙って聞いていれば....リアムさんの事を何も知らないくせに好き勝手....!」

「よせセシリア」

 私は織斑さんに文句を言おうと織斑さんの前に向かったが、途中でリアムさんに手で制された。

 

「でもリアムさん!」

「別に俺は気にしていない」

「気にしている気にしていないの問題ではありません! 大切な友人がここまで言われて

 黙ってるなど....!」

 そう言ってリアムさんの顔を見たのだが、リアムさんの眼は昔、私の家に入って来た盗賊を

 一瞬で無力化した時の眼と同じ眼をしていた。

 

「(っ、その眼は....)」

「....セシリア、気持ちだけもらっておく。ありがとな。....それよりも七光り、そこまで

 言うんだったら戦いで決着をつけようぜ。これ以上お前と話しても平行線で時間の無駄だ」

「良いぜ、やってやるよ! 俺が勝って、お前の間違いを正してやる!」

「そうか、なら決まりだ。....てなわけだセシリア。今回の勝負の決着は今度改めて決めよう。

 悪いが興が冷めた」

「っ....分かりましたわ。では、この勝負は引き分けということで」

「あぁ、そうしようか。....悪いな」

「リアムさんは悪くありませんわ! 悪いのは....」

 そう言いながら、私は織斑さん、いえ織斑を見た。

 

「(この男だけは許さない....!)」

 そう思いながら、私はこぶしを握り締めた。

 

「さて....審判! このエキシビションマッチはお互いに棄権する!」

 そう言って、リアムさんは自分が出てきたピットの方に歩いて行った。

 

「あ、そうだ」

 すると、リアムさんは何かを思い出したのか織斑の方を向いた。

 

「俺の名前はリアムだ。秋斗なんて名前じゃねぇよ」

 

 ~~~~

 リアムside

 

 ピットに戻ると、俺に向かってポニテ女が木刀を振り下ろそうとしてきた。俺は弾き返そうと

 したが、それよりも早く木刀は誰かが放った銃弾によって粉砕された。銃弾が飛んできた方を

 見ると、ヴァネッサさんが腕を変形させてポニテ女に銃口を向けていた。

 

「私の会社の候補生に何をしようとしたの? 返答によってはその頭、ぶち抜くわよ?」

「ヴァネッサさん、こんな所で脳みそをぶちまけないでくださいよ」

 そう言いながら、俺はISを解除してヴァネッサさんの隣に立った。

 

「き、貴様、人間じゃないのか!?」

「人間よ。身体のほとんどは機械っていうのはつくけど。それよりもリアム君、どうだった?」

 そう言いながらも、ヴァネッサさんは銃口をポニテ女に向けていた。

 

「良かったですよ。ラグも無く動いていたんで」

「そう。何か問題があったらすぐに言って」

「了解。んじゃ、俺はセシリアの方のピットに行ってくるんで。出番来たら連絡頼みます。

 あ、あとこれ一回返しときますね」」

 そう言って、俺は待機状態の機械をヴァネッサさんに預けてピットから出た。

 

 ~~~~

 ヴァネッサside

 

「....? 何で預けたのかしら」

 そう思いながら、私は預けられた待機状態のISをケースに戻そうとした。だが....

 

「ちょっと待て! そのISはこちらに渡してもらおうか」

 突然ブリュンヒルデは私にそう言ってきた。

 

「そのISは危険だ。こちらで検査をしてからリミッターを掛けさせてもらう」

「無駄よ。この学園の人間じゃこれの検査はできないわ」

「っ、どういう意味だ!」

「そのままの意味よ。これのデータは全部錬金術に関する文字で組まれているわ。錬金術の

 いろはも知らない人間が検査しようとしたところでただのわけのわからない文字列が

 出るだけよ。それでも検査したいの?」

「な、ならばその文字列を読めるように....」

「何でそんなことをしなくちゃならないの?」

「私はブリュンヒルデだぞ!」

「....それを言えば誰でも言うことを聞くと思ったら大間違いよ」

 そう言って、私はブリュンヒルデを睨みつけた。

 

「っ!?」

「自分が最強と思ってるなら、随分と傲慢ね。私はあなたより強い人を少なくとも五人

 知っているわ。最強を名乗りたければ、少なくともその人達を倒すことね」

 私はそう言って腕を元に戻してISをケースに戻した。

 

「それじゃあ私も彼を追うわね。....精々、その偽りの玉座に座っていることが自覚できれば

 良いわね」

 そう言って、私はこのピット内から出てリアム君が向かった方のピットに向かった。

 

 

 

 

 

 

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