この世は盛者必衰
人の時代は突如終幕へと落ちた。第三次世界大戦にて、各国保有する核を全て撃ち放ち終わったわけでもなく、天使たちが喇叭を吹き、人類の選別を行った訳でも無い。
ただ、終わるべくして終わった、ただそれだけである。
発展し、汚れた空気は浄化され綺麗になり、新たな星の海、空、大地には高純度が高い
しかし、高純度であるがためにそれは人には毒であった。
──だが、そのことに納得できない8人の魔法使いがいた。彼らが持つ神秘は科学によって失なわれ、それゆえ世界の裏側にある楽園に隠れていたのだ。そして訪れた終末を目の当たりにし、どうすればこの高純度の
その一人の魔法使い。赤髪の少女が腹案を口にする。
「──神話再現」
他の魔法使い達は驚いた、それは禁忌の魔法であり、理論上不可能と言われた。
「だけど、この高純度の
ざわめきは収まらず、彼女以外の7人の魔法使い達による賛成や反対の意見がぶつかり合う。
「それをするっていうことは、つまり……」
また一人、眼帯をつけた男の魔法使いが神話再現と提言した魔法使いの赤髪の少女に顔を向ける、赤髪の少女のその顔はとても悲しそうな表情していた。
「───そう、私達はもう人として戻れない。けど、これしかないないのも事実。神から人の時代のように今度は人から神の時代へと、それがもう一度人がこの地球の栄華を手にはいるの」
赤髪の少女は両手を天に掲げて優しく微笑んだ。
「──そしていつだって英雄譚は弱者が強者に勝利するものよ」
彼女はそう言い残し、その言葉に感化された7人の魔法使いたちは禁忌の魔法『神話再現』を行った。
ー○●○ー
「こらっ!!三神燈」
「フガっ!!」
そこは教室、カビ臭い匂いと湿り気を感じながら銀髪の青年が眠っており、女性の大人が教科書を丸め、ゆっくりと頭を叩いた。唐突なことに青年は勢いよく頭を上げる。その表情はしまりがなく、とてもだらしなかった。
その表情に教室に男女は笑い声を上げる。青年は周りを見て目の前に仁王立ちをしている女性に顔向けて見上げた、某忍者のようにぴっちりとしたスーツ。上からはジャージを着た。青髪に青目、アホ毛が自立したようにピコピコと動いている
青年はいつ見ても、子供たちに勉強教える服装に見えないなぁ、と感想を抱いたが、それを言えば鉄拳制裁を喰らうことを目に見えていた。
「なに?何か、言いたいことがあるの?」
「いやぁ、いつ見ても三神先生にあるまじき格好しているなぁって……あっ……」
銀髪の青年は咄嗟に両手で口を覆うがすでに遅かった。目の前にいる女性の怒りはすでに限界を超えていた。
「へぇ〜、それが貴方のの遺言でいいんだねえ?」
「いやいや、ちょっと待ってくれよっ!!そんなに怒るとシワが増えるよっ!!ここ最近、鏡をみてため息を……しまったぁ!!」
青年は叫び、教室ではどよめきが止まらず担任はゆっくりと……一歩、また一歩確実に近づいてくる。
「そうだ、三神燈っ!!」
「は、はいっ!」
突然に名前を呼ばれて青年は大きく声を出した。
「私ね、最近新しい趣味が出来たの。聞いてくれるかな?」
急に笑顔になった担任の表情に、血の気は引き、口元がひくつく三神燈。
「へ、へぇ……そうなんですか、どんな趣味を?」
「それはね──」
いっつも一言多い馬鹿義弟を殴ることよっ!!」
担任からオーラが放出し、一気に三神燈の元まで跳躍し、拳を握り彼の顔面を殴った。
「ブハァァッ!!」
あまりの勢いに三神燈は教室の黒板まで飛んでいき、黒板を打ち抜き隣教室まで飛んで行く。
「な、何事ですかっ!!」
三神燈が吹っ飛ばされた場所は隣の教室だった、彼がいた教室よりも少し豪華であるが、吹っ飛ばされた衝撃に壁は砕け、本に埋もれる三神燈……先程まで教鞭を振るっていたののクラスメイトたちは真っ青にしていた。もはやこれは授業どころではなかった。
「ごめんなさいね………馬鹿の義弟が一言余計だったから」
義弟の姉でもある教師は義弟であり殴打により気絶した三神燈の服の襟元を掴んで、メガネの女性先生に軽く謝った
「は、はぁ………」
それで、何故隣の教室まで打ち抜くほどの威力で殴るのか、と疑問に思いながらもそれを口にはしない良識が彼女にはあった。隣のクラスの生徒たちのざわめきを無視し、青髪の先生は気にせず突き進み、本の山へと手を突っ込み片手で三神燈を引っ張り上げた。
「ほら、あなたもちゃんと謝りなさいっ!!」
「ご、ごべんなざい……」
頰が膨らみ、うまく喋れない三神燈は懸命に謝りながらも姉に引きずられていき、それを見送る隣のクラス生徒たちであった。
ー○●○ー
『午後12時をお知らせします………私
「あれ?もう終わった……まあ、いいよね。それじゃ今日の授業はここまで、各自、明日の朝八時までにレポートを纏めて提出する様に……それと三神燈は教室の修繕が終わらせない、いいわね?」
「………わかったよ、姉ちゃん」
「ここでは三神先生と言いなさい、義弟」
生徒をつよく睨みつけ担任はそのまま教室を出て、クラスメイトたちは放課後を楽しむために楽しそうに話しながら、三神燈だけが悲しそうな表情していた。頰がまだ痛むのか手を優しく添えた。
「よお、そんなにため息を吐くと幸せが投げていくぜ」
「桐生くん、そんなこと言っちゃダメだよ。三神だって言いたくて言ったわけじゃないんだから」
赤褐色の髪をし―――クラスメイトの中では一際目立つ筋肉を持つ褐色肌の青年が三神燈に話しかける。褐色肌の青年の後ろに金色の長髪の女性―――髪はところどころ癖っ毛がある。
「なんだよ、桐生に美咲………お前らは相変わらず仲睦まじいな、まるで夫婦だ」
赤褐色の髪が特徴ある青年は桐生和虎、その後ろにいる眼鏡をつけ、金髪が特徴ある女性輝夜美咲。物心ついた時から3人仲良しである。
そして先程、三神燈の顔面を殴った青髪の教師………三神葵によく怒られていたことを思い出す中、二人は顔を真っ赤にして慌ていた。
「ばっ!!違えよ!!」
「そそそそ、そうだよ……私と和虎くんとはそういう中じゃないんだからっ!!」
その慌て様を見た三神燈は自分たちの首を絞めていることに気づいていないのだろうかと思いながらゆっくりと立ち上がる。
「つーか、お前だろう?この前のバレンタインの時、美咲が俺に本命チョコくれたのって言ったの?あの後、マジで俺死ぬと思ったぜ………嫉妬って怖いなぁ」
桐生の言葉に三神燈は深く考え込み…………思い出したかのように手を叩いた。
「ああ、あれか………えっ、あれって本命じゃないの?」
「ち、違うよ……いつも依頼で助けて貰っているからそのお礼で………」
三神燈の言葉に美咲は頬を真っ赤にしながら否定した。それを見たクラスメイトたちの空気が重くなる。
「なあ………学校の後ろに底なし沼あったよな?」
「ああ、次はあそこに沈めるか……」
「学園の偽装工作としての作戦は田植えで行こうぜ……」
小さく話し声が聞こえた桐生は、怒気を込めた表情で三神燈の襟元を掴み近づいた。
「てっめぇ、いい加減にしろよ………お前は俺を殺す気か?」
「おいおい、恋のキューピーッドに対してその言い方はなんだよ……泣くぞ?」
「てめぇはキューピーッドじゃねぇっ!!悪魔じゃボケェ!!」
言葉を全否定した桐生に三神燈はやれやれと呆れていた。
「それはひどいぜ、それにキューピーッドは悪魔じゃねぇ……ギリシャ神話に置いての原初の神エロースが起源だぜ……だから俺はお前と美咲をアポロンとダフネのようにだな」
「それ、てっめぇっ!!それ恋が成就しねえからなっ!!……たっくっ!!お前はいつも…… 田植えの依頼があった時は楽しみにしとけよ」
「そろそろ、俺の命の危機を感じるからそろそろ離してくれ。それに俺はまだ米になりたくない」
桐生は渋々と三神燈の服の襟元を手放した………服を叩き机の下にある工具箱を手に持ち……壊れた壁と黒板方へと向かった。
「燈っ!!明日、依頼があるからなっ!!絶対忘れるなよっ!!」
「わかってるよっ!!本当に…俺たちみたいな落ちこぼれのクラスにも依頼が回ってくるなんて………どれだけ忙しいんだが……」
三神燈たちが通う学園……そしてこのクラスは三クラスに分かれている。
秀でた才能を持ち将来を約束されたクラス:
秀でた才能は目立たないがバランスが取れたクラス:
そして三神燈たちいるクラスであり、平均以下で突出した才能も力もない落ちこぼれのクラス
三神燈も落ちこぼれの一人であった。
ー○●○ー
三神燈は黒板とクラスの壁の修復を終えた時にはすでに夜であった。高純度の
そんな景色をぼーっと意識を離したようにただ眺めていた。
「………昼の時に見た……あの夢……なんなんだろう」
三神燈の頭にはそれしかなかった…………その夢は何を伝えたかったのか分からずにいた。
三神燈の世界は終わり……そしてまた始まった。神話再現の魔術により、高次元にいた神々を8人の魔法使いたちの肉体におろした。
神話再現を行い、人類史を進め過去の人類たちが発展した世界を取り戻す魔術。
しかし、10年前、日本にて神話に置いて起きないはずの厄災が起き、その厄災は嘲笑うかのように人の命を奪い、日本の土地全てが不毛の土地となった…神民の命の危機を察知し、日本を治める魔法使いであり、天照大神の神性を引き継いだ魔法使いの名の元に日本を抜け出したのであった。
「……まじで神の考えることってわからないなぁ」
そう呟きながら、彼は月と真っ黒な球体を見上げながら……ポツンと一人で歩くのであった。
ー○●○ー
「そういえば依頼ってなんだっけ?」
「お偉いさんの愛娘がペットがこの森に入って三日経った今でも戻ってこないんだってよ」
それを聞き三神燈は落ち込んだ………基本的に落ちこぼれでもあるために依頼のほとんどが雑務である。
「まじか…………ところで、美咲……」
「どうしたの?」
三神燈は輝夜美咲の異変に気づき……ジッとみる。森でもあるために汚れても困らない服装………肌にピッチリ貼り付き、光沢ある水色のスーツ。学園から支給された服装の一つである。
「なんか……変わった?」
「そ、そうかな………まさか太った?」
輝夜美咲は自身の身体を改めて見たこのボディースーツは鍛治神である
そのためにどうしても身体の曲線が出てしまう、この女性輝夜美咲は、全クラスの中でも成長している。そのために、彼女の全クラスが結合された親衛隊がおり、話すだけでも親衛隊の極刑は免れない。
幼馴染みでもあり、彼女とチームを組んでいる二人、三神燈と桐生和虎は顔を見合わせる。
「なぁ………」
「ああ……」
二人の間にすでに言葉は要らず、ゆっくりと拳を合わせて深く頷き、このスーツを作った
そのことを知らない輝夜美咲は首を傾げる。
「どうしたの?」
「い、いや、何もないぞっ!!行くぞ、燈っ!!」
「そうだなっ!!早くしないと文句を言われかねないっ!!」
二人は邪推な疑問を知られたくないために話の話題を逸らし、高笑いをしながら肩を組み、森に進み、何があったの?と首を傾げながら疑問を感じながら後ろを進んだ。
ー○●○ー
「おーい、そっちはいたか?」
「いねぇっ!!美咲はいたか?」
「こっちもいないよ」
二時間が経過するが、生物一匹も見つからない。草の根を分け、木々の上を見上げて探すが見つからない。
「なあ、二人とも、これはもう、ご臨終でいいんじゃない?」
草の根を分けていた燈はゆっくりと立ち上がり、後ろにいる二人に顔を向けた……生き物の気配すら感じない薄暗い森。桐生和虎と輝夜美咲の顔から疲労感を出していた。
「やめろ、そんなこと言ったらあのハゲに少なくとも二時間の嫌味を聞くぞ」
「そうだよ」
それはそれで嫌だと感じた三神は肩を落とし、落ち込んだ。
「とりあえず、飯にしようぜ、あっちに座れる場所あったしよ」
三神燈の提案に二人は頷き、3人はベンチへと向かった。
──その時だった。
──すてない……で
「うん?……なあ、美咲…なんか言ったか?」
「え?…私、何も言ってないよ」
唐突に話しかけられた為にキョトンとした表情をした。三神燈はたしかに小さく何かが聞こえたことに疑問を持ち固まる。突然のことに桐生と美咲も顔を見合わせる。
「お前、きっと疲れたんじゃないか?」
「そうか、そうかも」
桐生の言葉に納得出来ず、心ここにあらずの状態で前に進もうとした時だった。
───私を捨てないで。
「やっぱり聞こえた……こっちだっ!!」
「お、おいっ!!」
止めようと桐生和虎は声を出すが、その声を聞かずに、三神燈は別方向の森の奥へと走った。細く小さく──いつ消えてもおかしくないほどに小さな声に心臓の鼓動が速くなり、呼吸が荒くなる。
「───ハァハァ、どこから聞こえてくるんだよ」
周りを見渡したが、人の気配を感じることが出来ずさらに奥を歩いた。その目の前にあったのは古びた遺跡だった。それを見つけた三神燈は首を傾げた。
「なんで、こんなところに遺跡が?そもそも、ここ空中船だぞ……違和感しか無い」
──私は、この奥に。
「この声───ッ!!」
脳に謎の声が響き、頭痛に悩まされる三神燈だが、今はそれどころじゃいと大きな石の扉を力一杯押した、長年使われていない遺跡なのか数センチの隙間しか動かせることができず、その隙間に潜り込み中に入った。
「なんだよ、これは?」
その中は湿り気があり、一本道が続いていた。湿り気により苔が繁殖しているが、高純度
「進むしかねえか」
ただ真っ直ぐと苔の光を頼りにして前に進んだ。
ー○●○ー
「ここ……遺跡の構図とあっているのかよ」
一本道を通り抜けた先にあったのは、湖だった。草木が湖の中から生えていた、それはとても幻想的な景色だが、三神燈の視線は中央にある祭壇だった。
祭壇の上には景色と似合わない棺が置いてあった。
──私、この中、寂しい
「あの棺に、何かが」
緊張で口の中に溜まる涎をごくりと飲み込み、ゆっくりと棺の方へと向かった。
「──デカイな」
思わずそうつぶやいてしまった三神燈は棺をゆっくりと開けた瞬間、光が発生し、三神燈の意識はぶつりときれた。
拙者、光沢ピッチリスーツが好き好き侍と申すために、描かせていただいた所存。