ここはポケモントレーナーが集まる二次書店です   作:二葉ベス

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ショウヒナはあってもいいと思う。そんな話です。
地の文あり、ガールズラブありです。


ワイ氏、夏の花と一夜を過ごすンゴwww

792:名無しのトレーナー

すごいバトルだった……

 

793:名無しのトレーナー

デンボクさん(リングマ)、完全に男すぎて俺もリングマ育てることを決意したわ

 

794:セキ

ありがとな、ドレディアだけじゃなく、ヒナツも救ってくれてよ

 

795:ヒナツ

ガチグマのことといい、ドレディアのことといい、あんたすごいな!!

 

796:ショウ

わたしはお願いされたからやっただけですよ

 

797:名無しのトレーナー

ネキはすごいんよなぁ

 

798:名無しのトレーナー

イッチはすごいんよ。それと比べてお前らときたら

 

789:通りすがりの考古学者

ショウさんは頑張っているわ。それに比べてあなたたちときたら

 

790:名無しのトレーナー

ちゃんぽんェ……

 

791:名無しのトレーナー

考古学ネキは早くお相手見つけてもろて

 

792:名無しのトレーナー

ワンチャンショウちゃんに先越されそうだもんな

 

793:名無しのトレーナー

それにしてもヒスイのドレディアやばいな。癖

 

794:名無しのトレーナー

どエロい

 

795:名無しのトレーナー

ワイは今のドレディアかなー

 

796:名無しのトレーナー

これは戦争が起こるで……

 

797:ユウガオ

すべての いのちは

べつの いのちと であい

なにかを うみだす

 

わしも学ぶことが多かったよ。年を取っても、まだまだ学ぶことは多いね

 

798:ヒナツ

うん、あたしも

 

799:セキ

そうだなあ。ヒナツ、ひとりで抱え込むんじゃねえぞ

 

800:ユウガオ

そう。キャプテンはポケモンと寄り添うことを知っている人間だろう?

 

801:ヒナツ

はい、ごめんなさい……

 

802:名無しのトレーナー

一件落着って感じだな

 

803:名無しのトレーナー

ある意味ショウちゃんもキャプテンに近い人材なのかもな

 

804:名無しのトレーナー

いうてだいたいのトレーナーに言えるけどな

 

805:名無しのトレーナー

ユウガオネキ、いい事いうやん

 

806:ユウガオ

わしは楽しかったよ。それじゃあごきげんよう

 

807:セキ

オレも行くか。ヒナツも言いたいことがあるみてえだし、邪魔者は素早く退散させてもらうぜ

 

808:ショウ

え?

 

809:名無しのトレーナー

む?!

 

810:ヒナツ

ナ?!

 

811:名無しのトレーナー

おや? ヒナツのようすが……

 

812:セキ

あんだけ助けてもらったんだ、礼の一つや二つはするべきだろ?

 

813:ショウ

お礼ならさっきもらいましたけど……

 

814:ヒナツ

リ、リーダー! 別にそういうのは……

 

815:ユウガオ

ひとりで抱え込むんじゃない。さっき言ったことですよ?

 

816:名無しのトレーナー

なんかよくわからんが、逃げ場がないのは分かったw

 

817:名無しのトレーナー

これは完全に外堀埋められてる

 

818:名無しのトレーナー

さぁ、おじさんたちに聞かせてくれないかなぁ(ニチャァ

 

819:ショウ

はぁ……はい、アルセウスフォン電源オフ

 

820:名無しのトレーナー

あっ! ちょ!!

 

821:通りすがりの考古学者

……本当に配信切ったわね

 

822:名無しのトレーナー

えー、せっかく盛り上がってきたのに

 

823:名無しのトレーナー

アルセウス様! 俺たちに百合を見せてくれ!!

 

824:通りすがりの流星ネキ

まぁまぁいいじゃないか!

こういうことはこっそりやってこそが百合の花なんだから

 

825:名無しのトレーナー

てか流星ネキはよ。コスプレはよ

 

826:名無しのトレーナー

全裸で待ってるんだよ。早くして。おやくめでしょ

 

827:通りすがりの流星ネキ

……これ、本当にやるの?

 

828:名無しのトレーナー

安価は絶対

 

829:名無しのトレーナー

安価は絶対よ

 

830:通りすがりの考古学者

安価は絶対

 

831:通りすがりの流星ネキ

……あとで覚えてろ

 

【画像】

 

 ◇

 

「ふぅ、これでシャットアウト! それで、ヒナツお姉さんはどういうお話で?」

 

 最近知った電源の切り方を実際に使ってみた。多分邪魔は入らないはず。

 この辺は元のスマホと同じでよかった。電話もメールも来ないから、電源が入ってなくてもさほど問題ないのも後ろめたさを消すには十分だ。

 

「とりあえず、ドレディアと話さない?」

『でぃでぃ』

 

 ドレディアが話したそうにこちらを見ている。

 あれだけ死闘を繰り広げたのに、まだ元気そうにしているのは単純にクイーンというポケモンの格としての違いなのかもしれない。

 リング……デンボクさんの治療もあるし、他のポケモンたちの療養にもなる。話に乗ることにしよう。

 

「みんな出てきて!」

 

 重症であるデンボクさんは壁を背に座ると、ドレディアが不思議な舞を踊り始めた。

 シアたちもその姿を見て、心を躍らせたのか飛んだり跳ねたり歌ったり。それはもう小さな宴の会場だった。

 

「何やってるんですか?」

「ドレディアが癒してあげてるんだよ。って言っても、この子には鼓舞する力しかないから、半分は趣味でもう半分は気遣っての行為かなって」

「……やっぱり、ポケモンたちも生き物なんですよね」

 

 わたしたちは手短な岩の上に座ると、ポケモンたちの宴の様子を親目線のように見る。

 未来に置いてきたグレイシアたちも、こんな風に楽しんでいるといいな……。

 ぽつりと空に消えていった言葉を、ヒナツが逃すことはなかった。

 

「あんたってホントに不思議だよ」

「そうですか?」

「うん。ポケモンに対して恐れを抱いていない。むしろ親しい友達と思って接してる。すごいよ」

 

 そんなことはない、と思う。

 この時代の人たちと価値観が違うだけ。たったそれだけだ。

 それ以外は本当に普通の女の子。わたしなんかより、カイちゃんの方がすごい。

 

「ありがとね。ホント、あたしは助けてもらってばっかりだ」

 

 ふと隣を見る。また暗い顔をしている。ひとりで抱え込みそうな顔。自分が与えられてばっかりだって。だからお返ししなきゃって、そんな顔。

 放っておきたくない。それは立派な才能のひとつだと思う。

 言い方を変えれば人気者の条件。ヒナツお姉さんが慕われているからこそ、頑張っているからこそ、周りの人々はヒナツお姉さんを支えたくなる。

 ひとりぼっちじゃ、脆くて今にも崩れてしまいそうなヒナツお姉さんだから、みんなで支えたくなるんだ。

 

「あたしってまだ若い方でしょ? だから他のキャプテンにも負けないように、頑張らなくちゃって。だから今回だって、ガチグマに迷惑をかけちゃって怖かったし、ひとりで何とかしようって走り回ってたけど、リーダーやユウガオさんに抱え込むなって言われちゃった」

「放っておけないんですよ、ヒナツお姉さんのことが」

 

 最初の出会いは本当に些細なものだったと思う。

 けど、こうして隣に座って、ポケモンたちの宴を目にしながら心の内側をさらけ出してくれている。

 そんな頑張り屋を、どうして放っておくことができようか。

 

「わたし、時間は少なかったと思いますけど、ヒナツお姉さんがいっぱい頑張ってるところ知ってます! ポケモンたちのことを考えて、いっぱいいっぱい頑張ってるところです!」

 

 セキさんは、ユウガオさんは抱え込むなって言った。

 迷惑だからとかそういうのじゃない。その根底には、きっと……。

 

「ポケモンと寄り添うのがキャプテンなら、寄り添う自分のことも考えなきゃですよ!」

 

 ヒナツお姉さんが潰れてしまわないように、っていう優しさが眠っているんだ。

 

「ショウ……」

「だからわたしも出来ることがあったら協力します! 怪しい奴かもしれませんけど、絶対後悔させません!」

「……ふ。あはは!」

「え、何か笑うところありました?!」

 

 フタチマルとビーダルが宴会芸を開きながら、ポニータは大地を蹴り、ホークスが宙を舞う。

 シアもドレディアと一緒に踊って、デンボク、さんはそれを見て目を細める。

 そんな姿を見て笑ったんだろうか。確かに一種の幸せなのはわかるけど……。

 

「それを言うならショウもだよ。あんたも頑張りすぎ!」

「え?! このぐらい、普通ですよ!」

「いーや! 普通は人のために命を張ったりなんかしないよ!」

 

 それは、そうなんですけど……。

 なんか釈然としないっていうか。わたしにはその価値しかないからやっているだけなんだけどなぁ。

 熟考して、何度もネイティオみたいに首をかしげていたら、それを見てだろうか。またヒナツお姉さんが笑った。

 

「あはは! ホント、ドレディアを救ってくれた英雄がまさかこんなあほの子だったなんてね!」

「酷いですよ! わたしあほの子違います!」

「はー、面白いなぁ……」

「人のこと笑いものにしてぇ……」

「ねぇ」

 

 ふっと、花の香りがした。真夏の夜で空に咲く花びらのように。

 火薬じゃない。そういう雰囲気の匂い。漠然とあいまいで、でも記憶の中にしっかり残っている素敵な空気。

 

 香りをたどった先には快活で、どこかくすぐったくて鼻の頭をこすってしまうような、そんな年相応の美少女がこちらを向いて、口にした。

 

「あたしと、友達になってくれない?」

「え?」

「ほら、こうやって胸の内側を口にするのって、信頼している人にしかできないし! あたしはショウのことを信頼してるんだよ! だから友達!」

 

 顎を手首に乗せて笑う彼女の姿は本当に絵になる花だ。

 わたしにはもったいないぐらいで、でも頼もしい微笑み。寄りかかっても、きっと数十倍にして跳ね返してきそうな可憐さ。

 わたしは、どう答えるべきだろうか。いや、答えはとうに出来ている。

 けど、ここでの最初の友達は。

 

 脳内にちらつくのは凛々しくてかっこいい。でも可憐で今にも手折れてしまいそうなほど危なっかしいあの子。海の宝石のように大切な、真珠。

 

「少し、待ってくれると嬉しいです」

「ダメ?」

「いえ! そんなことないです! ぜひなりたいです!! ……でも」

「……意中の相手でも?」

「はい。この世界で初めて友達になりたいって思った子がいるんです。その子からじゃ、ダメですか?」

 

 自分でもかなりのワガママを言っているのは百も承知だ。

 けど、ここだけは自分を曲げたくなかった。大切なあの子。最近は会えてないけど、それでもまた会えたら絶対に言うと決めてる子。

 

「……そんな目で見られたら、待つしかないね」

「ヒナツお姉さん……」

「まっ! あたしの方が年上っぽいし? そのぐらい待ってあげようじゃないか!」

 

 少し膨らんだ胸をそりながら、胸元をこぶしで叩く。

 どや顔ヒナツお姉さん、ちょっとかわいい。

 

「だから、また来てよ。ドレディアと一緒に歓迎してあげる!」

『でぃでぃ!』

 

 ドレディアの方を見れば、リングマ、じゃなくてデンボク、さんのほっぺたをぺちぺち叩いていた。

 あー、なるほど。悔しいのか、デンボクさんに渾身の一撃を受け止められたのが。

 

「うん、絶対!」

 

 それから夜が更けるまで、わたしたちはポケモン図鑑を一緒に見たり、ポケモンたちの遊んでいる姿をずっと見ていた。

 

 ◇

 

1:ショウ

わたし、カイちゃんと友達になってくる!

 

 ◇




紅蓮の湿地編、これで終わりです。
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