Re:ゼロから始める魔女教改革(旧題:魔女教大罪司教の『傲慢』)   作:サンタルチア

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どうもコロナに感染してしまった作者です。
今回は亜人戦争のお話になります。
リハビリという事でちょっと短いです。





P.S.こんなタイトルですが当作品にギアスは出てきません。


魔人が生まれた日

今王国では戦争が起こっている。何やってんだよ団長!

経緯はこうだ。

ルグニカの国境警備隊が亜人族の商団を不当に扱ったことが原因で亜人族側が「てめーはおれを怒らせた」状態になってしまいそこからとんとん拍子で戦争の火蓋が切られてしまった……と、今代の国王のジオニス君から聞いた。まぁ亜人族への蔑視は今に始まった事では無いにしてもそれはないだろ。子供かな?

 

さてここで問題です。

ボクは今どこにいるでしょうか?

正解は──

 

 

「魔女教の魔人だナ!その首貰い受け……るるるるるるるるrrrrrrrrrr───ぁ」

 

「はぁ…もうちょい耐えてくれないかな?」

 

 

答えは戦場でした。やったねアルちゃん屍が増えるよ!やったぁじゃないんだよなぁ…。

そもそもなぜボクが戦場にいるのかと言うと単純明快。ボクとファルセイルが交わした契約の内容に則ったからだ。

クーデターや内戦が起こった場合王国側を支援するという契約に従ってボクは今戦場に立っている。じゃなきゃ好き好んで亜人族の殲滅なんて行わないしね…今も好き好んでやってる訳では無いけど。

 

とまぁ戦争が始まって早数ヶ月が経った今ではボクは王国内では様々な噂が立てられている。

やれ『亜人を殺す亜人』だの『王国の死神』等々散々な言われようだが別に気にしてない。()()()色々な呼び名で呼ばれていたからもう慣れてしまった。慣れって怖いね。

 

さて、そんな戦争だが思いのほかそこまで本気でボクはやっていない。それはまぁもし目の前で失われてしまう王国の命があれば多少本気を出すが如何せんこのようにボクが少しでも瘴気を出すと戦いにすらならずに相手は発狂してしまう。これが死神と呼ばれる理由なのか?

ボク、ただ歩いてるだけで生物殺しちゃうのか。

 

 

「で?まだ続きをやりますか?」

 

「な、なんで…なんでなんだヨ!」

 

 

そう言ってボクの前で声を荒げる亜人の一人が怨嗟の籠った目で睨みながらボクに言う。どしたん?話聞こか?

 

 

「オマエだって、オマエだって亜人族だロ?ナノにどうして王国についていル!?」

 

「そうダ!オマエは亜人族の裏切り者ダ!」

 

 

……はぁ?おたくら何言ってんの?たかだか100も生きてない小童のクセに何舐めたこと言ってんだ?

それにさぁ、ボクはいくら人間とは違うハーフエルフでも亜人族って言う括りでボクを纏めようとしないで。

 

それに意外とボクは短気なんだ。

だから少しくらいの癇癪くらい起こしても許されるよね?

 

 

「塵芥にしてあげるよ…このボクが誠心誠意の力を持ってこの地を、このアイヒア湿地帯を巨大な湖にしてあげるよ!感謝なんてとんでもない!ボクがやりたいなって思ったことだからさ。キミ達は安心してそこから一切動かずに自身の運命に有難みを感じながら死ぬといい。そうだそうだ、逃げなくて大丈夫。ここら一帯を湖に変えるだけだからどうせここに眠ることになる。だからキミ達は只々恭しく、慎ましく、畏んで、懇ろに、謙虚に、ボクを敬ってくれ!」

 

「ひぃぃッ!!!嫌だ嫌だ嫌ダ!じにだぐなイ!!!」

 

「許してクレ!変なこと言って悪かっタ!反省するかラ!!!」

 

「そんな…キミ達はそんなに…泣く程なのか?泣く程……()()()()()()?嗚呼!!!なんと敬虔な事なんだ!これは久しく見たことなかった死への信仰!テュフォン?否、これはミネルヴァだ!彼女程の生死の執着。これが…これがキミ達亜人族が考えていると思うと少々虫唾が走るがそれをボクが兎や角言う資格は存在しない。ボクは止めないしキミ達も考えるのは自由ということだ。さてさて、準備が整った。最後に何か言う事は……ってそんな事は無いか。何故ならキミ達はこれから死という名の祝福が待っているんだから。誰かが言った。死は救済だと。ボクはこれを初めて聞いた時なるほど、と納得同時に感嘆した。だからボクは死とは何かを考えた。そして見つけた。『死は祝福への第一歩』ってね。救済の前には希望があるよね?でも死は絶望とも言う。矛盾してるよねこの二つって。でも矛盾しているようで矛盾していないんだよ。これも誰かが言ったかな。表裏一体って。だから表が希望=救済なら裏は絶望=死となる。ここでさっき話した死は救済へと繋がる。死=救済ならまとめると希望=救済=死=絶望になるよね。これを考えた時ボクは感動……嫌、そんな半端な感情では無かったよ。神へと祝福された気分だった。そこでボクは思ったのさ。死は祝福への第一歩だと。つまり何が言いたいのかと云うとボクは敵対した()()ですら絶対的な救済()を与えるとてもとても敬虔な人物なのだということだよ。おっとっと…話が余計に拗れてしまった。この手の話となるとどうしても長く喋り過ぎてしまうクセがあるからね…済まない済まない。だから…さ、安心して死んでくれ。大丈夫大丈夫、死ぬ時はここらにいる周辺の亜人族も一緒だから。王国側の被害も考えなくてもいいよ。キミ達は人間が嫌いだもんね。一緒にいる空間が嫌いだと思うからキミ達亜人族だけが被害になるように魔法を打てば済む話だよね。そんな魔法あるのかって顔してるね。はたまたそれとも嬉しすぎて賢者タイムにでも入ったのかな?それはさておきさっきの疑問は直ぐに分かるよ。ボクが暇な時間で考えて作った失伝魔法のみを混ぜて創った混合魔法だからボクだけがこの世で使えるとっておきの魔法さ。しかとその身に味わうがいい。自身の祝福とともにね!『雲海暴発』」

 

 

嗚呼、泣きながら喜んでくれてる。嬉しいな。

でもちょっと…眠くなって来た……な────ぁ。

 

 

 

 

 

 

 

「───はっ!戦場で昼寝とは我ながら随分危ないなぁ」

 

 

いやほんとに。何か危ない発言や魔法ブッパしてた気もしなくもないが全く覚えがない。それにここアイヒア湿地帯だよな?

 

 

「湖なんかあったっけ?」

 

 

ボクが起きて早々目前には琵琶湖も吃驚な綺麗な湖が出来上がっていた。もうアイヒア湿地帯じゃなくてアイヒア湖に名前変えてしまえ。

後は…敵どこ行った?あれれ?周りもなんか静かだし争ってたよね?戦争終わってた?

 

疑問が尽きないがとりあえずボクが起きたのに気づいた兵達が何故か感謝してきた。どゆこと?

なになに~…ふむふむ。それボクじゃなくない?でも魔法でここを湖に変えてた?そうですか……ふーん。

 

 

「ボルドー君。それ本当にボクがやったのなら色々と不味くないかな?」

 

「大丈夫ですよアルゴル殿!」

 

 

そう言ってくれるのはピボット君。何でも亜人族の殲滅を行う際の必要な犠牲だったと言う。いや土地に犠牲も何も無さそうだが…ほら、戦争の舞台として使われてる時点でね。

 

結局ボクがやった事になったアイヒア湿地帯アイヒア湖事件はジオニス君から勲章と共にこれからも頑張ってくださいという小言と正式に二つ名が『魔人』になる事になった。ジオニス君って実はボクの事嫌いなの?

 

 

 

 

 

終戦まで後9年───




アルゴル君の異常さが垣間見えた回でした。コイツは何を言っているんだ?(元凶はお前だよ)

魔女教の『強欲』枠についてですが此方でアンケートや感想を見て決めました。アンケートに参加していただいた方や感想等で意見を言ってくださった方は誠にありがとうございました。

『強欲』担当……誰?

  • 原作キャラから
  • 他作品のキャラから
  • オリキャラ(案は活動報告にて)

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