「ん....お疲れ」
「疲れてなんていませんわ....」
セシリアの方のピットで出番を待っている時、アリーナから帰って来たセシリアに
俺はそう言った。セシリアの表情は心底呆れたといった表情だった。
「随分と呆れてるな」
「当然ですわ....操縦もまともにできていない、一直線の攻撃、話しになりませんわ!」
「マジか....そりゃ呆れるわな」
「少しでも期待した私がバカみたいですわ....」
「ご苦労さん....んじゃ、次は俺が行ってくる」
そう言って、俺は手袋をはめながらアリーナの方に向かった。
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セシリアside
「あら、こんにちはセシリアちゃん」
私がビットでアリーナの映像が映るモニターを見ているとヴァネッサさんがピットに
入って来た。
「ヴァネッサさん! お久しぶりです」
「久しぶり。あら、リアム君は?」
「リアムさんならアリーナの方に向かいましたが....」
「ISも持たずにかぁ....何する気なんだろ....」
「IS持ってないんですか!?」
ヴァネッサさんの言葉に私は驚いた。
「IS今私が持ってるからねぇ....」
「だったら急いで止めないと....!」
「いいよいいよ止めなくて。IS無くてもリアム君なら戦えるだろうし。多分、錬金術で戦う
つもりだろうからね。セシリアちゃんも知ってるでしょ?」
そう言いながら、ヴァネッサさんはピットにある椅子をモニターの前に移動させて
モニターを見ていた。
「(リアムさん....)」
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リアムside
風の錬金術を使いながら俺はアリーナに降り立った。
「秋斗! お前何でIS纏ってないんだよ!」
「お前はアダム様を侮辱した。だから、お前が侮辱した人から頂いた力でお前を叩き潰す。
それにはISが邪魔だ。それに....わざわざISを纏う必要がお前には無い」
「お前....! なめてるのか!」
「なめてるか....本当に相手をなめてるのはどっちなんだろうな」
俺はそう呟き、一つ息を吐いて集中した。
『それでは! 三組リアム・ヴァイスハウプト、一組織斑 一夏の試合、開始!』
開始の合図が鳴った瞬間、ブリュンヒルデの弟は一直線に突っ込んできた。俺は一直線に
突っ込んできた奴を見ながら奴の通る進行方向の足元に術式を展開した。そして奴が術式の
上を通った瞬間、術式から土の柱が現れた。奴はブレーキをかけることができず、土の柱に
激突していた。
「前ぐらいしっかり見ろ。その目は飾りか」
俺はそう言って煽りながらアリーナ全域に水の錬金術で氷柱を作り出した。すると、アリーナ
全体の気温は一気に下がっていった。
「ふざけんな!」
ブリュンヒルデの弟は周囲の変化に一切目もくれず再び一直線で俺に向かってきた。
「はぁ....」
「(馬鹿の一つ覚えか)」
俺はそんなことを考えながら攻撃を避け、さっき作り出したすべての氷柱に向かって火の
錬金術で作り出した火の玉を投げた。氷柱は勢いよく蒸発し、アリーナ全域が霧で包まれた。
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? side
「わざわざ手がかかることを....おいガリィ、あのバカ弟子に何を吹き込んだ」
バカ弟子とブリュンヒルデの弟の試合を見ながら、俺は隣にいるガリィにそう聞いた。
「別にガリィは何も教えてないですよ~。ただ、自分の分身の作り方を教えてあげただけでーす」
「分身だと? ....あのバカ弟子、何をするつもりだ」
「あれ~! マスターリアムの事心配してるんですか~?」
「誰がだ。....あの程度に負けるようなアイツじゃないだろう」
「それは確かに~」
そう話していると、ブリュンヒルデの弟のISが光り出した。
「おっと~、あっちの子覚醒したみたいですね~。アニメだったら激熱展開だけど~....」
「....」
ガリィの言葉を聞きながら俺はISを見ていた。すると、ISが持っている剣は光り出した。
そして、ISは地面に向かっていき何かの衝撃でアリーナ内の霧が吹き飛ばされた。
「おぉ....そこそこな威力してますね~」
「....なるほど、それが狙いか」
俺はISが攻撃を放った場所を見ると、そこには赤く染まったISと身体を真っ二つにされた
バカ弟子がいた。この惨状を見た周囲の小娘どもは悲鳴を上げており、ブリュンヒルデの弟は
身体を震わせながら剣を落としていた。
「性根が腐ったやり方....まるでお前だなガリィ」
「いや~それほどでも」
「褒めとらんわ....」
そう話していると、真っ二つにされたバカ弟子が水に変わった。そして、突然ブリュンヒルデの
弟は全身を氷の鎖で縛られた。
「....終わったな。行くぞガリィ」
「はいはーい」
そう言って、俺は観客席を立ちある場所に向かった。
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リアムside
「(はぁ、思いのほかうまくいったな)」
そう考えながら、俺は風の錬金術を使いながらブリュンヒルデの弟の前に降りた。
「お、お前!? 何で生きて....!」
「簡単なことだ。お前が殺したアレ、俺が造った氷のダミーだ。その赤いのもただの血糊だ。
....ここまで見事に騙されるとはな」
そう言いながら、俺は両手に火の錬金術の術式を作り出した。
「にしてもお前、本当に弱いな。ISの知識も無い、使い方も知らない、戦い方もただの一直線で
剣道の基礎....それでよく俺やセシリアに勝てると思ったな」
「まだだ....! 俺はまだ!」
「....そこに落ちてる剣しか武器がないお前がどうやって勝つ。正直、お前とこれ以上やっても
何も得るものは無い。だから、これで終わりだ」
そう言って、俺は術式を一つに重ねた。すると、ブリュンヒルデの弟の足元に巨大な錬金術の
術式が現れた。
「お前がバカにしたアダム様から頂いた力だ。バカにした相手がどれほどの力を持ったお方か、
精々その身で味わえ!」
そう叫んで指を鳴らした瞬間、術式から巨大な炎が吹き出た。ブリュンヒルデの弟は炎に
飲み込また。そして炎が消えると、そこにはISが黒く焦げたブリュンヒルデの弟が倒れていた。
「審判! 判定は」
『びゃ、白式SE残量0....勝者三組リアム・ヴァイスハウプト!』
審判の判定を聞き、俺はピットの方に向かった。
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「リアムさん!」
ピットの方に戻ると、セシリアが俺に駆け寄って来た。
「お怪我はありませんか!」
「まぁな」
「全く....無茶苦茶な戦いするわね」
「ガリィさんから教わった錬金術の応用、思ったより上手くいきましたよ」
「呑気ねぇ....」
「さて、終わったことだし帰りますか。もう用はないですし」
「そうしましょうか」
そう言って、俺達はピットから出た。