──暗く。
──曇天の空が日の本を覆いこむ、厄災は嘲笑うかのように日の本の地に住む人々の命を奪っていく。
三神燈が住む集落もまた厄災は堕ちてき嘆き、怨嗟の声が集落に木霊する。
───天照様、助けてくださいっ!!我々は間違えたのですか!?我々は人類史は終わるのですか!?
───痛い、痛いよ……お母さん。
天に住まう、神々に祈りを送るが、それは意味なかった。
その厄災もまた
そして日の本の地は永遠と不毛の土地となり、人々はその土地で眠る親達と育った土地から永遠と離れることとなった。
三神燈は幸運にも、子供体格だった為が瓦礫と瓦礫の中に隙間にいた。真っ暗で何も見えない。瓦礫を動かす体力も気力もなく、上を向いているのか下に向いているのかもわからない状況だった。
その時だった、三神燈の頭上から瓦礫がなくなり光を差しこみ、突如現れた手手は三神燈の細く小さな手を掴み引っ張り上げた。
「……だ……れ」
意識が薄れ視界はぼやけていく中、三神燈は一所懸命声を出した。その時三神燈の頰に小さな粒が落ちた。
それは涙だった、三神燈が助けた人物が涙を流していたのだ。
──ありがとう。
三神燈を助けた人物は感謝を伝えた、なぜ助けた相手に感謝の言葉を述べたのかはわからない。
───生きてくれて、ありがとう。
それはまるで自分が救われたようにただ何度も何度も三神燈に感謝の言葉を言った。
ー○●○ー
「───ッ!!」
三神燈の意識は回復した、棺の前で倒れいたのだ。何故、思い出したくもない過去の記憶を思い出したのかわからないままゆっくりと立ち上がる。
「ああ、頭が痛い」
ズキズキと痛みに耐えながら目の前の棺を見つめる。
「また触ったら、意識奪われそうだし……どうしようか」
このまま街に戻り衛兵たちに報告し、全てを任せたいという反面仮に貴族が所有する遺跡なら不法侵入したことがバレてしまい姉に怒られることを三神燈は恐れた。
ゴトッ
何かが落ちる音が聞こえた、それは棺からだった。
棺の蓋がずれ、そのまま重量に身を負かすように倒れたのだ。
「………は?」
その中にいるものを見て三神燈は固まった、棺の中にいたのは少女だった。整わず癖っ毛があり、腰まで伸びた赤い髪。
三神燈たちと似た赤いボディースーツを着ており、その豊かに育った胸の中央には紅玉が埋め込まれていた。紅玉は光の屈折により、まるでその中で燃えている炎がとじ込まれているように錯覚してしまう三神燈であった。
その輝きに思考を奪われていく三神燈。
「……ハッ!!どういうことだよっ!?」
思考を取り戻した三神燈は驚き、慌て遺跡の中で大声を出し慌てた、何故ここで少女が寝ているのか疑問でしかなかった。
「おーい、燈!!どこだよっ!!」
三神燈の後ろから桐生和虎の声が聞こえ振り返るが、そこにはいなかった。洞窟の壁に声が反響し聞こえたのだろう。
「おーい、ここだっ!!早くきてくれ!!」
自分はここにいるぞと二人に向けて大声を出せば、壁に木霊していく。
二人が来るまで、周りに何か手がかりが落ちていないかを探す。
「まさか、あの爺が探していたペットが彼女じゃないだろうなぁ、うん、ないか。旧人類じゃあるまいし、そんなことしたらこの船から即追放……うん?」
三神燈は彼女が抱える大きな箱を見つけた。絶対に手にはなさいようにしっかりと両腕で掴んでいた。その箱は右は金色、左は銀色と対になるようになっていた。
「うわーすげぇ、俺素人だけど絶対にこれは高い箱だ」
三神燈は興味本位で右手を箱の方へと手を伸ばした。
「やっとここに………おい、何してんだよ」
桐谷和虎と輝夜美咲がタイミング悪く現れて、声が聞こえた三神燈は固まった。二人もすぐに寝ている少女に気づき、何かを気づいた桐生和虎は三神燈をゴミ虫を見つけたように三神燈を見下していた。
輝夜美咲も口には出してはいないが、一歩後ろへと下がっていた。
「てめぇ、遂にやっちまったな……クズ野郎と思っていたがそれ以下だったとはな」
「はっ!?それどういうことだよっ!?」
突然の罵倒に納得できずにいる三神燈、すぐさま桐生和虎は指を刺した。その方向を見れば棺に箱を持ち眠る少女である。
「てめぇが見知らぬ少女を誘拐して、偶然装ってその子に変態行動をするつもりだろがっ!!」
「お前は俺を変態したてあげて何をしたいんじゃっ!!このムッツリ筋肉がっ!!」
その後互いに罵声を浴び合い、輝夜美咲はどうすればいいのかオロオロしていた。
2人の罵声はヒートアップし、互いの拳を相手の顔面へとめり込ませる決意したときだった。
「………う」
「「「……え?」」」
3人の耳には聞き覚えがない声が聞こえた、桐生和虎と三神燈は喧嘩をやめて、輝夜美咲は小さく震えていた。
小さく聞こえた声の正体は赤い髪の少女だった。
「なあ、俺の書き間違えか?いま、あの子から声が聞こえたんだけど」
「俺は聞こえたな……美咲は?」
「私も聞こえた」
輝夜美咲は小さく頷き、赤い髪の少女が眠る棺へと近づいたの同時に赤い髪の少女が輝夜美咲の方へと倒れた。
「きゃっ!!」
「美咲っ!!」
突然倒れて、受け止める準備をしていなかった輝夜美咲と少女は倒れ、それを見た桐生和虎は慌てて美咲たちの方へと走っていった。
「……お前ら、それで付き合っていないのかよ」
三神燈は小さく呟き、2人とは逆に落ち着きながら2人の方へと向かっていった。
ー○●○ー
「……大丈夫かよ?」
未だに気絶している少女を横に、桐生和虎と三神燈は輝夜美咲を心配していた。
「地面による軽い打撲……ちょっと休めば服で自然治癒だな、というより、美咲は力がそこまでないんだからあんまり無理するなよ」
「う、うん……2人とも心配させてごめんね」
桐生和虎は小言を言いながら美咲に手を差し出して立ち上がらせた。
「それでどうする?流石にこのまま放置にもいかねえぜ、ここは一旦撤退を推奨するぜ」
「とはいってもこのままじゃ、俺らの今月の生活費が……」
桐生和虎の提案に、三神燈は悲しそうな表情をして肩を落としていた。
「あほか、ハゲの貴族の機嫌取りよりも放置して姉さんに鉄拳制裁の方がこわいわ」
「……たしかに、それじゃすぐ帰るぞ」
義姉の恐ろしさを身に染みており血の気が引き、すぐさま三神燈は貴族のご機嫌取りよりも姉の機嫌を取ることを決意した。
「ほら、桐生!!早くその子を持ってあげろよ!!今こそその偽筋を使う時が来たぜ!!」
「お前は俺を怒らせるのが得意だな、俺はこのまま美咲を連れて帰るぜ……」
桐生和虎の言葉に三神燈は納得いかないのか眉間に皺を寄せて、その表情は怒りに満ちていた。
「は?ふざけんなよ、知らない女の子を俺が背負っているところを見られたら変態認定されるじゃねえか!!」
「安心しろ、お前は生まれた時からミシャグジ様のご加護があるだろ?」
桐生和虎は親指を立てて、爽やかな笑顔で浮かべ親指を立てて三神燈を見送る。
「どうしよう、俺は今すぐお前の親指をへし折りたい」
「美咲、とにかく俺の背中に乗れ」
「う、うん」
桐生和虎は輝夜美咲に背中を向けた、輝夜美咲は頬を少し赤く染めながら背中に乗った。
「……まてよ、この情報をクラスのやつに売り込めば、俺の手を汚れないのでは?」
「安心しろ、その時はこの情報を売り込んでお前も道連れだ」
桐生和虎の反乱に打つ手なしと落ち込み、渋々と赤い髪の少女へと近づいた。男とはいえ桐生和虎より力がない三神燈はどう持ち上げればいいのか迷っていた。
「なあ、もう一回言うけど犯罪にならないよな?俺、まだ死にたくない」
「大丈夫、その時は私も桐生くんも弁護するから……安心して」
輝夜美咲の言葉を信じ、三神燈は少女を持ち上げようとした時だった。
「うん……?」
少女は目をパチリと開けた、少女の胸に込められた赤い宝石と同じように瞳もまた赤い瞳であった。
その美しさにまた三神燈は唖然とし、動けなかった瞬間だった。
「うわぁぁぁぁ!!!」
「グベラッ!!」
少女が狂気に囚われたように暴れ、その細腕から想像はできない拳が、下から上へと繰り出され、見事、三神燈の顎に入った。足が大地に離れるほどに浮かび上がり数秒浮いていた。
「燈っ!!」
「燈くんっ!!」
脳が揺れ。三神燈の視界が狭まり大地に倒れた時には意識が消えていた。自身の頭の中で『あれ、最近俺倒れるの多くない?』とどこか他人事であった。
ー○●○ー
三神燈が目を覚ました時は学園の保健室だった、三神燈は自身の頭が何かが巻かれていた、それは包帯であった。
「………イツツ、何で俺保健室に………」
「目が覚ましたね、バカ弟」
保健室の扉付近に声が聞こえ、三神燈は振り向くとそこにいたのは義姉の三神
「あれ?……桐生と美咲は?」
「あの子達なら事情を聞いて、もう自宅にいるわ……問題はあなた」
三神
「ね、ねえちゃんっ!!ごめんって!!といってもあれは仕方がないことで………え?」
三神月夜は両手を三神燈の背中に回し、優しく抱いた。突然のことに三神燈の頭は何もかもが理解出来なかった。人にも厳しく他人にも厳しい義姉がここまで優しくされたことは一度もない三神燈である。
ああ、これはもしかしたら夢かもしれないと一瞬現実逃避するが、自身の胸に義姉の豊満の胸が当たり、これは現実だぞ脳が語りかけてくる。
「バカ………何であなたはいっつも怪我して帰ってくるのよ」
「………ごめん、義姉ちゃん」
義姉の身体が小さく震えるのを自身の肌で感じる三神燈、過去の厄災で知り合いも家族も失ったのは三神燈だけでない、この神船に誰もが家族や親族を厄災によって奪われたのである。
重い空気が保健室を包み込み中、三神燈はとあることを思い出した。
「そういえば姉ちゃん……俺を殴った奴って……」
「ああ、あれね……桐生和虎からすぐに応援要請来てね。すぐに気を失わせて、衛兵に頼んで罪状は不法侵入ね」
どこか納得いかない三神月夜の顔をみた三神燈だが、もはや自分にはどうすることも出来ないことに一旦片隅に置いた。
「けど流石義姉ちゃん!!刀を奮えば鬼神もいや、トールもインドラも逃げ出す、その力で俺の背中が締め付けられてものすごく痛いぃぃぃぃ!!」
三神燈の一言余計な言葉に堪忍袋の尾が切れた三神月夜はゆっくりと万力のように三神燈を締め付けていく。
「貴方はいつもいつもいつもっ!!心配した私が馬鹿だったわっ!!、」
「あっ、でも柔らかな感触が前から伝わって、僕の肋骨が一本一本ゆっくり折れる痛みがぁぁぁぁ!!」
流石にこれ以上はと思った三神月夜はゆっくりと離れたがその目にはまだ怒りの炎が灯されていた。
「いいわね、あなたは今日ここで休みなさい。必要なものが私が持ってくるから」
「………」
三神月夜はそれだけを言い残し、保健室の扉をゆっくりも閉めた、すでに虫の息である三神燈は姉に声に反応する気力もなく、ゆっくりとベットに倒れた。
ー○●○ー
神船
その女性が降りた先にあったのは、空中に柱が浮かんでいた。周囲には文字が刻まれた石が四つ展開されており、半透明の壁を形成していた
その柱に締め付けられていたのが赤い宝石を埋め込まれた赤髪の少女であった。気を失い生気を感じないが、女性は気を失っている少女を強く睨んだ。
「…………パンドラ………何故、あなたは生きているのですか?」
その二人の姿は………瓜二つであった。
甘い空気は打ちこわしたい私でした